町田そのこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最近町田そのこさんばっかり読んでいる自身ですが、これまた今回も胸が苦しく、けれど結局何もかも許すしかなく…救いのない人生をどうにか藻掻いて生きている人、けれど最後は最高に丸く収まる、一人の男を軸に様々な登場人物が絡み合いつつ関係性を描いている群像劇でした。
町田さん、老若男女を描くのがとにかくうまいと思います。まるで自分と違う立場の人物であっても感情移入できてしまう「ああ、あるよね」という人間の泥臭さ。あまりの感情の幅広さに感嘆してしまいます。
今回の物語は、血縁を下敷きに、人の人生を書いた作品だったと思いました。
変えられない生育環境、タイミング、後悔、選択……それでも人ってそう簡単に死ね -
Posted by ブクログ
とてもよかったです
毒親が根源となって不幸の連鎖が世代を超えて繋がっていく
少年少女時代の中学時代の同級生の桐生隆之の存在に救われていく
世間で悪く言われようと、自分の信じた善悪でブレずに周囲を救っていく
桐生自身、あの時の山での幸恵の言葉に救われたのだろう
そして自分が裕福になってもその恩を忘れることなく過ごし、最後は自分の罪と向き合い、亡くなっていく
芯の通った素晴らしい人
そして、救われていく周囲の人々
そして、紅美子や居酒屋の後輩の母の様な人って多いのかな、と思う
色々なタイプの毒母が出てきたけど、正道の言葉で紅美子が毒母にならなくてよかった
最後、隆之、紅美子、正道、ゆう -
Posted by ブクログ
永遠だと思っていたものって多分たくさんある。なのに、びっくりするくらいにあっさりと、なくなっちゃってる。
実家の子供部屋で姉とずっと喧嘩をしていると思ってたし、大好きだったあの人とは死ぬまで一緒にいると思ってた。
実家を出て親がいない場所で過ごし、大好きだったあの人のことは大嫌いになって別れた。
永遠なんてどこにもなくて寂しくなる。だけど、永遠を突き出されると息苦しくなる。そんな矛盾が自分の中にずっとある。
同じ場所にいたくない、ここじゃないどこかに行きたい。だけど、変わるのは怖い。私を知らない人だらけの街で生きたい。だけど、ずっとそこで暮らすのは怖くて寂しい。そんな思いにぐちゃぐちゃになっ -
Posted by ブクログ
夫婦、家族、思春期の少年少女の悩みときて、3巻目はモラトリアムな20代の悩みに焦点が当たる。
光莉の推しは自分らしさに、単身九州に引っ越してきた主婦はホームシックに、過去の恋愛を精算したばかりの「平凡な自分」に甘んじていた廣瀬くんは嵐のような突然の出会いに。そして今回出番が少なめのフェロ店長はいつもの親切が仇となっての悪霊に取り憑かれてしまった!?
SNSのTLを行き交うような軽妙な文体で描かれる悩みはごく身近に感じるものばかり。いくら思っていてもなかなかな言えないことをスパスパと切り込んでくれるところ、人の経験や人生からしか出てこない親身な寄り添いの答えをくれるところはAIには出来ない心の -
Posted by ブクログ
ネタバレ①カメルーンの青い魚
りゅうちゃんは、ここで必死にヒレを動かして、生きてくれた。私の為に、苦しいのに一所懸命ヒレを動かしてた。りゅうちゃんが生きていく為にヒレを動かしたら、私が傷ついた。
りゅうちゃんがここでどれだけ生き苦しそうにしていても、傍にいて欲しかった。同じ水の中にいれば、私は幸せに泳いでいられたの。
メダカに例えた2人の関係性。お互い大好きで大切なのに、一緒にいると互いを苦しめてしまう。おそらく2人は種類の違うメダカ。終わり方が悲しく、でもそれが2人が選んだ生き方なのだと思った。啓太という存在がちょっとした仕掛けになっているのもポイント。
短いながら心に残る話だった。
②夜 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実にうつくしかった。
人間のここにいたいけどいられない衝動、知りたいのにもう知ることの出来ないことに対する感情をこれほどまでに言語化できるのか。
カメルーンの青い魚ではサキコにとってたった一人の唯一無二の存在であるりゅうちゃんが描かれる。
りゅうちゃんはずっとサキコといてくれる訳じゃないしセックスだって優しいわけじゃないし、仕事は何をしているか分からないけどサキコにとっては彼の代わりはいないし、彼しかいない。
サキコは何があってもりゅうちゃんを信じている。
そんな気持ちがわたしにもわかる気がする。
悪いところをあげればきりがないけれどこの人しかいない。
彼の匂い、声、言葉ぜんぶを思い信じて過ご -
Posted by ブクログ
ネタバレ町田そのこさんは心理描写がとても繊細で、様々な人の視点から物語が進んでいく。みんないろんな思いを胸の中に抱えていて、人と上手く噛み合わないときもあるけれど、ちゃんとその人と向き合えばいつかきっと歩み寄れる。
母に捨てられた娘が主人公で、その子にとっては母は自分を捨てたひどい人で、捨てられたせいで自分はこんなにもひどい生き方をしているんだって思っていた。でも、ずっと母のせいにして生きていても自分は幸せになれない。他の人の助言もあり、主人公が「わたしの人生はわたしのものだ!」って気づいて自分の苦しみを誰のせいにすることもなく自分の責任だと考えて生き始めたときにはすごく感動した。自分が弱かったらどう