町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一人の女子高生が公園で絵を描く老人男性に話しかけることで始まる連作短編集。
女子高生は老人男性に関心を持ち、人物像を浮き彫りにしていく。
一人の男性が生涯抱えていたもの、一人の女性が生涯背負ってきたこと。一つのタイミングがずれてしまったことで、様々なタイミングがずれて人生が大きく変わってしまっていく。一人の男性と女性の純愛を描いた作品。
そして、今回行動を起こした一人の女子高生の成長を描いた物語でもある。
女子高生と幼馴染の二人がうまくいってくれることを願うばかり。
夫婦、セクシャリティ、親子関係、男性女卑、寡婦制度、時代のハラスメントなど、生きづらさの中でもがいている人たちに寄り添ってい -
Posted by ブクログ
こんなにいろんな感情が、澱みなく流れ込んでくる作品あるんだ、ってくらい読みながら、同じ人生なんて歩んでないのに共鳴したような感覚がとても切なくて、大事に大事に一章ずつ読み進めた。
いろんな人の感情が、いろんな人生と交わっていくおかげで、立体的に心にずーーんと伝わってくる。
簡単には、まとめられない。。。。
そのくらい、切ない。
人って、なんでこんなに生きることを難しくなる瞬間が来てしまうんだろう。
読み進めるたびに、あのときのあの台詞の感じ方がまるで違うことに気づく。
ミステリーじゃないのに、もう二周目読みたくなってる。
大切な人に出会えたならば、それだけで奇跡。その積み重ねを芯として、 -
Posted by ブクログ
凄く楽しい物語でした!
私がこの物語を知ったのは
コンビニ兄弟4ですのでまとめて4冊購入しました。
読み始めて直ぐは マズイかも? 私が面白いと
思う内容と違うかもしれない、と思い読み進めて
いました。
しかし いつの間にか物語の中に自然と入っていて
テンダネス 門司港 こがね村店の店長 志波さん!
志波さんに会いに来ている人達、ニヒコさん、
樹恵琉さんも凄い個性で何か良く理解してる訳では
ないのに みんな大好きになっていました!!
それぞれ登場人物の年齢や家庭環境などで
日常の中に悩み?みたいな事があるんですが
それもこれ以上ないくらいに 温かく優しく
解決していく事にも癒されました。 -
Posted by ブクログ
愛する人とともに過ごす幸せに、浸りきれない自分がいる。新しい一歩を踏み出すために必要なことは?
自分の今を見つめ直して、新たな生き方を選択する女性たちの姿を描くヒューマンドラマ短編集。
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我が家のごちそうは「すき焼き」で、私は鶏皮が大好物だと言って教室中で大笑いされる小学生時代の夢を見た。
その頃、すき焼きは鶏肉でするものだと信じていた。特に甘辛く煮込まれた鶏皮に白菜を巻いて食べるのが好きだと言って皆に笑われたことで、私は初めて知ったのだった。我が家の常識は世間の常識とは大きく違うということを。
初恋の人である福元くんにまで「貧乏くせぇ」と嘲笑われただけ -
購入済み
町田そのこ先生の作品が好きなので新刊を楽しみにしていました。
葬儀社芥子実庵を中心に物語が描かれる短編集です。
語り手は作品ごとに違っていますが、最初と最後の物語は芥子実庵に務める同一の女性視点で語られます。彼女の考えや物事の捉え方の変化がこの本の面白さのひとつだと思いました。
どの物語にも死が描かれ、語り手はその死に向き合うことで自分らしく生きることに悩み前に進みます。
この本を読んで改めて人生は取捨選択の連続で失ったものの大きさを感じて苦しく思うことがありますが、自分の大切なものを大切にできるようになりたいと思いました。 -
購入済み
文庫化に際して書き下ろしが追加されています。
死者が残すというぎょらんをめぐるあたたかい連作短編集でした。
大切な人を失ったときに後悔しないように生きたいと思わされる物語でした。 -
購入済み
2巻で嵐の前のような不穏な空気をテンダネスにもたらした華と、普通のアルバイト太郎が交流します。
みんなの兄貴分であるツギにもうまくいかない人間関係があったのかと思うと、より魅力的に思いました。
どの短編も魅力的なキャラクターばかりで、続刊が楽しみです。 -
購入済み
コンビニ兄弟2巻では、相変わらずテンダネスを門司港こがね村店を中心にそれぞれの生活が描かれています。
ツギとミツの妹ジュエルもレギュラー入りし、ますます人間関係の輪が広がります。
1巻でコンビニスイーツ大好き女子学生の梓と決別した美月のその後が描かれていて嬉しくなりました。
不思議な魅力あふれる男ツギの過去に関係ある怪しげな女が現れ、3巻が楽しみです。