【感想・ネタバレ】わたしの知る花のレビュー

あらすじ

「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」

犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。
部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。
生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。

淡く、薄く、醜くも、尊い。
様々な花から蘇る記憶――。
これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人の人生を味わった気持ち。平さんの言葉が突き刺さる。悲しくて切なくて汚くても美しい感情が波打ってる物語で、本当に素敵。悦子かっこいい。
良い作品すぎて何と言葉で表して良いか分からず
ずっと感想を書けなかった。スイートメモリーのカバー曲を聴いたら、書かなきゃ、と思いだした。
自然と丁寧に読んでしまうため、時間もかかった。

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

めちゃめちょ良かった!!町田その子の中ではピカイチかもしれない。泣いてしまった。

第1話 安珠は貴博と別れた。誰でも彼でも悪くいうのできいていられない。安珠は絵描きジジイが気になっている。貴博がストーカー化した。安珠の幼馴染の奏斗は自認の性が男とも女ともつかないらしい。奏斗はその日自殺未遂をして、学校に来なくなった。

第2話 美園は母の遺品整理をしている。二ヶ月前、母が癌で余命宣告されていることを知った。そのせいか、部屋にはすでに生活臭がなく片付けられている。母は夫にも娘にも依存して生きてきたが、2人に振り払われてようやく自分の人生を生き始めてくれた。

第3話 安珠のおばあちゃんは脳梗塞に倒れる。平さんのことを聞こうと、野口の家を訪れる。ダンスホールで大人気だったことしかわからない。

第4話 映見は友達の出産祝いのオーガニックコットンのタオルを買った。高い。ヨガのインストラクターをやっているが、コロナ禍以降オンラインになった。自分のヨガスタジオを開く予定だったが目処がつかない。

第5話 安珠のおばあちゃんの悦子は床屋をやっている。平が帰ってきたと噂に聞く。
悦子は高校に進みたかったが、女だから縫製工場に行けと言われる。住み込みで店員を募集していた理髪店に入る。平の妹の小藤ちゃんとお母さんが亡くなった。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「平」という謎のおじいさん。そんなおじいさんに興味を持った高校生の安珠は、平に声をかけ親睦を深めていく。果たして平は何者なのかー。平の人生が明らかになるとき、物語は優しいエンディングを迎える。

印象的なシーンは2つ。
1つ目は平が「花束」を贈りたい相手に贈れず、最後に安珠に渡せたこと。今までの生涯において平は花束を贈る直前で、何かしらの障害に妨げられ贈ることができなかった。それを実の孫である安珠に渡すことができたことは彼の人生における餞になったと思う。1人の不器用な男と儚い花束はどこか似ていて、読んでいて終始胸が締め付けられた。
2つ目は奏斗が安珠に想いを伝えるところ。奏斗は性自認が不明でずっと悩んでいたが、最後にメイクを施した姿で自分らしさをそのままに安珠に想いを伝える。奏斗がこの決断に至るまでには長い長い苦悩があったと思うが、平の人生をかけた物語が奏斗の生きる道標になったように感じて人の繋がりの尊さを感じた。

とにかく優しくて、強い人々を前にとても胸が温かくなった。私もいつか誰かのために思いを乗せた花を贈りたいと強く思った作品。

p.63.64 相手のことを本当に理解したいなら(一章 ひまわりを花束にして)
『理解に深さを求めるのなら、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合って詳らかにしなくてはいけない』
『そう。何もかもを、さらけ出すんだ』
『楽な作業じゃない。大事な相手ほど、汚い自分や愚かな自分を知られたくないだろう?ひとは、そういうものだ』
『だからこそ、見せる。そして相手が全部を見せてくれたら、丸ごと受け入れる。それが、どんなことでも。呆れるようなことも、傷つくことも、あるかもしれない。でもそれは、それぞれの思い込みから生まれる感情なんだ。思い込みに振り回されることもなく、ただ芯を見て、受けとめるようにしろ』
『そういうことをしていないのに、理解できると思うのは傲慢だ。その逆もしかり』
『話をしろ。何度だって言葉を重ねて、相手の言葉に耳を傾けろ。いったん離れてしまった気持ちは、もしかしたら取り戻せないかもしれない。でも、きっと間に合うと信じろ』

p.178 自分の生き方(三章 不器用なクレマチス)
『仮に、いいと言わない奴がいたとしても、気にしなくていい。そもそも他人が誰かの生き方を否定する方がおかしいんだ。否定した奴らは否定するだけで、お前の人生を保証してくれるわけじゃない。お前が、お前に素直に生きることだけが、正解だよ』

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2026年06月04日

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花を媒介にして、ひとりの男性に関わった人々の視点から紡がれる温かい愛の物語。 酷な経験が多かった平さんの人生だけど、そこにあったのは紛れもない「純愛」だったのだと思う。70年もの間すれ違っていた想いが、孫の世代によってつながっていく展開には、どこか救われるような爽快感があった。 孫世代の安珠と奏人の2人も、人を思いやる優しい心をった子たちで素敵

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2026年06月03日

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60年間すれ違ってようやくたどり着いた先に、想い人はもういない。

切ないけど、恋愛も結婚も友情でも、タイミング1つでズレてしまう。くっつくだけじゃなく、もちろん離れる時も。。
人生の折り返しを迎えたいま、これからは人と離れる辛さや悲しさを、とくと味合わされるのだろうな。。


生易しい純愛なんかじゃなく、あちこち寄り道しながら、それでも紡がれてきた愛が、ひとりの孤独な男性の人生を浮かび上がらせる物語。


以下メモ✍️
ひととの付き合い方の難しさをうまく言語化できない私に、ズバッとハマる言葉がたくさん散りばめられていた。
「ひとってのは、どれだけ相手を求め合っていても、考え合っていても、タイミングひとつでズレてしまう生き物なんだよ。」
「お互いの理解が足りてない場合は、同じくらいの努力で、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合ってつまびらかにしなくてはいけない」

第3章のこれも良かった。
「誰かのありのままを認めるには、己の器をでかくしないといけない。」

第5章
家父長制の時代を生きたおじいさんたちが、自分のおかげでお金に困らず生活してると、己の過去の言動を顧みもしないで、今の自分は被害者だと声高にいう。
その様子に対しての同世代の理容店の女性。「過去の過ちを後悔して、詫びなきゃ。どれだけ昔のことであろうと、誰かを傷つけたことがあるのなら。」

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2026年05月31日

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町田先生だいすき!
また泣いてもうたやん(泣)

人生70年かけた純愛話。
いやーよかった。

もっかい読もっと♡

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2026年05月18日

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あらゆる人の視点から、紐解かれていく愛の物語。花がテーマになるのも素敵。最後は涙が止まらなかった。

愛ゆえに言葉にできないこともあるけど、言葉にして行動しないとタイミングは訪れない。大切な人には醜さも、愛も伝えないと分かり合えない。

言葉にしにくいがどこか読みづらさはあり、内容が入って来ずにページを読み返すことは多かった。でもそれを差し引いても非常に心に響く感動する話だった。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

3章まで読んで来て気がついた.
「これ,源氏物語だ」と.
一人の男性の人生が,各章の主人公(主に女性)の人生の,楔となって,物語を渡っていく.これ光源氏じゃん!
そして,物語がきれいに回収されていく様も見事!
こういう文章を,どうやって考えるんでしょう!凄いなぁ,と内容とともに町田そのこという作家さんの才能に改めて感動してしまった.
なにより,人のあり方についての描き方がとても好き.
家族に縛ることもなければ「血」にこだわることもない.読んでいて,安心する.

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2026年05月10日

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かなり好きな作品でした…!やっぱり人生、恋愛においてタイミングって大切だなと。切なさ、愛しさ、もどかしさ…色んな感覚に襲われて、最後はじわ〜っときました(語彙力…)。

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2026年05月09日

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タイトルから連想できない展開の深い話だった。
登場人物の過去と現在が、絶妙に関わり合って、お話に深みを持たせていた。
少しずつ、伏線が回収されていく感じ。
人が生きていく意味、明確な目的が見えている必要はないんだと。
探しながら日々を生きていくのだっていいんだというメッセージ。
面白かった

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

さすが町田その子さん。
丁寧に人間の苦くて脆い部分を表現しているなと思いました。

最初は短編かなと思いましたがなるほど、複数人の視点を通した平さんとおばあちゃん2人の物語でした。
最後はぼろぼろと泣いていました。


自分ができなかった後悔があるからこその言葉だったんですね。
これほど大切に思っているのに、どうしてこうなってしまったんだろう。
人生にはタイミングがありますね。

平さんはずっと1人で、孤独で辛い中よく最後まで生き抜いたなと感じます。
最後には少しでも、人生悪くなかったと思てたらいいな。


He knows what the most important thing in his life is.
We realize it when we lose.

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2026年04月16日

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読後こんなに胸がいっぱいになった作品はない。

そして、沢山の素敵な、記憶に刻み込んでおきたい言葉が綴られていた。

親しい人ほど、大切な人ほど嫌われたくないから言葉を選ぶ。
そして視野が狭くなる。
その結果、ズレが生じることになる。
自分の醜いところも全部曝け出して本音で話すって凄く怖くて難しいことだと思う。
ただ、お互い深く理解せず後悔するよりはマシだ。
自分自身のことさえ理解できていないのに人を理解ふるなんて、どれだけ話し合っても難しいことだよな。
ただ、それを諦めてしまったら終わりだよな。

凄く色々考えさせられる作品。

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2026年04月02日

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平さんを巡る連作短編集。
安寿、奏斗。悦子と平。それぞれが思い合いながら過ごしていて、平さんの詩集や物語が一途すぎて優しかった。

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2026年03月31日

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ネタバレ

ずっと気になっててやっと読めた本。
後半は大号泣しながら読みました。
人と人を繋ぐ縁、お互いを結びつけるような見えない力が実際にもあるのかなぁ。
平さんと悦子さんが最後しっかり話ができなかったのが悔しい。でもそれもタイミング。でも平さんの人生はあまりにも壮絶すぎた。
しばらく余韻に浸りそうです。読めて良かった。

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2026年03月23日

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ネタバレ

まっすぐに生きてきたひとは、いつか愛される。まっすぐに誰かを求めたひとは、いつかまっすぐに求められる。背中を、追ってくれるひとが現れる。

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2026年03月02日

購入済み

大好き町田そのこさん

今回はレトロでかわいらしい表紙とタイトルに惹かれました。冒頭から面白そうな予感しかなかったです。花言葉も素敵でした。多かれ少なかれ誰にでも若気の至りってあると思うけれど、この辺りは読んでいてとても苦しくなりました。見つけてくれた安珠ちゃんが素敵でした。

#切ない #深い #共感する

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

大切な人に心のうちを全て話して分かり合えたら1番いいし楽やけど、それが出来ないのが人間で、そう簡単に進まないのが人生だよなと思った。でも分かり合えないままはやっぱり辛いし、大切なことや伝えたいことは言葉にしていきたい。

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2026年06月18日

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素敵な素敵な話だった。
とても悲しく一人で亡くなっていったと思っていた平さんが、残そうと思って残したのではない、平さんの物語。
波乱の人生をひとり生きた彼は「何も残さなかった」ではなく「大事なものを残した」。そして彼はきっと残そうという気持ちで生きていなかった。
「残ったか残ってないかなんて、自分で決められるもんじゃない」そうだよなぁ。

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2026年06月07日

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終盤に怒涛の伏線回収があった。途中で予想のついた伏線もあったけど。平という男性とアンジュという女子高生に関わる各登場人物たちのそれぞれの目線で伏線がはられ、徐々に回収しながら秘密に迫る構成は見事だった。

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2026年05月12日

Posted by ブクログ


世代ごとに生きづらさと戦いすれ違い 、3世代に渡って愛情と絆が目まぐるしく交差して、あるタイミングで結ばれる。

あんなこと言わなきゃよかったなーとかあそこでこうしていればとか、人生は後悔の連続で。
けどその選択が全て間違いって訳でもない。

会えなくても想い続けられるだけで良い。
大事な人を大事にしよう。

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2026年05月10日

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平と悦子、奏斗と安珠。二人の性格と関係はとても似ている。
環境のせい・時代のせいだとしても、平さんの人生はあまりに辛すぎないか?
せめて若い二人に幸あれ!

ひまわり、クレマチス、クロッカス、、、花が結ぶ人のつながりが切ない物語でした。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ないけど、最後に報われた気がした。
あんじゅと平さんが実は家族だったなんて、
血の繋がりはすごい。全て分かった上でもう一度読み返したら、生きていたときの平さんの言動の意味が深く理解できそう

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2026年04月30日

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安珠という女の子の物語と思いきや、おじいさんのお話だった。人生の中の重要なタイミングについて考えさせられた。

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2026年04月05日

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街に突然現れた謎の絵描きおじいさん。安珠は彼が気になって仕方がない。…安珠と幼馴染の奏斗が、そのおじいさん平さんと知り合い、彼の人となりを知って行く中で、2人も成長して行く、という話。平さんの波瀾万丈の人生が紐解かれるうちに、もしかして、と思っていたら、悦子さんの話で、なるほどの結果に。時系列がバラバラになっているので、多少の混乱はあったが、見事に回収され、長く哀しい愛の物語だったと理解した。最後に2人が約束の日に再び会えていたらと思ったが、悦子さんはそれをも乗り越えた。悦子さんのカッコ良さに脱帽。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【目次】
一章 ひまわりを花束にして
二章 クロッカスの女
三章 不器用なクレマチス
四章 木槿は甘い
五章 ひまわりを、君に
エピローグ

コロナ禍がそろそろあけようかという時期。
いつも画板を下げてうろついている老人・平が気に掛かる女子高生・安珠。誰とも関わりを持ちたがらない平だが、気にせずに話しかけてくる安珠の相談に応える一面もある。自宅で急逝した彼が遺した夥しい物語と、向日葵のブローチを見た安珠は、彼について調べ始める。

物語は、安珠と平の出会いから始まり、過去に遡る。訪問介護事業所で、平のかつての恋人を担当していた女性の遺した日記、平の古い知人男性の話、平が住んでいたアパートの家主夫婦の話、そして安珠の祖母・悦子の回想。

性自認に悩む高校生、過干渉の母親に苦しんだ娘と変貌した母親、昭和気質の老人と同居する家族との葛藤、子どものいない夫婦のすれ違い、タイミングがずれてしまった恋愛、とテーマは盛りだくさんだが、いずれも希望をくれる結末。

安珠がとても気持ちのいい女の子で、悦子の気っぷの良さも心地良い。
タイミングが大事だというのはその通り。

また、高齢者の住居問題があるなか、入居者を独居老人や頼るひとのいないシングル女性に決めており、そのために必要な契約を結んでいるというすみれハイツの方針が好もしい。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

老若男女いろんな人の人生が少しずつ絡み合って、最後まで読むと壮大な恋愛小説になりました。
辛いことがいっぱいあったけど、希望が持てるラストで良かった!

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2026年03月28日

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同じ状況になったわけじゃないのに、なんか分かる気がしてしまう二人の関係。周りが言葉少なく見守ってる感じが良い。もう会えなくてもどこかで元気にしてると思えば自分も生きていけるよね。

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2026年03月20日

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儚さの中に静かな美しさがある物語だった。
平の不器用さや優しさが印象的で、うまく言葉にできない感情を抱えながらも誰かを想い続ける姿に惹かれた。
強く主張するわけではないのに、じわじわと心に残る人物だった。

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2026年04月01日

Posted by ブクログ

 身寄りのない老人が孤独死した。その老人とふとしたきっかけで親しくなっていた高校1年の安珠は、老人の遺品を見て、彼のたどってきた人生を調べずにはいられなくなる。
 
 数奇な運命に翻弄されつつも懸命に生きた老人の生涯と、安珠を結ぶ縁 (えにし) を描くヒューマンドラマ。
          ◇
 あ、絵描きジジイ。あいつ、すごく汚いよな。
 貴博の嘲笑するような言い方を聞いた安珠は、こいつとは別れようと決心した。

 貴博が「絵描きジジイ」と呼んだ老人の姿を安珠が見かけるようになったのは、4ヶ月ほど前からだ。

 その老人が人目を引くのにはわけがある。

 まずは老人の身なりだ。
 夏だというのに身につけているのは、開襟とは言え黒い長袖シャツと黒いチノパンだ。おまけにどちらもかなりくたびれている。そのうえ頭に被っているのは、風化が始まったかのようなボロボロの麦わら帽子でひさしに大きな穴まで空いている。

 次は老人の行動だ。
 首からは、手製だと思われる画板を下げていて、公園をうろつきつつノートのようなものに何かを懸命に書きつけている。

 いつも1人でいるこの老人は、子どもをはじめとする人たちから「絵描きジジイ」とか「スケッチじいちゃん」とかいうあだ名で呼ばれているが、誰も近寄ろうとはしない。いつも仏頂面をして気難しそうに見えるからだろう。
 けれど安珠は、この老人がなぜか気になって仕方なかった。 ( 第1章「ひまわりを花束にして」) ※全5章とエピローグからなる。

      * * * * *

 主人公は3人いるのですが、中心的な存在は安珠という女子高生です。
 この安珠、まだ高校1年ながら物事の順逆をきちんと判断できる、なかなかステキな女の子として描かれています。

 安珠は、最近よく見かけるようになった1人の老人男性のことがなぜか気になります。
 4ヶ月ほど前から姿を見るようになったこの老人は、1人でつましく暮らしつつ、公園を中心にして各所でスケッチをして回っているのでした。
 この老人が、2人めの主人公です。

 老人はかつてこの町の住人だったということで、彼についてのいろいろな噂が残っています。
 曰く、気の小さなヤサ男である。
 曰く、カイショなしで女のヒモをして暮らしていた。
 曰く、罪を犯して服役していた。
など、噂にはロクなものがなく、そこに気難しく無愛想という性格も加わって、誰も近寄ろうとしません。
 ところが不思議なことに、安珠だけは老人の懐に入り込むように仲よくなることができたのでした。

 この老人の名が葛城平というのだと教えてくれたのは、安珠の祖母の悦子です。
 この悦子が3人めの主人公です。
 悦子は、理容店で働きながらシングルマザーとしてひとり息子を育てただけあって、気が強くはっきりとものを言う女性です。
 老人の名は教えてくれた悦子ですが、その一方で「そっとしておいてやれ」と安珠に釘を刺す理由までは教えてくれませんでした。

 それから数日後のことです。平さん宅を訪れた安珠は、平さんが心臓発作で急死したことを知り、ショックを受けます。
 そんな安珠を見て、平さんと安珠の関係をよく知っていた大家さんが安珠を平さんの部屋に通してくれました。
 そこには段ボールに収められた平さんの遺品があり、箱の上には安珠から預かったヒマワリのブローチが置かれていたのでした。

 段ボールの中に入っていたのは、何冊もの手書きの絵本と1枚の古い写真。
 その写真を見た安珠は驚きます。写っている若い男女は紛れもなく平と安珠の祖母だったからです。
 また、絵本の主人公はすべて「小藤」という少女であることも気になった安珠は、平さんのことを調べはじめるのですが……。

 第2章以降、生前の平さんを知る人物からの聞き取りによって、葛城平という人間の人生と様々な顔が明かされていきます。

 優しく人がよい平さん。 
 姿がよく女性から人気があった平さん。
 情が深く、生き方が不器用だった平さん。

 決して幸福とは言えない人生でしたが、それでも最後まで真摯に生きた男の姿が浮き彫りになっていきます。そして晩年、人との交わりをできるだけ避けつつ、平さんが残そうとしたものとは。
 また、そんな平さんを真に愛し理解していた人物とは。

 各章のポイントとなる「花」の風情がよく効いていて、人の縁 (えにし) というものが胸にじんわりと広がっていく感覚を味わえる、感慨深い作品でした。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

おばあちゃんの話かと思ったら平さんの話だった。いや2人の話かもしれない。確かに人生にはタイミングはある。それを逃すかどうかで未来も変わるのだろう。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

初めての町田そのこさん作品。
ある老人を軸に、出会いや別れが時を超えて絡み合っていくストーリー。
なかなか報われないものの、終わりに向かってうまくまとまっていく話はよくできていると思ったが、昔の話がどうしてもその時代のものに感じられないことや、(初版だからか)多少の誤字などが気になってしまった。

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2026年03月18日

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