あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
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Posted by ブクログ
カメルーンの青い魚
海になる
終わりと始まりの物語が特に印象的だった。
スイスイと上手に泳げる魚も居れば
きっとそうで無い魚も居る。
生きにくい人達や生きにくい環境で
必死で泳ぐ人達の物語は心打たれました。
是非色んな人に読んで欲しい作品です。
Posted by ブクログ
読みながら、また読み返したいと思った
何度も再読する1冊になりそう!
一編目を読み終えるのが寂しかったけど、
その後の話にも時々登場人物が出てきて、
そこからまた想像を膨らませられたのが楽しかったな!
一編ずつちゃんと満足感があるのに、
さらに別の話でまた登場人物に出会えることで、
満足感が積み重なっていく感じもした!
短編だけど、
お話が短かったなっていう気持ちが残らなくて、
初めて短編も好きかも、って思った
誰かの強さや人間力に救われて、
前を向いていく人たち。
その人たちの考え方の変化に、
ぽっと明るくなるような気持ちをもらった
最後の解説にあった町田その子さんについてのお話を読んで、納得。
本当に1行目から惹きつけられる。
Posted by ブクログ
友人に薦められた1冊
オムニバスが少しずつ繋がっていて、あの時のこの人だ!が、どのストーリーにもあって粋な演出だった
人生は辛いことの方が多いけど、魔法の言葉を抱えて、大切な思い出に魔法をかけて、強く生きていくんだ
優しくて強いいい話だった
Posted by ブクログ
社会人一年目のタイミングで読めてよかった本だと思う。
お金を稼ぐって、生きるって大変だなと社会人になって痛感している。周りを見ると、みんな普通に生きているように見えて私だけ辛いのかなと思ったりもした。
だけどこの本を読んで、取り巻く環境に振り回されて、それでもなんとか生きていこうとする姿勢に心を打たれた。私も、なんとかなるという精神で与えられた場所で頑張って働いて、生きていこうと思えた。
Posted by ブクログ
暗くて重いのに、とんでもない多幸感。
仕掛けたっぷりの優しい小説です。
人を魚になぞらえて、海や川に泳ぐ魚たちが淵に留まったり、留まる方法を知ったり、息のしやすい場所にいったり、海に泳ぎ出したり。
ある意味重厚構造のような構成でした。
ひとはこの世界を巡る海になれる。海に果てなどない。苦しみが巡り巡って誰かの所へ辿り着き、救うことができる。
今日流した涙は、いつか誰かに優しく辿り着く。ひとは誰かを育むものになれる。
どんな時にも優しく寄り添ってくれる、町田その子先生の美しい言葉たちにうっとりしました。
Posted by ブクログ
「溺れるスイミー」と「海になる」が特に好きだった。登場人物たちが、この先どこかで、自分のままでいられる場所を見つけて、幸せになれる未来があるといいなと思ったりする。登場人物同士の関わり一つひとつに美しさを感じた。
「お団子を食べて前歯が抜ける」という、これから私が生きていても絶対に遭遇できないだろうと思う出来事から始まる。その強烈な一文に心をつかまれたまま、文章にすーっと最後まで連れていかれた感覚があった。主人公はそれぞれ違うけれど、どこかでつながっていて、一人の人生の向こう側に、また別の人生が見えてくる。その構成も含めて、美しかった。
自分はおそらく出会わないだろうと思う人物の、人生の一瞬を描いているのに、そこにある感情は全て本物だと思った。そのありえなさとリアルさの塩梅が絶妙だった。嫌な思いも、苦しい出来事も、きれいごとにせず描きながら、最後まで作品を濁らせない透明度の高さが、すごく好きだった。
誰にでも、自分が息をできる場所や存在があるのだと思う。親友とか恋人とか夫婦とか親子とか、関係の名前に必ずしも当てはまるものではないのかもしれない。その人の存在によって少しだけ息ができるということの、温かさや尊さ、虚しさ。でも、ある種の報いのようなものを感じた。
私にとって「美しい」という感覚は、とても透明度の高いものなのだと思った。嫌な思いをしても、辛い思いをしても、そこで濁らず、深い深い海の底まで見える透明度を、最後には残してくれている。わかってはいたけれど、人生は一辺倒ではないのだと改めて感じた。一個人が出会う出来事や、それを含めた長い長い人生が美しいものであることを、信じさせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
町田そのこさんの人情ストーリーですね。
町田そのこさんのデビュー作品です。
とにかく新人のデビュー作品とは思えない、バイタリティーと筆圧、構成力で読み手を圧倒します。
町田そのこさんは1980年生まれですから、まだ若く綺麗な人です。
そんな人が、連作短編とは言え、女性の情念を深く描かれているのに驚きました。
どちらか言うと、私はこの手の作品は、苦手なのですが、読むうちにぐいぐい惹き込まれました。
また、男性の幼稚さを垣間見れる、世事に長けた物語構成には、脱帽です。
『コンビニ兄弟』から、町田そのこさんを読み始めたので、そのギャップに困惑しましたが、これが町田そのこさんそのものの作品なのですね。
連作短編五話です。
目次
カメルーンの青い魚
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
波間に浮かぶイエロー
溺れるスイミー
海になる
町田そのこさんは、福岡の出身で、私と同じ郷里なので親近感が強いのです。
これから応援したいですね(=^・^=)
Posted by ブクログ
どの章も惹き込まれるストーリーだった。
登場人物は特に晴子と芙美が好きだったな。
晴子はおばあちゃんが自分の元にいなくなっても自立していこうという姿勢が感じられて応援したくなった。自分をいじめてきた奴に馬乗りになって殴るなんてかっこよすぎる!
そして魚のチョコレートグラミーに例えるなんて、なんてロマンチックなんだろう。
芙美は口が悪い時はあれど、あんなに優しい嘘をつけるなんて。誰にでも出来ることではない。あの人柄はおおらかを超越していた。
連作短編小説、いいなぁ。
章と章が少しずつ、ゆるやかに繋がってる。
個人的に晴子のその後がちょっとだけでも知れて満足!
町田そのこさんの作品、もっともっと読みたいな。
Posted by ブクログ
『環境』という名の『水槽』の中で、上手く泳げなかったり、迷子になったりと生きづらさを抱えた女性達を描いた連作短編集。
趣向を凝らした最初の一行。
登場人物を魚になぞらえたり、差し歯がとれた、フルーツガム、孵化した、椅子に座っていられないなど印象的な言い回しにガッチリと心を掴まれる。
各話の主役は異なるが、前話の登場人物との意外な繋がりが判明したりと、設定がサプライズ的に明かされる仕組みには思わずにやり。
どんでん返し的な演出も、アンニュイな世界観に華を添えている。
迷える主人公達の側にいる数少ない理解者達。
彼らとの交流の中で一縷の希望が生まれる流れが大変美しく、特に前述のどんでん返しを利用した希望の生み方には感嘆した。
水槽から出ていく選択をした人も、留まる選択をした人も、全ての登場人物達を応援したくなる、濃縮された人間ドラマが魅力的だった。
Posted by ブクログ
えぇ〜!これがデビュー作!?
衝撃…そして、納得。
私がこれまで読んできた町田そのこさんの作品、その原点がここにあるような気がした。
どの物語にも、人の温かさがある。
人生は、思い描いたようには進まない。
みんな、迷ったり、傷ついたり、時には道を外れたりしながら進んでいく。
だから、どの物語にも人間らしさを感じるし、自分が悩んだり苦しんだりしてることも受け入れられる。
そして、前に進める気がしてくる。
デビュー作なのに、すでに私が知ってる「町田そのこさん」そのものだった。
Posted by ブクログ
繊細でありながら、小説に惹き込ませる力がすごい!これがデビュー作だなんて、すごい!
人それぞれに事情があって、お互いが生きていることで、優しさを分け合うことで、人を救うことができるんだと思わせてくれる連作短編集。
Posted by ブクログ
一度電子書籍で読んだことがあるので再読。
定期的にこの本の世界観を全身に浴びたくなるのはなんでだろう。
琴線に触れる感動とも悲しさとも呼べない感情が毎回溢れてくる。町田さんファンも初めて読む方にもオススメしたい。
Posted by ブクログ
随分前に購入したけれど読み切れてなくて、再度読み始めたら、あっという間に読んでしまいました
必要な嘘があるということ、いなくなった人を大切に思う気持ち、考えさせられました
私もその時がやってくるまで、自分の大切なものが分からなくならないように頑張って生きていこうと思います
匿名
あっという間に読了
初めて町田さんの本を読みました。解説やレビューでも注目されているように書き出しの文が秀逸で目を引きます。ぐんぐんと読み進められてどの瞬間も面白かったです。まだまだ読みたいと思える作品でした。お気に入りです!
とても綺麗な短編連作集でした。どのエピソードも出だしの一行で続きが気になりあっという間に読んでしまいました。そしてラストの胸が暖かくなる光が指すような締め。お見事でした。
匿名
今この瞬間に出逢えてよかった
人には浮き沈みがあるが、ひどく沈んでいる時にこの本に出逢えた。壊れそうなほど生々しく辛い事象達がずらずらと並んでいるのに、最終的には力強く前を向いている。まるで今の私に前の向き方を教えてくれる教科書のようだった。ぜひ読んでください!
匿名
短編集なにの長い長編を読んだみたいでした。
物語の登場人物が繋がってるのでそんな感じがするのかもしれませんが、読み終えた後の感動は凄かったです!
どれも前向で自分の心を強くしてくれた気がします!
夜空に泳ぐチョコレートグラミー
町田そのこ先生の連作短編集。彼女のデビュー作でもあります。
デビュー作?と聞き返したくなるほどの完成度です。
どの短編もぐっと引き込まれる魅力があり、切なくて愛しくなります。
Posted by ブクログ
町田そのこさんのデビュー作を含む連作短篇集。
やっぱり文章が美しいです。
文章が写真や絵のように頭に浮かんできた。
5つの作品のうち、最初の2編は母視点と息子視点の話で、残りの3編は意外なところで繋がりがある。
切なかったり辛い場面もあるけど、みんな精一杯生きているんだなあと感じることができ、自分も含め、みんな頑張っているという元気や勇気をもらった。
Posted by ブクログ
町田そのこは初めて読んだけど、どの短編も重厚で面白かった〜!どの短編も、ここで生きる覚悟とここではない場所で生きる覚悟の話だったな。
「楽な場所を求めて彷徨うことよりも、あの町での呼吸の仕方を覚えなきゃいけない。ひとところで生きれるようになりたい、そう思っていたのを思いだした」
Posted by ブクログ
うっすらと古傷が痛むような小説だった。
私の兄はりゅうちゃんのような優しさを兼ね備えている人間ではなかったけど、昔から拳でしか息ができない人だった。そのせいで私の奥歯はとんで行ったことを思い出した。
私も家の中を水槽だと思っていたし、ここでしか生きていけないと思った。
私はサキコのように待てないし、兄のことはちゃんと憎んでいるけど17歳の頃水槽から飛び出していって、もう関われない人間になってしまったあの頃の兄より、ずっと大人になってしまってやっと少し何かわかったような気がした。
すっかり自分語りになってしまったけどカメルーンの青い魚は自分にとっても忘れられない一作になったなあ。
他作品だと表題作の夜空を泳ぐチョコレートグラミーが心地よく読めた。
恋でも友情でもない幼くても戦う2人の幸せを私もずっと願いたい。
泳いでいるんだと思った、世界は海で、そこに適応できるように、わからなくても、たまに逃げたり、孵化したり、誰かを守ったり、守られたり、生きていくんだなあ、みんなも、私も。
Posted by ブクログ
どの章も、最初の一文で物語に惹き込まれる。
町田そのこの圧倒的言語力が刺さる。
面白かった、とは違う感情だけど、どの章も主人公の壮絶人生物語が巧みに描かれていて、どんな風に生きていたらこんな物語が書けるんだ、と思った。
Posted by ブクログ
理不尽の中でもがき苦しむ主人公がメインの短編集
そこまで辛い目に合わせないで、と、願いながら、そして一縷の光が指してくれるのか?そう思いながら読み進める一冊
Posted by ブクログ
狭い水槽の中で、泳いでいくという覚悟を決めた人たちを描く5つの短編集だった。
これは、いま息苦しい人も自分で泳ぎ方を見つけるべきだ、といった強いメッセージに見えた。
これは割と辛い状況にある人を救うかもしれないなと思った。
どの話も上手いこと魚に例えられていて、今までそんな風に考えたことなかったから、非常に面白かった。
主人公たちは分かりやすい逆境の中にいるけれども、どれも共感できる感情だった。
特に私は「溺れるスイミー」で泣いた。
仲間は穏やかに水槽に向かっていて、自分もあそこにいなくてはと思うのに、離れていくことに安堵してしまう。そして自分が壊れているのではないかと思う。
しんどいよな、私もそうだったからよく分かる。
Posted by ブクログ
それぞれの短編ひとつひとつが繊細。一本の線がある。
そしてどの方向の悩みでも自分と重なる部分があると思う。悩み、苦しみ、辛さ。それぞれの思いと考えがズンとくる。しんどいときに読むとより重なってくるかも。
居場所を探して
人との繋がりや家族の在り方に揺れながら小さな水槽の一匹だけのメダカと同じで孤独を感じながらも今とは違う自分の居場所を求め広い世界へ飛び出そうとする登場人物達の姿が大きな水槽でのびのびと泳ぐ熱帯魚達と重なりました。
Posted by ブクログ
物語の始まりと終わりが秀逸で、どの作品も軽やかに引き込まれ、少し重めの余韻が残った。川底で、もがきながらも誰かに掬い上げられてやっと息をする人々の物語。おしゃれな言い回しが所々にあって、素敵だなと思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
町田そのこさん初めて読んだ。
短編集。登場人物が重なり合っていて面白かった。
内容自体は重いものが多く、苦しくなる時があった。
ぐっと物語に引き込まれる感覚で読めた。
Posted by ブクログ
読み終わって、面白かったなという感覚はなかった。
それは、人間というものを色んな角度で感じたからなのか。
でも読んで良かったと思う。
Posted by ブクログ
読後感はとても素晴らしいのだけれど、章が進むたびに話が重くなっていっている感覚があり、最中はなかなかにしんどかったです。ひとところにいられない魂を持つ人たちの話、『溺れるスイミー』が一番印象に残りました。
Posted by ブクログ
どの話も引き込まれた!!一回途中でやめちゃったけど読み始めたらぐんぐん!!
ふとした人と人との繋がりを大切にしていきたいな。
3つ目と4つ目が一番世界観に入り込めた!
⭐︎印象に残ったフレーズ
この部屋で夫婦という小さなコミニティを構成し、日々を送る。いずれは子を産むこともあるかもしれない。そうしたら三人に増え、もしかしたらもっと増え、そうしたらマイホームなど買い求めたりするのか。そこまで考えて、ふとうすらおそろしいものを感じた。何か大事なものを見落としているような不安がざわりと肌を覆う。理由がわからないけれど、でも怖い。
Posted by ブクログ
最初の一文は、とにかく衝撃的。
そして最後は、ああ、どうか幸せであるようにと願う。
町田そのこさんの心情の書き方や言葉の選び方は、まっすぐだけど、切なさを孕み、登場人物たちは皆、どこかへ消えてしまいそうな人ばかり。いなくならないで、と思う。
小説らしく、こんな人間いる?こんな関係ある?と思うところも沢山ありますが、その切なさの表現は、なぜか共感できてしまう。
ザ・フィクションの中に、読んで良かったと、少しだけ大きな出来事を体験したかのような、不思議な時間を過ごすことができました。