【感想・ネタバレ】ぎょらん(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ああ、泣いた…。
短編形式の連作で、ひとつひとつは泣くほどではなかったのに、読み進めていくうちに、少しずつ「ぎょらん」について紐解かれていき、朱鷺と母と華子の会話に、涙涙となってしまった。

ぎょらんって何なんだろうというのは、最後まではっきりとはしない。でも、ただ、不気味なだけの都市伝説ではない、故人を悼むための何かであるような気はした。

朱鷺を苦しめ続けた、でも、母との約束を守るために親友の死と向き合った朱鷺は立派。それをいつでも優しく受け止めた母は偉大だ。

だからこそ、泣けた。

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2026年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編小説だけど、登場人物に繋がりがあったり、全体を通して大きな物語になっていたりで、文章構成がとても好き。
「死」をテーマにした涙なしに読めない重めのストーリー展開だが、「ぎょらん」を軸としたミステリー展開や、人間関係の描写は軽々としていて読みやすかった。
朱鷺、美袋、小紅などなど、言葉と漢字のチョイスが美しくて儚くて秀逸だなと思う登場人物の名前ばかりだった。

私は大切な人を亡くした経験がないから、表面的な感情でしかまだ読めてないんだろうけど、亡くなった人の想いを知りたい!というのは残された人たち誰もが思うんだろうなとは思った。
その人が目の前からいなくなっても、その人のことを知ってる人たちのなかでずっと生き続けているという最後の終わり方がじんわりと温たかかった。

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2026年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死んだ人が残す思いの玉。大概恨みつらみでは?というのが最初の考えたこと。老衰で死ねたらいいよなぁと思いながら、病気とか事故で人はだいたい死ぬし、何かしら後悔が多いよなと思った。
この作品最大の盛り上がり所はやはり主人公の母親が亡くなるところではあると思うのですが、その一節のこの手を離すときが来た。という1文には涙が止まらなかった。いつか別れるし、いつか会えなくなるとわかっていても、いざその時までは実感できないのは人の性を上手く表現していると感じた。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結局、ぎょらんの正体は明確な答えはなくて、
「コーヒーが冷めないうちに」のような故人の想いを受け取るところがスタートかと思っていたので、ちょっと拍子抜けしました。
ただ、だからこそ、完全なファンタジーとしての作品ではなく、どこかリアリティを感じさせる内容になっているなぁと。

各章で完結しているので読みやすく、それでいて人物同士の関係が繋がっていく感じは面白かったです。

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2026年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品では、「ぎょらん」が必ずしも残された人を救ってくれるわけではないところも良かった。亡くなった人の最期の思いを知りたいと願っても、それによって余計に苦しみ続ける人もいる。逆に、ぎょらんをきっかけに、それまで向き合えなかった死を受け入れたり、亡くなった人との思い出やその人が自分に残してくれたものを捉え直したりする人もいる。

大切な人が亡くなったとき、「最後に何を思っていたのか」「自分のことをどう思っていたのか」を知りたくなる気持ちはすごく自然だと思う。でも『ぎょらん』を読んでいると、本当に大切なのは最期の一瞬の言葉だけではなく、その人が生きている間に自分にくれた言葉や、一緒に過ごした時間そのものなのかもしれないと思った。

人は亡くなってしまっても、その人からもらった言葉や考え方は残された人の中に残り、その人のその後の人生を支えることがある。そして今度は、その人が別の誰かに何かを残していく。『ぎょらん』は死を扱った物語だけれど、読み終わってみると、「人が誰かの中に残り続けること」や「残された人がもう一度生きていくこと」を描いた話だったように思う。

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2026年09月17日

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亡くなった人が残す赤い小さい卵を食べると、その人の最期の想いがわかるという逸話を持つ「ぎょらん」。ぎょらんとぎょらんに囚われてしまった引きこもりの青年朱鷺を通じて、過去に様々な理由で負った傷を消化できず抱えながら生きている人たちが、その傷に違う方向から向き合って、少し救われていく物語。登場人物の抱えているものがなかなかみんなヘビィなんだけど、それ故なのか、なにか引き込まれて一気に読めてしまう力のある小説でした。

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2026年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どのお話も涙が止まらなかったです。

気持ちを伝えるのに早い遅いはない
これがほんまにそうで。

言いたかったことも言えなかったら残された側は
ずっとずっと後悔してしまう。
だからやっぱりわたしは、うれしかったこととか
その人へが大好きだという思いだったりはまっすぐ
伝えていきたいなと思いました。

物語を通して朱鷺が成長していく過程や、ぎょらんを
受け入れることができたところがよかったです。

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2026年08月29日

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