町田そのこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
聞こえない声、言いたい、伝えたい、思い、そういったものが必ず誰でもあるのかな。きっとあるんだと思う。わたしは、大切な人のそう言った届けたいけど、届かない声を聞くことができる人になりたい。そのためには、大切な人を、全身で愛する、受け止める力が必要。届けたいけど届かない声は、その人の表情、仕草、を全身で感じること。ないがしろにしては行けない。それは勇気を持って出している行動かもしれないから。その声を気付けなかったとき、気づいてもらえなかったとき、もう人を信じられない、頼ることはできないと諦めてしまうのかもしれない。絶望してしまうのかもしれない。でも、いま、これから人と関わるという段階で、今におい -
Posted by ブクログ
ネタバレ1. 伊坂幸太郎「ウッドペッカー荘事件」➡︎お勧め
伊坂幸太郎らしい、鮮やかで洒脱なミステリー!白河ヨフネが解決した6つ目の事件とは?独特のユーモアと張り巡らされた伏線、そして鮮やかなラストが見事です。短いページ数の中に小説を読む楽しさがギュッと詰まっており、最高のオープニングを飾る極上のエンターテインメント作品です。
2. 江國香織「二つの宇宙」
静けさと温もりが同居する、夏の日のような短編。人嫌いの祖母と、少し変わった彼女・茉莉加の出会い。江國香織ならではの繊細な文章が、人と人との絶妙な距離感と愛おしさを描き出します。読み終えた後、穏やかで優しい余韻が心の中に広がっていくのを感じられる素晴 -
Posted by ブクログ
最初の数ページから胸が苦しくなった。私は祖母に育てられた時間が長く、おばあちゃんっ子だったからだと思う。祖母がいなくなる未来なんて考えたくない。それなのに、時間は永遠ではないと分かっていながら、甘えてしまい、十分に祖母孝行ができていない自分もいる。その現実を突きつけられたようで、物語の始まりだけで涙が出そうになった。
読み進めるうちに、きよいの母親の描写も印象に残った。人工透析を受けるようになってからスロットへ通い始め、その背景をきよいが知る場面では、「目に見える行動だけで人を判断してはいけない」と強く感じた。人には必ず、その人にしか分からない事情や苦しみがある。表面だけを見て理解したつもり -
Posted by ブクログ
後悔とその先の人生を温かく照らす全5編の短編集。
同作者の長編に比べると、物足りなさは否めませんが、それぞれの物語にすぐに没入できるのは、短編ならではの作者の面目躍如といった感じでした。
どの作品も恋する女性が主人公とうことで、おじさんである私には想像できない感性に戸惑いながらも、そのギャップを楽しむこともできました。
共通して思うのは、新たな出会いや出来事に自分がどう向き合うのかということでした。
そのまま、何も感じずに流されてしまえば、楽かもしれませんが、新たな一歩は踏み出せません。
しかし、そこに意味を見出し、痛みも伴いながらも自分と対話し、見方を変えたり、視野を広 -
Posted by ブクログ
連作集とはいいつつ、兄の朱鷺と妹の華子、その母の3人家族を中心に物語は進んでいく。
目の前の我が子が得体の知れないものに悩んでいても、大丈夫と信じて、いつか話してくれることを待って見守り続けるって強さだよなぁ。私もそんな母になりたい。死を前にすると人の目とか社会の縛りとか削ぎ落とされて本当の望みが出てくるのかな。母の子どもたちへの願いが、私の大切な人たちへの思いと重なって、泣けた。
常に死と向き合っているのに暗すぎなくて、徐々に本領発揮されていく朱鷺のオタク口調が不意に面白くて何回か鼻水出ちゃった。
そして私も感化されてエンディングノート書き始めた。(笑) -
Posted by ブクログ
4巻で志波家の長男一彦がチラリと登場して、志波家の謎が明らかになるのか…と思いきや、なんと晒されたのはフェロ店長のミツこと三彦の過去。
いつも笑顔で誰かを励ましたり、元気づけることが自然にできるミツ。
彼のその性質は生まれ持ったものではなく、過去の辛い経験からくるものだったとは…
それが32歳という若さでできてしまうことも驚きではある。
町田そのこさん作品は、じんわりと人の優しさを感じる作品ばかり。
生まれながらに完璧な人などいなくて、誰もが人には理解してもらえないような苦しみを抱えている。それをどう処理できるかがその人自身を作り上げるのだなぁと町田作品を読むたびにしみじみ思う。
亡き人 -
Posted by ブクログ
『月とアマリリス』が面白かったので、町田そのこさんの作品をさかのぼって読んでいます。
本作『星を掬う』は、三宅香帆さんが著作『娘が母を殺すには?』で指摘された「母親殺し」の物語と呼べるのかもしれません。母親という呪縛、あるいは“母であろうとすること”の呪縛に囚われた女性たちが、さざめきハイツでの共同生活を通して自分自身を取り戻し、新しい母娘関係を築き直していく物語です。
前作『52ヘルツのクジラたち』には、現代社会の問題がこれでもかと詰め込まれていました。
本作にもDV、介護、若年妊娠など重いテーマが多く登場しますが、どの人物も「母娘関係」という共通の痛みを抱えているため、物語は自然と“母娘