あらすじ
手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。
そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。
千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。
「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。
すれ違う母と娘の感動長篇。
〈解説〉夏目浩光
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
認知症は、記憶や感情を自分の中の深い海に沈めるものかあ。そんでもって、それを水面から意図したものを掬い上げることはできない。
なんか、認知症とかに関係なく、歳をとって思い返した時に掬い上げてくる記憶や感情がきらきらしたものでありたいなと漠然とながら思いました。
Posted by ブクログ
職場の人にオススメされた本。
読んでみたいリストに入ってたことも忘れてた。
家族だからって何をしたっていいわけではないけれど、家族だからこそ踏み込みたい時もある。
夜中のトイレ掃除のシーンでは、
おじいちゃんの葬式で叔父さんが、少し安心してしまった、と泣きながら話していたのを思い出した。
介護をする苦労もあるし、逆にされる側の尊厳も考えなければならない。家族だからこそ、見られたくないものがある。その折り合いをどうつけるのか、それぞれに思いがあるからこそ難しいと思った。
大丈夫。あんたは、できる子だから。
この言葉は、きっと、精一杯の母の愛情。
誰かの言うとおりにしなくても、あんたは自分の人生を生きていけるという後押しなのではないだろうか。
わたしの人生は、わたしのものだ
「わたし」として自由に暮らすには家族の存在はおもりになってしまう。近くにいたい人、近くにいてほしくない人、誰の気持ちを尊重するか、小さいときは大人が勝手に決めてしまい、大人になるとぶつかり合う。
さざめきハイツで暮らしていた4人、それぞれの過去やトラウマ、考え方があり、その違いですれ違い、言葉がとめどなく溢れて言い過ぎてしまうこともあるけれど、それを解消するにはやはり会話をするしかなくて。
最後、私が掬う思い出がキレイなものであるように。
後悔のないように人と関わりたい。
Posted by ブクログ
途中までは★5だけど、弥一と岡崎が出てきたことでショックすぎて★4にしました。電車の中でちょっと泣きました。
登場人物それぞれ糸が絡み合ってる状態を、ちゃんと時間をかけて話してやっと誤解が解けていく。でもそこまでがなかなかプライドとか気持ちとか色んな事が交差して難しくて、上手くいかなかったりもする。リアルでなかなか苦しい物語でした。
美保はやる事も発言も幼稚すぎてイライラしたし、彩子さんも言えないならいっそ美保を追い出しなよと思ったりもして、あれだけ皆に失礼な態度取っておいて散々振り回しといて甘えたいとか何を言っているの?自業自得だよねと腹立たしさも感じたり⋯。
聖子が最後子供たちを守る姿も本当に辛かったです。辛すぎて生きていて欲しくて読む手が止まらなかった。
そして認知症のリアル。勉強になりました。まだ認知症が身内にはいないが他人事ではない。現実を見せられたような感じです。これを私は出来る気がしないなというのが正直な所。
DV被害者の心境も私には想像がつかなかったのでこういう風に精神的に追い詰められるのか、こういった影響が出てくるんだと知ることが出来ました。
小説は色んな事や感情を教えてくれる。
やっぱり面白いなと改めて感じた小説でした。
Posted by ブクログ
『お母さんが小さい頃たくさん怒っていたから、私は人の顔色を気にして生きている』『容姿のことをあれこれ言われたのを忘れられなくてずっと自信がない』
そうやって、お母さんのせいにしてきたこと、
私もあるなと思った。
そうだとしても、大人になったら、自分の責任でコンプレックスを乗り越えないといけない。
と思う一方で、自分が親として、息子に対しては、息子の意見を尊重したいと思う一方で、しらずしらずのうちに自分の価値観を【ふつう】として押し付けてしまっていることもあるだろう。
親子関係や家族ってなんだろうと
考えるきっかけになる一冊でした。