【感想・ネタバレ】夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『ここではないどこか』へ行く人と、『ここで』生きることを選ぶ人。あっさりと死んでしまう人と、苦しんでも死なない人。それぞれの人生の魅せ方がうますぎる。田舎町を水槽に例えてるのも不思議な気持ちになった。

個人的に、カメルーンの青い魚からすでにこの小説には惹かれてたけど、溺れるスイミー→海になる あたりで1番胸熱になった。

欲を言えば啓太のこともっと知りたかったかも。でもさっちゃんとりゅうちゃんの、深夜2時、とあるSAでカップラーメンを食べたのを見たって宇崎が言ってたシーンで、啓太は幸せなふたりから生まれてきて、きっと今後も幸せになれるだろうと勝手に想像できたからまあいいか。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集のような感じですが、それぞれに微妙な繋がりがあり、同じ作者の漫画に過去作の主人公が出てきたようなワクワクがありました。どれも良いお話だったけど、宇崎と唯子は幸せになって欲しかったなぁ。
「52ヘルツ〜」のアンさんもそうだけど、町田さんの作品には包容力のある、両方の性の魅力を持つ人物が出てくるものなのかなぁと思ったり。芙美さんが好きでした。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説にある通りどの作品も最初の1文から完璧で一気に物語に引き込まれました。 特に最後のお話の「今日は誕生日でとても良い天気だから死にたいと思う」なんてすごく続きが気になるじゃないですか

どの作品も「生きる」ことをテーマにしているのにそれぞれの生き方や正解のようなものが違って面白かったです!

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2026年04月09日

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ネタバレ

水槽は安心とは裏腹に登場人物たちの閉ざされた世界や孤独を表していて、海は他者とのつながりや広い世界を象徴している。

登場人物たちは自分の水槽が窮屈で息ができなくて、そこから逃げることを考えている。

海は果てしなく広くて怖く感じるかもしれないが、海は巡っていて、何にでもなれる。誰かの苦しみが誰かを助けるかもしれない。そして海に出るまでの準備をする場所が家庭(チョコレートグラミー)なのだ。

苦しんでいる人にあたたかな勇気を与えてくれる話だった。

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2026年06月05日

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ネタバレ

辛い過去を背負った主人公や登場人物がそれぞれの短編で登場する。各章で登場人物が重たい境遇の中で一歩を踏み出していった物語だった。短編の冒頭は毎回引き込まれる文で、そこから繋がる物語までの構成力がすごかった。時々、救いようがない登場人物が感じた感情表現を表した文が私には難しくて??となる瞬間は何度かあった。本の最後は、頑張ってもずっと救われてなかった2章で登場した晴子が幸せになる未来が見えた伏線回収で嬉しかった。急に晴子の軸に繋がる瞬間が読んでいて鳥肌がたって面白かった。途中で諦めず、最後まで絶対読んでほしい本だと思いました!!

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一編ごとに想像もしなかったような展開があり、そして最後の「海になる」でこれまでの物語が全て結びつく、その構成力に圧巻された。
「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」で、啓太が母親の大阪行きのために新聞配達を始めたという真意を知ったとき、たった1人の母親への真っ直ぐな愛を感じた。また、烈子おばさんの晴子に向けて言った「晴子のチョコレートグラミーになってあげるからね」に込められた深い愛情に心が温かくなった。そして、自分にとってどんな環境でも必死に自分で泳いでいこうとする啓太や晴子の姿に勇気を貰った。
「溺れるスイミー」では、自分の置かれた場所での生き方、息の仕方を見つけることの大事さを感じた。私も唯と宇崎の言う生きていける方法を自分なりに見つけたいと思った。
生きることが辛かったり苦しい人に読んでほしい。その背中をそっと優しく生きる方向に後押ししてくれるような一冊。

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2026年05月01日

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ネタバレ

読んでいてとても苦しくもとても心地が良かった
環さんの気持ちがうちには分かるから信じさせてくれたことに感謝しましょうよっていう言葉がとても刺さった

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集かと思いきやすべてが繋がっていて、青山美智子さんみを感じた。登場人物の誰もが「ここじゃないどこか」と「ここ」を天秤にかけていて(これは後書を見て知った)、どちらが正解かわからないままどちらかを選ばなければならないということの辛さはたぶんどの読者も知っているから、この本はとてもつらく悲しくて、だけど誰もページを捲る手を止めることができなかったんだろうな。
それぞれの登場人物のその後がわからない終わり方だったけど、みんな幸せになれたのかな。個人的に自分を投影してしまったお話があったから、これ自分の精神状態によってはとても読めないかもと思ってしまった

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2026年05月05日

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