あらすじ
手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。
そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。
千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。
「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。
すれ違う母と娘の感動長篇。
〈解説〉夏目浩光
感情タグBEST3
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久しぶりに町田そのこさんの本を読んだ。
私が思う町田そのこさんらしさが詰まった本。
途中、クジラ型のクッキーが登場する。
クッキーの種類は52種類。町田さんファンならクスッとするギミックだ。
人生は自分自身のものであって、他人に委ねるべきではないし、他人の人生に過干渉すべきではない。
さざなみハイツの住人を通して人と人との関わり方を綺麗に表現していて沁み入った。
加害者が救われようとしてはいけない。求められてもいないのに赦しを乞うのは暴力。
これも大事だなぁ。。
末尾の認知症に対する見解も非常に腑に落ちた。
自分の感情や記憶を海に沈めるのが認知症。その海から、ときたま感情や記憶の星を掬い上げる奇跡。
介護は綺麗事では語れないけれど、希望もあるんだね。
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最初のどん底な所から最後はある程度ハッピーエンドとなって良かった。電車でなければ、泣くところだった。介護の描写のリアルな感じがそろそろ訪れるであろう自分にはすごく刺さった。
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『星を掬う』を読んで、親と子の関係について改めて考えさせられた。
親から見えている世界と、子どもから見えている世界はきっと違う。同じ出来事を経験していても、そのときに何を感じ、どんな意味を持つのかはそれぞれ違うのだと思う。
親の不器用な愛情と、それを素直に受け取ることのできない子ども。育ってきた環境や親との関係が、その後の子どもの性格や生き方にまで影響していくこと。そして、親子だからこそ近すぎて分かり合えないこともあるのだと感じた。それでもやはり、母という存在は大きい。母は偉大だと改めて思った。
そして、若年性認知症という病気の恐ろしさも強く心に残った。
大切な人の中から、自分との思い出が少しずつ消えていく。自分のことを忘れてほしくない。親の記憶の中から自分という存在がだんだん消えていくことを想像すると、とても悲しく、怖いことだと思う。
そんな中で、残された記憶の海から、キラキラと輝くものを一つずつ掬い上げるように大切にしていく。そのように考えられることが、とても美しく、素晴らしいと思った。
大切な人と突然死別することと、相手は目の前にいるのに少しずつ自分との記憶を失い、離れていってしまうこと。どちらが悲しいのだろう、と考えた。でも、私には答えが出なかった。
親子でいられることも、お互いを覚えていられることも、決して当たり前ではない。だからこそ、一緒に過ごせる今の時間や、何気ない日々の記憶をもっと大切にしたいと思った。
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親の離婚後人生がうまくいかなくなった主人公、前半は発想の幼さがまるで自分を見ているようで苛々モヤモヤ我慢が続いたけれど、その分後半が胸に響いた。町田先生の書く物語は本当に厳しくて暖かいなと思う。自分の人生は自分のものと、自分にとっての正しい生き方は自分で見つけるしかないと、本心から向き合えるようになるタイミングは人によって違うけれど、この本を読み終わった時が人によってはその時なのかもしれない。
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現実離れしているような、していないような。
私も親の離婚を経験して、母親と疎遠になってしまったのだけれど、母が私を捨てたのか、私が母を捨てたのかなんとも言えない部分がある。
私の人生と重なるところも重ならないところもあったけれど、自分の人生がうまくいかない時に過去の出来事や親の離婚とか厳しさ、教育のせいにしたくなる気持ちはよくわかるし心が痛かった。
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オーディオブックで
いつもよりゆっくり目の2倍速でも6時間くらい。
オーディオブックは
裁縫をしているときにうってつけ。
声優さんたちが臨場感たっぷりに語ってくれるので
ラジオドラマを聴いているよう。
1月にはおばあちゃんと呼ばれる人になる私
娘との確執
人間として、母として、の生き方
自分の母親との関係
諸々 かさなってくる。
それでも 最後はみんな落ち着いて
優しい気持ちで生きていくのだ。
(ワンピース3着のサイズ直しを自分でやって
これで2万弱ういたわ)
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想いや考えを、口に出しすぎても出さなすぎても勘違いやすれ違いにつながると思った。
子どもの頃の親に対するどうして?を、大人になっても引きずって、人生がうまく行ってないのは辛すぎる。単に弱さや怠惰で切り捨てられるか、這い上がれるかは本人の気づき次第。
この元夫や同僚のようにヤバい奴って、実在するからとんでもない事件が後を絶たないのだろう。逃げる、関わらないことも大事。
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親子関係、介護問題、答えのない正解を探す旅。
自分の人生を、生きなさい。
ありきたりな言葉かもしれないけど、
物語を通して語られる台詞にぐっとくる。
町田さんの、辛さとか悲しさだけじゃなくって、
「空虚」の表現がすごく好きだなと思った。
Posted by ブクログ
町田そのこさんは心理描写がとても繊細で、様々な人の視点から物語が進んでいく。みんないろんな思いを胸の中に抱えていて、人と上手く噛み合わないときもあるけれど、ちゃんとその人と向き合えばいつかきっと歩み寄れる。
母に捨てられた娘が主人公で、その子にとっては母は自分を捨てたひどい人で、捨てられたせいで自分はこんなにもひどい生き方をしているんだって思っていた。でも、ずっと母のせいにして生きていても自分は幸せになれない。他の人の助言もあり、主人公が「わたしの人生はわたしのものだ!」って気づいて自分の苦しみを誰のせいにすることもなく自分の責任だと考えて生き始めたときにはすごく感動した。自分が弱かったらどうしてもそれが周りのせいって思って自分を守りたくなるけれど、それだと前には進めない。そんなことを教えてくれた作品だった。
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私はセンチメンタルな気分になると本を読みたくなるだが、そんな時にちょうど心に響く良作だった。
主人公の千鶴とその母親である聖子。2人を取り巻くそれぞれ複雑な境遇の恵真と彩子。少しずつ背景は違うもののお互いの足りない部分を補い合って共同生活を始める。一つ屋根の下、同じ時間を共有することで心を通じ合わせていく展開に心温まった。
主人公と母親のすれ違いにより、自分の不幸をその境遇のせいにし続ける。どうしようもないことなのかもしれないが、いつかはその呪いから解放されなければならない。辛くても自分の人生は自分のものだ、と聖子の言葉が思い起こされる。
また、聖子は認知症患者であり、「かえりたい」と口にする。「かえりたい」とは場所だけではなく、時間でもある。昔のあの時に戻りたいのだ。
自分の半生を顧みた時、両親の「かえりたい」ところを作ってあげられているだろうか。過去を取り戻すことはできない。今できることを一生懸命に取り組んでいくしかないのだ。
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完璧じゃないから愛おしい。泥臭く生きる女性たちの圧倒的な「かっこよさ」。
登場人物たちがとにかくリアルで、感情を激しく揺さぶられる。
他人に依存し悲劇のヒロインに浸るちずるにはイライラさせられるのに、どうしても嫌い切れない。一方で、過去の痛みを抱えながらも即座に他人を助けられるえまの強さや、病を抱えながらもどこまでも自分らしく生きる母・聖子の覚悟には思わず痺れた。
他人の無神経さに振り回されて生きるのはもうやめたい――そう強く感じている人に、この本で描かれる女性たちの生き様を見てほしい。他人に期待せず、自分の足で人生を立ち上げる勇気をもらえる作品。
Posted by ブクログ
暴力に支配されることの怖さ。
そして、残される人の痛み。
読みながら、私は「どうして女性はこんなに非力なんだろう」「どうして暴力で人を支配するのだろう」と、何度も考えた。
同時に、最近の私は「死」にとても敏感になっていることにも気づいた。
死が近づくことへの恐怖。
そして、残される側の悲しみ。
「時薬」という言葉があるけれど、悲しみはどうやって癒えていくのだろう。
この本を読んで、私は自分の中にある「痛みにとても敏感な部分」に気づいた。
そして最後に残ったのは、温かな気持ちだった。
「星を掬う」というタイトルの「星」は、夢や希望、大切な思い出のようなものなのかもしれない。
流れ星に願いを託すように、小さくても確かにそこにある希望。
それぞれの人が大切にしている、小さな星。
特に心に残ったのは、ひまわりの柄のワンピース。
「私はこうしたい」
本当はそう思っていたのに、母親から「違うでしょ」と言われることが怖かった。
怒られたり、拗ねられたり、傷つけられたりすることを恐れて、いつしか母親の望むように生きるようになっていた。
でも最後に、自分の「好き」と母親の「好き」が重なっている、小さなところに気づく。
その場面がとてもよかった。
幸せって、何か大きな出来事としてやってくるものではなくて、
気づかなかった小さなところに、ちゃんと存在しているのかもしれない。
前回の読書でも「気づき」が残ったけれど、今回もまた、違う角度から幸せの形を見せてもらった。
若年性アルツハイマー症によって、少しずつ記憶や意識が失われていく母。
失禁やペン漏れなど、介護する側の大変さも描かれていた。
病気を早く知ること。
知ることで、できることがあること。
そして、病気になった人も、その人らしさや「好き」を持っていること。
そんなことも、この物語から学んだ。
痛みも、恐怖も、悲しみもある。
それでも、その中には小さな星がある。
その星を見つけて、掬い上げる。
『星を掬う』は、
人の痛みを知りながら、その人の中にある小さな希望や幸せにも気づかせてくれる物語だった。
読み終えた今、少し温かな気持ちが残っている。
読んでよかった。
Posted by ブクログ
苦しくて苦しくてクズ男がクズすぎてむかついたりこころが動きすぎて辛かったけど、最後の方のお母さんの心の話で涙が止まらなくなった。自分の人生は自分のもの。自分次第って心に響いた
Posted by ブクログ
『月とアマリリス』が面白かったので、町田そのこさんの作品をさかのぼって読んでいます。
本作『星を掬う』は、三宅香帆さんが著作『娘が母を殺すには?』で指摘された「母親殺し」の物語と呼べるのかもしれません。母親という呪縛、あるいは“母であろうとすること”の呪縛に囚われた女性たちが、さざめきハイツでの共同生活を通して自分自身を取り戻し、新しい母娘関係を築き直していく物語です。
前作『52ヘルツのクジラたち』には、現代社会の問題がこれでもかと詰め込まれていました。
本作にもDV、介護、若年妊娠など重いテーマが多く登場しますが、どの人物も「母娘関係」という共通の痛みを抱えているため、物語は自然と“母娘の再構築”へと収斂していきます。結果として、問題の羅列ではなく、ひとりひとりの人生が響き合う“人間ドラマの深み”として昇華されていたように感じました。
同時に、さざめきハイツでの共同生活はシスターフッドの物語でもあります。女性たちが互いに支え合い、再起していく一方で、千鶴から金を巻き上げ暴力をふるう弥一や、恵真を追い詰める岡崎など、主要な男性キャラクターはほとんど弁解の余地なく“悪役”として描かれています。
物語としては面白かったものの、男性読者である自分には少し居心地の悪さも残る作品でもありました。
Posted by ブクログ
介護のリアルな描写とか、感情のぶつかり合いのシーンが多くて結構読んでて苦しいというかしんどち気持ちになっちゃったかも
でもだからこそ、最後まで読んだ時にジーンとくるものがあった
親子ってお互いの人生にとってすごく大きな影響があって、強く結ばれているのって割と当たり前なことだと思ってたけど、それぞれの歩むべき人生があって選択権があるということに気付かされたし、それを忘れてはならないと思った
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生き別れた母と娘の再会の物語。
それぞれの抱える事情が理不尽で苦しくて読み進めるのに心を削る場面が多かった。その分、再生や和解の描写が深く胸に残る。タイトルの背景が語られるくだりはぐっときた。「星を掬う」って良い言葉。詩的な美しさと、物語の中で意味を持っているところで文章の魅力が際立つ。やっぱり町田そのこさん好きだなぁ。
Posted by ブクログ
なんとも言えない気持ちになった。
親子関係、あと何度自分の親に会えるか分からない選択をしてるんだから、1回1回大事にしないとな、と思った。
どう大切にすればいいかも分からないけど、突っぱねるのはやめよう。
Posted by ブクログ
途中は胸を抉られるような場面も多く、こんなことが本当にあるのだろうかと苦しくなりました。
それでも読み終わった後は、ほっとした気持ちになりました。辛い過去を抱えながらも、それぞれが前を向いて歩き始める姿に救われた気がします。
認知症になっても大切な人を思う気持ちは変わらず、「生きなさい」という母親の言葉がとても印象に残りました。
過去に縛られるのではなく、自分の人生を生きること。人との出会いや支えによって、人は生き直すことができるのかもしれないと感じた一冊でした。
Posted by ブクログ
ただの母娘の再会がハッピーエンドだったで終わらず、お互いの葛藤が徐々に分かってくる。介護問題にしても一緒にいたいと思う家族でも限界はあるし、その上本人も自分らしくありたいと思うおもいもある。ラストは色々な問題に対峙することで母娘が分かり合えることも増えていくことに安らぎを覚えた。
Posted by ブクログ
幼いころに母に捨てられた千鶴は、それが自分を卑下する理由となり、自分を肯定することがどうしてもできない。
父と祖母に育てられたが、父の病により家産を手放すことになり、貧乏暮らしを強いられた祖母は、千鶴の母を恨みながら死んでいった。
千鶴が結婚した相手は、借金に借金を重ねてはその返済を千鶴に押し付け、断ると手加減なく暴力をふるうモラハラ男。
逃げても逃げきれないこの生活から逃れるため、死ぬしかないと思い詰めていた時に、母の知り合いが「会いたい」と連絡してくる。
人生最後に、なぜ自分を捨てたのか聞きたくて、千鶴はその知人と会うことにする。
普通だったら涙の再会。
「悪かった」「後悔しなかった日は一日もなかった」という流れになると思うが、再会した母は千鶴を見て気を失う。
若年性認知症を患っている母は、時に落ち込み、時にテンション高く、だが概ね千鶴のことは見ないふりをしている。
千鶴に連絡を取った恵真、家事全般を担当する彩子とともに、母が所有する「さざめきハイツ」に暮らすことになった第一の理由は、元夫から身を隠すことだ。
幼いころに両親を事故で失い、親戚の家でしぶしぶ育てられた恵真。
妊娠中から産後にかけての体調不良から、育児や家事を義理の母に任せることになり、家に居場所がなくなり、ついに家を出ざるを得なくなった彩子。
千鶴の母・聖子もまた、過干渉で反抗を許さない母に厳しく育てられ、それに反発しながらも、自分の中に母の影を感じ、千鶴を守るために千鶴を捨てざるを得なかった(とその時は信じていた)のだった。
それぞれに家族関係で悩み、傷つき、その痛みを抱えながら生きる。
そしてそれぞれに「あたしの人生は、あたしのものだ」の覚悟を持つまでの話。
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親に捨てられた女性が人生を取り戻す話。めっちゃ良かった。
主人公は幼少の頃母に捨てられた。そのひと月前に二人で行った小旅行の思い出をラジオの賞に応募すると、母と同居しているという女性からのコンタクトがあり、主人公は母と再会を決める。しかし、対する母は若年性認知症を患っており、みたいな話。
小旅行を美化していたことに気づく描写が良かった。序盤の恵真の無遠慮な行動と、結城が主人公(初対面)に正論くらわせすぎなシーンと、美保が急に感情移入しやすいキャラになったのが少しあれだけど、他はすごく良かった。序盤の恵真はやばい。
面白かった。
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捨てられた娘と捨てた母の物語。
元夫のDVから逃れられない千鶴。自分を捨てた母と再会する機会ができ、それをきっかけに母親の所有するシェアハウスに逃げることになります。
自分の不幸は母親のせいだと思っていた千鶴。
「不幸を親のせいにしていいのは、せいぜい未成年の間だけだ」と言われ、ハッとします。
自分が不幸のどん底にいると、つい、自分だけが不幸で世の中は不平等だと思ってしまいます。でも、周りをよく見ると、気付くことはたくさんあります。
親子だって別々の人間。
一見身勝手な母親でも、母親側の気持ちを読めば、その気持ちも痛いほどわかります。
娘には自分の人生を生きていってほしい。
自分の母のことを想い、自分の娘のことを想い読みました。重いテーマですが、読んでよかったです。
Posted by ブクログ
母娘の理想の形。なんてないと思わされる本だった。
親である前に一人の人間で、ひとつの心が有り、自分だけの人生がある。
家族や母娘って言葉で犠牲にしていい程の人生は無いんだと改めて思えた。
私の母は愛情深く世話好きだったと思うけど、自分の人生も謳歌出来ているのか考えると少し苦しくなった。
読み進めて行くうちに、この変化、親の気持ちが紐解けていき、何度も泣きそうになった。
典型的な田舎の家に育った私は、これから親になったとき子供と傷つけ合わない距離感を作っていけるのか、
もし、加害者になった時許しを乞おてしまわないか
そんな人生においての課題が浮き彫りになった素敵な本でした。
Posted by ブクログ
読んでいて苦しくなる描写が結構あるし、
認知症の怖さも感じた。
ただ、その人目線のそれぞれのストーリーがあって、
話してみないとわからないことがたくさんあるなと思った。
Posted by ブクログ
久々の町田そのこさんです✩
『52ヘルツのクジラたち』もそうでしたが、重いし辛い。切なさとちょっとの幸せが感じられる作品でした。
自分を捨てた母。DVする元夫。最悪の環境から一つの思い出が状況を変え、新生活がスタート。そこにいたのは、認知症を患っている母と母を「ママ」と呼ぶ恵真、そして娘と縁を切っていた彩子。
複雑な親子関係が、お互いの傷が、それぞれの不幸が、複雑な生活の中で母の病によって終わりに向かっていく物語でした。
正直に言うと、ずっとキツイし、再読はしたくないです。
それぞれの状況を見ていると否定はできないけど、家族って?自分の娘だよ?って自分は思っちゃいました。
命を産むってことは、責任が伴うし、どんな理由でも捨ててはいけないけど、その子の幸せのために捨てるっていう行為は、どう表現したら良いのだろう…。本当にその子のことを想っているけど想えていない。かといって自己犠牲してでも…とは言えないし。
みたいな感じで感情めちゃくちゃ。
状況を読めない美保にもちゃんと理由があったし、とにかく全員理解できないけど、責めれないのがキツかったです。
(褒め言葉です笑)
Posted by ブクログ
町田そのこさん、コンビニ兄弟シリーズ以外を読むのが久しぶり。
嫌な人ももちろん出てくるけど、基本的には心の優しい人たちが出てくるから、安心して読み進められるし、読み終わってやっぱり今回も心が救われる思い。
ここから、千鶴と聖子の新しい思い出がたくさん増えていくといいな。恵真と結城にも、彩子と美保にも、たくさんの良い変化があるといいな。
自分の人生の責任を、誰かに押し付けてはいけない。私の人生は、私のもの。私も忘れないように生きていきたい。
Posted by ブクログ
幼少期に母親に「捨てられた」主人公千鶴が20年ぶりに再会した母は、若年性痴呆症を患っていた。
親から受けた傷が、その人の人生に影響をもたらすことは大いにある。でもその人の人生の不幸そのものは、果たして親の責任なのか。
痴呆症やDVの描写がリアルで苦しい。
Posted by ブクログ
読んでて苦しい場面もあったけど、、
最後は少し温かさが残るお話でした。
みんな不器用でそこがリアルに描かれてた。
ラジオから繋がっていく展開が好きです。
Posted by ブクログ
短編はどれも傑作揃いなのに、長編に関してはこの作品もそこまで乗れなかった。
千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には
かつて自分を捨てた母の聖子がいた。
他の同居人は家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の母と呼び慕う恵真。
普通の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は
上手くいきかけたものの聖子の病で終わりを告げる。
傷つけながらも求め合う母娘の再生物語。
52ヘルツのクジラたち同様、まぁとにかく重い。
千鶴の詰んでいるとしか言いようがない生活、
そして逃げ込んだ先で再会した母が患う若年性認知症、
恵真の抱える過去の傷、突如として現れる彩子の娘など
多岐に渡る詰んでいる人生をこれでもかと見せつけられる。
もう、読んでいて苦しい以外言葉が浮かんでこない。
結局、不幸を一身に背負っている云々が問題なのではなく
最近のトレンドとも言うべきかもしれない主人公の度を超えた弱さ。
要は主人公に魅力が一切感じられない構造。
徹底してるかの如く、主人公を好きになれる瞬間が訪れない。
これが個人的に乗れない大きな要因なのかもしれない。
傑作な筈なのに、その壁を突き破れずに
可もなく不可もなくといった曖昧な印象のまま終わりを迎える。
それでも踠きながらも何とか必死に生きていくサマは
胸に来るものがあるのだが、千鶴の元旦那に関しては、
今やもはやステレオタイプでしかないのではないかという描かれ方。
そしてこれまたステレオタイプな彩子の娘・美保の存在。
結局聖子が千鶴を捨てた理由もわかるようで納得できない。
共感は最後までできなかったなぁというのが正直な感想。
誤解を恐れずに言うと、これが男性の作家が書いたものだったら、
これほどまでに評価される作品となり得たのだろうか。
むしろ、そもそも男性には描けない重厚さということなのだろうか。
決してダメな作品ではないし読み応えも十二分にある作品なのだが、
何だかモヤっとした感触だけが残ってしまったのもまた事実である。