あらすじ
蛍が舞う夏祭りの夜──山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、生きるために互いの秘密を守り合うことを決めた。それから十五年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会が、家族や友人、町の人々の人生に大きな影響を与えていく。明かせぬ秘密を抱え、思い描いた道のりではなかった。それでも、この小さな光が照らす世界を大切に生きたい。一人一人のささやかな祈りを描いた、心震える傑作小説。
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なんとなく仄暗い香感じがずっとあるので辛いなと思う部分も多かった。親だけじゃなく大人たちに子供って振り回されてるんだよなと思った。子育てしてると子供に振り回されてるって感じることが多い、それって時間とか体力とか人生が大きく変わるなんて事はほとんどない、けど子供は周りの大人達に人生を大きく変えられたりするんだよなと再確認した。子供との関わり方について考えさせられる話だった。定期的に読み返したい。
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だいぶ前に読んだけど2重になっていたので一冊消したら消えていた。だから再登録したけど中身は全然覚えてない。5つ星は確か。ブグログにバグが起こっている。
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不幸の連鎖で目を覆うような展開だったけど、最後は感動の涙だった。
ひどい人もたくさんいたけど、助けてくれる人もいたね。
中でも、隆之の存在に正道と一緒に私も救われた。
毒親という存在、
子供の人生を搾取する親、
私の親の事も思い出し、
また、親としての今の自分の事も考えた。
最後の終わり方、よかった。
やっと正道が普通の若者のようになった瞬間。
正道のこれからのますますの幸せを祈ってる。
この作品はぜひとも映画化して欲しい。
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ド直球の町田そのこだった。
救いようがない環境、救われようがない人たち、でも、それでも生きて命を繋いだ先にある希望。
一気に物語の世界に引き入れられて、一気にその世界の住人になって、読み終わって現実に戻ったらたまらない充足感におそわれる。「またこの人のいいものを読ませてもらった」という満足感でいっぱいになった。
作者買いです。様々な親と子の切っても切れない関係が描かれる連作短編集です。
殺人者の息子として迫害された過去のある正道を中心に物語が展開します。時を経て正道の心境や苦しみが変化し、涙なしには読めない作品でした。
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これも、町田さんらしい一冊。読みながら切なさがこみあてきた。自分ではどうにもできないことは、多々ある。子どもの頃は特にそう。生きていくにはあきらめて見ないふりして、自分のきもちにもふたをしていなければならないこともある。運命と言ってしまえばそれまでだけれど、出会いがなにかを変えてくれるかもしれない。
正道くんが、母の願いどおりに育ってくれたことは、嬉しい。生まれなければよかったと思う子どもたちがいなくなることを願わずにはいられない。
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重たいテーマだったけど、優しくあたたかい感じをもたらす内容でした。
町田さんのこの感じ好きです。
印象に残る言葉がたくさんありました。
『親は子どもを選べない』
『自分の痛みや苦しみを認めるのは、自分自身だよね』
『誰がどう言おうと、痛い、苦しいと思ったことを自分だけはちゃんと認めて、ここにあると言わなきゃいけない。』
大人も子どもも、1人でも助けてくれる人がいれば救われる、誰も1人にしてはいけない、と考えさせられました。
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子は親を選べない。
子は親がどうであれ、愛してしまうようにできている。
でもそれと同時に親への憎しみを持ったまま、生きていく。
親なりの愛のかけ方に気がついた人、親なりの不幸を理解しようとする人や、親の立場なんか考えてられない、自分の不幸はせめて自分が不幸だと言ってあげたいという人など"毒親"に対して考え、導き出した答えが十人十色でした。
正道は今後も親への憎しみを持ったまま生きていくだろう。その経験をへて、同じような目に遭っている子供の未来を作っていく。
それは親を許すということではなく、自分の報われなかった気持ちを癒すためだと思った。
正道が他の子供たちにかける言葉は、きっと自分がかけられたかった言葉なのかなと気がついた時
どうしようもなく正道を抱きしめたくなりました。
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どんなクズ親でも、子どもは与えられた環境の中で生きていくしかない。
正道くんは母が望んだ通り正しい道を歩んでいくだろう。
隆之が愛情深くずっと寄り添ってくれたから。
「子どもにとって、親って絶対なんですよ。子どもは親を選べない。ひとりで生きる術がないから、どんな親であっても受け入れなくちゃいけない。学校に楽しく通いたい、お腹いっぱいご飯を食べたい、穏やかに布団で眠りたい。そんな当たり前の願いすら、親によって奪われる。生きることを諦めたくなる瞬間が、何度も訪れる」
こんな子どもがいない世の中であってほしい。
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重たいテーマだったけど、人の弱さに寄り添うような優しさを感じる作品だった。
暗闇の中で誰かが迷っていたとしても、いつか光が灯りますように。
そんな祈りが込められていたような気がした。
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大人も子どもも孤独にしてはいけない
人との出会いが負の連鎖を止める一助になる
そんなメッセージを含んだお話。
一生のほとんどを暗く湿った地中で過ごす蛍
美しい光を放つけど、その期間は10-14日ほどらしい。
蛍が黒い虫だと思うと苦手だと感じる人もいる。でもいつの世も、蛍の放つ光は誰かに感動を与え、希望になることもある。
そんな小説でした。
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最初から最後までハードな内容で読み進めるのが辛かったのが正直なところ。
子供は親を選べない。毒親から生まれた時点で、その子供は幸せになれないんだろうか。親の負の遺産を一生背をっていくのだろうか。
生きていても辛い。親を殺すことが出来ても、また別の辛さが追いかけてきて、不幸から抜け出せない。
自分は殺してしまいたいくらい、親が憎いなんて思ったことはない。たまたま恵まれていただけで、世の中には想像を絶する世界が広がっているのだと、改めて気付かされた。
螢たちの祈り。いまこの瞬間にも、小さな螢たちの祈りが捧げられていると思うと、とても切なく苦しい。
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最初は短編かと思った。
でも、短編のように主人公が一話ごとに変わるけれど、話は繋がっている長編のようなお話だった。
親が殺人を犯していたり、親のせいで苦労をした子供達の話。特に、正道くんが良い青年に育っていて良かった。
「子どもは、無条件に親を愛します。そういう風にできている。愛されなくても、傷つけられても、しあわせを奪われても、求めるようになっている。子どもには、拒否という選択肢はないんです」という正道の台詞が印象に残った。
自分も親になり、子供はこんな自分でも、「ママ、ママ」と愛してくれるが、甘んじずにしっかりしないとなと思った。
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決して裏切らない作家がいる。私にとって町田そのこさんはその中の1人だ。
第1章を読み始めてすぐ、これは裏切られたと思った。つまらない小説を読んでしまったと。でも、2章を読み終える頃には違う確信があった。これは面白い。
とにかく隆之がカッコいい。小説を面白くさせる材料として欠かせないのはキャラクターだと思う。この物語にはクソみたいな登場人物がかなり出てきて、胸糞悪い思いもするが、全章に登場する隆之がとにかく魅力的だ。
正道が隆之と出会えて良かった。最後は蛍が出てきてくれと強く願った。
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5話からなる連作短編集。
親に恵まれず話しは重い展開になります。
しかし、その中でも手を差し伸べてくれる人がいる。
隆之の存在がなかったら正道はどうなっていたんだろうか…。苦しみに寄り添って一緒に生きて、光を注いでくれる人はいる。
最後は幸恵が望んだように、正道が真っ直ぐに育ってよかった。
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町田その子さんは、人と人の繋がりを丁寧に描く作品が多いが、作品によって隠と陽がはっきりしていると思う。本作は疑う余地なく、ずばり“隠”の作品。
蛍が舞う夏祭りの夜・・・
15年前と今夜、偶然の再会を果たした幸恵と隆之。
2人で抱えていた秘密をきっかけに、周囲を巻き込みながら、運命は予期せぬ方向へ進んでいく。
不遇な星のもとに生まれた子どもは、ずっと自分の居場所を探し続ける。
選択の余地がない重苦しくて哀しい生き方に、ずっと胸が締め付けられる思いがした。彼らが必死に求めつづけるものは、どうすれば手に入るのだろうと、正解の出せない苦しさが迫ってくる。
ラストのささやかな祈りよりも、全体を占める圧倒的な負のエネルギーが強かったが、ラストは救いがあって良かった。
主人公のひとり、隆之の人間性が大きな柱となっているが、終盤にかけての展開は、あまりに人格者過ぎて作り物感が強かったのが少し残念に感じた。
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『52ヘルツのクジラたち』を読んで以来の町田そのこさんの作品。帯に『心ふるえる傑作小説』とあるので、きっとまた号泣させられるのだろう。
蛍祭りの夜。山間にある小さな田舎町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、山奥のとある場所で偶然出会う。2人は生きるために罪を共有し互いの秘密を守り合うことを決めた。それから15年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会から物語は大きく展開していく…
子どもは親を選べないというけれど、出る親出る親みんな酷い… そんな親に翻弄され、辛く寂しい思いをしてきた人たちが、出会いを通して暗闇の中に小さな光を見出すような、5話からなる連作短編集。
心に残ったフレーズ。
“『世界にはたくさんの綺麗な景色がある。でもね、自分のすぐ傍にも、世界中に誇れるほどの綺麗な景色があるの。そのことを知らないひとは一生見られない。知っていても、季節がずれたり天気が邪魔をしたらやっぱり見られない。そして、行こうと自分の意思で歩かない限り、見られない。しあわせってのも、そうよ。覚えておいてね』”
小学校4年生の幸恵におばあちゃんが話してくれた言葉。小学生には少し難しいかもしれないけれど、幸恵のしあわせを願う、おばあちゃんの愛を感じるいい言葉だな〜
予想通りに号泣でした。
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重いお話でした。どのお話も親のため子供が全てを背負わざるを得ず、過去を抱えそれでも前に進もうとする姿が描かれている。
関わる人によってそれが人は生きていく力や変わってゆく力になる。
ただただ重いだけではなく暖かい話。
最後の話は泣きそうになりジワっときました。
自分もある種恵まれた環境ではなかったので幼い頃や若い頃のことを思い出しながらページをめくることもありました。
最初の章を読んだ時はあれ?これはサスペンス、ミステリー系だったかしらと思うゾワゾウと嫌な不快感もありましたが読み終えた後は読んでよかったと気持ちが軽くなった。
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出てくる人達がみんな不幸で 悪い奴もいっぱいで たくさんの人が亡くなって 親も最悪で。
さすが町田そのこさん って感じです。
でも 不幸な人達に 手を差し伸べる人もいて 救われます。隆之 特に正道が不幸に引きずられず 優しい人に育って良かった。
ラストは 「しんと静かな気持ち」になりました
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過去に傷を抱えた登場人物たちが前に進むために
誰かの言葉や優しさで少しずつゆっくりと
心をほどいていく過程がとても美しい 。。
悲しい物語だけど読むほどに心が温かくなる . 〇
読み終えたあとは優しい余韻が残る作品 ⸝⸝ᵕ ᵕ⸝⸝
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今作はのっけからまたたくさんの人が殺されてんなぁ〜…DVはこれまでもよくあったけど殺人にまで!チェーンストーリーで正道の誕生前から23歳までが正道の近くの人が主人公で物語が進む。どの主人公も幼少期に虐待や貧困を経験したりどこか幸薄い人生。そんな人生に嫌気が差して投げやりになるが、ギリギリで踏み止まれた。
ドロドロもあったけど、読後は温かいものが心に残った。
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「子どもは親を選べない」この本のなかに出てくる子ども達は、いずれも親の身勝手に振り回され、苦しい子ども時代を過ごしていた。その状況から抜け出したいがために自分の手を汚してしまう。自分自身と親。私たちはどうしても切り離して考えられない。でも決して重ねてはいけない。そして巡り巡って自分の身に起こることを受け止めて生きていく。汚してしまった手でまた掬えるものがあるだということに気づかされる本です。
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町田さんの新作。不幸な家庭を書かせたらNo. 1だと思う。その中でも懸命に抗い生きる姿と救いの手、希望、というのが町田さんの作品から受ける印象で今回もそうだった。殺人が続いたので、1章、2章が怖く、1章は白夜行みたいな感じがした。2章はなんか異色で気持ちも悪かった。で、そんな中育ってきた正道が、殺しの臭いを感じ取れるような、ちょっと無理やり大人にならされたような、だけどまっとうで優しい人間に育ったことが嬉しい。養父のおかげかな。各章ごとの主人公のどうしようもなさ、がすごく迫ってくるが、夢中になって先を読み進めずにはいられない作品。
Posted by ブクログ
評判が良かったので読んでみた。主要登場人物みんな何かしらの不幸な生い立ちを抱えていて、自分を不幸にする家族に対して殺意すら抱いている。それでも同じ不幸を抱える人たちに同情し、何とか救いたいと親身になってそっと寄り添う。その姿は美しいし、それなりに感動的な話になっているが、憎むべき人物はあくまでも邪悪で救いようもなく、描き方が平面的でやや興ざめするところがあった。物語を盛り上げるためにリアリティよりも読者の期待に応えようとしてるみたい。
Posted by ブクログ
両親に恵まれなかった子供達がもがき苦しみながらも生きていく話。
主人公の成長と共に関わる人目線の短編集。
逃げられない子供は本当に気の毒に思う。
現実、小説のように手を差し伸べてくれる他人はいないだろうし親の事情を知ったところで、苦しかった過去がゼロに近づく程感謝するには至らないだろうなと想像する。
だけども最後まで一気に読み切れた一冊でした。