あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
抑えきれない心情を吐露するシーンが特に好き。登場人物の感情がダイレクトに伝わってくる。人の気持ちをこれだけ素晴らしく表現できる作家がどれだけいるだろうか。素晴らしい作品。
Posted by ブクログ
素晴らしかった。
どれも最初の一文でぐっと物語に引き込まれてしまう。
連作ならではの仕掛けや繋がりが本当に巧くてすごい。
ここではないどこかを求めるひと、ここで生きていくことを決めるひと、どちらを選ぶ人の背中も押してくれるような、寄り添ってくれるような物語たちだった。
Posted by ブクログ
設定も構成も、静かな空気の中であっと驚かせられる展開も、とてもおもしろかったです
設定自体は、どれも明るいわけではなく、苦しい中不器用に懸命に息をしている登場人物たち
見守りながら読んでいるようで、希望は色んな形であるんだよと教えてもらったように感じました
Posted by ブクログ
「おんこ」が出てくる小説で面白くなかったものが一つも無いです。何かが良く変わりそうと思えるのは、その人の考え方がきっと良い方向に変わったからですね。
Posted by ブクログ
文章で感想を書くと、この気持ちが薄れてしまう気がする。
悲しい。でも、温かい。
明日、誰かに優しい言葉をかけたくなる。
またこれがデビュー作という衝撃。
Posted by ブクログ
今まで読んだ連作短編集の中でかなり上位に入る小説。
みんな個性的でどのお話も惹きつけられた。
サキコさん啓太くん親子、晴子ちゃんとおばあちゃん
芙美さん、そしておばあちゃんの夫になった清音さん
みんな不器用だったり優しかったり心に残るキャラクターだった。唯ちゃんと宇崎くんは不思議な設定だった。
こんな生き難いひともいるのかな…
Posted by ブクログ
どの話も最初の入りの文が惹き込まれてミステリーでもないのにどんどん話の世界に入り込んでしまった。これがデビュー作なんて驚き。どうしてこの方はここまで切なくて暖かい人の話を書けるのだろう、、、。(褒)
Posted by ブクログ
こんな、エロスな場面を爽やか?に書ける作家さんがいたんだな。突然の描写に、驚きながら、スッと入ってきて、下品さが一切感じない。
会話をしている場面。「」がないところがある。
ここの差はなにか?
気持ちが溶け出しているように感じるところには、ないように思う。
『夜空に~』夜の展望公園での会話が、まさしくそれだ。
「」ありの場面がその後きて、啓太と晴子の決意、みたいなものが、すごく伝わってくる。
『波間に~』愛、とはなにか。存在することの意義とはなにか。を問われているような感じ。
ただ与えてもらうことのありがたさも。
芙美の嘘が、これからどうなるのか。その嘘に、環の寄る辺になったことは間違いない。サヨの恋人の真意はわからないけれど、サヨに当てた最期の言葉が、人間の真理を現しているように思う。
人は、生き続けることができるのだ。ずっと。
『溺れるスイミー』
かなり、心にきた。
生活している場から離れたくなる。その気持ちは、誰しも一度はあるだろう。その衝動がずっと、止めたいのに止められない。他の人は、生活できているのに、なぜ。
朝井リョウさんの『正欲』に似ている読後感?
高校の時、バスで高校に登校しようとして、最後までのり続け、知らない駅に着いたことを思い出した。
最期、『海になる』での終わり。
凄いな。ここに繋がっていくんだ。と、連作短編の妙を見た、気がする。
最近、子を産んだばかり、ということもあり、桜子の境遇には、読んでいて身のすくむような気持ちになった。妊娠中でなかったのが幸いか。
でも、だからこそ。「苦しんでまで生きる意味が分からない」ことになっても、きっと、生き続けよう、とどこかで思うのだ。心でなくても。体だったとしても。そして、「ひとは誰かを育むものになれる」
Posted by ブクログ
カメルーンの青い魚
海になる
終わりと始まりの物語が特に印象的だった。
スイスイと上手に泳げる魚も居れば
きっとそうで無い魚も居る。
生きにくい人達や生きにくい環境で
必死で泳ぐ人達の物語は心打たれました。
是非色んな人に読んで欲しい作品です。
Posted by ブクログ
読みながら、また読み返したいと思った
何度も再読する1冊になりそう!
一編目を読み終えるのが寂しかったけど、
その後の話にも時々登場人物が出てきて、
そこからまた想像を膨らませられたのが楽しかったな!
一編ずつちゃんと満足感があるのに、
さらに別の話でまた登場人物に出会えることで、
満足感が積み重なっていく感じもした!
短編だけど、
お話が短かったなっていう気持ちが残らなくて、
初めて短編も好きかも、って思った
誰かの強さや人間力に救われて、
前を向いていく人たち。
その人たちの考え方の変化に、
ぽっと明るくなるような気持ちをもらった
最後の解説にあった町田その子さんについてのお話を読んで、納得。
本当に1行目から惹きつけられる。
匿名
あっという間に読了
初めて町田さんの本を読みました。解説やレビューでも注目されているように書き出しの文が秀逸で目を引きます。ぐんぐんと読み進められてどの瞬間も面白かったです。まだまだ読みたいと思える作品でした。お気に入りです!
とても綺麗な短編連作集でした。どのエピソードも出だしの一行で続きが気になりあっという間に読んでしまいました。そしてラストの胸が暖かくなる光が指すような締め。お見事でした。
匿名
今この瞬間に出逢えてよかった
人には浮き沈みがあるが、ひどく沈んでいる時にこの本に出逢えた。壊れそうなほど生々しく辛い事象達がずらずらと並んでいるのに、最終的には力強く前を向いている。まるで今の私に前の向き方を教えてくれる教科書のようだった。ぜひ読んでください!
匿名
短編集なにの長い長編を読んだみたいでした。
物語の登場人物が繋がってるのでそんな感じがするのかもしれませんが、読み終えた後の感動は凄かったです!
どれも前向で自分の心を強くしてくれた気がします!
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
町田そのこ先生の連作短編集。彼女のデビュー作でもあります。
デビュー作?と聞き返したくなるほどの完成度です。
どの短編もぐっと引き込まれる魅力があり、切なくて愛しくなります。
Posted by ブクログ
登場人物それぞれが抱える迷いや悩みを自分自身が、もしくは出会う誰かによって、乗り越えて前を向いていく様子が描かれていた。
死ぬ方がマシな状況に身を置かれたとき、死ぬより先に何か前に進めるものどこかにある
誰かがそれを支えてくれるかは分からないが、乗り越えた先に見えるものは希望かもしれない。
きっと、なんとかなる、そう信じて前に進むことができたらいいと思う。
Posted by ブクログ
短編集が少しずつ繋がっていくのが圧巻でした。
心理描写がリアルで心がぎゅっとします。人の優しさと愛とかに色々な形があると感じられたり、生き方についても考えさせられる作品でした!
特に「波間に浮かぶイエロー」が好きです。
Posted by ブクログ
好きな人、大切な人との向き合い方は人それぞれなんだなとこの作品を読んで思いました
不器用だったり、優しすぎたり、
色んな人がいて、色んな考えや思いがあるから、
一緒に生きていくってすごく難しいんだな
Posted by ブクログ
連作で読みやすす引き込まれる作品だった。
あとがきにあったように、作者の新人賞の作品らしく各物語の一文目を後から見てみると物語を象徴する文になっていてすごいなと感動した。
大海に出るも出ないも自分の意志で決めれば幸せを掴めるのではないかというメッセージを感じた。
Posted by ブクログ
少しずつ話が絡む短編集
読みやすかったし読み終えた後に余韻がジンと残る感じがあった
「波間に浮かぶイエロー」は特にしかけが上手くて読み終えたあとの気持ちがなんとも言えなかった
個人的には「海になる」で涙が止まらなかった
もう一度読みたいと思える作品
Posted by ブクログ
登場人物が同じ町、時間軸で繋がる短編集。
そことそこが繋がっていたんだ!?という驚きが楽しいです。山の上から見下ろした小さな町の、誰かも分からない人たちの生活を望遠鏡で覗いたような感覚になりました。
色んな土地で生きていて、生きづらさは感じなかったけれど、そもそも社会は生きづらいもので、息ができていたのは支えてくれる人の存在が酸素となっていただけなのではと気付かされます。
それと同時に、自分が誰かにとっての酸素であれたらいいなと思えました。
じんわりとした人の温かさに包まれる一冊。
Posted by ブクログ
短編で読んでみると、涙する場面が多々あります。
表現は詩的な書かれかたが多く、情景がはっきりと解りますね
中でも、生活圏を「水槽」と比喩し自分達は魚(作中の人物)の様に外へ出る事で生きていけるのか...
と、町田さんの作風は、私たちが生きづらい日常をありありと感じさせられました。
ただ、悲壮感は、ありますが、最後は人生が続く様に終わっていくのも読者に想像の余白があり私は、好きでした
また、読み返した時には、今と同じ感情を持つのか、また違った感じ方をするのか楽しみな1冊でした。
Posted by ブクログ
短編小説ですが少しずつ繋がっていて、5話とも意外な展開があり、どんどん引き込まれていきました。切なくて心が痛くなる話なのにどこか心が温かくなる不思議な感覚。
タイトルがチョコレートグラミー?なんだかすてきだし美味しそう?と思ったら、チョコレートグラミーは熱帯魚でした。
Posted by ブクログ
町田そのこさんのデビュー作を含む連作短篇集。
やっぱり文章が美しいです。
文章が写真や絵のように頭に浮かんできた。
5つの作品のうち、最初の2編は母視点と息子視点の話で、残りの3編は意外なところで繋がりがある。
切なかったり辛い場面もあるけど、みんな精一杯生きているんだなあと感じることができ、自分も含め、みんな頑張っているという元気や勇気をもらった。
居場所を探して
人との繋がりや家族の在り方に揺れながら小さな水槽の一匹だけのメダカと同じで孤独を感じながらも今とは違う自分の居場所を求め広い世界へ飛び出そうとする登場人物達の姿が大きな水槽でのびのびと泳ぐ熱帯魚達と重なりました。
Posted by ブクログ
☆3にはしていますが、面白かったです。「52ヘルツのくじらたち」、「星を掬う」には及ばないというだけで。
カメルーンの青い魚
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
波間に浮かぶイエロー
溺れるスイミー
海になる
《ネタバレあり》
のめりこめなかった理由として、カメルーンの青い魚は、さっちゃんことサキコとりゅうちゃんの関係性に共感しきれず。明らかに怪しい世界に足を踏み入れてるのに、あそこまで愛してって…なかなかね。ただ、解説の言葉を借りるなら“仕掛け”にはやはり驚かされた。啓太が息子だなんて思わないよ…。
夜空に泳ぐチョコレートグラミー。これは啓太視点なので、割とすんなり受け入れられた作品。晴子との展望台でのやりとりが切ない。
波間に浮かぶイエローは、好きだった。“仕掛け”も、まさか!?と思ってしまったけど、芙美さんがおんことなっていた理由ともしっくりくるし、よくよく考えたら確かにって感じで。象徴として出てくるハナヒゲウツボがまたよい味出している。
溺れるスイミーは、これまた主人公に共感しきれない作品で。いや、面白いんだけど、ふらっと逃亡したくなる気持ちがあんまり分からない。ふらっと旅行したくなる気持ちはわかるけど、現実逃避したくなってしまうのまでは……。でも、それでも、そちら側にいかず、いかない選択をした主人公…苦しいなあ。
海になるは、うーん、死産が出てくるのでちょっと苦しすぎたな。とっとと離婚すれば良かったと思うし。なんで一緒にいたんだろう、とか。
総じて面白かったです!!
Posted by ブクログ
以前読んだ作品が面白かったことから、今回も町田その子さんの作品を手に取った。
短編集でありながら、それぞれの物語にどこかつながりを感じられる作品だった。
特に印象的だったのは、人生における希望と絶望の描き方。絶望的な状況の中にも希望があり、反対に希望を感じる日々の中にも絶望が潜んでいる。
希望と絶望は決して対極にあるものではなく、同じ人生の中に共存している。そんな人間の複雑な感情や人生の浮き沈みが描かれた短編集だった。
Posted by ブクログ
長くかかって読み終えた。
生きづらさを抱えた者たちが、心を通わせる描写が美しくて、この作者の筆力を感じた。
表題作の「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」と「波間に浮かぶイエロー」が好きだった。
--
「教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」
「いつ気付くかなんて、個人差だよ。気付かないままでいることが問題なんだ。だから、晴子が気付いたと思うならそれでいいんじゃないかな」
ねえ、誰か教えてください。場所だけじゃなかったんです。私は群も、無理なのです。たったふたりきりの群すら、構築することが苦しいのです。ねえ、私は、どこが壊れているのでしょうか。群の中で生きていきたいと、はぐれたくないと思っているくせにどうして、それができないのでしょうか。こんなにも、望んでいるのに。
Posted by ブクログ
【生きにくさを感じている人
今いる場所でもがき苦しんでいる人】向け
生きる難しさをこんなにも温かみのある文章で書けるのか、、
大人になっても生きるのは大変で難しいのに、
子供達なんてもっと狭い世界で、環境で生きているのだから生きにくさを感じてしまうと思う。
夜空で泳ぐチョコレートグラミーがよかった。
今生きている世界が辛いなら、そこから抜け出して優しく暖かい場所にいくの決して逃げじゃないんだよ。
◾️心に残った文章
あたしはこれから、おばあちゃんの口の中から出て、ちゃんと生きていく。
だけど難しいね、生きていくって難しいよ。
生きるとか生きていけないとか、大人でも考えて苦しむものなんだ。
祖母の口から飛び出した小さな魚はこの水槽まで飛び出していま、広い世界に泳いでいった。
初めての世界があのこにとって優しいものでありますように。
生きやすい場所でありますように。
Posted by ブクログ
表題作ほか、R-18文学賞を受賞したデビュー作「カメルーンの青い魚」を含む5編の短編集。
・カメルーンの青い魚
親に捨てられ祖母に育てられたサキコは、若い頃に愛し合った男性のことを回想する。
・夜空に泳ぐチョコレートグラミー
中学生の啓太のクラスメイト晴子は、変わり者として知られる祖母に育てられているが、親戚の家に引き取られることになった。
・波間に浮かぶイエロー
夫に浮気され、家を飛び出した環は、かつて自分に好意を抱いてくれていた男性を頼る。
・溺れるスイミー
シングルマザーに育てられた唯子。付き合っている男性からプロポーズされるが、安定した生活が理解できない。
・海になる
流産を機に夫婦関係も悪化し、自分の存在意義を見失っていく桜子。自死を覚悟したとき、一人の男性と出会う。
以前、『プレゼント』を読んだときに町田そのこの話が良かったので読んでみた。ちょっと甘酸っぱいさわやかな話だった気がするけど、本作はどれも切なくて、みんな何か抱えている。かといって暗い話ではないし嫌悪感もない。余韻の残る話ばかり。
5編はそれぞれ単独した話ではあるんだけど、ちょっとしたつながりがあっておもしろい。「カメルーンの青い魚」には意外な仕掛けもあって「え?」って思った。これ、デビュー作なのか。
Posted by ブクログ
少しずつ繋がっていく物語に、切なさを感じた。
特に「波間に浮かぶイエロー」の最後には衝撃を受けた。
自分を好きだと言ってくれる人がいるだけで頑張れるって、すごく分かる。そんなふうに思わせてくれる人がいたらいいなぁ、と。
「また、海になる」も好き。
小さな集団の中で生きる主人公の葛藤や苦しさは、きっと計り知れない。誰かと繋がっていたい気持ちと、そこから離れたい気持ち。その間で揺れる姿が印象に残った。
Posted by ブクログ
町田さんは、タイトルを付けるのが、とても上手いと思わせられます。夜空に泳ぐチョコレートグラミーは、不思議なタイトルでしたが、読み終わった後は、話にふさわしい名前だなと思いました。連作短編集で、少しずつ重なり合っていきますが、みんな生きづらさを抱えているのだなと思わせられました。人々の生きづらさや、希望の光を描くことが素晴らしかったです。これが、後に刊行されることになった「52ヘルツのクジラたち」や「星を掬う」などにも、影響を与えているのだと思います。最後の話は、町田さんらしい話で、希望が持てる話であったと思わせられました。
Posted by ブクログ
物語の始まりと終わりが秀逸で、どの作品も軽やかに引き込まれ、少し重めの余韻が残った。川底で、もがきながらも誰かに掬い上げられてやっと息をする人々の物語。おしゃれな言い回しが所々にあって、素敵だなと思いながら読んだ。