あらすじ
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」
犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。
部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。
生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。
淡く、薄く、醜くも、尊い。
様々な花から蘇る記憶――。
これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
感情タグBEST3
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せつない!
久しぶりに、読書で号泣。このまま寝たら目が腫れるかしら。
たくさんの人、一人一人にドラマってあるんだよね。家族や友達はもちろん、隣近所の人や職場の人、電車で隣に座った人なんかにも。床屋のおかみさんが懐が大きくて良い人だったな。
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公園で絵を描いたりしている葛城平というおじいさんの物語。切なくも心温まる話だった。
平の波瀾万丈の人生。幼馴染の悦子の生き方。
悦子の章に詳しいことがほとんど書かれていて、やはりそこがいちばんぐっとくるんだけど、その前の章で描かれる安珠や奏斗の優しさがすごく好き。最初は、自分のこと可愛いとか言うし、なんだこの子?と思ったけど、すごいいい子すぎる(語彙のなさ)。
二人がこの先も、恋愛であってもそうじゃなくても、お互いを思い合えるいい関係であるといいなと思った。
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あの時違う行動をしていればと後悔することもある
でも本当に大切なものは失敗もひっくるめて最後にはこれでよかったと受け入れられる未来がくるんだと思った。
人の弱さとか綺麗じゃない感情とか、人生の遠回りみたいなものをなかったことにしない、町田作品がとても好き。
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人の人生を味わった気持ち。平さんの言葉が突き刺さる。悲しくて切なくて汚くても美しい感情が波打ってる物語で、本当に素敵。悦子かっこいい。
良い作品すぎて何と言葉で表して良いか分からず
ずっと感想を書けなかった。スイートメモリーのカバー曲を聴いたら、書かなきゃ、と思いだした。
自然と丁寧に読んでしまうため、時間もかかった。
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めちゃめちょ良かった!!町田その子の中ではピカイチかもしれない。泣いてしまった。
第1話 安珠は貴博と別れた。誰でも彼でも悪くいうのできいていられない。安珠は絵描きジジイが気になっている。貴博がストーカー化した。安珠の幼馴染の奏斗は自認の性が男とも女ともつかないらしい。奏斗はその日自殺未遂をして、学校に来なくなった。
第2話 美園は母の遺品整理をしている。二ヶ月前、母が癌で余命宣告されていることを知った。そのせいか、部屋にはすでに生活臭がなく片付けられている。母は夫にも娘にも依存して生きてきたが、2人に振り払われてようやく自分の人生を生き始めてくれた。
第3話 安珠のおばあちゃんは脳梗塞に倒れる。平さんのことを聞こうと、野口の家を訪れる。ダンスホールで大人気だったことしかわからない。
第4話 映見は友達の出産祝いのオーガニックコットンのタオルを買った。高い。ヨガのインストラクターをやっているが、コロナ禍以降オンラインになった。自分のヨガスタジオを開く予定だったが目処がつかない。
第5話 安珠のおばあちゃんの悦子は床屋をやっている。平が帰ってきたと噂に聞く。
悦子は高校に進みたかったが、女だから縫製工場に行けと言われる。住み込みで店員を募集していた理髪店に入る。平の妹の小藤ちゃんとお母さんが亡くなった。
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「平」という謎のおじいさん。そんなおじいさんに興味を持った高校生の安珠は、平に声をかけ親睦を深めていく。果たして平は何者なのかー。平の人生が明らかになるとき、物語は優しいエンディングを迎える。
印象的なシーンは2つ。
1つ目は平が「花束」を贈りたい相手に贈れず、最後に安珠に渡せたこと。今までの生涯において平は花束を贈る直前で、何かしらの障害に妨げられ贈ることができなかった。それを実の孫である安珠に渡すことができたことは彼の人生における餞になったと思う。1人の不器用な男と儚い花束はどこか似ていて、読んでいて終始胸が締め付けられた。
2つ目は奏斗が安珠に想いを伝えるところ。奏斗は性自認が不明でずっと悩んでいたが、最後にメイクを施した姿で自分らしさをそのままに安珠に想いを伝える。奏斗がこの決断に至るまでには長い長い苦悩があったと思うが、平の人生をかけた物語が奏斗の生きる道標になったように感じて人の繋がりの尊さを感じた。
とにかく優しくて、強い人々を前にとても胸が温かくなった。私もいつか誰かのために思いを乗せた花を贈りたいと強く思った作品。
p.63.64 相手のことを本当に理解したいなら(一章 ひまわりを花束にして)
『理解に深さを求めるのなら、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合って詳らかにしなくてはいけない』
『そう。何もかもを、さらけ出すんだ』
『楽な作業じゃない。大事な相手ほど、汚い自分や愚かな自分を知られたくないだろう?ひとは、そういうものだ』
『だからこそ、見せる。そして相手が全部を見せてくれたら、丸ごと受け入れる。それが、どんなことでも。呆れるようなことも、傷つくことも、あるかもしれない。でもそれは、それぞれの思い込みから生まれる感情なんだ。思い込みに振り回されることもなく、ただ芯を見て、受けとめるようにしろ』
『そういうことをしていないのに、理解できると思うのは傲慢だ。その逆もしかり』
『話をしろ。何度だって言葉を重ねて、相手の言葉に耳を傾けろ。いったん離れてしまった気持ちは、もしかしたら取り戻せないかもしれない。でも、きっと間に合うと信じろ』
p.178 自分の生き方(三章 不器用なクレマチス)
『仮に、いいと言わない奴がいたとしても、気にしなくていい。そもそも他人が誰かの生き方を否定する方がおかしいんだ。否定した奴らは否定するだけで、お前の人生を保証してくれるわけじゃない。お前が、お前に素直に生きることだけが、正解だよ』
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花を媒介にして、ひとりの男性に関わった人々の視点から紡がれる温かい愛の物語。 酷な経験が多かった平さんの人生だけど、そこにあったのは紛れもない「純愛」だったのだと思う。70年もの間すれ違っていた想いが、孫の世代によってつながっていく展開には、どこか救われるような爽快感があった。 孫世代の安珠と奏人の2人も、人を思いやる優しい心をった子たちで素敵
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60年間すれ違ってようやくたどり着いた先に、想い人はもういない。
切ないけど、恋愛も結婚も友情でも、タイミング1つでズレてしまう。くっつくだけじゃなく、もちろん離れる時も。。
人生の折り返しを迎えたいま、これからは人と離れる辛さや悲しさを、とくと味合わされるのだろうな。。
生易しい純愛なんかじゃなく、あちこち寄り道しながら、それでも紡がれてきた愛が、ひとりの孤独な男性の人生を浮かび上がらせる物語。
以下メモ✍️
ひととの付き合い方の難しさをうまく言語化できない私に、ズバッとハマる言葉がたくさん散りばめられていた。
「ひとってのは、どれだけ相手を求め合っていても、考え合っていても、タイミングひとつでズレてしまう生き物なんだよ。」
「お互いの理解が足りてない場合は、同じくらいの努力で、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合ってつまびらかにしなくてはいけない」
第3章のこれも良かった。
「誰かのありのままを認めるには、己の器をでかくしないといけない。」
第5章
家父長制の時代を生きたおじいさんたちが、自分のおかげでお金に困らず生活してると、己の過去の言動を顧みもしないで、今の自分は被害者だと声高にいう。
その様子に対しての同世代の理容店の女性。「過去の過ちを後悔して、詫びなきゃ。どれだけ昔のことであろうと、誰かを傷つけたことがあるのなら。」
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あらゆる人の視点から、紐解かれていく愛の物語。花がテーマになるのも素敵。最後は涙が止まらなかった。
愛ゆえに言葉にできないこともあるけど、言葉にして行動しないとタイミングは訪れない。大切な人には醜さも、愛も伝えないと分かり合えない。
言葉にしにくいがどこか読みづらさはあり、内容が入って来ずにページを読み返すことは多かった。でもそれを差し引いても非常に心に響く感動する話だった。
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3章まで読んで来て気がついた.
「これ,源氏物語だ」と.
一人の男性の人生が,各章の主人公(主に女性)の人生の,楔となって,物語を渡っていく.これ光源氏じゃん!
そして,物語がきれいに回収されていく様も見事!
こういう文章を,どうやって考えるんでしょう!凄いなぁ,と内容とともに町田そのこという作家さんの才能に改めて感動してしまった.
なにより,人のあり方についての描き方がとても好き.
家族に縛ることもなければ「血」にこだわることもない.読んでいて,安心する.
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かなり好きな作品でした…!やっぱり人生、恋愛においてタイミングって大切だなと。切なさ、愛しさ、もどかしさ…色んな感覚に襲われて、最後はじわ〜っときました(語彙力…)。
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タイトルから連想できない展開の深い話だった。
登場人物の過去と現在が、絶妙に関わり合って、お話に深みを持たせていた。
少しずつ、伏線が回収されていく感じ。
人が生きていく意味、明確な目的が見えている必要はないんだと。
探しながら日々を生きていくのだっていいんだというメッセージ。
面白かった
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さすが町田その子さん。
丁寧に人間の苦くて脆い部分を表現しているなと思いました。
最初は短編かなと思いましたがなるほど、複数人の視点を通した平さんとおばあちゃん2人の物語でした。
最後はぼろぼろと泣いていました。
自分ができなかった後悔があるからこその言葉だったんですね。
これほど大切に思っているのに、どうしてこうなってしまったんだろう。
人生にはタイミングがありますね。
平さんはずっと1人で、孤独で辛い中よく最後まで生き抜いたなと感じます。
最後には少しでも、人生悪くなかったと思てたらいいな。
He knows what the most important thing in his life is.
We realize it when we lose.
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まっすぐに生きてきたひとは、いつか愛される。まっすぐに誰かを求めたひとは、いつかまっすぐに求められる。背中を、追ってくれるひとが現れる。
大好き町田そのこさん
今回はレトロでかわいらしい表紙とタイトルに惹かれました。冒頭から面白そうな予感しかなかったです。花言葉も素敵でした。多かれ少なかれ誰にでも若気の至りってあると思うけれど、この辺りは読んでいてとても苦しくなりました。見つけてくれた安珠ちゃんが素敵でした。
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章ごとに語り手も主人公も入れ替わっていく、ちょっと凝った構成の作品。
登場人物たちは、昭和・平成・令和に思春期を迎えた祖父母世代・父母世代・子世代に分かれている。
当然、育ってきた環境や価値観は大きく異なるのだが、多くの人物が現在進行形でパートナーとの関係などに悩みや問題を抱えている。
もちろん、もう取り返しがつかないことや、手遅れになってしまったこともある。
それでも、世代を超えた交流を通じて、それぞれの価値観や人間関係が少しずつ変わっていく。
その過程で登場人物たちが前を向こうとする姿が印象的で、読んでいてうれしくなった。
交流の中心になるのは、秘密を抱えた「絵描きジジイ」こと平と、彼の足跡をたどろうとする令和の高校生・安珠だ。
ミステリー感はあまりないけれど、平の秘密をめぐる旅と、安珠の成長を描いた物語としても楽しめる。
面白かったです。
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人生には大切な人とのすれ違いや、不運としかいいようのない流れの時もある。それは自分の生きてきた中でも実感してきた。でも、この物語は、それでも人生は、生きるということは美しいものだと示してくれていた。自分が諦めず動いたり、想い続ければ、そこに花が咲くこともあると信じされてくれた。
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大切な人に心のうちを全て話して分かり合えたら1番いいし楽やけど、それが出来ないのが人間で、そう簡単に進まないのが人生だよなと思った。でも分かり合えないままはやっぱり辛いし、大切なことや伝えたいことは言葉にしていきたい。
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素敵な素敵な話だった。
とても悲しく一人で亡くなっていったと思っていた平さんが、残そうと思って残したのではない、平さんの物語。
波乱の人生をひとり生きた彼は「何も残さなかった」ではなく「大事なものを残した」。そして彼はきっと残そうという気持ちで生きていなかった。
「残ったか残ってないかなんて、自分で決められるもんじゃない」そうだよなぁ。
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終盤に怒涛の伏線回収があった。途中で予想のついた伏線もあったけど。平という男性とアンジュという女子高生に関わる各登場人物たちのそれぞれの目線で伏線がはられ、徐々に回収しながら秘密に迫る構成は見事だった。
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世代ごとに生きづらさと戦いすれ違い 、3世代に渡って愛情と絆が目まぐるしく交差して、あるタイミングで結ばれる。
あんなこと言わなきゃよかったなーとかあそこでこうしていればとか、人生は後悔の連続で。
けどその選択が全て間違いって訳でもない。
会えなくても想い続けられるだけで良い。
大事な人を大事にしよう。
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平と悦子、奏斗と安珠。二人の性格と関係はとても似ている。
環境のせい・時代のせいだとしても、平さんの人生はあまりに辛すぎないか?
せめて若い二人に幸あれ!
ひまわり、クレマチス、クロッカス、、、花が結ぶ人のつながりが切ない物語でした。
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切ないけど、最後に報われた気がした。
あんじゅと平さんが実は家族だったなんて、
血の繋がりはすごい。全て分かった上でもう一度読み返したら、生きていたときの平さんの言動の意味が深く理解できそう
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すごいよかった〜〜。一章で正直結末が分かってしまいはするんだけど、その結末に至るまでの過程が幸せで切なくて現実的で、読むのが楽しかった!章を経るごとに視点が変わる演出(?)も面白くて、最後物語の鍵を握る悦子視点でキターーーー!ってなった(笑)町田そのこさん好きだなぁ
Posted by ブクログ
思わず自分をそっと抱きしめたくなるような、そんな一冊です。
最初は奇妙なお爺さんを巡るミステリーかと思っていました。でも、安珠と一緒に遺品を整理していくうちに、一見無意味に見えるメモや枯れた花の裏に、どれほど深く不器用な愛が隠されていたかに気づかされました。
私たちは「愛」は完璧でなければならないと思いがちですが、『わたしの知る花』が描く愛は、後悔に満ちていて、弱く、少しの執着すら伴っています。たとえ傷だらけの人生でも、誰かの人生の花となり、静かに咲いたことがあれば、その温もりは永遠に続くのだと。
読後は心がぽかぽかと温まりました。最近少し寂しさを感じているあなたに、ぜひおすすめしたい作品です。
Posted by ブクログ
町田そのこさんの『わたしの知る花』を読んだ。冒頭の軽快な文章に一気に引き込まれ、このまま読み終えちゃう素敵な予感を感じたのに、中盤は苦戦してページを繰る手が億劫になった。それでも最後は涙に暮れることとなり、鼻をすすりつつ「ずるいなぁ」とひとりごちる。なんだか悔しい気持ちになった。
Posted by ブクログ
簡潔にいうと、
『すれ違い』という言葉がしっくりくる内容でした。
個人的に平さん一番辛い事を経験していても、
一生懸命に生きる姿が素敵でした。
途中、3章の物語で、
登場人物が多くて混乱して挫折しかけました(笑)
途中から面白くなってきました。
最後の結末も...。
Posted by ブクログ
大切な人に自分のことをわかって欲しい。だけど、どうにも伝わらなかったし、すれ違ったり、もどかしいシーンが多々ありました。
個人的には悦子に感情移入して、香恵の身勝手さに怒りすらも覚えましたが、「悦子のように強い人間ばかりではない」という言葉に少し親近感を覚えたような気がして。
だけど、悦子だって強くなりたくてなってるわけじゃなくて、そうせざるを得なかったからしただろうし、それこそ平に弱さを見せたかった部分もあるんじゃないかな。
そんな相手に対して「強い人間」だと決めつけて言うのは、それもまた身勝手さだったような気がする。
平への償いとして、「嫌な女」を演じていたけど、それもただの自己満でしかなくて、本当に平のことを思うなら、もっと別のやり方があったんじゃないかなと思いました。
悦子と平の関係性、私はかなり好きです。