【感想・ネタバレ】わたしの知る花のレビュー

あらすじ

「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」

犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。
部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。
生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。

淡く、薄く、醜くも、尊い。
様々な花から蘇る記憶――。
これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「平」という謎のおじいさん。そんなおじいさんに興味を持った高校生の安珠は、平に声をかけ親睦を深めていく。果たして平は何者なのかー。平の人生が明らかになるとき、物語は優しいエンディングを迎える。

印象的なシーンは2つ。
1つ目は平が「花束」を贈りたい相手に贈れず、最後に安珠に渡せたこと。今までの生涯において平は花束を贈る直前で、何かしらの障害に妨げられ贈ることができなかった。それを実の孫である安珠に渡すことができたことは彼の人生における餞になったと思う。1人の不器用な男と儚い花束はどこか似ていて、読んでいて終始胸が締め付けられた。
2つ目は奏斗が安珠に想いを伝えるところ。奏斗は性自認が不明でずっと悩んでいたが、最後にメイクを施した姿で自分らしさをそのままに安珠に想いを伝える。奏斗がこの決断に至るまでには長い長い苦悩があったと思うが、平の人生をかけた物語が奏斗の生きる道標になったように感じて人の繋がりの尊さを感じた。

とにかく優しくて、強い人々を前にとても胸が温かくなった。私もいつか誰かのために思いを乗せた花を贈りたいと強く思った作品。

p.63.64 相手のことを本当に理解したいなら(一章 ひまわりを花束にして)
『理解に深さを求めるのなら、後ろめたいことでも、隠したいことでも、向き合って詳らかにしなくてはいけない』
『そう。何もかもを、さらけ出すんだ』
『楽な作業じゃない。大事な相手ほど、汚い自分や愚かな自分を知られたくないだろう?ひとは、そういうものだ』
『だからこそ、見せる。そして相手が全部を見せてくれたら、丸ごと受け入れる。それが、どんなことでも。呆れるようなことも、傷つくことも、あるかもしれない。でもそれは、それぞれの思い込みから生まれる感情なんだ。思い込みに振り回されることもなく、ただ芯を見て、受けとめるようにしろ』
『そういうことをしていないのに、理解できると思うのは傲慢だ。その逆もしかり』
『話をしろ。何度だって言葉を重ねて、相手の言葉に耳を傾けろ。いったん離れてしまった気持ちは、もしかしたら取り戻せないかもしれない。でも、きっと間に合うと信じろ』

p.178 自分の生き方(三章 不器用なクレマチス)
『仮に、いいと言わない奴がいたとしても、気にしなくていい。そもそも他人が誰かの生き方を否定する方がおかしいんだ。否定した奴らは否定するだけで、お前の人生を保証してくれるわけじゃない。お前が、お前に素直に生きることだけが、正解だよ』

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になっててやっと読めた本。
後半は大号泣しながら読みました。
人と人を繋ぐ縁、お互いを結びつけるような見えない力が実際にもあるのかなぁ。
平さんと悦子さんが最後しっかり話ができなかったのが悔しい。でもそれもタイミング。でも平さんの人生はあまりにも壮絶すぎた。
しばらく余韻に浸りそうです。読めて良かった。

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まっすぐに生きてきたひとは、いつか愛される。まっすぐに誰かを求めたひとは、いつかまっすぐに求められる。背中を、追ってくれるひとが現れる。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ないけど、最後に報われた気がした。
あんじゅと平さんが実は家族だったなんて、
血の繋がりはすごい。全て分かった上でもう一度読み返したら、生きていたときの平さんの言動の意味が深く理解できそう

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【目次】
一章 ひまわりを花束にして
二章 クロッカスの女
三章 不器用なクレマチス
四章 木槿は甘い
五章 ひまわりを、君に
エピローグ

コロナ禍がそろそろあけようかという時期。
いつも画板を下げてうろついている老人・平が気に掛かる女子高生・安珠。誰とも関わりを持ちたがらない平だが、気にせずに話しかけてくる安珠の相談に応える一面もある。自宅で急逝した彼が遺した夥しい物語と、向日葵のブローチを見た安珠は、彼について調べ始める。

物語は、安珠と平の出会いから始まり、過去に遡る。訪問介護事業所で、平のかつての恋人を担当していた女性の遺した日記、平の古い知人男性の話、平が住んでいたアパートの家主夫婦の話、そして安珠の祖母・悦子の回想。

性自認に悩む高校生、過干渉の母親に苦しんだ娘と変貌した母親、昭和気質の老人と同居する家族との葛藤、子どものいない夫婦のすれ違い、タイミングがずれてしまった恋愛、とテーマは盛りだくさんだが、いずれも希望をくれる結末。

安珠がとても気持ちのいい女の子で、悦子の気っぷの良さも心地良い。
タイミングが大事だというのはその通り。

また、高齢者の住居問題があるなか、入居者を独居老人や頼るひとのいないシングル女性に決めており、そのために必要な契約を結んでいるというすみれハイツの方針が好もしい。

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2026年03月28日

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