【感想・ネタバレ】ぎょらん(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)

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朱鷺くんの周りで起こるぎょらんにまつわるエピソードで進むお話。
親友の残したぎょらんが元で引きこもりになった朱鷺くんが、周りの人や職場の葬儀屋さんでのぎょらんとの縁でだんだんと日常を取り戻していく。
読んでいると胸が詰まる思いがこみ上げてきて、じわじわと涙が…。
いつかは自分や周りの人の死に直面する日が来る。自分の大事な人を当たり前に大事にして生きていきたい。自分が死ぬ時には、愛のぎょらんを残してあげたいと思う。

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2026年05月29日

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ネタバレ

大好きでした。人間の死について、残された者がどう受け止めるかの話が繋がっていく。ハッとさせられる描写がいくつもあり、自分も巻き込まれるように過去に立ち会った死について考えさせられた。展開を分かった上でもう一度読み返したい。いや、読む。

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2026年05月16日

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死者の思いが託されたぎょらん。それを見ることができるのは、残されたものにとって果たして幸せなのか。
登場人物が少しずつ重なっていく連作短編集。全話に出てくるトキがすごく魅力的。一話の時は、ただの引きこもりだったのが、違う話では、仕事ができそうなイケメンに書かれている。トキ自身は同じように動いているのに、こんなに違う人に見えるのが面白い。結局、人の印象は、その人の主観で大きく変わるんだなぁと思った。たくさん登場人物がいるけれど、だからこそ死に対する考え方もたくさんあって、考えさせられる小説。
また、時間を置いてから再読したい。

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2026年05月04日

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やはり町田そのこの描く短編は一級品だ。

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」
噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。
地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は
ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。
「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。
死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。

短編なのだが、それぞれの物語の登場人物たちが繋がりを見せる連作短編。
大きなテーマとしては朱鷺という青年の再生への過程といったところか。

どのエピソードも感涙もの。
個人的には『冬越しのさくら』と『糸を渡す』の二篇は
もう読んでいて涙が止まらなかった。
葬儀社での朱鷺の教育係でもある上司の相原さん。
彼女の知られざる苦悩、そして誰にも真似できないであろう強さ。
ある種の憧れのようなものを抱いたぐらいである。
どうか、彼女には幸せになってほしいと心から思えた。
それは朱鷺と華子の兄妹においてもそう。
とにかくどのエピソードもキャラがしっかりと立っている。
そして自身にも覚えのある胸に刺さる後悔と願い。

この小説を読んで自身の家族を思い浮かべない人などいるのだろうか。

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2026年04月22日

購入済み

死に触れて葛藤する様をそれぞれの視点で、時に苦しかったり恐ろしかったりホロリとしたり。でも最後には大きな営みを見守っているような暖かい気持ちになる事ができました。

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2026年04月17日

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ネタバレ

人の死が関わり、遺された人たちの立場より
心情や視点をえがくのが多い人なのかなと素直な感想。

みんなそりゃあ自分に甘くて優しいから、ああしとけばよかったの後悔が誰かにきっとある。
その罪悪感は相手がいなくなった時ほんとうに出てきても、どうしようもないことなのだと実感される。伝えられるのだ。

家族や大事な友人を今、大切に今、相手のためにできることを考えていこうと思う。

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2026年04月08日

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町田そのこさんの本をこれで全部読みました。(多分)

『ぎょらん』って何となく生々しい感じがして読むのが一番最後になってしまったのですが全然そんなことなかったですね。『イクラ』のイメージがそうさせたのかしら?

読んでみたら…色んな死にまつわる話しで一つ一つがとても切なく悲しくそして温かく感じました

中には壮絶な死に方に立ち合ってしまい長年苦しんできた人もいました。
でも、もがきながら周りの人に支えられながら前に進んでいく姿に思わず応援したくなる。

このお話し、町田さんのお話しの中で一番好きになりました。

(Word)
・救い救われて生きていけ

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2026年03月30日

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長編小説だが、短編小説のように視点が変わり1話1話読みごたえがあり、けれどどのお話も巧妙に繋がりを持たせてあり、とても楽しめた。
自分にもいつか必ず訪れる、大切な人の死。その時自分は、何を考えるのだろう。
この小説でいろんな登場人物の想いに触れ、人との関係性や人生というものについて、大切なことを教えてもらったように思う。
いつかその時が来たら、自分は素敵なぎょらんを受け取れるほど、満足できる関係性で人生を歩んでいくことはできるだろうか。
日々の積み重ねをもっと大切に過ごしていこうと思えた作品。
町田その子さんの小説はいつも爽やかな読後感で大好き。

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2026年03月27日

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誰かの死と向き合う人たちと亡くなった人の残すぎょらんを巡る物語。ところどころ涙が溢れて。後で後悔しても遅いから、大切な人にはその想いを日頃から伝えていかないとなと思った。

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2026年03月25日

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人の死というものは、冷たくて悲しいイメージがある。
確かにその通りだと思うけれど、ただそれだけではない、ということを考えさせられたし、思い改めさせられました。

きっとこれからもたくさん経験するであろう、人の死に対して、その時は悲しみや絶望に囚われてしまうと思うけれど、その人との楽しかった幸せな思い出を思い出して、最後のお別れができるといいな。そうありたいな。

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2026年03月14日

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亡くなってしまった人には一方通行の思いを伝えることしかできなくなる。その人が何を思って生きていたのか、何を願って、恨んで死んだのか知り得ない。だからこそ今を大切に生きるしかない。

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2026年03月12日

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生と死をすごく考えるいい機会になりました。また、身近な方が亡くなった後や、想いなど様々な考え価値観があるのことを知れました。
亡くなった後に遺された人たちがどういった想いで過ごしていくのか、どういった生き方をしていくのか
見所が多い作品です。
改めて死について考えられます。

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2026年03月08日

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物語の後半、涙が止まらなかった。

私は感謝を言葉にするのが照れ臭くて少し苦手な方である。だからこそ、この本を読みながら「ありがとうを伝えなきゃ」と頭に浮かんだ人をたくさん見つけることができた。
周りにいる大切な人を改めて大事にしようと思わせてくれる一冊であり、「ありがとう」「ごめんなさい」の気持ちは後回しにせず、思った時に素直に伝えようと背中を押してくれる物語だった。

朱鷺と華子が、大切な人との死別を乗り越えたみんなが笑顔で生活を送れていますように。

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2026年02月21日

私は好きでした。

友人を亡くしたことがある私にとって、すごく考えさせられる物語であり、すごくその人に会いたくなった物語でした。普段あんまり泣かないのですが、終わったら泣いてました。
人の死が自分の心にどのように影響するのかもしっかりと考えられていた小説でした。

#共感する

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2024年10月23日

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ネタバレ

大好きな町田そのこ先生の作品の中でも、小説としてとても完成度が高い作品なのではないかと、素人ながらに感じた。
死や故人と向き合う人々の物語。
故人でなくとも離れ離れになった人たちがいて、そういう出会いと別れで人生は成り立っている。
それでも人は人との繋がりを求めて生きていく。
過去に仲違いした友人や去ってきた環境を思い巡らすと、確かによい思い出も、好きだったこともたくさんあって、それを思い出す事はとても大事なことだなあと。
作中には今の自分と向き合っている人もいる。相原さんは、自分は仕事に向き合っているという、仕事へのパフォーマンス自体に依存してしまっていたが、『人を生かすための葬儀屋になる』という仕事への最初の想いを師によって思い出し、ベテランにも関わらず人からのダメ出しも冷静に昇華していて、とても尊敬する、特に好きな登場人物。

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2026年05月17日

購入済み

文庫化に際して書き下ろしが追加されています。
死者が残すというぎょらんをめぐるあたたかい連作短編集でした。
大切な人を失ったときに後悔しないように生きたいと思わされる物語でした。

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2023年11月18日

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文庫の帯に「一番泣ける涙が止まらない」と
あった。
こんな感じの宣伝文句はよくあるしと思いながら読み始めたら、泣けた!
それもかなり泣いてしまった。

7編からなる連作
死、にまつわる話だから、気分が落ち気味の時は読まない方がいいかなと思っていたけれど、むしろ逆。
全編通して、ひとりの青年の再生の話でもあり、その他の人々も、ちゃんと生き切る為に、そしてちゃんと死んでゆく為に、と言う話。

親友の死を、目の当たりににして引きこもり、漫画ばかり読んでいて、その妹に「ハイクラスクソニート」と呼ばれる朱鷺(とき)
長い間引きこもっていると、仕事で人と話すのも
ひと苦労
明日こそまた家にこもってしまおう、と思いながら出勤する
休みの日の夜朝が永遠に来なければいいと呪ったり
「でも家族のために、自分の為に頑張りたいとも思うんです。ここであの部屋に戻ったら、僕はもう二度と動けない」
と話す朱鷺
気軽に、わかる と言うのは軽薄かも知れないし
その重さも違うだろうけれど
明日は仕事へ行くのが辛い休日の夜、というのは有ったなぁ。

著者は、限りなくつらい、果てしなく苦しい人々の気持ちをわかり、そして文章に描いている。

すてきな読書時間でした。

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2026年05月13日

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人の思いは知ることができない⁇まして亡くなった人の思いは知ることが出来ない。悩みながら生きていく、、、

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2026年05月31日

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ぎょらん、死んだあとに対峙するその人への気持ちと捉えました。

人が亡くなると必ず後悔って残ると思うし、後悔のないように人と接することは不可能に近いと思うけど、迷うことがあるなら行動したほうが良いね。
自分が起こす行動って結局エゴでしかないから。

人間だからエゴで動いてなんぼ。
でも人間だからこそ、その言動の裏にある気持ちを推し量れるんだな、と。

最初の一文、面白い!笑
家に帰ったら、リビングで朱鷺が暴れていた。(p.8)

そして読み返して思ったけど、朱鷺は最初からぎょらんの存在について何となく分かってたんだよね。
けど、お母さんとの約束に真摯に向き合う姿、そして人を大切に思う性格、素晴らしいキャラクターだと感じました!

華子の不倫相手が死んだ後の珊瑚のアクセサリーを朱鷺が食べたところ:
「間違いなくぎょらんだったぞ」と強い口調と声で言った。本当だぞ。よかったな、華子。(p.47)


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2026年05月31日

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ネタバレ

ぎょらん
ぎょらんが見せた個人の思いに苦しむ主人公の朱鷺を中心に、様々な人物たちの、死にまつわるエピソードがまとめられています。

10年後とか、自分の人生のフェーズが変わったらまた読みたいなと思いました。

冬越しのさくら の章がすごく好きでした。
相原さんと、師匠であるサクさんのはなし。
事故で亡くなった母の葬儀を取り仕切ったのがサクさんで、母の見送りをしっかりさせてくれたことで死を受け入れることができた。そこで相原さんが葬儀社で勤めることを決めた。その話を聞き、朱鷺が葬儀屋を頑張る、と決める。相原さんの昔の恋人であり、今の上司の瀬尾くんが、本当は別れないで一緒にいたかったと伝えるシーンで苦しくなりました。子供ができるできないは本当に人生を変えるよな・・

糸を渡す
自分の理想の家族像を押し付ける母と、それに息苦しさを感じる娘と夫のはなし。
「何度だって話して衝突し合えばいいのよ。どこかできっと分かり合える。だってそれが家族なのよ。家族から逃げたら、駄目よ。」
この言葉は、この子には効く言葉だねど、でも本当に逃げた方がいい家族には言えない言葉だなと思ったりしました。

あおい落葉
葉子と小紅、朱鷺と蘇芳たちの、中学時代から今に至るまでの話。
これ一つだけでも漫画や小説になりそうな濃厚なものでした。
小紅に執着する美人な葉子には家庭環境が劣悪だったということを、亡くなってから知ります。自分から見えているものは本当にただの一面でしかないのだなと痛感させられます。
また、ぎょらんに苦しむ朱鷺が、何に苦しんでいたのかがだんだん分かり始めるのもこの章でした。学生時代の、嫉妬や執着などと言った感情は、思い返すともう戻りたくないな、大人になれて良かったなとおもいます。だから葉子にも蘇芳にも生きててほしかったなと思いました。

珠の向こう側
「死というものによって、この人のいた世界と断絶したんだなと思う。この人のいた世界は、もう永遠に還らない。」
まだ自分の肉親や兄弟を失ったことはないけれど、祖父母に感じるのとは全く違う喪失感があるんだろうなと、思わされる一文でした。
最終的に、ぎょらんは結局なんだったのか。が分かり、朱鷺と姉が和解をするに至るハッピーエンドを迎えられて良かったと思いました。
親が連絡したい人って誰だろう、、親にもエンディングノート準備して欲しいなと考えてしまいました。

壇蜜さん解説はよくわからず、文庫化に際しての書き下ろしは、なくてもよかったのでは?と思いましたが、朱鷺がその後もぎょらんについての検証活動を続け、母の遺言である、救い救われて生きてゆけ、を守り抜いていることが分かります。
ネイリストの仕事をしている美弥が、コロナ禍で姉を突然亡くす。たまたまぎょらん検証の掲示板を知り、朱鷺から助言をもらい、姉の夫と親友と話をすることで、自分が知らなかった姉の思いを知ることができ、前向きに生きていくことを決意する、というもの。亡くなってからも、故人と繋がることができる。という本作のメッセージを再定義するような章だったのかなと思いました。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つ目の話を読んだ時は、ただのオカルト系短編集かと思った。2話目以降を読んでいくと大きく印象が変わった。
ぎょらんは死んだ人の思いが残されたもの、口にするとその思いを知ることができる、とされているが、人によって呼び方も違い、その本質の捉え方も違う。存在を信じる人もいれば信じない人もいる。ぎょらんによってその後の人生を立ち直れなかった人もいれば、前向きに生きれた人もいた。
故人に対して生前に悔いが100%ないと言い切れる付き合いができることはほぼないと思う。日々生じる誤解を全て解くこともできないし、ちょっとした諍いだってあるはず。突然その相手が亡くなってしまったら、こうしておけば良かったという後悔ばかり心の中でピックアップされてしまう気がする。それを昇華させるのも、増幅させるのもぎょらんなのだと思う。最後の章に進むにつれて、ぎょらんで見るもの自体がその人自身の心の持ちようだということがわかってくる。生前の良い思い出、好意的な気持ちなど、プラスの感情をしっかり思い出してあげることがその人への本当の供養なのかも。
最後のコロナで家族を失った人の話でも、ぎょらんなんかなくても、故人を知る人と話をするだけで故人の思いは知ることができる。亡くなった人への後悔ばかり苛まれてしまうとそういうことを忘れがち。当たり前のことなんだけど、お通夜とかお葬式で待ち時間などに話すことの大切さみたいなのを感じた。

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2026年04月30日

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涙が出てきてしまった。1話目「ぎょらん」、2話目「夜明けのはて」で「この先やばそうだな」と思ったら、3話目「冬越しのさくら」で涙が出て、その先の話でも時々ぐっと来た。
ただ、「よかった」とは書けない。そういう言葉で結んでよい気がしない。ここは個人的な事情からの感情。話を知ってしまった自分がこの本を読むには、相当のパワーが必要。また読むことはないかも。

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2026年04月28日

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1人の青年を中心に関わり合う様々な人々の視点で
物語が構成され、一つの結末に向かっていく。
当然だが、すれ違うだけの人にも人生があり、自分に置き換えて読むことができるので、スッと心に入ってくる。筆力とストーリー構成に感服。

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2026年04月20日

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人の温かさに触れられる時間だった。本を読んでる間ずっとここにいたいとさえ思った。この本を読んでるこの状況がずっと続けばいいのにと。
亡くなった人がどんなに恋しくてどれだけ大切だったとしても、その人の死が自分を絶望へと落とし込むことをある。自己嫌悪になり、自暴自棄になるかもしれない。自分が死ねばよかったと息ができなくなるかもしれない。でもやっぱり、そんな自分を救ってくれるのは、大好きで愛おしく大切だった故人ではなく、今を生きる"人"で、一緒に辛さを分かち合い乗り越える”生きている人"なんだと、その矛盾が苦しいくらい悔しくてでも、だからこそ人は美しいと感じて止まなかった。

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2026年04月17日

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普通に長編小説のつもりで読んだが中は短編小説が繋がっているような形で描かれていた。

外では読めないくらい泣いたところもあった。
大事な人や身の周りの人をいつ失ってしまうかわからないから大切にしないとだなーと思わされた。

正直最初『ぎょらん』ってワード聞いた時に少し生半しくて苦手なジャンルかなと思ったけど読んでよかった。

とても感動できる話だった。


⭐︎3.8

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

葬儀社を取り巻く、人々の生きざま、死にざま。ある章では端役だった人が次の章では主役になったりと、あざやかにつながりながら、ぎょらんについても考察されてゆく。朱鷺の言葉「ひとは負い目があると悲しい記憶や辛い記憶、罪の意識なんかを思い出します。でも、幸福だった記憶を思い出してください。楽しく笑いあったこととか、くだらないことで盛り上がったこと」。私自身も両親を亡くし、「もっとああすれば、こうすれば…」との思いは尽きないが、医療・介護・葬祭に関わるいろんな方に「いい看取りやったね」「いいお式やったね」と声をかけてもらい、どれだけ励まされたことか。人々とのこういったつながりや、死者?生者?の心の内が昇華したぎょらんを通して、人は少しずつ「喪の仕事」を終えていける。その一方で、介護施設でマニキュアを塗ってもらって喜んでいた茂子さんへの死化粧。それは亡くなってからマニキュアを塗るのと同じだという七瀬の言葉「喜ぶかもしれない、と思うだけなんだよね。生きている側の「してあげた」っていう自己満足に過ぎない。死んでしまったらもう二度と、繋がれない。茂子さんの体はまだここにあるけど、でも心はもう別の世界にいってる。本当の意味で、彼女に触れることはできないんだよ」。自分に対しても人に対しても、生きているうちに後悔のないように、これは改めて強く思ったシーンだった。

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2026年04月02日

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亡くなった時に思いの強さから生まれるというぎょらん。そんな都市伝説のような噂を通じて、生死と向き合う人たちの物語。

人は亡くなると思いは一方通行にしか流れないから、故人がどんな人生を送っていたか、どんなことを思いながら亡くなったのか、それは残された人たちそれぞれが解釈するしか他ない。

故人が自分を憎み妬んでいると思うのは、生きている者の後悔を晴らしたいから、というのは納得した。
だから後悔したくなければ、生きている間に逃げずに向き合う覚悟を持って会話をしなくてはいけないんだなと、、

お別れは辛いけど、残された人はこれからも人生を続けていくために、故人を想い、感情を露わにする時間が大切。お葬式はそのための儀式なんだなと実感できた。

日頃から存在が当たり前になりすぎている人ほど、後悔ないようにもっと素直にコミュニケーションとっていかないとなと思った。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

現代社会が抱える問題を心理描写を交えながら、死生観に想いを至らせる作風が気に入って何冊か読んでいる。

死を通して生を見つめることで、亡くなった人の思いや残された人の心情が描かれており、死は終わりではなく、生きている人の心の中でその人が残り続けることなんだな。

読後は、そうか、俺も「ぎょらん」を見つけたかったのかもしれないな、と。

それにしても、男女関係の描写が生々しい場面もあり、しんどい。
情報が溢れる現代では、際どい描写でないと、想像が絞れないのかもしれないな、と感じた。

刺さった一文
▪人は、自分が耐えきれない負荷を感じた瞬間に感覚が麻痺してしまう。
▪幼い頃に、精神が強く刷り込まれると、大人になっても消えない。
▪誰かが死を迎える度、世界は一度終わっている。亡くなった人のいた世界からすっぱりと切り離される。
▪私たちは、自分ではどうしょうもない流れにのって別れへと運ばれていく。
▪強くあろうとしなくていい、弱くていい、どうやっても立ち上がればいい。
▪時に誰かの救いになり、時に救われて、笑って生きる。

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2026年03月07日

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ネタバレ

プロとして、顧客の前で泣いてはいけない仕事と、泣くことでプラスに働く仕事。どこに線引きがあるか。
例えば結婚式や大往生した命を共に支えた医療関係者がクライアントや患者と共に泣くことがマイナスに捉えられることは滅多にない。
ところが葬儀社はクライアントと共に悲しむことはだめだとされる。
それはきっと満足と無念の差なのだろう。
いや、泣くことでプラスに働くというのは誰かにとっての話でありあくまで他人、それも仕事という壁を挟んだもの同士で満足なのか無念なのかなんてわかりえないものだ。

獣医として働いていた頃、職場の人間から女なんだからそんなの患者と共に泣いておいた方が得なのにとせせら笑われたことがある。
私は絶対に患者の前でも職場仲間の前でも泣くことはしたくなかったし、そもそもできなかった。
自分がしてきたことには絶対的な自信があるわけではない、それはそこに正解はないと思うから。もちろん、治療を行う上でのひとつひとつの選択肢は考えた末の責任を持って選んできた。
そんな常にどこか中途半端にしかなりえない医療という世界で、その選択肢をしてきた側の人間が泣いても一体その涙はなんなんだ?と思うから。
だから例えオーナーさんが満足したペットの最期だったとしても、どんな最期であれ医療の限界、ひいては命の限界という無念さを少なからず感じずにはいられない。
と、長く愚痴が出てくるほどにはのめり込める一冊だった。

この作品自体に関してで言えば作者の腕の良さがなしえたやや複雑で、だからこそより頭を捻らせるストーリー展開だった。
落とし所は正直深いものには感じなかったけど全編を通して考えさせられるネタが多かった。

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2026年03月01日

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ネタバレ

遺された人が故人に対してどうその死に向き合うのかを書いた短編集。

母の死に対して向き合うために読んだ一冊。
母がもしぎょらんを遺していたのなら、何を伝えていたのだろう。
母は朱鷺の母と同じ頃に同じように癌で亡くなった。
最期は意識が朦朧としている状態が長く続いていたため母自身も自分が亡くなることに気づかずにこの世を去った。当時高校二年生だった僕は馬鹿で、命が消えかかっている母に対して向き合おうとせず、ろくに見舞いにも行かず、後悔しか残っていない。もっと話がしたかったし、もっと安心した姿を見せたかった。祖母が去年亡くなる前に僕に「安心だ」と言ってくれたことが救いだ。母も同じように今の僕を見たら安心してくれる自分にきっと成長できていると思う。だといいな。
母がぎょらんを遺したのは自分ではなく父か姉だと思う。僕とは対照的に献身的な介護をした2人のどちらかに。思えば今まで2人と母について話したことはほとんどない。次に帰省した時は話してみようと思う。

死に対して様々な向き合い方があると思う。この1冊でもそれぞれに向き合い、答えを出していた。
生きていく以上これからもしに向き合っていかなくてはならない。朱鷺のように後悔のしない選択を取りたい。きちんと向き合いたい。
いつか最愛の人が亡くなる日が来るのかもしれない。申し訳ないけど先に死にたい。結局逃げてしまう。

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2026年02月25日

匿名

購入済み

ぎょらん、本当にありそうな気がしてきます。
ひとの最後の時に思いを馳せた物語なので読んでいて苦しくなったりもしました。身近にある事なのに怖くてあまり考えないようにしていたました。まだ怖くて深く考えられないですが、後悔しないよう人を大事にしていきたいと思いました。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

初めましての作家さん。

死者が遺す赤い珠。
噛み潰すと死者の最期の思いや願いが流れ込んでくると
言われる都市伝説のような存在。

朱鷺(とき)は、親友の死に際し、「ぎょらん=魚卵」を発見。
口に含み、かみ潰し、流れ込んできた思いに激しく打ちのめされ、
人が変わったようになり、10年もの間、ひきこもった。

そんな朱鷺が、葬儀社に勤め、様々な死者と遺族の絆や
未練に触れ、自身の抱える過去やトラウマと向き合い
歩き出す姿を描いた連作。

これは、電車で読むには、注意が必要です。
泣いたから・・・涙腺がゆるみ鼻水が花粉症と合体してダダ洩れ。
通勤ラッシュ時には、マスクはしていても恥ずかしいです。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

ぎょらんを中心に5〜6編の短編のようなかたちで一人称を変えながら進んでいく話。複数の一人称で進むパターン、好き。いろんな目線で物語が語られるから、ああ、この人からみたら世界はこう見えるんだ、と思える。
最後、ぎょらんに対する解説的な話がちょっと冗長な感じがしたので星3だけど、全体的には町田その子さんの人物描写や物語の途中途中にくらう衝撃的な展開にハマる一冊だった。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

赤い珠にまつわる短編集。お話ごとに主人公が変わりその背景を理解するまでに時間がかかったこと、そして死という重いテーマだったことも相まって中々読み進められず。
だが、時間をかけて最後まで読み切った。
読んで良かったと思える作品だった。

まだ、他人の死に触れたことがないからこそ遠くのもののように思えたが、両親の死、友達の死、いつでも起こりうる話でもあるのだなと思った。

誰かの死を目の当たりにした時、その悲しみを越えていくことは時間がかかる。だが、その時間の長さはきっと生前のその人との関わりによって変わるのかもしれない。喧嘩をして別れれば悔いが残るし、相手のために何かを成し遂げたなら少しの清々しさが残るのかも。今、一緒にいてくれる人たちを大切にしたいと改めて思わせてくれた。

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2026年02月20日

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