あらすじ
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」
犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。
部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。
生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。
淡く、薄く、醜くも、尊い。
様々な花から蘇る記憶――。
これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
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Posted by ブクログ
ずっと気になっててやっと読めた本。
後半は大号泣しながら読みました。
人と人を繋ぐ縁、お互いを結びつけるような見えない力が実際にもあるのかなぁ。
平さんと悦子さんが最後しっかり話ができなかったのが悔しい。でもそれもタイミング。でも平さんの人生はあまりにも壮絶すぎた。
しばらく余韻に浸りそうです。読めて良かった。
Posted by ブクログ
まっすぐに生きてきたひとは、いつか愛される。まっすぐに誰かを求めたひとは、いつかまっすぐに求められる。背中を、追ってくれるひとが現れる。
Posted by ブクログ
良かった!切なくて温かくて、時間をかけてじっくり読み進めた。「平」という人物が各章で深掘りされていく構成で、関わり方が違えば見え方が変わる。各視点の話を読んだ上で最終章に入ると胸がギュッと締め付けられて、すれ違いばかりで「なんで!」って思いでいっぱいだった。でも最後にはちゃんと前進できていたことが分かって、とてもいいラストだった。安珠と奏斗の成長も印象的で、読み終えて改めて町田そのこさんの本が好きだなとしみじみ思う一冊だった。
Posted by ブクログ
【目次】
一章 ひまわりを花束にして
二章 クロッカスの女
三章 不器用なクレマチス
四章 木槿は甘い
五章 ひまわりを、君に
エピローグ
コロナ禍がそろそろあけようかという時期。
いつも画板を下げてうろついている老人・平が気に掛かる女子高生・安珠。誰とも関わりを持ちたがらない平だが、気にせずに話しかけてくる安珠の相談に応える一面もある。自宅で急逝した彼が遺した夥しい物語と、向日葵のブローチを見た安珠は、彼について調べ始める。
物語は、安珠と平の出会いから始まり、過去に遡る。訪問介護事業所で、平のかつての恋人を担当していた女性の遺した日記、平の古い知人男性の話、平が住んでいたアパートの家主夫婦の話、そして安珠の祖母・悦子の回想。
性自認に悩む高校生、過干渉の母親に苦しんだ娘と変貌した母親、昭和気質の老人と同居する家族との葛藤、子どものいない夫婦のすれ違い、タイミングがずれてしまった恋愛、とテーマは盛りだくさんだが、いずれも希望をくれる結末。
安珠がとても気持ちのいい女の子で、悦子の気っぷの良さも心地良い。
タイミングが大事だというのはその通り。
また、高齢者の住居問題があるなか、入居者を独居老人や頼るひとのいないシングル女性に決めており、そのために必要な契約を結んでいるというすみれハイツの方針が好もしい。