町田そのこのレビュー一覧
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購入済み
とても綺麗な短編連作集でした。どのエピソードも出だしの一行で続きが気になりあっという間に読んでしまいました。そしてラストの胸が暖かくなる光が指すような締め。お見事でした。
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Posted by ブクログ
一人の女子高生が公園で絵を描く老人男性に話しかけることで始まる連作短編集。
女子高生は老人男性に関心を持ち、人物像を浮き彫りにしていく。
一人の男性が生涯抱えていたもの、一人の女性が生涯背負ってきたこと。一つのタイミングがずれてしまったことで、様々なタイミングがずれて人生が大きく変わってしまっていく。一人の男性と女性の純愛を描いた作品。
そして、今回行動を起こした一人の女子高生の成長を描いた物語でもある。
女子高生と幼馴染の二人がうまくいってくれることを願うばかり。
夫婦、セクシャリティ、親子関係、男性女卑、寡婦制度、時代のハラスメントなど、生きづらさの中でもがいている人たちに寄り添ってい -
Posted by ブクログ
愛する人とともに過ごす幸せに、浸りきれない自分がいる。新しい一歩を踏み出すために必要なことは?
自分の今を見つめ直して、新たな生き方を選択する女性たちの姿を描くヒューマンドラマ短編集。
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我が家のごちそうは「すき焼き」で、私は鶏皮が大好物だと言って教室中で大笑いされる小学生時代の夢を見た。
その頃、すき焼きは鶏肉でするものだと信じていた。特に甘辛く煮込まれた鶏皮に白菜を巻いて食べるのが好きだと言って皆に笑われたことで、私は初めて知ったのだった。我が家の常識は世間の常識とは大きく違うということを。
初恋の人である福元くんにまで「貧乏くせぇ」と嘲笑われただけ -
購入済み
町田そのこ先生の作品が好きなので新刊を楽しみにしていました。
葬儀社芥子実庵を中心に物語が描かれる短編集です。
語り手は作品ごとに違っていますが、最初と最後の物語は芥子実庵に務める同一の女性視点で語られます。彼女の考えや物事の捉え方の変化がこの本の面白さのひとつだと思いました。
どの物語にも死が描かれ、語り手はその死に向き合うことで自分らしく生きることに悩み前に進みます。
この本を読んで改めて人生は取捨選択の連続で失ったものの大きさを感じて苦しく思うことがありますが、自分の大切なものを大切にできるようになりたいと思いました。 -
購入済み
文庫化に際して書き下ろしが追加されています。
死者が残すというぎょらんをめぐるあたたかい連作短編集でした。
大切な人を失ったときに後悔しないように生きたいと思わされる物語でした。