町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ○ 「死」を通して「生」の輪郭がくっきりと浮かび上がる
家族葬専門の葬儀社「芥子実庵(けしみあん)」を舞台に、さまざまな事情で大切な人を見送る人々や、そこで働くスタッフたちの姿が連作短編として描かれています。
死を扱う物語でありながら、単に悲しいお話ではなく、「自分は残された時間をどう生きるのか」「本当に大切なものは何か」と、自身の人生を強く振り返らされるパワーに満ちています。
○ 世間の常識や人間関係のしがらみからの解放
作中では、仕事と結婚の選択、ジェンダーや古い価値観、周囲からのプレッシャーなど、現代を生きる私たちが日常で感じている息苦しさや葛藤がリアルに描かれています。
○「あなたのための椅子」には強くハッとさせられました。
もう二度と会えない人、直接謝ることができない人に対して、自分の心の中にその人のための椅子を用意し、向き合い続けるという描写。
過去の過ちや後悔から逃げずに、自分でしっかりと引き受けて生きていくための、切なくも温かい儀式のようなものを見せてもらった気がします。
自分の人生の舵を自分で握ること、そして「明日に任せすぎず、今を大切に生きること」の重みを教えられました。
読後は穏やかな余韻に包まれ、明日からまた自分の足でしっかり歩いていこうと思える、心に深く染みる作品です。 -
Posted by ブクログ
過去に扱った事件により傷を負って故郷に帰っていた元事件記者、みちる。なりゆきで調べることになった殺人事件。
かなりひどい事件で、そこに至るまでの過程も相当ひどい。様々な社会問題がいっぱい出てくるし。あまりよく知らずに読み始めたら、重すぎた…。
そんな中で救われるのは、井口さんの存在かな。打ち解けたあとの二人の関係は、読んでいて何だかほっとする。
美散が最後やけにならずに少しずつ穏やかに過ごせるようになったのは、よかったのだろう。
あのクソ男はちゃんと死刑になったのかな。ああいう人間は、死刑になろうとも悔やむことはないのかもしれないと思うと、またムカムカ… -
Posted by ブクログ
【人との別れに不安と恐怖を抱いている人
人やモノに執着して手放せなくなっている人】向け
『先を生くひと』
がとてもよかった。このお話を読めてよかった。
人生の片付けについて語られているが、人間いつでも何かに挑戦できるのだと後押ししてくれる作品。
後悔しないで日々生きていたいと思える。
◾️心に残った文章
好きとは、自転車と一緒。
うまく乗れる子もいるし、何回もこける子もいる。
自分じゃ乗りこなせなくても、この自転車じゃないと嫌だってこだわる子もいる。
澪さんはそのこだわるタイプなのだ。
好きとか思い出とか大事な感情は、これまではいつでも手に取れるように物に託してたけど、自分の奥に収納してしまい込む。
これが自分の人生の片付け。
あなたたちは可能性に溢れているのよ。
どんなことだってできる。
最初から諦めなくてはいけないことなんてない。
絶望しないといけない障害もない。
何一つ憂うことはない。
後悔しないように、それだけを忘れないで。
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Posted by ブクログ
ネタバレAudibleで拝聴。
音声だと登場人物の表記が分からないのは常なのだが、今回は特に「どういう漢字なんだ?」って気になって仕方なかった。聞き終わってから他の方の口コミで確認。なるほどー。
内容と関係ない話をしてしまった。
車で長距離運転しながら聴いたのだが、なんだかとても心がキュっとなる場面が多くて、いい意味でやられた。
梓と那由多の話、なんかグサッっときた。あの後美月がどういう風に変わったのか(変わらないのか)も地味に気になった。もしかして続編で出てくるのか?
そして光莉の息子恒星の回。まさかここでメインキャラとして出てくるとは。見ているものが同じでも解釈は違う。恒星も小関も三隅もみんな少しずつ大人になったのでは?というところが良い。
なんか若い登場人物のエピソードのほうが琴線に触れるものがあるなと思った。自分の年齢的には多喜二じいさんのほうに近い気はするがw