あらすじ
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」
犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。
部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。
生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。
淡く、薄く、醜くも、尊い。
様々な花から蘇る記憶――。
これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
感情タグBEST3
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3章まで読んで来て気がついた.
「これ,源氏物語だ」と.
一人の男性の人生が,各章の主人公(主に女性)の人生の,楔となって,物語を渡っていく.これ光源氏じゃん!
そして,物語がきれいに回収されていく様も見事!
こういう文章を,どうやって考えるんでしょう!凄いなぁ,と内容とともに町田そのこという作家さんの才能に改めて感動してしまった.
なにより,人のあり方についての描き方がとても好き.
家族に縛ることもなければ「血」にこだわることもない.読んでいて,安心する.
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かなり好きな作品でした…!やっぱり人生、恋愛においてタイミングって大切だなと。切なさ、愛しさ、もどかしさ…色んな感覚に襲われて、最後はじわ〜っときました(語彙力…)。
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タイトルから連想できない展開の深い話だった。
登場人物の過去と現在が、絶妙に関わり合って、お話に深みを持たせていた。
少しずつ、伏線が回収されていく感じ。
人が生きていく意味、明確な目的が見えている必要はないんだと。
探しながら日々を生きていくのだっていいんだというメッセージ。
面白かった
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さすが町田その子さん。
丁寧に人間の苦くて脆い部分を表現しているなと思いました。
最初は短編かなと思いましたがなるほど、複数人の視点を通した平さんとおばあちゃん2人の物語でした。
最後はぼろぼろと泣いていました。
自分ができなかった後悔があるからこその言葉だったんですね。
これほど大切に思っているのに、どうしてこうなってしまったんだろう。
人生にはタイミングがありますね。
平さんはずっと1人で、孤独で辛い中よく最後まで生き抜いたなと感じます。
最後には少しでも、人生悪くなかったと思てたらいいな。
He knows what the most important thing in his life is.
We realize it when we lose.
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読後こんなに胸がいっぱいになった作品はない。
そして、沢山の素敵な、記憶に刻み込んでおきたい言葉が綴られていた。
親しい人ほど、大切な人ほど嫌われたくないから言葉を選ぶ。
そして視野が狭くなる。
その結果、ズレが生じることになる。
自分の醜いところも全部曝け出して本音で話すって凄く怖くて難しいことだと思う。
ただ、お互い深く理解せず後悔するよりはマシだ。
自分自身のことさえ理解できていないのに人を理解ふるなんて、どれだけ話し合っても難しいことだよな。
ただ、それを諦めてしまったら終わりだよな。
凄く色々考えさせられる作品。
Posted by ブクログ
ずっと気になっててやっと読めた本。
後半は大号泣しながら読みました。
人と人を繋ぐ縁、お互いを結びつけるような見えない力が実際にもあるのかなぁ。
平さんと悦子さんが最後しっかり話ができなかったのが悔しい。でもそれもタイミング。でも平さんの人生はあまりにも壮絶すぎた。
しばらく余韻に浸りそうです。読めて良かった。
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もうこれはわたしの中ではトップレベルの本でした。
なんだろう、なにから書けばいいんだろう…。
そう悩むくらい感想をどう書いていいかが分かりません。最初は「くっっそ貴博ウゼェ……」くらいにしか思っていなかったのに、こんなにも深い話だなんて…
そして町田そのこさんの文章はなんでこんなにも心が温まるんだろう…。
結局、最初の安珠のあの嘘も嘘じゃなかったじゃん…、とも思いました。
暫くこの本の余韻が残りそうです。
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まっすぐに生きてきたひとは、いつか愛される。まっすぐに誰かを求めたひとは、いつかまっすぐに求められる。背中を、追ってくれるひとが現れる。
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良かった!切なくて温かくて、時間をかけてじっくり読み進めた。「平」という人物が各章で深掘りされていく構成で、関わり方が違えば見え方が変わる。各視点の話を読んだ上で最終章に入ると胸がギュッと締め付けられて、すれ違いばかりで「なんで!」って思いでいっぱいだった。でも最後にはちゃんと前進できていたことが分かって、とてもいいラストだった。安珠と奏斗の成長も印象的で、読み終えて改めて町田そのこさんの本が好きだなとしみじみ思う一冊だった。
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なんか良かった。相変わらずの暗い話なんだけど、男と女のお話だからなのか、入り込みやすかった気がする。そして、ハッピーエンドなのがなにより。生きてる人は大変だけど、死んでしまえば、見なくていい部分が見えなくて済むんだろう。残された者にとって、それは幸せなのかもしれない。
大好き町田そのこさん
今回はレトロでかわいらしい表紙とタイトルに惹かれました。冒頭から面白そうな予感しかなかったです。花言葉も素敵でした。多かれ少なかれ誰にでも若気の至りってあると思うけれど、この辺りは読んでいてとても苦しくなりました。見つけてくれた安珠ちゃんが素敵でした。
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世代ごとに生きづらさと戦いすれ違い 、3世代に渡って愛情と絆が目まぐるしく交差して、あるタイミングで結ばれる。
あんなこと言わなきゃよかったなーとかあそこでこうしていればとか、人生は後悔の連続で。
けどその選択が全て間違いって訳でもない。
会えなくても想い続けられるだけで良い。
大事な人を大事にしよう。
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平と悦子、奏斗と安珠。二人の性格と関係はとても似ている。
環境のせい・時代のせいだとしても、平さんの人生はあまりに辛すぎないか?
せめて若い二人に幸あれ!
ひまわり、クレマチス、クロッカス、、、花が結ぶ人のつながりが切ない物語でした。
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切ないけど、最後に報われた気がした。
あんじゅと平さんが実は家族だったなんて、
血の繋がりはすごい。全て分かった上でもう一度読み返したら、生きていたときの平さんの言動の意味が深く理解できそう
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街に突然現れた謎の絵描きおじいさん。安珠は彼が気になって仕方がない。…安珠と幼馴染の奏斗が、そのおじいさん平さんと知り合い、彼の人となりを知って行く中で、2人も成長して行く、という話。平さんの波瀾万丈の人生が紐解かれるうちに、もしかして、と思っていたら、悦子さんの話で、なるほどの結果に。時系列がバラバラになっているので、多少の混乱はあったが、見事に回収され、長く哀しい愛の物語だったと理解した。最後に2人が約束の日に再び会えていたらと思ったが、悦子さんはそれをも乗り越えた。悦子さんのカッコ良さに脱帽。
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【目次】
一章 ひまわりを花束にして
二章 クロッカスの女
三章 不器用なクレマチス
四章 木槿は甘い
五章 ひまわりを、君に
エピローグ
コロナ禍がそろそろあけようかという時期。
いつも画板を下げてうろついている老人・平が気に掛かる女子高生・安珠。誰とも関わりを持ちたがらない平だが、気にせずに話しかけてくる安珠の相談に応える一面もある。自宅で急逝した彼が遺した夥しい物語と、向日葵のブローチを見た安珠は、彼について調べ始める。
物語は、安珠と平の出会いから始まり、過去に遡る。訪問介護事業所で、平のかつての恋人を担当していた女性の遺した日記、平の古い知人男性の話、平が住んでいたアパートの家主夫婦の話、そして安珠の祖母・悦子の回想。
性自認に悩む高校生、過干渉の母親に苦しんだ娘と変貌した母親、昭和気質の老人と同居する家族との葛藤、子どものいない夫婦のすれ違い、タイミングがずれてしまった恋愛、とテーマは盛りだくさんだが、いずれも希望をくれる結末。
安珠がとても気持ちのいい女の子で、悦子の気っぷの良さも心地良い。
タイミングが大事だというのはその通り。
また、高齢者の住居問題があるなか、入居者を独居老人や頼るひとのいないシングル女性に決めており、そのために必要な契約を結んでいるというすみれハイツの方針が好もしい。
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老若男女いろんな人の人生が少しずつ絡み合って、最後まで読むと壮大な恋愛小説になりました。
辛いことがいっぱいあったけど、希望が持てるラストで良かった!
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同じ状況になったわけじゃないのに、なんか分かる気がしてしまう二人の関係。周りが言葉少なく見守ってる感じが良い。もう会えなくてもどこかで元気にしてると思えば自分も生きていけるよね。
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儚さの中に静かな美しさがある物語だった。
平の不器用さや優しさが印象的で、うまく言葉にできない感情を抱えながらも誰かを想い続ける姿に惹かれた。
強く主張するわけではないのに、じわじわと心に残る人物だった。
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章ごとに主人公は違って、それぞれの視点で見た「葛城平」という男性が描かれます。
最後まで読むと、壮大な長編恋愛小説じゃないか!と思いました。
途中で登場人物たちにイラっとするところはありましたが、最終的にはみんな愛おしい。
優しい気持ちになれました。
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町田そのこさんのお話は
優しくてあたたかいな。
章ごとに語り手が変わり完結するお話なのだが
全てのお話に平さんという老人が絡んでいる。
そして平さんの人となりが少しずつ明らかになっていく。
ひとつ一つのお話もあたたかく前向きになれる。
そして・・・すべてのお話が終わるころには
平さんの物語で全てつながり
読後感はとてもよい。
心があたたかくなる本でした。
Posted by ブクログ
身寄りのない老人が孤独死した。その老人とふとしたきっかけで親しくなっていた高校1年の安珠は、老人の遺品を見て、彼のたどってきた人生を調べずにはいられなくなる。
数奇な運命に翻弄されつつも懸命に生きた老人の生涯と、安珠を結ぶ縁 (えにし) を描くヒューマンドラマ。
◇
あ、絵描きジジイ。あいつ、すごく汚いよな。
貴博の嘲笑するような言い方を聞いた安珠は、こいつとは別れようと決心した。
貴博が「絵描きジジイ」と呼んだ老人の姿を安珠が見かけるようになったのは、4ヶ月ほど前からだ。
その老人が人目を引くのにはわけがある。
まずは老人の身なりだ。
夏だというのに身につけているのは、開襟とは言え黒い長袖シャツと黒いチノパンだ。おまけにどちらもかなりくたびれている。そのうえ頭に被っているのは、風化が始まったかのようなボロボロの麦わら帽子でひさしに大きな穴まで空いている。
次は老人の行動だ。
首からは、手製だと思われる画板を下げていて、公園をうろつきつつノートのようなものに何かを懸命に書きつけている。
いつも1人でいるこの老人は、子どもをはじめとする人たちから「絵描きジジイ」とか「スケッチじいちゃん」とかいうあだ名で呼ばれているが、誰も近寄ろうとはしない。いつも仏頂面をして気難しそうに見えるからだろう。
けれど安珠は、この老人がなぜか気になって仕方なかった。 ( 第1章「ひまわりを花束にして」) ※全5章とエピローグからなる。
* * * * *
主人公は3人いるのですが、中心的な存在は安珠という女子高生です。
この安珠、まだ高校1年ながら物事の順逆をきちんと判断できる、なかなかステキな女の子として描かれています。
安珠は、最近よく見かけるようになった1人の老人男性のことがなぜか気になります。
4ヶ月ほど前から姿を見るようになったこの老人は、1人でつましく暮らしつつ、公園を中心にして各所でスケッチをして回っているのでした。
この老人が、2人めの主人公です。
老人はかつてこの町の住人だったということで、彼についてのいろいろな噂が残っています。
曰く、気の小さなヤサ男である。
曰く、カイショなしで女のヒモをして暮らしていた。
曰く、罪を犯して服役していた。
など、噂にはロクなものがなく、そこに気難しく無愛想という性格も加わって、誰も近寄ろうとしません。
ところが不思議なことに、安珠だけは老人の懐に入り込むように仲よくなることができたのでした。
この老人の名が葛城平というのだと教えてくれたのは、安珠の祖母の悦子です。
この悦子が3人めの主人公です。
悦子は、理容店で働きながらシングルマザーとしてひとり息子を育てただけあって、気が強くはっきりとものを言う女性です。
老人の名は教えてくれた悦子ですが、その一方で「そっとしておいてやれ」と安珠に釘を刺す理由までは教えてくれませんでした。
それから数日後のことです。平さん宅を訪れた安珠は、平さんが心臓発作で急死したことを知り、ショックを受けます。
そんな安珠を見て、平さんと安珠の関係をよく知っていた大家さんが安珠を平さんの部屋に通してくれました。
そこには段ボールに収められた平さんの遺品があり、箱の上には安珠から預かったヒマワリのブローチが置かれていたのでした。
段ボールの中に入っていたのは、何冊もの手書きの絵本と1枚の古い写真。
その写真を見た安珠は驚きます。写っている若い男女は紛れもなく平と安珠の祖母だったからです。
また、絵本の主人公はすべて「小藤」という少女であることも気になった安珠は、平さんのことを調べはじめるのですが……。
第2章以降、生前の平さんを知る人物からの聞き取りによって、葛城平という人間の人生と様々な顔が明かされていきます。
優しく人がよい平さん。
姿がよく女性から人気があった平さん。
情が深く、生き方が不器用だった平さん。
決して幸福とは言えない人生でしたが、それでも最後まで真摯に生きた男の姿が浮き彫りになっていきます。そして晩年、人との交わりをできるだけ避けつつ、平さんが残そうとしたものとは。
また、そんな平さんを真に愛し理解していた人物とは。
各章のポイントとなる「花」の風情がよく効いていて、人の縁 (えにし) というものが胸にじんわりと広がっていく感覚を味わえる、感慨深い作品でした。
Posted by ブクログ
おばあちゃんの話かと思ったら平さんの話だった。いや2人の話かもしれない。確かに人生にはタイミングはある。それを逃すかどうかで未来も変わるのだろう。
Posted by ブクログ
大事にしたくなる名言がたくさん
メモ書きが増えました
全員が平さんを思ってる姿が素敵
泰斗と平に似てる部分が多いのは「幼馴染」の奇跡なのかな?
ただ登場人物が多いことと毎回視点が変わることが少し忙しかったかも