町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絶世の美少女の妹、樹恵琉の登場により、ミツ店長の家族の秘密が少しだけ暴かれるシリーズ2冊目。1冊目の登場人物のその後も少し描かれ、人生を覗き見したような気分。夫婦の在り方から学生時代特有の悩みまで、想定読者層は大人だろうけれど、幅広い年代の悩みや不安に寄り添ってくれる物語ばかり。1冊目よりもボリュームは減ったけれど、テンポよくすっと世界に入っていける。
タイプは違えどミツとツギは人を惹きつける才能の持ち主で、全方位に愛を振り撒くミツの接客に冷ややかな廣瀬くんが内心ではミツをとても敬愛し、ざっくばらんなツギの人柄に惹かれていく様がとてもよかった。
廣瀬くんはいい男になるよ。
エピローグはドラマで予習済みのドロドロの過去の因縁。これ、リアタイで読んでた人はさぞかしハラハラしたよね、小説ではどう描かれるのか楽しみ。 -
Posted by ブクログ
深夜のコンビニで出会う、一番リアルな優しさ。町田そのこさんの『コンビニ兄弟』を読み終えた後、まるで深夜に温かいホットコーヒーを飲んだかのように、心がポカポカと温まりました。
物語の舞台は、九州・門司港にあるローカルコンビニ「テンダネス」。ここには世界を救うスーパーヒーローはいません。いるのは、無自覚にフェロモンを撒き散らして老若男女を魅了するイケメン店長・志波三彦と、個性豊かなごく普通の客たちだけ。ガラスのドアを押し開けてこの店に入る人々は皆、失恋の痛みや職場の疲労、未来への迷いなど、何かしらの重荷を背負っています。しかし、鍋から出したばかりのほかほかのおでんや、香りの良いコーヒー、あるいは何気ない優しい言葉によって、その沈んだ心はそっとすくい上げられ、ゆっくりと癒されていくのです。
著者である町田そのこさんは、持ち前の繊細な筆致で、日常の中にある小さくても確かな感動を描き出しています。この本が最も心に響くのは、「どんなに生活に疲れ果てていても、世界にはあなたのその疲れを受け入れてくれる、温かい明かりが灯る場所が必ずある」と優しく教えてくれるところです。
「今日は本当に疲れた、もう頑張れない」と思った時に、ぜひページをめくってほしい一冊です。まるで24時間営業の心の避難所のように、いつでも最高の癒やしの物語とともに「今日も一日、お疲れ様でした!」とあなたに語りかけてくれます。 -
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ネタバレ不穏な終わり方をしていた上巻の更に上をいく漆黒シリアス展開であり、終盤までエスタの行方が知れず……というミステリー色が強めのストーリーだった。
ミステリーの観点から言うと、サブタイトル「神々の食前酒」の真実がエスタ誘拐に関わるものであり、終盤でようやく明らかになるエスタの決意が悲壮で涙なしには読めない。
個人的な推しである男装女子リルが最後まで活躍してくれて嬉しかった!
レルファンに対して抱く気持ちの変化が尊すぎる。
上巻では恋心として描かれていた気持ちが、下巻のエスタ救出作戦前ではかなり昇華されて「好いた人の幸せのために戦えるのが自分の幸せ」と思っている。その手前の市場に出かけるシーンでも、途中でエスタに繋がる手がかりを見つけてせっかくのお出かけが台無しになっても文句一つ言わず従者としての責を果たしてくれている。
上巻での健気で献身的なキャラクターに磨きがかかっており、恋愛感情を抱きながらも覚悟を決めて行動で忠誠を示してくれる聖人っぷり。読者が好きにならない訳がない。
エスタが死の直前にレルファンと言葉を交わし、愛を認め合いつつ息を引き取るシーンが泣ける。
ラストはレルファンとリルで世界を巡る旅に出たのだと思うが、想像が膨らむラストで印象深かった。
世間にはレルファンとエスタの恋愛話が囁かれている一方で、レルファンとリルは単なる主従関係を超えた信頼関係で結ばれている。レルファンはリルに対して約束した「人としての幸せ」を与えつつも、エスタの忘れ形見として何らかの情を持つようになってもおかしくはないと感じた(読者によっては、エスタへの愛を生涯貫いたとみる人もいるだろうけど)。 -
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数ヶ月前に、祖父を亡くした。
92歳。親戚は大往生だと口々に言っていた。
田舎で暮らしていた祖父は、体調を崩して都市部の病院に入院し、その後そのまま施設に入った。
施設に来てからは家に帰りたいと言っていたそうだ。
そして、その願いが叶うことなく亡くなった。
祖父は本当に幸せだったのだろうか。
私自身、仕事も忙しく、幼い子供もいるため、なかなか見舞いに行くことができなかった。
両親と明日見舞いに行こうと約束をした。その朝に亡くなった。死に目には会えなかった。
祖父のために、自分にできたことがもっとあったんじゃないか。ずっと考えていた。
生きていると、日々後悔をする。
よく「やらずに後悔するより、やって後悔」なんて聞くが本当にその通りだと思う。
本書を読み、改めて日々自分の身近な人を大事にしたいし、時間は有限であることを感じた。
特に、もう若くない両親に対して、少しでも長生きしてほしいと思うと共に、感謝を伝え、日々自分にできることをしていきたい。そう思いました。 -
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『愛を注ぎ注がれるような、たったひとりの魂の番のようなひとときっと出会える』と期待し諦めながら誰にも聞こえない声で歌う52ヘルツのクジラ達の物語に涙し、最後には温かい余韻に心包まれました。