あらすじ
蛍が舞う夏祭りの夜──山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、生きるために互いの秘密を守り合うことを決めた。それから十五年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会が、家族や友人、町の人々の人生に大きな影響を与えていく。明かせぬ秘密を抱え、思い描いた道のりではなかった。それでも、この小さな光が照らす世界を大切に生きたい。一人一人のささやかな祈りを描いた、心震える傑作小説。
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町田そのこ作品そのもの。
親に恵まれなかった中学生の男女二人が、蛍を前にお互いの秘密を胸にする。そこからすべての物語が始まる。
各章でそれぞれの境遇に悩み苦しむ登場人物が、蛍の小さくわずかな光に導かれるように前に進もうとする。
そして、最後に導かれた登場人物たちが繋がっていき、優しさとは、親とは、繋がりとは、家族とは何なのかと感じ心に優しい光が灯されるような作品。
読むことが苦しくなる背景や描写も多いが、最後には必ず優しさでほっこり包み込んでくれる町田そのこ作品は安心して楽しめる作品だ。
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正道が神代に過去を吐露するラストシーンが、昔の幸恵と隆之に重なる。頁を捲る度に解けていく、登場人物のつらい過去。悲哀と愛情の均衡が巧い。『しあわせのかたち』の寛太に不意打ちを食らった。想定外の落涙。
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読書備忘録975号。
★★★★★。
ああ、一日に備忘録3本目は疲れる・・・。
これもそのこさんの王道!
めっちゃオモロかった!
それだけやな。
隆之がほたるの場所で幸枝に約束したことは形を変えてちゃんと守られた、というストーリーですわ。
正道くんのセンサーがすごね。
道を外しそうになっている人を見つけるセンサーね。
だって、名前が正道くんだからね。
以上。
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ずっと気になってた本。町田そのこさんは好きな作品多いけど、これは抜群に好みでした。ちょっとイヤミス(ミステリーではないけど)っぽく、道尾秀介さんみたいな雰囲気もあるかも。5作の連作短編集で、章ごとに時間が経過し登場人物たちの人生が進みます。幸恵や紅実子の女性としての物語に惹かれつつ、一冊通して読むとこれは正道と隆之の物語だなと。どの人生についてもハイライト部分というかダイジェストでしか語られてないにも関わらず、それ以外の時間も想像できてしまうのがすごい。厚みのある作品だな。最終章は泣きました。
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すごく暗く、嫌な大人がたくさん出てきて、
読み通せるか不安だったけど、
最後まで読めて良かった。
明るくは絶対にならないけど、
多くの人に読んでもらって、
すべての子供達を幸せに明るく、正しく育てられるような世の中にしてほしいって思って。
とはいえ、わたしも、他人に手を差し出せるかはわからないけど、
隆之さんが、素晴らし過ぎる…
ありがとうって、なに目線かわからないけど、わたしからも感謝したい。
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久しぶりの町田そのこさんの作品。町田さんの作品にはなぜこうもクズ男、毒親がこれでもか!と登場するのだろうか。今回ももれなくクズ男が出てきて、胸が苦しくなる。
男に騙されて全財産を失ったはずの紅実子が、また同じように男にいいように騙されて、隆之を裏切ってしまいそうになって、読みながら、ダメだって~、って言っていた。自分の居場所を探し続け、幸せになりたい、とそれだけを求めているだけのに。
子どもは親を選べない。
負の連鎖を断ち切ろうと、いやそこまで重いものを自分でどうにかしようとしているわけではないのかもしれないが、自分の人生を必死に生きようとする姿に人間の強さを感じる作品でした。
絶望の中に、しっかりと希望の光がある、希望が見える結末があると信じているから、町田そのこさんの作品が大好きです。
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読者の横に佇んで、寄り添いながら優しく前を向かせてくれるような優しさのある本だった。
読み終えたあと、空を見上げたくなりました。
短絡的かも知れないけど、今苦しい環境にいる人達にも届いて欲しいと思いました。
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読んで良かったと思える本。
親の期待に応えられる子はいい子で、そうでない子は悪い子として、傷つくことを平気で言われ姉妹格差の中で育った。1番目の物語の中で幸恵が親から浴びせられた言葉、似たような事を言われたことがあり、自分だけがそう言う言われ方をされて育ったんじゃないと思ったら、気持ちが楽になった。
自分の過去を思い返す少し苦しくなる内容もあるけど、主人公の様に自分の道を外れずにまっすぐに進んで行きたいとエールをもらえたような気持ちになる物語だった。
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序盤の内容からは想像できない結末に救われた。
どんな境遇であれ、差し伸べられる手と
裏切らない愛情、そして自分自身の生き抜く力があれば人生を諦めなくてもいいのだろうな。
親の身勝手で生まれ、親の身勝手
で人生を狂わされるそんな事の起きない
世の中であれば良いと願う
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さすが、町田そのこという感じ。
少し怖い描写もあったけど、最後に救われた感じかな。恋愛ではないけど、2人は大切な同志だったんだなぁ。
私は昔氷室冴子さんの本が大好きで読んでたから、町田さんが書くいろいろな方向から描く書き方が好き。主人公は一人でなく、そこにいる人全ての人が主人公。いろいろな思いがあり、行動全てに意味がある。それを改めて感じた一冊。
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「生きること」って醜くて汚くて、
でもとても美しく尊いこと。
町田先生はいつもそれを痛切に教えてくれる。
ひとりひとりの人間の生き様をこんなに上手描ける作家で町田先生に勝る人はいないと思う!
冒頭に登場する幸恵は、出産を控えた女性。しかしそんななか彼女は、子どもを身ごもらせた相手に夜逃げされそうになる。その夜逃げを止めようと必死になるあまり、彼女は相手を殴り殺してしまう。挙句の果てに遺体を捨てるときに、彼女のほぼ全財産が入ったバックも捨ててしまう。そこで彼女は数日考えた末、お腹の子どもと心中することを決意するところから、本作はスタートする。幸恵は心中場所として森の中にある蛍が綺麗に見える場所に向かうが、そこで出会ったのは15年前に秘密の約束を交わした隆之だった。幸恵は15年前に義理の父を殺したという隆之の殺人の証拠を譲ってもらい、彼の罪をなかったことにしたことがあった。その恩があってか、隆之は幸恵を救うべく色々と提案し、自分が旅立つ明日に答えを出してほしいと言う。彼が去った後、彼女は悩んだ末生きることを選ぶが、出血性ショックで子どもを産んだ後、亡くなってしまう。
そんな幸恵から生まれた子ども、正道は幸恵のはとこの養母に育てられるが、虐待のような待遇を受ける。しかし正道と同じ地域に住んでいた隆之の実父の殺人事件を解決しようとしているうちに、正道と隆之は出会い、隆之は正道を養子として受け入れ生きていくことに…
そこから正道が同じ境遇にあるような虐待児を救おうと奮闘したり、隆之の会社の社員であり正道の家政婦ような紅実子の身を案じて行動するところ、さらに隆之の死後にみせた正道の想いには胸が打たれたなぁ。
特に好きなシーンは2つ。
1つ目は、隆之との別れでやっと彼のことを「お父さん」と正道が呼ぶシーン。ずっとずっと自分の人生を救ってくれて感謝していた隆之に、言えなかった言葉をここで正道が吐露するシーンに涙が流れた。
2つ目は、ラストシーン。母と隆之の思い出の場所で、母が心中を考えた場所で蛍を待つ正道。逆境にたくさん立ち向かってきた正道に、せめて1匹でいいから光を見せてあげてほしいと一読者として願わずにいられなかった。なかなか蛍が現れず、そんななか正道が見つけた光景にまたまた涙が滲んできてしまった…
いつもそうだが、町田作品は読むのがとてもしんどい。でも「生きる意味」を知りたくて、必死になって読んでしまう。読後はやっぱりしんどくて、でもとてつもない温かい気持ちで溢れる…
また次の作品が楽しみだ。
幸恵や隆之、正道に出会えてよかった!
正道がこれからも自分らしい道を歩んでいけますように……
作者買いです。様々な親と子の切っても切れない関係が描かれる連作短編集です。
殺人者の息子として迫害された過去のある正道を中心に物語が展開します。時を経て正道の心境や苦しみが変化し、涙なしには読めない作品でした。
Posted by ブクログ
話がするする入ってきて一気読みだった。
町田そのこさんは毒親を描くのが抜群に上手すぎて、胸が締め付けられる。
「自分のすぐ傍にも、世界中に誇れるほどの綺麗な景色があるの。行こうと自分の意思で歩かない限り、見られない。しあわせってのも、そうよ」
いま苦しんでいる人たちに向けて何度も発信している町田さんのメッセージはこれだと思う。
犯罪に手をそめるまで子どもを追い詰めていることを理解しない毒親に怒りがわいたけど、逸彦のクズっぷりが一番許せなかった。
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いつになっても親より子供のほうが大人な気がした。特に過酷な環境下で育った子供は客観視することが得意の部類に入ると思った。特に辛い状況を乗り越えてる人は自分に欠けているものを欲しいと思うし。みんなそれぞれちょっと違う道にズレてでも誰かに助けてもらって。心の奥底に眠ってる思いを何とかしようと必死だったり。正道はそういう人を知ってるから将来助けてあげたいって思ったのかなあ。お友達との考え方も違って文句はあまり出ないっていうのも自己主張をあまりしてこなかったからとか?色々考えた。子供は無垢純粋でとてもか弱いものだと分かっているのに大人がそれを壊すことはあってはならない。それなのに壊れてしまうなんてこの世でいちばん悲しい
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最初の章は若干浅く感じたけれど、ここから始まっていく序章的な物語だったことがわかって納得。
章が変わる度に、誰のどういう関係の人なのかという手探り感があるので、いい感じにリセットされた。そしてまた別の苦しみが明らかになり、物語は一層深くなっていく。
苦しみの真っ只中にいると、逃れるための方法が最悪な手段しか見えなくなる。
そんな相手にでも正道の言葉は通る。
「その苦しみは、奪って手に入れたものを軽く凌駕する」
「苦しみが姿を変えるだけ」
微かな希望が蛍の明滅する光のように、静かにほのかに紡がれていた。
Posted by ブクログ
読み始めてすぐに、ああこんな不幸な話を読みたくないと思った。読み進めるのがとても辛かった。章ごとに話は主人公は変わるが、数珠つなぎとなって物語は繋がっていき、とてもテクニカルなものを感じた。しかし、最終章が、まとめに入っていて、説明的に感じるのが否めない。第三者を入れて話を展開したが、そこまでしなくともいいやろう感がある。
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独立した短編かと思うと読んでいくと登場人物に見覚えがあり、全て繋がった連作短編だった。内容は町田さんらしい暗くて重い内容。いつかは救われるだろうと読み進めていく。
最初の短編から重い。妊娠して会社辞めた途端に男に財産を盗まれて逃げられる。引き留めようとして暴力を振るわれる。絶望で自殺しようと思った場所は蛍が大量に見える水辺。そこで出会った同級生。お互いの身の上ばなしが更に重い。イヤミスのような展開。
この時に生まれた息子の辛い人生が始まる。次々出てくる登場人物も似たような人生。
殺人、自殺、事故死、次々と人が死んでいく。絶望の先にある救いの手。ちょっとだけハッピーエンドにやっと安堵する。
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自分を苦しめる身内に殺意を抱く者たち。その傷跡が時間の経過とともにどう変化していくのかに光を当てた5つの連作です。
「殺したい」と願うほどの夜を過ごした人にしか分からない、切迫した負の感情。それを静かに肯定し衝動を抑えてくれる者がいます。殺意を抱くほどの苦しみを知っているからこそ、掴める幸せがあると。
重いテーマですが、作者ならではの「孤独からの再生」に、蛍の美しい光が導きます‥‥。
※『少年の目』の章にグロテスクな描写が数行あることを付記します。
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最初からずっと暗い、重い話ばかりでとっても辛かった。正道もやっばり幸せとは言えない暮らしを送っていて重い話で読むのが辛かった。正道の母を知っている隆之の優しさが心に残る作品だった。正道も幸せになってほしい。
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1章から何で転がり落ちるような負の連鎖なの~!って思いました。でも隆之のおかげで読み終わってみると温かいお話だと思いました。手をさしのべられる人。
もっと隆之のこと知りたかったです。
何かが違ったらとか、親が子どもに愛情を向けていたらこんなことには…と何度か思ったけれど幸恵や正道の名前に込められた思いがあって良かった。そして最後、隆之のまわりにも人がいて良かった。
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胸が苦しくなる内容だった。子供は親を選べない。ただ当たり前の親子、家族のかたち、特別なものは何も望んでいなくて欲しかったのは親からの愛情。
正道が、俺みたいな子どもがいたら⋯助けてあげてくださいと飯垣さんに話したときは感動した。
Posted by ブクログ
読み終わった。じわーーーーっと体が、心が痺れた。
苦しいことがたくさんある。
それでも出会いがあって救いがあって、みんななんとか生きている。
どうしようもなく辛い時はあるけど、誰かの何かに救われてここまできたんだよな、と思う。
この本を読みながら、暗くてしんどくて、私もどんどん沈み込んでしまったけど…
読み進むにつれて、ちょうど元気になってきた。
読んでよかったな、と思う。
桐生隆之、坂邑幸恵、正道、紅実子さん、可憐、愛、神代くん。
Posted by ブクログ
最初の方からショッキングな描写が多くてなかなか体力がいりそうな物語だなと覚悟して読み始めた。
次の章に移っても、違う人物の物語に移っても、やっぱり苦しさはずっと続いていて、でも本当に少しずつだけれど真っ暗闇からほんの少しの光が見えるように作品全体の雰囲気が変わっていたのだということに最後の章にになってようやく気が付いた。
Posted by ブクログ
1話目はミステリーっぽい展開にグングン引き込まれて、それ以降は物語として楽しんだ。
どうしようもない環境の中に、たった1人でも救いの手を差し伸べてくれる人がいて、素直にそこに甘えられるかで、人生が全然別物になってしまうんだろうなって思った。
全ての恵まれない、どうしようもない状況の環境下の人たちに孝之のような人とであって欲しい。
Posted by ブクログ
子どもは親を選べない。ずしんとくる言葉。
親に恵まれない子どものどうしようもない絶望を思うと胸が痛くなる。
世代を越えて繋がっていく子ども達の物語、最後にほんのりと光がさして救われた。
Posted by ブクログ
切なさが残る作品でした。
親の関わりが子どもの幸せと密接なんだなと感じる作品。
自分の子ども達にちゃんと愛情を示していられていなかったと反省も。
自己満足だけの愛情を押し付けていたのかも。
隆之に出会えた正道は人生が変わったと思う。
出逢いって大切なんだなとも思いました。
Posted by ブクログ
町田そのこさん、大好き。
『蛍たちの祈り』も面白かったんだけど、ポンポン殺人して、ポンポン妊娠して、いい人がいい人過ぎて、ファンタジー小説のような読後感。
殺人に睡眠薬が出てくると気分がさがるので、星3かな...。そして、睡眠薬は、神経質な人だから使う薬じゃないと言いたい。変なところに引っかかって、ごめんなさい。
正道のモテ気質は、逸彦のDNA。
隆之のいい人ぶりは、自分のために生きられなくなった故の行動じゃないだろうか。
純粋な自分の意志なんて、誰にも無いのだと思う。
2回通して読んで、面白かったけど、面白かったんだけど、些細なところが気になって、本筋の感動の邪魔をする。
私は、間違った子育てしてないかな...。
Posted by ブクログ
うーん…感想が難しい。
子育て真っ最中で子供が親を求める気持ちが痛いほど分かるので、親に恵まれない子供たちの話が少し苦手です。
なので話の流れについての感想を…
隆之がかっこよすぎて、もう少し隆之にまつわるエピソードが読みたかった。
同級生や職場の人、いろんな名前が出てくるからもっと繋がるのかと思いきやそうでもなく、なんだか不完全燃焼。
同級生の藍と可憐の母親の愛がどう繋がるのかと思いきや、まったくの別人で終わってしまって肩すかしな感じ。
内場さんやフユコさんの話が読みたかったです!