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手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。 そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。 千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。 「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。 すれ違う母と娘の感動長篇。 〈解説〉夏目浩光
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Posted by ブクログ
親と子は生まれた時から別の人間で、重なっているようでも違う人生を歩んでいる。当たり前のようで、それを受け入れるのは難しいと思った。親に甘やかされて育った私は、苦境に立った時、自分の人生の手綱を親にも一緒に握って欲しいと思ってしまうだろう。けれども母の人生が母のものであるように、私の人生は私が責任をと...続きを読むるしかないのだ。改めて気付かされた。 自分の置かれた苦しい状況や不甲斐なさを、親や環境のせいにしてしまうこと、誰しも少なからずあるのではないかと思う。切なく苦しい物語だが、わかりやすく読みやすい文で詰まることなく読めた。自分の足で立って生きるために背中を押してくれる作品だった。
幼い頃に親をはじめとした周囲の人たちからの愛を十分に得られないと、大人になったときに自分は必要ないのでないかという感覚や、自信の喪失に繋がってしまう。 作中の登場人物たちのように、自分の人生なのだから過去に左右されずに、自分の意思で切り拓いていくのだということを早いうちに自覚できればよいが、そう簡...続きを読む単にいくものではないと思う。特に思春期には素直になれないことも多い。本作のように、周囲の人たちからのメッセージによってその自覚をできるだけ早く持つことによって救われる人生も多くあると思う。
ページを閉じる瞬間まで胸にそっと置いておきたくなる言葉がいくつもあって読み終えるのが名残惜しかった(T_T) 誰かのせいにしてしまいそうな出来事も、根っこを辿れば自分の内側にある問題と向き合うことが必要なんだと気づかされた。だからこそ自分の足で前へ進もうとする登場人物たちの強さが沁みたし、私もそんな...続きを読むふうにありたいなと思えた!
病院仲間に借りました。これも読みたかった本。 ところどこれにマーカーが引かれてます。気になる文なんでしょうね。
町田そのこさんの小説でも郡を抜いて好きです...♡自分の生き方を考え直すきっかけになるそんな小説です
自分の人生は自分のもの。他の誰かに干渉されて歪められることがあってはいけない、と強く思い続けることが、自分の人生を豊かにし、人にも優しくできる。
泣いた。星を掬うっていう表現からは想像出来なかったくらい、重くて苦しかった。自分がこの立場だったら、人生が上手くいかないことも、情けなさも親のせいにしてしまうと思う。ここまで酷い環境で真っ当に生きられるとは思えない苦しかった。
私は学生です。この本に出てくる登場人物達のそれぞれの1歩前へ進むことがどれだけ苦しいのか、重いものなのか、私自身感じたことはありません。しかしこの本を読んで私自身が実際にそのとてつもなく大きい1歩を歩いたような気持ちになるほどこの本の読者を引き込む力は凄かったです。人の歪さがまるでナイフのようにびし...続きを読むびし刺してくるから読んでいて辛くて、何度も涙が溢れたけれど最後まで読んで心の底から良かったと思える作品でした。
ちょっとロマンチックなタイトルと装幀に惹かれて手に取った4作目の町田 そのこ作品。『52ヘルツのクジラたち』や『宙ごはん』を読んだ時のように、凄く壮絶で心を抉るような描写がいくつもあるにも関わらず、先のページが気になって、途中で読むのをやめられない作品でした❗️ 親には親の言い分があって、千鶴の母...続きを読むの聖子さんの気持ちも分からなくはないけれども、一筋縄ではいかないキャラクターだなぁと思いました。 登場人物の中では、1番恵真さんが気に入っています。『星を掬う』というタイトルがどんな意味なのかが最後になってようやく理解できて、クライマックスではどうなる事やらと、ドキドキしてしまいましたが、何とか無事にまとまって、個人的に満足度がとても高い作品でした❗️特にどんな逆境でも強く生きていくんだというメッセージが、心に響きます。 町田 そのこ作品はメンタルが穏やかじゃないと冷静に読むことができませんが、これからも追い掛けていきたいと思っています。
いろんな環境で育ってきた人がいて、自分の気持ちにみんな正直に生きているなと思った。 理不尽に人のせいにして生きていくのではなくて、自分の気持ちに伴ってとった行動に責任をもって生きていきたいと思った。 えまちゃん、自分の過去の辛さを感じさせず器用に生きていて強くてとっても素敵な人だなと思った。
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星を掬う
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