町田そのこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この作品を読んだ人みんな、きっと「テンダネス門司港こがね村店」に行ってみたいと思うはず…!
老若男女を意図せず虜にしてしまうフェロモン店長が仕切る、架空のコンビニが舞台の連作短編集。
コンビニのレジ前がアイドルのコンサート会場みたいになっている設定に、まず心を掴まれました 笑。
悩みを抱えた人たちがふらっとやってきて、元気になって帰っていく。
話を聞いてくれる人がいて、いつでも受け入れてくれる場所がある。
それだけで、人ってこんなにも救われるのか…。
ほっこりライトなお話なのかと思いきや、考えさせられる部分も多かった。
読み終えた後、「門司港」が実在する地名なのか思わず調べてしまった。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ好みなのは「祀りのいきもの」。祖母は何を飼っていたんだろう。南洋の妖精?そもそも南洋の妖精は生き物なのか。不思議が心地よく残るお話だった。
文章が全体的にひんやりと静かなイメージで好み。
印象に残ったのは「二人という旅」。冠婚葬祭というテーマにSFチックな作風という斬新な角度?からの物語だなと思った。アンソロジーにスパイスが効いて私は好き。
あと、結婚について、契約の女神と対話するシーンがとても好き。結婚の誓いは後に夫婦が別れたとしても破られたことにはならない。なぜなら、結婚という契約はお互いを永遠に愛したという、それほどまでに強い願いが、人の短い人生に一生に一瞬でも存在したことの証明だから -
Posted by ブクログ
町田そのこさんのユーモアエンターテイメントハートウォーミングストーリーですね。
シリーズ四巻目です。
今回は、流れがコンビニ「テンダネス」のイメージキャラクターをめぐるドタバタと友情、自分探しの人間模様が、温かな文章で綴られています。
キャラクターはご当地アイドルグループの采原或るがデザインした、お茶目でキュートなアルパカのマスコット「アル・パカッションくん」。
プロローグとエピローグで「門司港こがね村店長」のミツに取り憑いた、蛇身の女の幽霊が、いつもの和歌とマキオのコンビが持ってきた腕輪で除霊が出来るドタバタが紹介される。
実は、この腕輪をミツの一番上の兄一彦が作った抜群の性能の -
Posted by ブクログ
町田そのこさんは『52ヘルツのクジラたち』以来2作目。
その時にも思ったけれど、なんだか一行も一文も読み漏らしたくないな、と。
気がつくと、いつも以上に丁寧に文字を追っていた。
人間の、社会の、闇だったり目には見えないところを掬い上げて絶妙に表現される方だな、と感じる。
所々で挟まれる男尊女卑を窺わせる場面。
平凡な生活、普通の幸せ、そういった平凡や普通って一体誰が決めるんだろう。自分にとっての普通が、誰かにとっての異常かもしれない。
『わたしたちの痛みは、一緒やんか。こっちの方が痛いとか、あっちの方が苦しいとか、比べるものやないよ。』
『ひとはひとで歪むんよ。その歪みをどこまで拒めるかが -
Posted by ブクログ
親子ものとして個人的には今までなかった視点や考え方の小説だったなぁ
幼少期に母に捨てられた千鶴。「捨てられた」「いらない子」「全て自分を捨てた親のせい」と思うのも最もだと思いながら読み進めてて、結城の「不幸を親のせいにしていいのは、未成年の間だけだ」「自分の人生を、誰かに責任を取らせようとしちゃダメだ」って言うセリフにも反感を覚えながら読んでたけど、ただ突き放すための言葉じゃないってのが最後まで読んで納得できた。確かに子供じみてるし、いい大人になってまでその考え方ならただの自縄自縛で時間を、人生を無駄にするだけ。
『52ヘルツ〜』からの流れで「世間から非難される親の視点」で描こうと考えつい