町田そのこのレビュー一覧

  • わたしの知る花

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    高校生の安珠は、公園で絵を描く「絵描きジジイ」と呼ばれている老人と知り合った。
    彼は、犯罪者だと噂する人もいた。

    その老人は、偶然にも、安珠の祖母、悦子の幼馴染だと知らされる。

    が、その老人は、孤独死した。

    安珠は、その老人のことを調べるうちに、意外な過去を知る。

    老人が、クロッカスの花束を持って来るシーンがあるが、我が家のベランダに咲く、クロッカスは、とても短い。
    我が家のクロッカスは、花束にできるか、しばし、悩んだ。

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    2025年10月18日
  • 夜明けのはざま

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    ネタバレ

    葬儀社『芥子実庵』に勤める方たちの、お話。

    葬儀屋さんってこんなに偏見持たれてるんだっけ?と疑問もありつつ、人の感情を本人以外が動かすのって、そりゃ難しいことだなぁと。。

    真奈の、仕事に対する姿勢や向き合い方が凄いと思った。そこを認められず『結婚のために葬儀に関する仕事をやめて欲しい』を貫いた純也を残念に思ったなぁ。

    人の死に関するお話なので仕方ないけど、1冊読み終えるまでにたくさんの『死』が出てくる。葬儀屋さんのお仕事、大変だ。。

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    2025年10月18日
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)

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    ネタバレ

    町田さんが描かれる人々の、不器用さと優しさが好きです。
    短編集だと、のめり込み感が少ないかな?って思ったけど、それぞれの話がちょこっとずつ繋がっていく感じが好きでした◎
    また再読して、もっと深めたいと思う1冊です。

    ベスト1節 p96
    「この水槽の中で哀しい思いをしないように、辛い思いをしないように、私が守ってあげる。焦らなくっていいんだよ。あんたのペースでいい。いつか自分で旅立てると思えるその日まで、私の中にいたらいいんだよ」

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    2025年10月18日
  • コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)

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    この方の書く文章はなんかすごく暖かい感じがして好き。
    いろんな人の良の部分に光を当てて、そうでない部分を霞ませるのが上手な方なのかな。
    この作品に出てくる登場人物たちこそ、そんな特徴を持った人たちに思えて、はじめどんなにいけ好かない野郎だなと思っても最後は大好きになってしまうような、とても魅力的な人で溢れてた。
    人との繋がりやその美しさを感じさせてくれる。
    人間嫌いな人でも読んだらちょっと人を信じてみようかな、人を好きになれるかもな、と思えるような作品だった。

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    2025年10月17日
  • コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)

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    「あなたの心、温めます」
    その言葉どおりでした。
    超個性的な兄弟に会えるこんな場所があったらいいな、と思える小説です。

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    2025年10月17日
  • あなたはここにいなくとも

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    町田そのこさん、「宙ごはん」に続き2冊目。
    何気ない日常を送っていた主人公たちの、ふとしたきっかけで人生が前向きに方向転換する瞬間の物語たち。それと、日常を大事に大事に噛み締め続けてている人たち。私はもう後者になりつつあるから、今後の人生の生き様の参考にしたいと思って、脇役の方の人々に感情移入。
    町田そのこさん、まだまだ読みたい。

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    2025年10月17日
  • ぎょらん(新潮文庫)

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    私が死んだ時…
    大切な人たちには、悲しんでほしいだろうか。
    全く悲しんでもらえないのも寂しいし、いつまでも泣かれるのもつらい。
    でも一番嫌なのは、残された人が、私は恨まれているだろうなって、ずっと背負って苦しむことかな。
    都合いいかもしれないけど、亡くなった人の気持ちなんて、それこそ奇跡でも起きない限りわからない。
    だから、私が死んだら、大切な人たちには前を向いてほしい。
    私も、もしその時が来たら、思いっきり泣いて、前を向こう。

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    2025年10月15日
  • 夜明けのはざま

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    生と死を見つめる重いテーマだった

    楓子も愛奈も自分らしく生きるための
    選択をした。

    自分にとって何が幸せか 考えさせてくれる時間だった

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    2025年10月14日
  • ぎょらん(新潮文庫)

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    人が亡くなった時、最後に強く願ったものが、赤い珠となり残るという話。いくらのような見た目からぎょらんと呼ばれていた。
    1つ1つのエピソードが遺された人が故人を思い、悲しむ場面はどれも悲しくて切なかった。
    もっとしてあげられたことはなかっただろうかと私も祖父を亡くした時は思ったし、後悔などない遺族はいないのではないか、、

    エンディングノートは印象的で
    人が良かった人ほど、最後まで迷惑をかけないようにする姿は切なかった

    ぎょらんは遺されたものたちの捉え方次第で、幸せな珠にも憎しみの珠にもなりうるのではないかな

    朱鷺の、その人と楽しかった思い出を思うようにしてくださいという言葉が沁みた
    後悔の

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    2025年10月12日
  • 星を掬う

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    『私の人生は私のもの』がテーマの作品。

    自身の息がしやすい場所は娘の居場所ではないと感じ娘を捨てる決断をした母親の無責任さに酷く憤慨した。
    自分が母から受けた歪んだ愛を娘にも向けてしまわないよう母なりの守り方だったのかも知れないが、愛していたら育てる責任は放棄しても良いはずがない。

    "不幸を親のせいにしていいのは、せいぜいが未成年の間だけ"
    言っていることは分かるがこの言葉も素直には呑み込めない自分がいる。


    自分を捨てた母が若年性認知症を患っていると知る娘。
    自分が傍を離れ幸せに暮らしていると思っていた娘が元夫からのDVに苦しんでいることを知る母。
    思い描いていた姿

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    2025年10月11日
  • 星を掬う

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    いつか自分にも起こるかもしれない介護問題や人の尊厳について深く考えるきっかけとなった。私の人生は私のものという言葉が刺さった。

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    2025年10月11日
  • 星を掬う

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    ネタバレ

    私も10代の時から自分の嫌な部分を全部家族のせいにしてきた。特に母親。捨てられたわけじゃないけど、当時の私の気持ちを大切にしてくれる人があまりいなかったと思う。寂しかったし、自分でも自分を認めることができなかったから苦しかった。

    「私が歪ませた人生」という言葉に、そうだなと思った。子どもの時は欲しかった愛情を十分にもらえなかったけど、それを自分の価値と結びつけて性格を歪めたのは私だった。恵真さんみたいに愛情をもらえず育っても捻くれてない人って本当にいるから。私はどこかで解釈を間違えた。

    「わたしの望む世界では母が生きられず、母の望む世界では、私が生きられなかった。」という一文が私にとってア

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    2025年10月11日
  • 宙ごはん

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    ネタバレ

    子どもって、大人が思ってるよりも大人。
    だからこそ、護られなきゃいけないし、「誰か」が、側にいないといけない。

    物語には、純粋な子どもと、ちょっと身勝手な大人がたくさん出てくる。
    その「ちょっと身勝手」な中で、子どもたちがどう大きくなっていくか、が描かれたおはなし。

    宙が、いろーんな大変に向き合いながら、ちょっとずつ大きくなっていくなかで、終盤。
    やっちゃんが死んだ時は、どうして殺しちゃったのー!って、町田さんを恨んだ。

    でも、伝えたかったのはこれかな、とも思った。
    赦しを乞うことは、時に暴力になる。

    それぞれが乞うた、赦し。
    でも、みんな、赦されなかった。
    でも、それを背負って、生き

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    2025年10月10日
  • 宙ごはん

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    宙やまわりの人の成長、ごはんを通して心が救われる話。
    ややこしい関係だったり、不幸や事件があったり、こんなに詰め込まなくても感はあった。
    人生何が起こるかわからない。周りから諦められてるような人が変わることもあるし、めちゃいい人だって死ぬ。自分のフィルターを通して見るものがそのまま真実ではなく、全く違うこともある。

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    2025年10月09日
  • コンビニ兄弟3―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)

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    人の本音はしっかりと知ろうとしないとわからないのだろうな。
    流れてきた情報で簡単に判断するのは良くないな。

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    2025年10月09日
  • 星を掬う

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    「あんたの人生のために、私の人生があるんじゃない」

    母娘のお話。
    人生は自分軸だから、どうしても主観が多くって。
    だけど何故か、予想外の事が起こった時に限っては、自分以外の物事や人のせいにしてしまう。
    それに気付いて行動変容が出来るって凄いなぁと思う。

    自分軸があるように、母にも軸があるはずなのに、
    生活をしているとその事実が沈んでしまう事があるなと思った。

    母から貰う言葉の後押しって凄い。

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    2025年10月08日
  • あなたはここにいなくとも

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    自分も、リセット症候群の節があると感じている。

    小さなことが気になるため、
    相手のネガティブな反応(気に留める必要すらないものでも)を見ると心が離れてしまう。

    また、飽き性が高じて、刺激が感じられないことで
    逃げ出してしまうこともある。

    また、環境に慣れると共に、自分の我儘な性質が出て
    相手を尊重できなくなり、そんな自分が嫌になることもある。

    とにかく息苦しくなって、
    同じ場所、組織、コミュニティに長く居続けられないことが、自分の大きな欠点であると思っていた。

    この本を読んで、同じような欠落感を感じているのが
    自分だけではないと知って救われた。
    「生きるために身軽でいることを選んでい

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    2025年10月07日
  • あなたはここにいなくとも

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    「だから、安心して傷つきなさい」

    この言葉で泣いた。

    短編小説5編で綴られたこの本だったが、最後の話により深みを持たせるために、前の4編があるのだと思った。

    いろんな経験をした澪さんが、少し先で待っててくれるから、あなたの全てを抱きしめるから、だから、あなたは悔いのないように、しっかり生きなさい。

    いいことも、悪いことも。

    ぜんぶ受け止めてくれる誰かがいるって
    それだけで財産。

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    2025年10月08日
  • ぎょらん(新潮文庫)

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    途中までは通勤時間に読んでたけど、これダメだなと気づいてからは家で盛大に泣きながら読み切った。
    大切にしたい人をただ大切にするということの難しさ、あるよな。
    誰かともう二度と通じ合えない、どうやっても触れられないし届かないというのは本当に苦しい。
    けどその苦しさから救い上げてくれるのがまた生きてる人たちとの繋がりだったりする。
    私は誰かと別れる苦しみを乗り越えられる気がしなくて、それなら誰とも深く繋がらなければ良い、と思ったこともあったけど、なんかそういうことじゃないかもしれない。
    誰かを心から大切に想った記憶が、失った空白を埋めてくれるのかもしれない、と思った。

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    2025年10月05日
  • あなたはここにいなくとも

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    町田そのこさんの短編集
    「おつやのよる」が一番良かったかな。
    久しぶりに泣いた。
    ばあちゃんの溢れる優しさと章吾の高邁な考え…かな。
    ほんまの愛とは、嫌いな部分を受け入れることはもちろん、相手が今のカタチに至った背景まで愛することなんだと思った。

    「入道雲がうまれるころ」
    「子供という殻を被ることで、大人を満足させる」
    なんだか、刺さってしまった。敷かれたレールに乗ることが、一番喜ばれるし周りからも評価されるって思考が自分の中では強かった気がするが、それは環境要因に寄るものだと思ってた。でも、どうだろう。どっかのタイミングで意志は持ってるわけで、オモテ化できてなかったのは、自分の弱さな気がし

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    2025年10月05日