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Posted by ブクログ
まず初めに記しておきたい。泣いた。笑ってしまうほど泣いた。
母と娘という関係を中心に展開される本作には、複雑な背景が絡み合いながらも少しづつ光を探ってゆくような暗い部分も多くあった。正直その場面でも涙ぐみそうになるが、ゆっくりと見えてくる光が感動の涙を呼んだ。
町田そのこさんの美しい文体で滑らかに読むことはできるものの、前半や途中に挟まる辛い描写には目を背けたくなるものがあった。前半にのめり込んで読むと、千鶴の他責にこちらまで縛られてしまいそうになるが、まとめて叱りつけて、縛り付けてくる重いものを取り払ってくれるような登場人物たちが本当に良かった。
やはり、母と娘という女親子だからこその苦悩や形容しがたい強い結び付きがあると思う。確かに親は子を育てなくてはならないけれど、育てられた子の不幸までをも親が責任を負う必要はないだろう。
けれども子は親のせいにしてしまいたくなるし、全て自分で背負い込むにはあまりに重い。
「わたしの人生はわたしのものだ」
当たり前のことのようで、強く意識できないこの言葉が深く刺さった。
母との付き合い方。どこまで甘えてどこまで背負うのかというのは非常に難しい。
Posted by ブクログ
久しぶりに町田そのこさんの本を読んだ。
私が思う町田そのこさんらしさが詰まった本。
途中、クジラ型のクッキーが登場する。
クッキーの種類は52種類。町田さんファンならクスッとするギミックだ。
人生は自分自身のものであって、他人に委ねるべきではないし、他人の人生に過干渉すべきではない。
さざなみハイツの住人を通して人と人との関わり方を綺麗に表現していて沁み入った。
加害者が救われようとしてはいけない。求められてもいないのに赦しを乞うのは暴力。
これも大事だなぁ。。
末尾の認知症に対する見解も非常に腑に落ちた。
自分の感情や記憶を海に沈めるのが認知症。その海から、ときたま感情や記憶の星を掬い上げる奇跡。
介護は綺麗事では語れないけれど、希望もあるんだね。
Posted by ブクログ
『星を掬う』を読んで、親と子の関係について改めて考えさせられた。
親から見えている世界と、子どもから見えている世界はきっと違う。同じ出来事を経験していても、そのときに何を感じ、どんな意味を持つのかはそれぞれ違うのだと思う。
親の不器用な愛情と、それを素直に受け取ることのできない子ども。育ってきた環境や親との関係が、その後の子どもの性格や生き方にまで影響していくこと。そして、親子だからこそ近すぎて分かり合えないこともあるのだと感じた。それでもやはり、母という存在は大きい。母は偉大だと改めて思った。
そして、若年性認知症という病気の恐ろしさも強く心に残った。
大切な人の中から、自分との思い出が少しずつ消えていく。自分のことを忘れてほしくない。親の記憶の中から自分という存在がだんだん消えていくことを想像すると、とても悲しく、怖いことだと思う。
そんな中で、残された記憶の海から、キラキラと輝くものを一つずつ掬い上げるように大切にしていく。そのように考えられることが、とても美しく、素晴らしいと思った。
大切な人と突然死別することと、相手は目の前にいるのに少しずつ自分との記憶を失い、離れていってしまうこと。どちらが悲しいのだろう、と考えた。でも、私には答えが出なかった。
親子でいられることも、お互いを覚えていられることも、決して当たり前ではない。だからこそ、一緒に過ごせる今の時間や、何気ない日々の記憶をもっと大切にしたいと思った。
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