【感想・ネタバレ】ぎょらん(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)

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Posted by ブクログ

町田そのこさんの『ぎょらん』を読んだ。会社の休み時間に作中の『糸を渡す』を読んでいたら、不意に涙が溢れてきて大いに困った。社内で突然泣いていたら周囲に引かれるのは自明のため本を閉じようとしたけれど、ページを繰る手を止められなかった。続く『あおい落葉』もヤバくて、涙腺守れなかった…

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2026年07月12日

Posted by ブクログ

数ヶ月前に、祖父を亡くした。

92歳。親戚は大往生だと口々に言っていた。

田舎で暮らしていた祖父は、体調を崩して都市部の病院に入院し、その後そのまま施設に入った。
施設に来てからは家に帰りたいと言っていたそうだ。
そして、その願いが叶うことなく亡くなった。
祖父は本当に幸せだったのだろうか。

私自身、仕事も忙しく、幼い子供もいるため、なかなか見舞いに行くことができなかった。
両親と明日見舞いに行こうと約束をした。その朝に亡くなった。死に目には会えなかった。
祖父のために、自分にできたことがもっとあったんじゃないか。ずっと考えていた。

生きていると、日々後悔をする。
よく「やらずに後悔するより、やって後悔」なんて聞くが本当にその通りだと思う。
本書を読み、改めて日々自分の身近な人を大事にしたいし、時間は有限であることを感じた。
特に、もう若くない両親に対して、少しでも長生きしてほしいと思うと共に、感謝を伝え、日々自分にできることをしていきたい。そう思いました。

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2026年07月12日

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ネタバレ

この本を読む3週間前に実父が亡くなりました。

本の内容を知らずに読み始めた私には、中々に辛く刺さる話でした。父が亡くなる前に読んでいたら、これほどこの本に心揺さぶられることはなかったと思います。

247頁より
【「喜ぶかもしれない、と思うだけなんだよね。生きている側の『してあげた』っていう自己満足に過ぎない。死んでしまったらもう二度と、繋がれない。茂子さんの体はまだここにあるけど、でも心はもう別の世界にいってる。本当の意味で、彼女に触れることはできないんだよ」】

関係ないと思っている人、さらっと読んでしまった人ほど受け取って欲しい言葉がたくさんありました。きっと生前どれだけ尽くしても、もっとこうすれば良かったと後悔すると思います。
少しでも後悔が残らないように多くの人に届いて欲しい作品です。

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2026年06月27日

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大切な人に気持ちを伝えることや、伝えられる状況がどんなに尊くて幸せなことなのかを実感させてくれるような小説だった。

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2026年06月14日

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朱鷺くんの周りで起こるぎょらんにまつわるエピソードで進むお話。
親友の残したぎょらんが元で引きこもりになった朱鷺くんが、周りの人や職場の葬儀屋さんでのぎょらんとの縁でだんだんと日常を取り戻していく。
読んでいると胸が詰まる思いがこみ上げてきて、じわじわと涙が…。
いつかは自分や周りの人の死に直面する日が来る。自分の大事な人を当たり前に大事にして生きていきたい。自分が死ぬ時には、愛のぎょらんを残してあげたいと思う。

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2026年05月29日

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ネタバレ

大好きでした。人間の死について、残された者がどう受け止めるかの話が繋がっていく。ハッとさせられる描写がいくつもあり、自分も巻き込まれるように過去に立ち会った死について考えさせられた。展開を分かった上でもう一度読み返したい。いや、読む。

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2026年05月16日

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死者の思いが託されたぎょらん。それを見ることができるのは、残されたものにとって果たして幸せなのか。
登場人物が少しずつ重なっていく連作短編集。全話に出てくるトキがすごく魅力的。一話の時は、ただの引きこもりだったのが、違う話では、仕事ができそうなイケメンに書かれている。トキ自身は同じように動いているのに、こんなに違う人に見えるのが面白い。結局、人の印象は、その人の主観で大きく変わるんだなぁと思った。たくさん登場人物がいるけれど、だからこそ死に対する考え方もたくさんあって、考えさせられる小説。
また、時間を置いてから再読したい。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

やはり町田そのこの描く短編は一級品だ。

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」
噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。
地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は
ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。
「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。
死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。

短編なのだが、それぞれの物語の登場人物たちが繋がりを見せる連作短編。
大きなテーマとしては朱鷺という青年の再生への過程といったところか。

どのエピソードも感涙もの。
個人的には『冬越しのさくら』と『糸を渡す』の二篇は
もう読んでいて涙が止まらなかった。
葬儀社での朱鷺の教育係でもある上司の相原さん。
彼女の知られざる苦悩、そして誰にも真似できないであろう強さ。
ある種の憧れのようなものを抱いたぐらいである。
どうか、彼女には幸せになってほしいと心から思えた。
それは朱鷺と華子の兄妹においてもそう。
とにかくどのエピソードもキャラがしっかりと立っている。
そして自身にも覚えのある胸に刺さる後悔と願い。

この小説を読んで自身の家族を思い浮かべない人などいるのだろうか。

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2026年04月22日

購入済み

死に触れて葛藤する様をそれぞれの視点で、時に苦しかったり恐ろしかったりホロリとしたり。でも最後には大きな営みを見守っているような暖かい気持ちになる事ができました。

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2026年04月17日

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ネタバレ

人の死が関わり、遺された人たちの立場より
心情や視点をえがくのが多い人なのかなと素直な感想。

みんなそりゃあ自分に甘くて優しいから、ああしとけばよかったの後悔が誰かにきっとある。
その罪悪感は相手がいなくなった時ほんとうに出てきても、どうしようもないことなのだと実感される。伝えられるのだ。

家族や大事な友人を今、大切に今、相手のためにできることを考えていこうと思う。

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2026年04月08日

私は好きでした。

友人を亡くしたことがある私にとって、すごく考えさせられる物語であり、すごくその人に会いたくなった物語でした。普段あんまり泣かないのですが、終わったら泣いてました。
人の死が自分の心にどのように影響するのかもしっかりと考えられていた小説でした。

#共感する

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2024年10月23日

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ネタバレ

大好きな町田そのこ先生の作品の中でも、小説としてとても完成度が高い作品なのではないかと、素人ながらに感じた。
死や故人と向き合う人々の物語。
故人でなくとも離れ離れになった人たちがいて、そういう出会いと別れで人生は成り立っている。
それでも人は人との繋がりを求めて生きていく。
過去に仲違いした友人や去ってきた環境を思い巡らすと、確かによい思い出も、好きだったこともたくさんあって、それを思い出す事はとても大事なことだなあと。
作中には今の自分と向き合っている人もいる。相原さんは、自分は仕事に向き合っているという、仕事へのパフォーマンス自体に依存してしまっていたが、『人を生かすための葬儀屋になる』という仕事への最初の想いを師によって思い出し、ベテランにも関わらず人からのダメ出しも冷静に昇華していて、とても尊敬する、特に好きな登場人物。

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2026年05月17日

購入済み

文庫化に際して書き下ろしが追加されています。
死者が残すというぎょらんをめぐるあたたかい連作短編集でした。
大切な人を失ったときに後悔しないように生きたいと思わされる物語でした。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

文庫の帯に「一番泣ける涙が止まらない」と
あった。
こんな感じの宣伝文句はよくあるしと思いながら読み始めたら、泣けた!
それもかなり泣いてしまった。

7編からなる連作
死、にまつわる話だから、気分が落ち気味の時は読まない方がいいかなと思っていたけれど、むしろ逆。
全編通して、ひとりの青年の再生の話でもあり、その他の人々も、ちゃんと生き切る為に、そしてちゃんと死んでゆく為に、と言う話。

親友の死を、目の当たりににして引きこもり、漫画ばかり読んでいて、その妹に「ハイクラスクソニート」と呼ばれる朱鷺(とき)
長い間引きこもっていると、仕事で人と話すのも
ひと苦労
明日こそまた家にこもってしまおう、と思いながら出勤する
休みの日の夜朝が永遠に来なければいいと呪ったり
「でも家族のために、自分の為に頑張りたいとも思うんです。ここであの部屋に戻ったら、僕はもう二度と動けない」
と話す朱鷺
気軽に、わかる と言うのは軽薄かも知れないし
その重さも違うだろうけれど
明日は仕事へ行くのが辛い休日の夜、というのは有ったなぁ。

著者は、限りなくつらい、果てしなく苦しい人々の気持ちをわかり、そして文章に描いている。

すてきな読書時間でした。

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2026年05月13日

Posted by ブクログ


最初の3つのストーリーは、
ふわふわ読み進めていた。

4つめの「糸を渡す」から一気に引き込まれた。

親、子、兄弟、恋人、友人。
大切な人の死をどう受けてめていくのか。

人がいつ死ぬかわからない以上、その直前まで
頼って、頼られる。甘えて、甘えられる。

バランスがどちらかに傾いた状態で
大切な人の死が訪れると 後悔が強く残る。

愛が残ると、この一冊のような温かい物語になるし、
相手に恨みが残ってればホラー小説に発展する。

2026.07.19-83冊目/年

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2026年07月19日

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周りの大切な人たちの死を見送るくらいなら、自分が先に死にたいと、ずっと思っていた。そうしたら悲しみも辛さもない。

中学1年生の夏に亡くなった祖父の、青黒く変色した肌と頬のコケたゾンビのようなの姿が、ずっと脳裏に焼き付いている。

祖父とは正月に会ったきりだったし、母から「おじいちゃんが亡くなったので、明日明後日は学校を休んでね」と言われたときはおじいちゃん亡くなったのかぁ、とぼんやり反芻した。祖父は複雑な事情で血が繋がっていなかったので、私は血の繋がらないおじいちゃんは果たしておじいちゃんだったのか、と思春期の私は涙が出なかった。腐敗が進んだ青黒い姿を見たのはそんな後だった。

通夜を終えた後の、同じく血の繋がらない祖母が、母親に抱えられながら泣き崩れた。いつも明るく笑う祖母の初めて見る涙だった。火葬の前に故人の顔を見届けましょうと言われ、私は、また青黒い姿を見るのが怖かった。恐る恐る見た祖父の顔は、白い肌で静かに眠っていた。死人には化粧をさせられることをそのとき知り、綿を詰めたりする技術とそんな仕事があるんだと驚いた。そして祖父とお別れをし、青黒かった皮膚は溶け、骨になっていた。

これは私自身が感じたことでこんな話不謹慎だと言われそうで誰にもしたことがない。生気の消えた人間の恐ろしさ、大好きな人が、私より先にゾンビのような姿になってしまうのがすごく怖い。誰の死も見たくないから私が最初に死にたいと思っていた。
でも、きっと私が今死んでしまったら家族や友人、恋人がすごく悲しむ。その悲しみを想像したら涙が出そうになる。私たちは、きちんと人生を真っ当し、死ぬまでしっかりと生きる義務がある。別れるその時になったら、きちんと泣いて、お別れをして、また生きていかなければならない。そのために葬儀屋がいて葬式があって、故人と残された人との最後の時間が設けられているのだなぁと本書の感想と、あのころの気持ちを、ここにひっそり書き記そうと思う。

ps.御舟は松村北斗でお願いします

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2026年07月07日

Posted by ブクログ

終始暗い雰囲気だった。
ぎょらんとは何なのか私も知りたくなった。
ぜひ見てみたい。
生きている時にたくさん話してお互いを大切にしていきたい。

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2026年07月02日

Posted by ブクログ

帯には『泣ける』と一際大きく書いてあり、本当か?と疑いながら手に取りました。

最初から最後まで、悩み、向き合った朱鷺。
死人に口無しとは本当にこのことだと思いました。

故人が生きている間に心に芽吹いた、罪悪感や幸せが、遺すものを時に苦しめ、時に幸せにさせる。

答えのない『あの人だったら』『あの時こうしていれば』に答えを見つけようとする、生きている人間であればきっと誰しも耳を傾けてしまうような本でした。

最後に壇蜜さんが解説を行っているのも新鮮でとても楽しく読むことができました。

自分もそろそろ、周りの人の死にきっと直面する場面に出会うと頃合いです。その時はきちんと向き合おうと思いました。

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の章が一番胸にきました
逆に最後の章が無ければ私の中ではこの本の印象が違っていました

東北の震災や新型コロナウイルスにより命を突然に絶たれた方が大勢いて、当然もっと多くの遺族の方々がいる。日本中、世界中が混乱して死と向き合うどころではない状況だったのだ思う
忘れてはならないと改めて思わせてくれ

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2026年06月10日

Posted by ブクログ

死別って心の準備が必要なので、色んな心残りもあるだろうな。トキは長い間苦しんでいたけど、とても優しい人でその行動にジンときた。タイトルの“よ“がはみ出てて可愛い。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

ハイスペックニートだった朱鷺が葬儀屋として他人の死に触れることによって、段々と自分の親友の死にも向き合えていったところが良かった。文面から自信がついていってるのが読み取れて表現の仕方がすごいなあと思った。
人は死んでしまったら、もう繋がることはできない。でも故人の願いを叶えられた時だけは、また再び繋がれるという言葉がとても印象に残った。
最近、死への距離感が近くなる出来事があり、当たり前だと思っていたことは、決して当たり前では無い。伝えられるときに伝えなきゃ駄目だということを自身の経験からも、この本からも学べた。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

人の思いは知ることができない⁇まして亡くなった人の思いは知ることが出来ない。悩みながら生きていく、、、

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2026年05月31日

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ぎょらん、死んだあとに対峙するその人への気持ちと捉えました。

人が亡くなると必ず後悔って残ると思うし、後悔のないように人と接することは不可能に近いと思うけど、迷うことがあるなら行動したほうが良いね。
自分が起こす行動って結局エゴでしかないから。

人間だからエゴで動いてなんぼ。
でも人間だからこそ、その言動の裏にある気持ちを推し量れるんだな、と。

最初の一文、面白い!笑
家に帰ったら、リビングで朱鷺が暴れていた。(p.8)

そして読み返して思ったけど、朱鷺は最初からぎょらんの存在について何となく分かってたんだよね。
けど、お母さんとの約束に真摯に向き合う姿、そして人を大切に思う性格、素晴らしいキャラクターだと感じました!

華子の不倫相手が死んだ後の珊瑚のアクセサリーを朱鷺が食べたところ:
「間違いなくぎょらんだったぞ」と強い口調と声で言った。本当だぞ。よかったな、華子。(p.47)


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2026年05月31日

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ネタバレ

ぎょらん
ぎょらんが見せた個人の思いに苦しむ主人公の朱鷺を中心に、様々な人物たちの、死にまつわるエピソードがまとめられています。

10年後とか、自分の人生のフェーズが変わったらまた読みたいなと思いました。

冬越しのさくら の章がすごく好きでした。
相原さんと、師匠であるサクさんのはなし。
事故で亡くなった母の葬儀を取り仕切ったのがサクさんで、母の見送りをしっかりさせてくれたことで死を受け入れることができた。そこで相原さんが葬儀社で勤めることを決めた。その話を聞き、朱鷺が葬儀屋を頑張る、と決める。相原さんの昔の恋人であり、今の上司の瀬尾くんが、本当は別れないで一緒にいたかったと伝えるシーンで苦しくなりました。子供ができるできないは本当に人生を変えるよな・・

糸を渡す
自分の理想の家族像を押し付ける母と、それに息苦しさを感じる娘と夫のはなし。
「何度だって話して衝突し合えばいいのよ。どこかできっと分かり合える。だってそれが家族なのよ。家族から逃げたら、駄目よ。」
この言葉は、この子には効く言葉だねど、でも本当に逃げた方がいい家族には言えない言葉だなと思ったりしました。

あおい落葉
葉子と小紅、朱鷺と蘇芳たちの、中学時代から今に至るまでの話。
これ一つだけでも漫画や小説になりそうな濃厚なものでした。
小紅に執着する美人な葉子には家庭環境が劣悪だったということを、亡くなってから知ります。自分から見えているものは本当にただの一面でしかないのだなと痛感させられます。
また、ぎょらんに苦しむ朱鷺が、何に苦しんでいたのかがだんだん分かり始めるのもこの章でした。学生時代の、嫉妬や執着などと言った感情は、思い返すともう戻りたくないな、大人になれて良かったなとおもいます。だから葉子にも蘇芳にも生きててほしかったなと思いました。

珠の向こう側
「死というものによって、この人のいた世界と断絶したんだなと思う。この人のいた世界は、もう永遠に還らない。」
まだ自分の肉親や兄弟を失ったことはないけれど、祖父母に感じるのとは全く違う喪失感があるんだろうなと、思わされる一文でした。
最終的に、ぎょらんは結局なんだったのか。が分かり、朱鷺と姉が和解をするに至るハッピーエンドを迎えられて良かったと思いました。
親が連絡したい人って誰だろう、、親にもエンディングノート準備して欲しいなと考えてしまいました。

壇蜜さん解説はよくわからず、文庫化に際しての書き下ろしは、なくてもよかったのでは?と思いましたが、朱鷺がその後もぎょらんについての検証活動を続け、母の遺言である、救い救われて生きてゆけ、を守り抜いていることが分かります。
ネイリストの仕事をしている美弥が、コロナ禍で姉を突然亡くす。たまたまぎょらん検証の掲示板を知り、朱鷺から助言をもらい、姉の夫と親友と話をすることで、自分が知らなかった姉の思いを知ることができ、前向きに生きていくことを決意する、というもの。亡くなってからも、故人と繋がることができる。という本作のメッセージを再定義するような章だったのかなと思いました。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つ目の話を読んだ時は、ただのオカルト系短編集かと思った。2話目以降を読んでいくと大きく印象が変わった。
ぎょらんは死んだ人の思いが残されたもの、口にするとその思いを知ることができる、とされているが、人によって呼び方も違い、その本質の捉え方も違う。存在を信じる人もいれば信じない人もいる。ぎょらんによってその後の人生を立ち直れなかった人もいれば、前向きに生きれた人もいた。
故人に対して生前に悔いが100%ないと言い切れる付き合いができることはほぼないと思う。日々生じる誤解を全て解くこともできないし、ちょっとした諍いだってあるはず。突然その相手が亡くなってしまったら、こうしておけば良かったという後悔ばかり心の中でピックアップされてしまう気がする。それを昇華させるのも、増幅させるのもぎょらんなのだと思う。最後の章に進むにつれて、ぎょらんで見るもの自体がその人自身の心の持ちようだということがわかってくる。生前の良い思い出、好意的な気持ちなど、プラスの感情をしっかり思い出してあげることがその人への本当の供養なのかも。
最後のコロナで家族を失った人の話でも、ぎょらんなんかなくても、故人を知る人と話をするだけで故人の思いは知ることができる。亡くなった人への後悔ばかり苛まれてしまうとそういうことを忘れがち。当たり前のことなんだけど、お通夜とかお葬式で待ち時間などに話すことの大切さみたいなのを感じた。

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

涙が出てきてしまった。1話目「ぎょらん」、2話目「夜明けのはて」で「この先やばそうだな」と思ったら、3話目「冬越しのさくら」で涙が出て、その先の話でも時々ぐっと来た。
ただ、「よかった」とは書けない。そういう言葉で結んでよい気がしない。ここは個人的な事情からの感情。話を知ってしまった自分がこの本を読むには、相当のパワーが必要。また読むことはないかも。

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2026年04月28日

Posted by ブクログ

1人の青年を中心に関わり合う様々な人々の視点で
物語が構成され、一つの結末に向かっていく。
当然だが、すれ違うだけの人にも人生があり、自分に置き換えて読むことができるので、スッと心に入ってくる。筆力とストーリー構成に感服。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

人の温かさに触れられる時間だった。本を読んでる間ずっとここにいたいとさえ思った。この本を読んでるこの状況がずっと続けばいいのにと。
亡くなった人がどんなに恋しくてどれだけ大切だったとしても、その人の死が自分を絶望へと落とし込むことをある。自己嫌悪になり、自暴自棄になるかもしれない。自分が死ねばよかったと息ができなくなるかもしれない。でもやっぱり、そんな自分を救ってくれるのは、大好きで愛おしく大切だった故人ではなく、今を生きる"人"で、一緒に辛さを分かち合い乗り越える”生きている人"なんだと、その矛盾が苦しいくらい悔しくてでも、だからこそ人は美しいと感じて止まなかった。

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2026年04月17日

Posted by ブクログ

普通に長編小説のつもりで読んだが中は短編小説が繋がっているような形で描かれていた。

外では読めないくらい泣いたところもあった。
大事な人や身の周りの人をいつ失ってしまうかわからないから大切にしないとだなーと思わされた。

正直最初『ぎょらん』ってワード聞いた時に少し生半しくて苦手なジャンルかなと思ったけど読んでよかった。

とても感動できる話だった。


⭐︎3.7

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

葬儀社を取り巻く、人々の生きざま、死にざま。ある章では端役だった人が次の章では主役になったりと、あざやかにつながりながら、ぎょらんについても考察されてゆく。朱鷺の言葉「ひとは負い目があると悲しい記憶や辛い記憶、罪の意識なんかを思い出します。でも、幸福だった記憶を思い出してください。楽しく笑いあったこととか、くだらないことで盛り上がったこと」。私自身も両親を亡くし、「もっとああすれば、こうすれば…」との思いは尽きないが、医療・介護・葬祭に関わるいろんな方に「いい看取りやったね」「いいお式やったね」と声をかけてもらい、どれだけ励まされたことか。人々とのこういったつながりや、死者?生者?の心の内が昇華したぎょらんを通して、人は少しずつ「喪の仕事」を終えていける。その一方で、介護施設でマニキュアを塗ってもらって喜んでいた茂子さんへの死化粧。それは亡くなってからマニキュアを塗るのと同じだという七瀬の言葉「喜ぶかもしれない、と思うだけなんだよね。生きている側の「してあげた」っていう自己満足に過ぎない。死んでしまったらもう二度と、繋がれない。茂子さんの体はまだここにあるけど、でも心はもう別の世界にいってる。本当の意味で、彼女に触れることはできないんだよ」。自分に対しても人に対しても、生きているうちに後悔のないように、これは改めて強く思ったシーンだった。

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2026年04月02日

匿名

購入済み

ぎょらん、本当にありそうな気がしてきます。
ひとの最後の時に思いを馳せた物語なので読んでいて苦しくなったりもしました。身近にある事なのに怖くてあまり考えないようにしていたました。まだ怖くて深く考えられないですが、後悔しないよう人を大事にしていきたいと思いました。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

人が死ぬ間際に強く願ったことが、小さな赤い珠となる。それを『ぎよらん』と言う。ぎょらんを食べて、故人の憎しみを知った青年が、苦しみながらも、ぎよらんの謎を解こうとする。果たして、ぎょらんとは?登場人物があちこちで繋がっていて、相関図を書きたくなった。

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2026年07月08日

Posted by ブクログ

人が死ぬ間際に残す珠と言われる「ぎょらん」そこには死者の最期の想いがあるという。

それを主題にしたエピソードが何個か。繋がりのある話でもあって、その人物がどういう想いだったのかとか色々と分かってきてそこにも読み応えがあった。

目がうるうるとさせられる作品もあり、「ぎょらん」の意味を色々と考えた。
僕が亡くなった時、誰にどういう想いを伝えたいのだろうか。
作中にもあった『エンディングノート』。以前も買ってみようかと思って結局買わなかったけれど、今回はちゃんと買って書いてみようと思う。

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

初めましての作家さん。

死者が遺す赤い珠。
噛み潰すと死者の最期の思いや願いが流れ込んでくると
言われる都市伝説のような存在。

朱鷺(とき)は、親友の死に際し、「ぎょらん=魚卵」を発見。
口に含み、かみ潰し、流れ込んできた思いに激しく打ちのめされ、
人が変わったようになり、10年もの間、ひきこもった。

そんな朱鷺が、葬儀社に勤め、様々な死者と遺族の絆や
未練に触れ、自身の抱える過去やトラウマと向き合い
歩き出す姿を描いた連作。

これは、電車で読むには、注意が必要です。
泣いたから・・・涙腺がゆるみ鼻水が花粉症と合体してダダ洩れ。
通勤ラッシュ時には、マスクはしていても恥ずかしいです。

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2026年04月26日

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