町田そのこのレビュー一覧
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ネタバレ人生の現実の姿をありのままに描く作品
○この作品を読んで
この作品は、生きることについてさまざまなことを教えてくれる。自分がこの本から学んだ人生のことを書く。
①ごはんの力
会社の打ち上げや歓送迎会、政治の食事の場、晩餐会、初デートの場。これら全てに共通するのが、「ご飯(食事や飲み物)」があること。当たり前だけど、食事の存在って人間になくてはならないもの。それは、体のエネルギーとして必要ということではなく、人のつながりを作る上で必要だと思う。その重要性が、「宙ごはん」に詰まっていると思う。
パンケーキで元気になる宙、育児などで元気の無くなっている人へのポタージュ、一歩を踏み出す力を -
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『星を掬う』を読んで、もっと町田 そのこ作品を読みたいと思い立ち、直ぐさま書店に駆け込んで購入した5作目の町田作品。
『52ヘルツのクジラたち』、『宙ごはん』や『星を掬う』ほどの大きく心を抉られるシーンは少ないので、『コンビニ兄弟』と同じくらい町田 そのこビギナーにはオススメの作品だと思います❗️
連作短編集というと、ひとつひとつの内容が少し薄くて物足りないと感じる作品も多い中で、本書は中々重量感ある内容でなおかつ、バットエンドではないところが作品の魅力かなぁと思います。
登場する男性陣はどうしょうもないキャラクターが殆どだけれども、女性陣はみんなそれぞれ大なり小なり挫折をしながらも前向 -
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町田そのこさんの本を初めて読んだ。映画は飛行機の中で「52ヘルツのくじらたち」を観たことがあって、きっといい話だろうと期待して読んだ。
短編五篇の連作もの。特に初めの二篇が、単独の作品としても繋がりものとしても、とてもよかった。
一編めのミスリードには、綺麗に合気道の技を貰ったような感覚だ。
二編目の表題作の主人公、晴子さん(小六)が夏休み直前に「孵化」する様が最高だ。
懸命に生きるってやっぱり素敵なことで、ひとを貶めたり侮辱したりする権利なんて、どんなにエラいひとにも、カースト上位の人にも無いのだ、と言う当たり前のことに気付かされる。
辛い場面は多々あるものの、読後感はとてもよいの -
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ネタバレ葬儀屋の話。
同じ世界観の何人かが順番に語り手を務める。
本当にすごく良かった。
そもそも葬儀屋への感情みたいなものにも変化があったと思う。今までは特に何も思っていなかったが、死という誰もが通るイベントに立ち会うと言うだけでも素敵な仕事だなと思えた。それぞれの働く人が自分の役割に誇りを持っていてそれも素敵だった。また、自分が女ということもあって固定観念のまだ強い地域での話ということもあって共感ポイントも多かった。女は仕事よりも家庭を大事にしなければならない等々。でもやっぱり佐久間の話が1番面白かったかも(最初と最後の子。)。最初では自分の仕事に誇りを持って親友を見送った時の覚悟みたいなのがかっ -
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ネタバレ今まで心温まる小説を書かれている方と思っていたら、「月とアマリリス」ではサスペンス、
今作はホラー…?!
どんなジャンルでも書けるなんて…!
しかも、ありきたりな感想ですがどれも面白くて才能が恐ろしいです。作品によって雰囲気がすごく異なっているので、全く別の作家の作品ですと言われても気づけないなと思います。
名前を隠されたら、誰だこの作家さんは?!?!となるのは間違いなし。
物語の中で印象的だったのは、初花の最後。
律に「いいの?」と聞かれている。
聡い読者はこの時点で気づいたのかもしれないが、私は???となりながら読み進めました。律がとるのは南半里町の人からだけ。
賢い初花は自分から取れる -
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ちょっとロマンチックなタイトルと装幀に惹かれて手に取った4作目の町田 そのこ作品。『52ヘルツのクジラたち』や『宙ごはん』を読んだ時のように、凄く壮絶で心を抉るような描写がいくつもあるにも関わらず、先のページが気になって、途中で読むのをやめられない作品でした❗️
親には親の言い分があって、千鶴の母の聖子さんの気持ちも分からなくはないけれども、一筋縄ではいかないキャラクターだなぁと思いました。
登場人物の中では、1番恵真さんが気に入っています。『星を掬う』というタイトルがどんな意味なのかが最後になってようやく理解できて、クライマックスではどうなる事やらと、ドキドキしてしまいましたが、何とか無 -
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今年の夏に読んだ「52ヘルツのクジラたち」も良かったけど、また違った雰囲気が味わえた本でした。
1日1組限定でお葬式を取り扱う「芥子実庵」での物語。故人とちゃんと向き合うことがどういうことか、葬儀を取り仕切る仕事に就いて、とても誇りに思って頑張っていても、身内にはこんなに不評なのか…そのあたりは読んでいて苦しい文章だった。
『壱との関係は、これ以上深度を増すことも、重なりを厚くすることもできない。だけど、これまでの関わりや繋がり、思い出、そういうものは決してなくならない。僕たちの中に、壱のたくさんの部分は残っている。-4章あなたのための椅子-』
今月頭に、祖父母宅の愛犬が亡くなった。「酷暑