【感想・ネタバレ】星を掬うのレビュー

あらすじ

手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。
そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。


千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。
「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。
すれ違う母と娘の感動長篇。
〈解説〉夏目浩光

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「美保ちゃんの苦しみは、彩子さんのせいじゃない。あなた自身の責任だよ。」
わたしの不幸は、母に捨てられたことではない。他でもない、わたしのせいだ。

抱えていた母への憎しみはただただ「愛されたかった」「寂しかった」とか、そういう気持ちが内側で腐ったり、歪んだりしたものなんだと思った。

それに気づけた主人公は本当に良かったと思う。

私もかつて親を憎しみ、恨んでいたからとても心に沁みたし、「私の人生は誰にも縛らせない!」って言葉も心にグッときた。

内容がとても重たいけど、また再読したい本です。

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2026年04月25日

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ネタバレ

互いに愛し合う姿に感動した。
ただ、目を背けたくなるような描写が多かったので、ちょっとだけ読むのに覚悟が必要かも。

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2026年04月18日

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わたしたちが見ている相手は、相手の1つの側面でしかない。それぞれが過去を抱えながら生きているということの描き方がとても上手で引き込まれた。人間関係を構築する上で、若い頃から読みたかったとも思う。

客観的にみているから感情移入できないところも多々あったけど、「家族」の中にいる当事者になると、自分中心になってしまうこともあるのだろうな。だからこそ、終盤の母の言葉には心に残るものがあった。タイトルの由来も良かった。

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2026年04月07日

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泣いた。
母親との関係は誰にとっても自分の根源であるし、それに執着して卑屈になったり、自分の今を自分で苦しめてしまうということは大人にっても結構心当たって、結城の言葉にドキリとする人は多いのではないかと思う。
でも今も未来も自分の人生っては自分のもの。辛いことの多い思い出も掬い上げれば、一片の救われる穏やかな出来事だってあるはず。そういうことを胸に抱いて生きていきたい。

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2026年04月05日

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自分の困難は自分のせい。その困難を乗り越えられるのも自分だけ。人のせいではない。

10代までは、人生でうまくいかないことは全部全部親のせいにしてた。親の用意した道を何も疑うことなく、そのまま進む。成功するのがあたりまえ、間違えれば親のせい。どんだけ楽な人生を歩んできたのだろう。そして、どれだけもったいない人生を歩んできたのだろうか。
20代になってから、自分で選択して“生きている”という実感がある。失敗を恐れずにいろいろなことに挑戦したい。

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2026年03月23日

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私は片親とかではないですがあまり裕福な家に生まれなく、学費を払ってもらってる子や車を買ってもらっている子を妬んでいました。
小学生の頃には「なんでそんなにお金のことを気にするの?やりたいことをやったらいいじゃん」と同級生に言われたことがあります。
学費、車の支払いをしている今、お金の余裕がなく精神的にも余裕がないです。
そんな自分を取り巻く環境を、「この家に生まれたせいだ」などと思っていましたが結城さんの言葉が刺さり、こんな考えではいけないと自分を見直すことができました。
人生は自分のもの、だからこそ環境を受止め、自分なりに頑張って生きようと思います。

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2026年03月16日

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私はひとり親家庭で、進路とか親の勧めでやってる事が多いから、時々親のせいにしないか不安になる。

周りは海外旅行とか行って、大学も上京もしてるのにどこからそのお金が出てくるんだろうって羨ましくなるし、それも親のせいにしたくなる。

でもこの本を読んで、親のせいにしていいのは未成年の間だけ、という言葉が心に刺さりました。

ここまで育ててきてくれたことに感謝をしてるのに、親のせいにしようとする自分の未熟さを感じました。

これからも家族を大切にしようと思えました。

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2026年03月13日

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星を掬うは、本当の意味での「救い」を描いた作品である。読み進める中で印象に残るのは、相手に安心を与えることだけが思いやりではない、という視点だ。
本作では、あえて距離を取ったり、相手を突き放すような関わり方が描かれる。それは冷たさではなく、相手の抱える問題や依存に正面から向き合わせるための選択だと思った。
相手の痛みに共感し、理解したつもりになることは、本当の「救い」にはならない。その意味で、過剰な寄り添いは暴力性を帯びうるという示唆が、本作には含まれている。
本作における「救い」とは、状況を穏やかに解決することではなく、不完全なままでも他者とどう関わり続けるかという選択の中に見出されるものだと感じた。

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2026年04月04日

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母に捨てられたと思っていた女性が、大人になって元夫のDVから逃れるため、母達が暮らす家で同居するお話

お金にだらしない元夫の金の無心とDVのため極貧の生活を送る29歳の千鶴
彼女には小学一年生の頃に母と二人で一ヶ月間の気ままな車旅をした事と、その後に一緒に帰るはずだった母に捨てられた記憶を持ってい
ある日、ラジオのコーナーにその出来事のメールを送った事で母のと暮らしているという知人と接触する事になり
また、元夫のDVから逃れる為に母達の住む家で同居する事になる
自分の人生がうまく行っていないのは、母から捨てられたせいだと恨み続けてきた千鶴は母と対面するが、母は認知症だという
そんな母や、千鶴と同様に家族の関係に苦しむ同居人との共同生活を送る中で、母が自分を捨てた事情、他の人の過去などが徐々に明らかになっていく

自分の生きづらさは本当に母のせいなのか?という問い

主な登場人物
千鶴
聖子:千鶴の母
恵真(えま):聖子をママと慕う美容師
彩子:同居している介護職の女性。娘に捨てられたという過去がある
美保:彩子の17歳の娘
結城:近所の医師


DV、認知症、性被害、抑圧された幼少期など、重いテーマが色々と入っている

「52ヘルツのクジラたち」を読んだときにも思ったけど、目には映るけど自分には見えていない世界があるのだろうなぁと思う
もしかしたら、普段何気なく接している人も、この物語のような苦悩を抱えているかもしれない

よくこんな重い物語を書けるものだと感心する
どうやら、「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を獲った後、ほぼ出来ていた原稿の大部分を改稿したとの事
本屋大賞って、そんなにプレッシャーになる程の重みを持つようになってしまったのか

「正しい母の姿とは、愛される素晴らしい娘の姿とは何か、ということを考えながら書きました。」らしい
「52ヘルツのクジラたち」では描かれなかった、子供を捨てた母の事情を描いたのがこの作品

ちなみに、著者の町田そのこさんも出席する「52ヘルツのクジラたち」が課題本のオンライン読書会に参加したけど、普通に酒好きの陽気な人で、ギャップが凄かったなぁ


タイトルの「星を掬う」は、認知症によって自身の奥底にある海に沈んでしまった感情や記憶の中から、たまに水面に浮上する星のように美しく輝く記憶を掬うという意味
作中では、認知症の事を「認知症は記憶や感情を心の底に沈める病気。時々、泡のように浮かび上がる想い出や感情が星なんだ」と説明するシーンがある

私が高校生の頃に祖母に認知症の症状が出始め
それからは実家に帰る度に症状の進行を実感したものだけど
ずっと一緒にいたら昔の記憶を思い出すことがあったのだろうなぁ


この物語で一番カツンと来たのは
「不幸を親のせいにしていいのは、せいぜいが未成年の間だけだ」
というセリフ

親からのあれこれだけでなく、大人になってからの事情でも同じ事が言えそう
千鶴の元夫にしても、結局は自分で選んだ相手で、しかもその行動を受け入れてきたのも自分なわけで
まぁ、暴力という手段に訴えているのはいただけないけど、それえも千鶴がちゃんとしているえば毅然と振る舞うか、司法に介入してもらうか、最悪でも自らシェルターに駆け込めてたはず
まぁ、そんな意思すら奪って負の循環を起こすのがDVなのだろうけどね

この辺は、私の過去の夫婦生活でも同じ事が言えそう
結局は、大人である以上は基本的にまず自分で何とかしなければいけないのでしょうね

他にも
「自分の人生を、誰かに責任取らせようとしちゃだめだよ」
とか
「あたしの人生は、あたしのものだ。誰かの悪意を引きずって人生を疎かにしちゃだめだよね」
などのセリフもあって
自分の人生を誰かのせいにしないというのが繰り返し言われている

世の中に理不尽な事は色々とあるけれど、それでもその理不尽に抗う術はあるので、自分の意思を強く持って人生を送れというメッセージなのかね

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町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。

小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられた――。

ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。
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2026年03月09日

Posted by ブクログ

52ヘルツ後の第一作。否が応でも期待は高まったが、その期待をも超える作品。自分の人生のマイナスを誰かのせいにしてしまう。自分のせいだと考えればわかることを、考えを停止して逃げ込む。こんな、自分自身にもあることを突き付けられた。だけど妙に爽やかな気持ちになれたのは、町田さんの優しさと筆力なのかなあ。

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2026年03月06日

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えまさん。彩子さん。
幸せそうに見えるからって幸せな過去で溢れているわけじゃない。何かを乗り越えてきたんだよね。

自分の人生は自分で支配する

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2026年03月03日

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前半は読んでいて苦しくなる内容だった。
母と娘には特別な関係性があるのだなと思った。
薄れていく記憶を溢れる星と表現していた部分が良かった。

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2026年02月24日

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母娘関係の話であると同時に、介護のお話でもあって、タイトルはそれにまつわるもの。

とても素敵な表現なんだけど、もどかしさや切なさも含まれてて、読後はこのタイトルを見るだけでも胸がきゅっとなる。

家族であっても“離れることがお互いのためになる”。
こんな使い古された陳腐な言い回しじゃ到底言い表せないのだけど、こういうことはあるんだよね。

でも、途中まで本当にわからなくて、読んでいて感じるもやもやした気持ちが抱えきれなくて、どうおさめればいいのかわからなくて、一気に読んでしまった。

愛がないわけじゃなく、あるからこそ、そうしなくちゃいけなかった。
それが作品内で語られる部分が、母としての気持ちも、子としての気持ちもわかって、ぐわんぐわんに心揺さぶられた。

自分の人生は自分のもの。
他人に責任をとってもらうものじゃない。
困難にぶち当たったら乗り越えるのも自分。
乗り越えて強く優しくなるのか、乗り越えられず卑屈に情けなく生きるのか。

強いメッセージが込められた作品で、頬を引っ叩かれた気分。
今読んで良かった。
親子関係に悩んでる人に強くオススメする。

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2026年01月27日

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ネタバレ

記憶が自分の底に沈んで自分でも手で掬えなくなるのが認知症っていう表現が良すぎ。
色んな傷を負った4〜5人の女性が同じ屋根の下でぶつかり合い、苦しみながらも少しずつ溶け合う感じが好きだった。

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2026年05月07日

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母と子。それぞれにしかわからない気持ちがあるのだなと思った。
ゴールデンウィークに母に会って、元気に会えるうちに色々と連れて行ってあげたいと思った。

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2026年05月06日

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しんどい。
なんてものじゃなかった…。
町田そのこさん、初めて読んだけど最後までしんどい気持ちでいっぱいで。
だけど最後にはすごく胸がいっぱいになった。

いつか、またみんなで旅行のつづきができますように。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

親子ものとして個人的には今までなかった視点や考え方の小説だったなぁ

幼少期に母に捨てられた千鶴。「捨てられた」「いらない子」「全て自分を捨てた親のせい」と思うのも最もだと思いながら読み進めてて、結城の「不幸を親のせいにしていいのは、未成年の間だけだ」「自分の人生を、誰かに責任を取らせようとしちゃダメだ」って言うセリフにも反感を覚えながら読んでたけど、ただ突き放すための言葉じゃないってのが最後まで読んで納得できた。確かに子供じみてるし、いい大人になってまでその考え方ならただの自縄自縛で時間を、人生を無駄にするだけ。

『52ヘルツ〜』からの流れで「世間から非難される親の視点」で描こうと考えついたこと自体がすごい。
確かにその人なりの理由が良かれ悪かれあるはずだし、その立場を描くこともすごく意義のあることだと思う。

人生の困難は誰のせいでもなく、自分で乗り越えていくんだ、って言うメッセージがあると言われると、確かに読者にとっても「すくわれる」ところがあるだろうなと思った。他の作品にもすごく興味が湧いた1冊になった。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

母娘のこんなにも苦しい関係性があるのか、と読みながら辛くなりました。
「自分の人生を誰かに責任取らせようとしちゃだめだよ」が凄く心に響きました。自分の人生は自分だけのもの!

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2026年04月29日

Posted by ブクログ

 誰かのせいにして自分を省みず思考を停止させる。不幸に浸るのって自作自演というか自傷行為みたいなものだよな、と。一種のドラッグみたいな。その時は満たされるけど、ふと現実に戻った時に何も変われてない現状にどんどん苦しさが増していって、また不幸に浸っていたくなる。不幸に依存してる。対症療法でしかないから、同じ苦しみを繰り返す。時間が経てば薄れていく不幸を、自らしがみつくように掻き集める。惨めな姿を晒していることに気がつけない。
 他責思考が染み付いていると、自分の意思がわからなくなる。それすらも他人のせいにして負のループ。でも気持ちはわかってしまう。不幸をなかったことにはされたくないよね。でも慰めるべきは苦しんだ過去ではなくて、苦しんでも生きてきた今なんだよ。

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2026年04月10日

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ネタバレ

前作の52ヘルツのクジラから続けて読みました。
個人的には前作よりも好みでした。

前作の琴美視点で書いてみたのが今作らしいですが、今回の作品も、世間から弾かれた人・自分の価値をゼロにしてしまってる人を掬うような内容で良かったです。結末や構成は普通ですが、そこに至るまでの感情の出し方などが上手くてとても読みやすかった。


被害者だけでなく加害者の背景や心情も重要であることに気付かされました。また、辛いことに自分が被害者であっても、そこから自立しなければいけないのは自分であることも痛感させられました。

被害者に対して多くの人は慰めや可哀想な目を向けますが、それこそその人を傷つける行為になるかもしれない。

なにがあっても、その人の人生はその人のものであり、だからこそ、自分のせいで人の人生を引きずりたくない。

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2026年03月25日

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ネタバレ

誰かを恨むとき、人は知らぬうちに自分の人生へ呪いをかけている。
些細な親の言動が、いつしか見えない鎖となって心に絡みつく。
それでも——自分の人生の責任は、自分が引き受けなければならない。

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2026年03月11日

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意味深なタイトル。答えは最後にやっと分かる。若年性認知症の母芳野聖子が、消え行く記憶の海の中から、大事な大事なキラリと光る記憶を掬い上げて、図らずもそれを娘の芳野千鶴に見せることで、母娘の関係が再生する、という意味合いのよう。

千鶴の夫弥一によるDVと認知症と介護の話がずっと続くので、読んでいて気持ちは凹むのだけど、救いはある。 千鶴の逃亡先に、弥一が執念で辿り着き、母聖子の前でDVに及んだ後、千鶴が覚醒し、弥一の顔面をビンタした上で、「わたしの人生はわたしのものだ」と叫ぶ場面は、「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」でいじめられっ子晴子(小6)が「孵化」する場面を思い出した。

聖子が千鶴を捨てた理由については、聖子とその母の間の歪んだ母娘関係が影響していて、まさに「因果は巡る」という感じだ。このままだときっと自分は娘を不幸にしてしまうだろう、という聖子の恐怖心と、母からの抑圧から解放されて晴れて自由になりたい、という気持ちと、その合わせ技での逃亡劇だったようだ。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

掬い掬われ、切っても切り離せない関係からそれぞれが葛藤しながらも前進する姿に感動した。たとえ暗闇の中でも、キラキラした部分をきちんと見つけて掬い出せるように。

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2026年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話の終盤で星を掬うというタイトルの意味が分かった。
元夫のDVに怯え苦しむ千鶴。
希望のない哀しく暗い世界に生きる千鶴が最後には「どんな姿の星であろうと掬って大切にしたい」と思える強さを手に入れる。
暗く重たい雲を抜けて久しぶりに太陽を見たような気持ちになった。
「自分の痛みを誰かのせいにすると楽。自分がとても憐れに思えて、自分の弱さを簡単に許せるから。」この千鶴の言葉がとても深いと感じた。
「自分の人生は自分のもの」
この話の軸になるのはここなんだと思う。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

母と娘の関係がシンプル、逆に複雑であるという両面が、数パターンの組み合わせで描かれていて改めて考えされらる作品でした。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

最後の最後になるまで苦しい場面やこちらまで腹立たしくなる場面が続き、ハッピーな展開への期待を裏切られ続けた作品。
苦しい時間は長かったが、不思議と読む手は止まらなかった。
人間は弱くて脆い。自分の未熟さを誰かのせいにしたり、表面的な事柄だけでその人を判断してしまいたくなるが、その人の心のうちや経験した深みを知ること、自分自身の今に問うことが大切だと感じられた。
私自身も母と関係の悪かった過去があり、心に刺さる内容が多かった。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ


今の自分は、これまでの自分が積み重ねてきた決断の結果であると強く感じた。現状を他人や環境のせいにせず、責任を持つ。
未来の自分が、自身を好きでいられるような決断を選びながら生きていきたい。

主人公たちの境遇に完全に共感しきれない場面も多くあったけど、それは自分が家族や周囲の人々にいかに恵まれてきたかを再認識する機会となり、これまでの環境への感謝の気持ちが深まるきっかけになる本だった。
さらに物語を通じて、深く掘り下げなければ見えない、多様な人生や人々が存在することを改めて考えさせられ、他人の表面だけを見て決めつけることのないよう、常に相手の背景も想像する姿勢を心がけたい。

家族という最も近しい関係でさえ、分かり合えないことがこんなにもある。背景も価値観も異なる他人と関わる際には、より一層、自分の意志を明確に伝え合う努力をしなければ、真の理解は得られないと痛感した。

『星を掬う』で描かれる、認知症の母との時間を巻き戻せないという非情さや、記憶・関係性がどんどんと失われていく事実は、「今」という一瞬の価値を際立たせていた。
後悔は「しなかったこと」に対して生じ、大切な人との時間を失ってから悔やむことのないよう、会えるうちに会いに行くという行動も、相手任せにしがちだけどそれも他責にしない、自分で選び取る責任だなと思った。
「大切な人との時間を自分で守る」その意識と行動を忘れないようにしよう。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

んー、痛々しい場面が多かった

内容としてはそこまでかな
それぞれの登場人物に感情移入ができなかった

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

短編はどれも傑作揃いなのに、長編に関してはこの作品もそこまで乗れなかった。

千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には
かつて自分を捨てた母の聖子がいた。
他の同居人は家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の母と呼び慕う恵真。
普通の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は
上手くいきかけたものの聖子の病で終わりを告げる。
傷つけながらも求め合う母娘の再生物語。

52ヘルツのクジラたち同様、まぁとにかく重い。
千鶴の詰んでいるとしか言いようがない生活、
そして逃げ込んだ先で再会した母が患う若年生認知症、
恵真の抱える過去の傷、突如として現れる彩子の娘など
多岐に渡る詰んでいる人生をこれでもかと見せつけられる。
もう、読んでいて苦しい以外言葉が浮かんでこない。

結局、不幸を一身に背負っている云々が問題なのではなく
最近のトレンドとも言うべきかもしれない主人公の度を超えた弱さ。
要は主人公に魅力が一切感じられない構造。
徹底してるかの如く、主人公を好きになれる瞬間が訪れない。
これが個人的に乗れない大きな要因なのかもしれない。
傑作な筈なのに、その壁を突き破れずに
可もなく不可もなくといった曖昧な印象のまま終わりを迎える。

それでも踠きながらも何とか必死に生きていくサマは
胸に来るものがあるのだが、千鶴の元旦那に関しては、
今やもはやステレオタイプでしかないのではないかという描かれ方。
そしてこれまたステレオタイプな彩子の娘・美保の存在。
結局聖子が千鶴を捨てた理由もわかるようで納得できない。
共感は最後までできなかったなぁというのが正直な感想。

誤解を恐れずに言うと、これが男性の作家が書いたものだったら、
これほどまでに評価される作品となり得たのだろうか。
むしろ、そもそも男性には描けない重厚さということなのだろうか。

決してダメな作品ではないし読み応えも十二分にある作品なのだが、
何だかモヤっとした感触だけが残ってしまったのもまた事実である。

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

☑︎ "謝るのって、許すことを強要してるんですよ"
☑︎"察してとか、分かってとか、そういう曖昧なのってだめだよね"
☑︎ "私の人生は最後まで私のものであり、私の意志によって始末をするのです。あなたたちの感傷で振り回していいものではないのです"
☑︎ 誰かを理解できると考えるのは傲慢で、寄り添うことはときに乱暴となる。
☑︎"家族や親って言葉を鎖にしちゃだめよ"

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2026年03月28日

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