町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
町田さんの作品はいつも重い。
重いけど、生きていく強さを貰える気がする。
ひとはどうしても自分のフィルター越しに世界を見てしまうものだ。
他人の喜びや苦しみを共に分かち合うことで、次へのステップを踏み出すことができるのだろう。
贖罪との正しい向き合い方にも考えさせられた。
「ひとはきっと、いつでも変化の一歩を必死に踏んで生きていく。たくさんのものを抱えて、大切なものを失って、それでもなお。その一歩は自分だけの力じゃない。たくさんの大切なひととの思い出や繋がりが奇跡のような力となって、手助けしてくれるのだ」
やっちゃん直伝の魔法のパンケーキで心が癒された。 -
Posted by ブクログ
この物語に描かれている救いは、決して劇的なものではない。人生を一瞬で変えてしまうような奇跡も、過去をすべて塗り替えるような出来事も起こらない。それでも読後に残るのは、たしかに「少し軽くなった心」の感覚だ。本作が差し出す救いは、とても小さい。けれど、その小ささこそが、現実を生きる私たちにとって誠実なのだと思う。
登場人物たちは皆、誰にも言えない傷や後悔を抱えている。孤独や自責の念は簡単には消えないし、過去は取り戻せない。けれど彼らは、誰かの何気ない言葉や、ふとしたまなざし、あるいは偶然の出会いによって、ほんの少しだけ自分を肯定できる瞬間を得る。その変化は外から見れば取るに足らないほど微細だ。しか -
Posted by ブクログ
ネタバレプロとして、顧客の前で泣いてはいけない仕事と、泣くことでプラスに働く仕事。どこに線引きがあるか。
例えば結婚式や大往生した命を共に支えた医療関係者がクライアントや患者と共に泣くことがマイナスに捉えられることは滅多にない。
ところが葬儀社はクライアントと共に悲しむことはだめだとされる。
それはきっと満足と無念の差なのだろう。
いや、泣くことでプラスに働くというのは誰かにとっての話でありあくまで他人、それも仕事という壁を挟んだもの同士で満足なのか無念なのかなんてわかりえないものだ。
獣医として働いていた頃、職場の人間から女なんだからそんなの患者と共に泣いておいた方が得なのにとせせら笑われたことが -
Posted by ブクログ
東京で週刊誌などの記者をしていたが、故郷の北九州へ帰ってきてタウン誌のライターをしている飯塚みちる。
いじめられた過去の経験があるみちるが、学校でいじめ撲滅運動をしている女性記者の講演を聞い自分も同じような道を歩む事を決心し、夢を叶える。しかし、自分が書いた記事で少年が傷ついたことを知りる。そのことで挫折してしまい、北九州へ戻る。
しかし、そんなみちるのもとに、元同僚から北九州で起きた事件の取材依頼がくる。そこからまたみちるの挑戦が始まる。
みちるが調べ始める事件の悲惨さに目が離せなくなる。社会の底辺、華やかさの裏側で生きている人々が事件を起こす。誰かが掬い取らなければ只の悲惨な事件として終わ