【感想・ネタバレ】ぎょらん(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

死んだ人が残す思いの玉。大概恨みつらみでは?というのが最初の考えたこと。老衰で死ねたらいいよなぁと思いながら、病気とか事故で人はだいたい死ぬし、何かしら後悔が多いよなと思った。
この作品最大の盛り上がり所はやはり主人公の母親が亡くなるところではあると思うのですが、その一節のこの手を離すときが来た。という1文には涙が止まらなかった。いつか別れるし、いつか会えなくなるとわかっていても、いざその時までは実感できないのは人の性を上手く表現していると感じた。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を読む3週間前に実父が亡くなりました。

本の内容を知らずに読み始めた私には、中々に辛く刺さる話でした。父が亡くなる前に読んでいたら、これほどこの本に心揺さぶられることはなかったと思います。

247頁より
【「喜ぶかもしれない、と思うだけなんだよね。生きている側の『してあげた』っていう自己満足に過ぎない。死んでしまったらもう二度と、繋がれない。茂子さんの体はまだここにあるけど、でも心はもう別の世界にいってる。本当の意味で、彼女に触れることはできないんだよ」】

関係ないと思っている人、さらっと読んでしまった人ほど受け取って欲しい言葉がたくさんありました。きっと生前どれだけ尽くしても、もっとこうすれば良かったと後悔すると思います。
少しでも後悔が残らないように多くの人に届いて欲しい作品です。

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2026年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の章が一番胸にきました
逆に最後の章が無ければ私の中ではこの本の印象が違っていました

東北の震災や新型コロナウイルスにより命を突然に絶たれた方が大勢いて、当然もっと多くの遺族の方々がいる。日本中、世界中が混乱して死と向き合うどころではない状況だったのだ思う
忘れてはならないと改めて思わせてくれ

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2026年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぎょらん
ぎょらんが見せた個人の思いに苦しむ主人公の朱鷺を中心に、様々な人物たちの、死にまつわるエピソードがまとめられています。

10年後とか、自分の人生のフェーズが変わったらまた読みたいなと思いました。

冬越しのさくら の章がすごく好きでした。
相原さんと、師匠であるサクさんのはなし。
事故で亡くなった母の葬儀を取り仕切ったのがサクさんで、母の見送りをしっかりさせてくれたことで死を受け入れることができた。そこで相原さんが葬儀社で勤めることを決めた。その話を聞き、朱鷺が葬儀屋を頑張る、と決める。相原さんの昔の恋人であり、今の上司の瀬尾くんが、本当は別れないで一緒にいたかったと伝えるシーンで苦しくなりました。子供ができるできないは本当に人生を変えるよな・・

糸を渡す
自分の理想の家族像を押し付ける母と、それに息苦しさを感じる娘と夫のはなし。
「何度だって話して衝突し合えばいいのよ。どこかできっと分かり合える。だってそれが家族なのよ。家族から逃げたら、駄目よ。」
この言葉は、この子には効く言葉だねど、でも本当に逃げた方がいい家族には言えない言葉だなと思ったりしました。

あおい落葉
葉子と小紅、朱鷺と蘇芳たちの、中学時代から今に至るまでの話。
これ一つだけでも漫画や小説になりそうな濃厚なものでした。
小紅に執着する美人な葉子には家庭環境が劣悪だったということを、亡くなってから知ります。自分から見えているものは本当にただの一面でしかないのだなと痛感させられます。
また、ぎょらんに苦しむ朱鷺が、何に苦しんでいたのかがだんだん分かり始めるのもこの章でした。学生時代の、嫉妬や執着などと言った感情は、思い返すともう戻りたくないな、大人になれて良かったなとおもいます。だから葉子にも蘇芳にも生きててほしかったなと思いました。

珠の向こう側
「死というものによって、この人のいた世界と断絶したんだなと思う。この人のいた世界は、もう永遠に還らない。」
まだ自分の肉親や兄弟を失ったことはないけれど、祖父母に感じるのとは全く違う喪失感があるんだろうなと、思わされる一文でした。
最終的に、ぎょらんは結局なんだったのか。が分かり、朱鷺と姉が和解をするに至るハッピーエンドを迎えられて良かったと思いました。
親が連絡したい人って誰だろう、、親にもエンディングノート準備して欲しいなと考えてしまいました。

壇蜜さん解説はよくわからず、文庫化に際しての書き下ろしは、なくてもよかったのでは?と思いましたが、朱鷺がその後もぎょらんについての検証活動を続け、母の遺言である、救い救われて生きてゆけ、を守り抜いていることが分かります。
ネイリストの仕事をしている美弥が、コロナ禍で姉を突然亡くす。たまたまぎょらん検証の掲示板を知り、朱鷺から助言をもらい、姉の夫と親友と話をすることで、自分が知らなかった姉の思いを知ることができ、前向きに生きていくことを決意する、というもの。亡くなってからも、故人と繋がることができる。という本作のメッセージを再定義するような章だったのかなと思いました。

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2026年05月31日

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