町田そのこのレビュー一覧
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ごはんってやっぱり偉大…。
心や体が壊れているときこそ、丁寧なごはんが必要なのに、壊れているときは自分ではそれがなかなかできなくて。手を差し伸べてくれる人に素直に頼ることすらできなくて。
頼ることができたとき、もう治りかけているのかもしれないなぁ。
ずっと前から気になっていたのに、本屋で何度も手に取ったのに、何となく読めずにいた一冊。
心身に余裕があった8月。某古本屋のセールにてようやく読めました。
読んでよかった…、本当に。
やっちゃんとごはんの思い出が、しゅわしゅわメレンゲのふわふわパンケーキのように儚くも力強い。始めのパンケーキの章があってこそなんだけれど、最後のパンケーキの章がとても -
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『52ヘルツのクジラたち』を読んで以来の町田そのこさんの作品。帯に『心ふるえる傑作小説』とあるので、きっとまた号泣させられるのだろう。
蛍祭りの夜。山間にある小さな田舎町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、山奥のとある場所で偶然出会う。2人は生きるために罪を共有し互いの秘密を守り合うことを決めた。それから15年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会から物語は大きく展開していく…
子どもは親を選べないというけれど、出る親出る親みんな酷い… そんな親に翻弄され、辛く寂しい思いをしてきた人たちが、出会いを通して暗闇の中に小さな光を見出すような、5話からなる連作短編集。
心に残ったフレーズ。 -
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ネタバレ【あらすじ】
お嬢さんたちの若い命が、新世界を担うのです。
どうぞ、健やかに過ごしてくださいね……。
喧嘩別れした親友が高校を退学した。
突然、山に施設を作った新興宗教・NI求会に入会したのだ。
親友を取り戻そうとする凜音。
東京から《特別》になるために来た初花。
大人が《楽園》と定めた場所に閉じ込められた子供たちは、
その聖地で、禍々しいものと対峙する。
町田そのこの新境地。
女子高生たちの、青春×スリラー開幕!
【個人的な感想】
他にも町田その子さんの本を読んだことあるけど、これまでの世界観とはまた全然違った。
読み始めはゾクゾクして引き込まれた。
最後の終わり方は友情を強調し過ぎ -
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あなたは、こんな店長のいるコンビニを訪れたことがあるでしょうか?
・『震えるほど、うつくしくかつフェロモン溢れるひと』
・『公認だか非公認だかのファンクラブもある』
私は今、『コンビニ店長』の話をしています。決してアイドルの話をしているのではありません。しかし、それは私やあなたの常識であって、広い世の中、こんな『コンビニ店長』がいる店がないとは言い切れないとも思います。
『常に彼のファンが押しかけている』
そもそもコンビニを訪れる目的が違っているようにも思いますがそんなコンビニがこの世にないとも言い切れないでしょう。
さてここに、『老若男女問わずに愛されるひとたらし』とされる -
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ネタバレみんな孤独なんだと感じた。辛い人生を歩む主人公と周りの人間、そして人に厳しくあたる情のない人間たち。なぜ報われない人たちが生まれてしまうのか。
何も悪いことをしていないのに振り回される人たちを見ると、本当に人生は理不尽だと感じる。しかし、そうした理不尽さが人を成長させることも事実だった。
そんな人たちがあげる声は誰にも届かない。まるで52ヘルツのクジラたちが広大な海を独りで漂うように。
どうすることもできない人たちがたどり着く場所には居場所があるのか。自分たちの居場所は自分たちでつくるしかないのかもしれない。周りとの対話を忘れずに諦めずに。 -
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読んでいる間、何度も本を閉じた。
気分が悪くて。
いたたまれなくて。
こんな、人を利用することを何とも思わない質の悪い人間がいるのか。
とても重い話だった。
「ひとはひとで歪む」
その通りかもしれない。
ただ、歪んだ親が、子どもにその歪みをそのまま押し付けてしまったら、その子どもは歪みをどう直していったらいいのか。
この「クズ」は到底許せないが、なんとも暗い気持ちになった。
だからこそ、共通点のない利用された3人が、共同生活の中で心を許していく場面に救いを感じた。
町田さんの丁寧な文章だから、こんなにも心が揺さぶられたのだろうなと思った。 -
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虐待を受けて育ち、大人になってからも悲劇的な仕打ちを受けた女性が、被虐待児と出会う話。守り、守られることで救われる話はやっぱり好き。ただ、虐待のシーンや、キナコの過去のシーンは本当にひどくて、読んでいてかなり辛くなった。アンさんのおかげでもあるけど、キナコの性格が根本的に歪まずに育って本当に良かったと思う。作中に出てくるいい人とひどい人のギャップが激しい。ただ、作中ではひどい人の裏側まで書かれているからひどいと思えるが、この作品のひどい人たちって外面の良い人が多い。家でひどいことをしている人が、外では普通というのはよく聞く話だし、本当にこういう人たちがいると思うと、怖い。
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あなたは、仲の良かった友達が『新興宗教団体』に入ってしまったとしたらどうするでしょうか?
『新興宗教』という言葉にはきな臭さが付き纏います。思い返せば、あの団体、この団体とここ数十年でも『新興宗教団体』が巻き起こした出来事は枚挙にいとまがありません。『施設内の居住区で暮らす決まり』がある、『未成年者は施設の外に出られない』、そのような独自の決まり事の先に友達が突然いなくなってしまう、そのような出来事が身近に起こったとしたらあなたはどのようにその現実と向き合っていくでしょうか?
さてここに、『宮殿みたいな施設』が突如建設され、仲の良かった友達が家族そろってそんな施設に入ってしまったという事実 -
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喧嘩別れした親友の美央が高校を退学した。
何も告げずに家族で、姫塚山に突然にできた宗教施設「NI求会」に入会したらしい。
家に行くと門扉に売り物件の看板が立っていて、自転車に乗ったお姉さんにその家の人は、引っ越して行ったと言う。
そのお姉さんは着物の少女に話かけていて…
翌日には猟奇的殺人事件の被害者になっていた。
それから、目を奪われて殺される被害が続出するのだが、凛音は美央をはじめとする、NI求会に入会した5名が全員退学したことも気になり、その施設に赴くのだが門前払いにあっているところにドーナッツ屋のお兄さんも友人と連絡が取れないとやってくる。
施設から逃げ出してきた初花とドーナッツ