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手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。 そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。 千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。 「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。 すれ違う母と娘の感動長篇。 〈解説〉夏目浩光
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Posted by ブクログ
私は片親とかではないですがあまり裕福な家に生まれなく、学費を払ってもらってる子や車を買ってもらっている子を妬んでいました。 小学生の頃には「なんでそんなにお金のことを気にするの?やりたいことをやったらいいじゃん」と同級生に言われたことがあります。 学費、車の支払いをしている今、お金の余裕がなく精神的...続きを読むにも余裕がないです。 そんな自分を取り巻く環境を、「この家に生まれたせいだ」などと思っていましたが結城さんの言葉が刺さり、こんな考えではいけないと自分を見直すことができました。 人生は自分のもの、だからこそ環境を受止め、自分なりに頑張って生きようと思います。
私はひとり親家庭で、進路とか親の勧めでやってる事が多いから、時々親のせいにしないか不安になる。 周りは海外旅行とか行って、大学も上京もしてるのにどこからそのお金が出てくるんだろうって羨ましくなるし、それも親のせいにしたくなる。 でもこの本を読んで、親のせいにしていいのは未成年の間だけ、という言葉...続きを読むが心に刺さりました。 ここまで育ててきてくれたことに感謝をしてるのに、親のせいにしようとする自分の未熟さを感じました。 これからも家族を大切にしようと思えました。
母に捨てられたと思っていた女性が、大人になって元夫のDVから逃れるため、母達が暮らす家で同居するお話 お金にだらしない元夫の金の無心とDVのため極貧の生活を送る29歳の千鶴 彼女には小学一年生の頃に母と二人で一ヶ月間の気ままな車旅をした事と、その後に一緒に帰るはずだった母に捨てられた記憶を持ってい...続きを読むる ある日、ラジオのコーナーにその出来事のメールを送った事で母のと暮らしているという知人と接触する事になり また、元夫のDVから逃れる為に母達の住む家で同居する事になる 自分の人生がうまく行っていないのは、母から捨てられたせいだと恨み続けてきた千鶴は母と対面するが、母は認知症だという そんな母や、千鶴と同様に家族の関係に苦しむ同居人との共同生活を送る中で、母が自分を捨てた事情、他の人の過去などが徐々に明らかになっていく 自分の生きづらさは本当に母のせいなのか?という問い 主な登場人物 千鶴 聖子:千鶴の母 恵真(えま):聖子をママと慕う美容師 彩子:同居している介護職の女性。娘に捨てられたという過去がある 美保:彩子の17歳の娘 結城:近所の医師 DV、認知症、性被害、抑圧された幼少期など、重いテーマが色々と入っている 「52ヘルツのクジラたち」を読んだときにも思ったけど、目には映るけど自分には見えていない世界があるのだろうなぁと思う もしかしたら、普段何気なく接している人も、この物語のような苦悩を抱えているかもしれない よくこんな重い物語を書けるものだと感心する どうやら、「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を獲った後、ほぼ出来ていた原稿の大部分を改稿したとの事 本屋大賞って、そんなにプレッシャーになる程の重みを持つようになってしまったのか 「正しい母の姿とは、愛される素晴らしい娘の姿とは何か、ということを考えながら書きました。」らしい 「52ヘルツのクジラたち」では描かれなかった、子供を捨てた母の事情を描いたのがこの作品 ちなみに、著者の町田そのこさんも出席する「52ヘルツのクジラたち」が課題本のオンライン読書会に参加したけど、普通に酒好きの陽気な人で、ギャップが凄かったなぁ タイトルの「星を掬う」は、認知症によって自身の奥底にある海に沈んでしまった感情や記憶の中から、たまに水面に浮上する星のように美しく輝く記憶を掬うという意味 作中では、認知症の事を「認知症は記憶や感情を心の底に沈める病気。時々、泡のように浮かび上がる想い出や感情が星なんだ」と説明するシーンがある 私が高校生の頃に祖母に認知症の症状が出始め それからは実家に帰る度に症状の進行を実感したものだけど ずっと一緒にいたら昔の記憶を思い出すことがあったのだろうなぁ この物語で一番カツンと来たのは 「不幸を親のせいにしていいのは、せいぜいが未成年の間だけだ」 というセリフ 親からのあれこれだけでなく、大人になってからの事情でも同じ事が言えそう 千鶴の元夫にしても、結局は自分で選んだ相手で、しかもその行動を受け入れてきたのも自分なわけで まぁ、暴力という手段に訴えているのはいただけないけど、それえも千鶴がちゃんとしているえば毅然と振る舞うか、司法に介入してもらうか、最悪でも自らシェルターに駆け込めてたはず まぁ、そんな意思すら奪って負の循環を起こすのがDVなのだろうけどね この辺は、私の過去の夫婦生活でも同じ事が言えそう 結局は、大人である以上は基本的にまず自分で何とかしなければいけないのでしょうね 他にも 「自分の人生を、誰かに責任取らせようとしちゃだめだよ」 とか 「あたしの人生は、あたしのものだ。誰かの悪意を引きずって人生を疎かにしちゃだめだよね」 などのセリフもあって 自分の人生を誰かのせいにしないというのが繰り返し言われている 世の中に理不尽な事は色々とあるけれど、それでもその理不尽に抗う術はあるので、自分の意思を強く持って人生を送れというメッセージなのかね ------------------ 町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。 その後、私は、母に捨てられた――。 ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。 それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。 この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。 ------------------
52ヘルツ後の第一作。否が応でも期待は高まったが、その期待をも超える作品。自分の人生のマイナスを誰かのせいにしてしまう。自分のせいだと考えればわかることを、考えを停止して逃げ込む。こんな、自分自身にもあることを突き付けられた。だけど妙に爽やかな気持ちになれたのは、町田さんの優しさと筆力なのかなあ。
えまさん。彩子さん。 幸せそうに見えるからって幸せな過去で溢れているわけじゃない。何かを乗り越えてきたんだよね。 自分の人生は自分で支配する
前半は読んでいて苦しくなる内容だった。 母と娘には特別な関係性があるのだなと思った。 薄れていく記憶を溢れる星と表現していた部分が良かった。
最後の数ページで涙腺が大崩壊した。このひとの紡ぐ言葉の綺麗さと物語のシリアスさがちぐはぐで、なのに読み進める手がとまらなかった。「星を救う」の意味は途中でなんとなく気がついたけれど、わたしの脳内よりもきれいで洗練された言葉で言語化されていて、わたしの周りの人も、いつか聖子さんと同じ病にかかったとして...続きを読むも、星を掬ってくれるといいな、そのための星を、今から一緒に作っていきたいなと思った
元夫のDVから逃げ、昔別れた母と再会。過去に闇を抱えた女性たちと送る、さざなみハイツでの共同生活。千鶴の心の葛藤は深刻だが、幼稚でもあり、それを厳しい態度で迎える母もまた、苦悩を抱えていて…。 自分の人生は最後まで自分が操る。自分の不幸を親のせいにしない。悪意に引きずられないこと。この本から得られた...続きを読むメッセージ。 クズ男とダメ女の描き方が痛烈で清々しいほど。 町田さんの代表作52ヘルツのくじらより、こちらのほうが重厚感があって良かった。
気付きの一文 ▪自分の人生を、誰かに責任とらせてはいけない。 ▪わたしの人生は最後まで私のものであり、私の意志によって始末をする。 ▪誰かを理解できると考えるのは傲慢で、寄り添うことは、ときに乱暴になる。 大事なのは、相手と自分の両方を守ること。 相手を傷つける歩み寄りは迷惑でしかないし、自分を傷つ...続きを読むけないと近づけない相手からは離れること。
母娘関係の話であると同時に、介護のお話でもあって、タイトルはそれにまつわるもの。 とても素敵な表現なんだけど、もどかしさや切なさも含まれてて、読後はこのタイトルを見るだけでも胸がきゅっとなる。 家族であっても“離れることがお互いのためになる”。 こんな使い古された陳腐な言い回しじゃ到底言い表せないの...続きを読むだけど、こういうことはあるんだよね。 でも、途中まで本当にわからなくて、読んでいて感じるもやもやした気持ちが抱えきれなくて、どうおさめればいいのかわからなくて、一気に読んでしまった。 愛がないわけじゃなく、あるからこそ、そうしなくちゃいけなかった。 それが作品内で語られる部分が、母としての気持ちも、子としての気持ちもわかって、ぐわんぐわんに心揺さぶられた。 自分の人生は自分のもの。 他人に責任をとってもらうものじゃない。 困難にぶち当たったら乗り越えるのも自分。 乗り越えて強く優しくなるのか、乗り越えられず卑屈に情けなく生きるのか。 強いメッセージが込められた作品で、頬を引っ叩かれた気分。 今読んで良かった。 親子関係に悩んでる人に強くオススメする。
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