あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
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Posted by ブクログ
短編集だけど、全話同じ世界線。読んで行くうちに登場人物たちが繋がっていくところが魅力的。静かに物語が進んでいくのもまた読み心地が良かった。
Posted by ブクログ
綺麗な色の可愛い表紙とタイトルに、チョコレート⁇グミ⁇美味しそう、と思って読み始めた本です。
短編集で、それぞれのお話に魚に例えられた人の生き方が出てきて、彼らが住む街が一つの水槽のイメージです。登場人物達が縁あって繋がっている人同士で、何回もページをめくりなおしながら読みました。
一番好きなのは、ひとつめの
カメルーンの青い魚。
主人公のさきこの前歯は、大好きなりゅうちゃんの喧嘩を止めた時に欠けて、差し歯です。
りゅうちゃんは甘い香りが好きで、さきこが食べられるようにオレンジの包み紙のフルーツガムを常備しています。この辺りを読んでいる時に、鼻先にふわっとミックスジュースの香りがした気がしました。
体の一部を撫でたときや、香りや食べたもので、好きな人を思い出せる恋愛って良いなぁと思います。
さきこはりゅうちゃんのことを愛するゆえに、離れてしまっても彼が自由に生きられることを祈ります。好きな人がそばにいなくても、大切な宝物がそばにいるから耐えられるのかなぁと、切なさにぎゅっと涙が溢れてきました。
随所に素敵な表現が散りばめられていて、大好きな本になりました。
R18文学大賞の作品だけれど、10代にも読んでほしい!!人を愛することや大切にすることをあたたかく伝えてくれる話だと思います。
Posted by ブクログ
まだ30ページくらいしか読んでないけど★4以上確定。
追記→こーゆうことじゃん小説て。と思いました。ただただ何でもない日常書きました暖かな文言で。じゃなくてさ、スキルてあるじゃん!こういうのがスキルじゃん、と思った本でした。
読み終えた★5にしました
Posted by ブクログ
久しぶりにとても良い本に巡り会えました。
1つ1つの物語が魚や海をテーマに書かれており
それを踏まえたお話になっていることや
また、短編集かと思いきや
少しずつ話が繋がっており
そのストーリー構成にも感動しました。
こんなことを思いつくなんて本当に作家様は凄い。
凡人とは頭が違うんだと驚嘆します。
少し重たいテーマから展開される
登場人物達の足掻きや葛藤
それを乗り越えていく人としての成長には
何度も涙しました。
自分が辛くなった時には、読み返し
勇気をもらいたいと思える作品ばかりでした。
Posted by ブクログ
全部好きでしたが、タイトルにもなってる
『夜空を泳ぐチョコレートグラミー』がいちばん好き。
変わろうとしてる晴子と、その晴子を応援する啓太。
ふたりともほんとうにすごいなあって。
一歩踏み出すことは勇気がいるけど、晴子みたいに
わたしも頑張りたいと思ったし、わたしが言った言葉
が誰かに寄り添えたらいいなって思った。
最後の『海になる』に繋がるのもよかった。
桜子となら、晴子は新しい所でも泳いでいけると思う。
どれも泣きながら読んだ。
Posted by ブクログ
大好きな町田そのこさんのデビュー作。
デビュー作から町田さんの温かな作風が確立されていたんだなと驚きました。素晴らしかったです!
小さな水槽で生きているような息苦しさは私も感じたことがあるのでとても共感できる内容でした。
みんなツラい状況を打破して前に進んでいてすごいなあ。町田さんの作品からは生きていくうえでの力を分け与えてもらえます。
Posted by ブクログ
若い頃読んだ短編集に瀬戸内寂聴の作品があって、それとよく似た匂いがした。
ヒリヒリと染みる孤独とか、澱のような安定した空気に感じる息苦しさとか。
親の仕事で各地を転々としたから人一倍安定した暮らしに憧れるのに、実際小さな古いコミュニティに長くいると、淀んで複雑に絡まったその空気に押しつぶされそうになる。そんな自分を垣間見ているようでちょっと息苦しくなる物語だった。
Posted by ブクログ
人間の醜い部分に焦点が当てられた作品でありながらも最後には少しだけすっきりとも温かくともいえない不思議な気持ちになる作品だった。
町田その子さんの作品は初めてだったので他の作品も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
すごく面白かったです。
どの章も、1文目からめちゃくちゃ引き込まれる…!
一気に読みました。泣きました。
章ごとに繋がりがあるのも「お、!」となるポイント。
登場人物にとって辛いことも、悲しいこともたくさん描写されていたけど、何より自分が辛い時に寄り添ってくれる人、同じ悩みを持つ同志としての、恋愛が入り交じりつつも若干違う異性間のやりとりがとても羨ましく感じました。こんな人間関係、形成してみたい。
【印象に残った台詞たち】
「そしておばあちゃんは、私は晴子のチョコレートグラミーになってあげるからねって言ったの」
「この水槽の向こうにはもっとたくさんの水槽があるんだよね。水槽どころか、池も川も、海だってある。いちいち怖がってたら、生きていけない。あたしたちはこの広い世界を泳がなきゃいけない」
わたしのことを好きだって言ってくれるひとがいるだけで、頑張れる。
俺はもう死ぬけど、環さんの中で生きていたい。環さんは言ったんだ。あなたがわたしのことを一生思うんなら、わたしも一生覚えています。この世のどこかにわたしのことを好きなひとがいて、わたしのことをいまこの瞬間も想っているんだなあって。雨降りの朝とか、最悪な一日の終わり、自分が嫌になっちゃった瞬間なんかには思い出します。わたしのこと好きな男は何してるんだろうって。だから俺は、彼女が生きてる限り、生きていられる。
こんな状態でも、命は必死に流れてる。だから、できなかった。枯れ木みたいな体を抱きしめてごめんと言ったら、バカねってあいつに笑われた。欲しがっても手に入れられないものなのよ。どんなにボロボロでみっともなくても大切にしましょうよ、って。
Posted by ブクログ
薄っぺらい言葉かもしれないが、感じたことを書く。
『カメルーンの青い魚』
一緒には生きられない。離れた時間で変わってしまうものもある。ただ、お互いの一番深い部分は変わらない。
大切なものを胸の奥底に生きる。信じてる。お互いを思い合っている。
あまりにも残酷で優しい。
『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』
作中にもあるが、孵化という言葉でこの作品は表すのがぴったりだ。
自分の弱さ、逆境、を知り、苦しい思いをし、必死に生きる人は強い。強くならなければ生きていけない。
自分も強くなってしまった。自分にも孵化するタイミングがあったのだと思う。
『波間に浮かぶイエロー』
切なくも優しい話だ。それぞれに抱える思いがある。けれど、それぞれの優しさでほんの少し荷物が軽くなるような。私も誰かにとってのそんな存在だったりするのだろうか。言葉では表せない優しさをもった人になりたい。
『溺れるスイミー』
一番好きだった話。自分も苦しくて、息ができなくて「ここではないどこか」を求めた時期があった。妹はまだ「ここではないどこか」を探している。共感できる。妹にも読んで欲しいと思った。
今でも時折、求めてしまう。でもこの話を糧にここで生きていこうと思う。
『海になる』
最後鳥肌がたった。
苦しい、苦しい、苦しい。そして希望が。
感想とは関係ないが、私も死んだら海になりたい。元来海が好きなのだ。
連作短編集、良い。苦しくも美しい物語ばかりだった。
とても綺麗な短編連作集でした。どのエピソードも出だしの一行で続きが気になりあっという間に読んでしまいました。そしてラストの胸が暖かくなる光が指すような締め。お見事でした。
匿名
今この瞬間に出逢えてよかった
人には浮き沈みがあるが、ひどく沈んでいる時にこの本に出逢えた。壊れそうなほど生々しく辛い事象達がずらずらと並んでいるのに、最終的には力強く前を向いている。まるで今の私に前の向き方を教えてくれる教科書のようだった。ぜひ読んでください!
匿名
短編集なにの長い長編を読んだみたいでした。
物語の登場人物が繋がってるのでそんな感じがするのかもしれませんが、読み終えた後の感動は凄かったです!
どれも前向で自分の心を強くしてくれた気がします!
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
町田そのこ先生の連作短編集。彼女のデビュー作でもあります。
デビュー作?と聞き返したくなるほどの完成度です。
どの短編もぐっと引き込まれる魅力があり、切なくて愛しくなります。
Posted by ブクログ
自分では気づきにくかったり、もやもやと表現出来ない言葉がこの作家さんにかかるとこんなに繊細な言葉で表現されるんだと思いました。初めましての作家さんでしたが、言葉の大切さを再認識させてもらいました。
全然違う話かと思ってるとふっと出てくる登場人物が繋がっていたりして、途中、知り合いに会えたような感覚になったりしました。
Posted by ブクログ
生きることは、やはり苦しみを伴う。
苦しみは、その時には永続的なものと感じる。
苦しくて、辛くて、逃げたくて。
でも、きっかけは訪れる。
必ず。
そして人はまた生きようとする。
人との関わりの中で日々を過ごすことの大切さを思う。
Posted by ブクログ
町田そのこさんの群像劇小説
死に触れて苦しみつつも、生きようと、変えようとする人たち
町田さんは海洋生物や海が近い街のお話が多い気がする お好きなのかしら
どの短編も一文目で引き込まれる
急足で読んだから再読しよう
Posted by ブクログ
町田そのこさんの、デビュー作?を含む短編集。
最初のお話の登場人物が、後半別のお話に出てきたりもするけど、連作小説というほどではない。
けっこう泣いたな〜。
波間に浮かぶイエローは、星5です。
芙美さんの長年の思いを利用してるいるような環さんに、主人公の沙世はいらっとしてたけど。わたしは環さんの気持ちもわかってしまう。
わたしも、わがままで、傲慢な人間なのでしょう。
この世にわたしのことを思って好いてくれてる人がいるって、それがせめてもの救いと誇りだったんだと、どうしようもなくわかってしまう。
それくらい、人からの愛って、大きくて重いんです。
そして、ラストで本当のことがわかることによって、環さんがずっと高橋さん(芙美さん)のことを忘れないでいてくれたことは、望み通りだったんだと、胸が熱くなる。
高橋さん!あなたが大好きだった環さんは、15年経ってもあなたのことを覚えていて、あなたに会いにきましたよ!
よかったね!って、報われた気持ちになった。
すごい純愛だ。号泣。
年寄りのセンチメンタリズムを直撃してくれました。
「海になる」は、わたしの恩師のことを思い出した。
恩師は、わたしが出会った時にはすでにシングルマザーだったけど、わたしが大人になり、老人ホームに入った恩師に会いに行った時、シングルになったときのことを「今でいう、DV、いうんですかねぇ」と話してくれた。
当時はDVなんて言葉もなくて、家庭の問題は外に出さない、耐える、それが当たり前だったんだろう。
この話の主人公桜子は、幸せになれたと思うけど、恩師はどうだったんだろう…って、恩師のその後の悲しい出来事を知ってるから、恩師を思って涙が溢れた。
この本に出てくる登場人物たち、みんなけっこう不幸なんですよ。
不幸なのに、不幸自慢、不幸比べになってないのが、今っぽいというか、いいなぁと思いましたね。
みんな、結局たくましいし。不幸をふりかざすことなく、しみじみと、一人で不幸を成立させてるんですよ。
作者さん自身は、若者ではないし、わたしより年上(昭和55年生まれみたい)だけど、年と、センスや感性はイコールじゃないんだなぁと、感心した。
むしろ、それくらいの年齢の人だからこそ、俯瞰した不幸を描けるのだろうか。
わたしの恩師のこと思うと、不幸って、「これを超える不幸はふりかかりませんよー」というものではなくて、あるときには人間の許容範囲を余裕で超える不幸が押し寄せることもあると思ってる。誰のせいでもなく。
だから「神様は乗り越えられない試練は与えない」なんて綺麗ごと、わたしは信じない。
Posted by ブクログ
始まりがとても引き込まれた
色々な人の人生を見れて考え方を知れた
環境の息苦しさは感じるけど
なぜなのか分からなかったけどこの本を読んで
なんとなく、ほんとになんとなくわかった気がした
私も母として妻としてこの環境でいきていく
決意をできた気がした
小さい水槽でその中で快適に暮らせるように頑張りたい
Posted by ブクログ
感想が難しい。
正直、死と生きることがごちゃ混ぜになっていて、本を読んでこんなに心が痛くなったことがあっただろうかと思う。でも、どのお話も救う側の男性みたいな人が私の側にもいてくれたらなと思う。そして、どんな境遇であっても受け入れて生きて行こうとする女性たちに強さを教えられた気がする。
誰でも海になれるなら、私もなりたい。
けどなぁ、みんな本当に地獄に限りなく近くて、「海になる」とかどうしてその状況で何年も我慢できるのか本当に分からない。「溺れるスイミー」の唯の気持ちは共感しすぎて、私も唯と同じ人種だよなと思った。「波間に浮かぶイエロー」の芙美さんが1番好きだな。
Posted by ブクログ
解説にもあったけど、5つの短編とも
書き出しで一気に引き込まれる。
好きなのは
「今日は私の誕生日で、とてもいいお天気の日曜日だから、死ぬにはぴったりの日だなと思った」
(海になるp.264)
居場所の無い人、離れていった人、
離れられない人、もう戻らない人。
日常系でゆるい目のストーリーかと思いきや、
程よい刺激があるので緊張と緩和のバランスが
心地よかった。
26.01.14-11冊目
Posted by ブクログ
⭐︎4.5
260111
読んでいるときに胸が詰まるような作品だった。
それぞれ抱えているものが大きくて、それをどうしてこんなに暗く美しく描けるのかと思った。
Posted by ブクログ
タイトルのように綺麗な部分と、人間のドロっとしてるところもあるのが人生だなーって感じで好き。共感できたり、勇気をもらったりする言葉も多く出てきた。登場人物にも繋がりがあって面白い!どの話も好きだなあ〜。
Posted by ブクログ
周りの環境に適応出来ずに苦しむ人々や適応しようともがく人々の話です。
登場人物それぞれに苦しみがあり、それを乗り越えようとする姿に感動しました。
Posted by ブクログ
どの登場人物もそれぞれ違う痛みと生きづらさを抱えていて、少しの希望とか、思い出とか、優しさとか、そういうものを頼りに生きていこうとする様が人間らしくて美しかった。ストーリーの組み立て方が上手で、すぐにでも読み返したくなる。わたしが生きる小さな世界にも、希望ってあるのだろうか。もう出会っているのか、これからなのか。
居場所を探して
人との繋がりや家族の在り方に揺れながら小さな水槽の一匹だけのメダカと同じで孤独を感じながらも今とは違う自分の居場所を求め広い世界へ飛び出そうとする登場人物達の姿が大きな水槽でのびのびと泳ぐ熱帯魚達と重なりました。
Posted by ブクログ
自分の幸せをどこかで願ってくれる存在、肯定してくれる存在。案外それが人の生きる意味の大きな部分になっていて。
あの時かけてくれた言葉を思い出したり、もう一度会えると信じて過ごしたり、自分の傷を大切に丁寧に扱ってくれたこと。
死の中に生を宿してくれたから、生の中にまた死が生まれてしまっても、頑張ろう、生きてみようと思えるのだろうな。
受け取り方が難しかったけど、好きな言葉がたくさんあったのでもう少し年齢を重ねてからまた再読したい。そして私も自分なりの「どこか」に辿り着きたいな。
Posted by ブクログ
なんだか、暗い海の底にいるような感じで読み進めて、このまま終わるのか?と思ってたら、最後の、海になる、で一筋の希望が見えた。きっとどこかに救いがある、そう思わせてくれた読後感でした。
Posted by ブクログ
あったかい気持ちになれる短編小説5作。
その登場人物が違う話で重なっていて、また違った角度でお話を読めるのが面白い!
個人的に好きだったお話は
「溺れるスイミー」
空気とか、ひとが動かないのが無理で
ひとつの場所にいると、積み重なった濁りみたいなもんを感じて苦しくなる。身動きが取れなくなる。
そんな症状を抱えた女性がひょんなことから自分と似たような男性と出会う。
その男性との不思議なドライブがなんだか強い絆を感じてすごく好きでした。
この主人公の気持ちちょっとわかるな(´-`).。oO
同じ場所にずっと居るのって安心感もあるけど少し息苦しいよね。
タイトルに出てくる「チョコレートグラミー」は
親が口の中で稚魚を育てて外敵から守る魚らしく、
「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の話の中で、最強おばあちゃんが自分の孫に
「おばあちゃんがあなたのチョコレートグラミーになってあげるからね」
って台詞、めちゃくちゃいい!無償の愛!!こんなに頼れる身内がいるの羨ましい。私もいつか、誰かのチョコレートグラミーになりたいと思える存在が見つかればいいな(´-`).。oO
Posted by ブクログ
悩みと葛藤を抱えながらも、それぞれの場所で生きていく主人公たちの短編集。
うーん…難しかったという印象です。
25年最後に読んだ作品としては少しすっきりしなかったかな。
以下、心に残った話と、感想。
◾︎チョコレートグラミー
生きるのが難しくなっていくということは、世界に出ていっていること。一人でも生きていく覚悟を持って水槽(住んでいた町)から出ていった晴子はかっこいい。もがいても懸命に泳ぐ人はかっこいい。
◾︎波間に浮かぶイエロー
p151※高橋さんから環さんへの言葉「おれはきっと環さんを想い続けられます。今日あなたを抱いていればよかったって一生悔やみ続けます」という言葉に対する環さんの気持ち。
「だからわたし、いままでずっと信じてきたの。自分に自信を失いそうになっても、高橋さんの言葉を思い出したら頑張ろうって思えた。この世界のどこかにわたしのことを想って生きてる人がいるんだから、胸張って生きなくちゃって。
あの人の中にはまだ、あのときの想いはあるかな。今もわたしのことが好きかな。わたし、それが知りたいの。まだ、信じてたいの。自分がちゃんと誰かの特別で、素敵な人間だって。」
→自分のことを好きな人がいてくれることって、生きたい、頑張ろうって思える原動力になり得ると思います。
◾︎溺れるスイミー
p256「私は、お父さんみたいになりたくないの。だからいつだって、家に帰った」このままどこかへ行ってしまおうかと思ったとき、遠ざかって行く電車の姿が蘇った。炎の中に運ばれていく、父の大きな棺。どれだけ遠くに行っても、あんなことになるくらいなら戻らなければと思えた。あんな風になっちゃいけない。「楽な場所を求めて彷徨うことよりも、あの町での呼吸の仕方を覚えなきゃいけない。ひとところで生きれるようになりたい、そう思ってたのを思い出した。楽になる方法を探してた。でもそれはお父さんと同じやり方じゃ、ないの」
→ある種、呪いのような仕打ちでこのように思った唯ですが、そう思ったきっかけはおいておいて、今いる場所で過ごせるように馴染むこと、呼吸の仕方を覚えることってすごいことと思います。世界は広いからこそ、今いる環境を変えていくことはできるからです。
今いる場所を選んでいくことも、世界に出ていくことも、どちらが正解ということはなく、覚悟を持って、決めた場所で生活している人はやはり立派だと思います。