町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ寂しくて、暗い暗い過去を持った1人の女性が愛を探してもがいて傷ついて、その先の生きるみちしるべをまた探していく物語
LGBT、介護、虐待、不倫、などなど取り扱うテーマは非常に重苦しいもので、メンタルの調子が良くない時とか家庭環境にトラウマがある人が読むと本当に辛いと思う。が物語としては少しずつ謎が解けていく構成でどんどん気になって先に進んでしまうので思ったよりサクサク読めてしまう。
【以下感想】
・女友達、いい奴すぎる
・キナコ、あまりにも人を狂わせすぎ、天性の魔性の女
・妾の子が妾の道を歩もうとしてしまうところに「血」を感じた (あんまり関係ないけど血に抗えない感じが菅田将暉主演の映画[ -
Posted by ブクログ
女子高生、凛音の住む九州の田舎町の山奥に、NI求会という新興宗教の施設ができ、多くの信者がそこに住み始めた。凛音の親友、美央の両親も熱心な信者で、凛音と喧嘩別れをしたばかりの美央はある日突然高校を退学し、その施設に住み始めたとの噂が…。そのことと並行して、町では不審な死を遂げる人が何人も出てくる。
今までの町田さんは、大人の女性に向けて地方に続く男女差別、貧困、虐待が出てくる作品が多かった。
でも、今作はどちらかというと女子中高生が好みそうな作品で、賛否両論があり、ブグログでの評価も低い。けど、私は嫌いではなく、どちらかと言うと町田さんはこういった作品も書くのかと感心した。
まさに、町田 -
Posted by ブクログ
ネタバレ捨てられた娘と捨てた母の物語。
元夫のDVから逃れられない千鶴。自分を捨てた母と再会する機会ができ、それをきっかけに母親の所有するシェアハウスに逃げることになります。
自分の不幸は母親のせいだと思っていた千鶴。
「不幸を親のせいにしていいのは、せいぜいが未成年の間だけだ」と言われ、ハッとします。
自分が不幸のどん底にいると、つい、自分だけが不幸で世の中は不平等だと思ってしまいます。でも、周りをよく見ると、気付くことはたくさんあります。
親子だって別々の人間。
一見身勝手な母親でも、母親側の気持ちを読めば、その気持ちも痛いほどわかります。
娘には自分の人生を生きていってほしい。
自分の母の -
Posted by ブクログ
ネタバレ町田さんの新作。不幸な家庭を書かせたらNo. 1だと思う。その中でも懸命に抗い生きる姿と救いの手、希望、というのが町田さんの作品から受ける印象で今回もそうだった。殺人が続いたので、1章、2章が怖く、1章は白夜行みたいな感じがした。2章はなんか異色で気持ちも悪かった。で、そんな中育ってきた正道が、殺しの臭いを感じ取れるような、ちょっと無理やり大人にならされたような、だけどまっとうで優しい人間に育ったことが嬉しい。養父のおかげかな。各章ごとの主人公のどうしようもなさ、がすごく迫ってくるが、夢中になって先を読み進めずにはいられない作品。
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今の自分は、すべてこれまでの自分が積み重ねてきた決断の結果であると強く感じた。現状を他人や環境のせいにせず、責任を持つ。
未来の自分が心から肯定し、自身を好きでいられるような決断を選びながら生きていきたい。
主人公たちの境遇に完全に共感しきれない場面もあったが、それは自分が家族や周囲の人々にいかに恵まれてきたかを再認識する機会となり、これまでの環境への感謝の気持ちが深まった。
さらに物語を通じて、深く掘り下げなければ見えない、多様な人生や人々が存在することを知った。
表面だけを見て決めつけることのないよう、常に相手の背景を想像する姿勢を心がけたい。
家族という最も近しい関係でさえ、分かり -
Posted by ブクログ
シリーズ2巻目。
舞台となっている門司港の簡単な地図がついているのが嬉しい。
でもこの地図だとテンダネスは老松公園の近くで、ここらへんは観光の中心地からちょっと離れているし、観光のついでにふらりと立ち寄るエリアじゃないような。
ばあちゃんと孫の第一話「恋の考察をグランマと」も良かったですが、第三話の「クイーンの失脚」が刺さりました!
1巻では悪者ポジションだった美月が主役。
クラスでハブにされて、一人だけ理解者が現れて友情が生まれて〜と、梓の物語とシンクロしています。
美月と梓が仲直りできる日もあるのでは?!
今後そんな展開があるといいなぁ。
心あたたまるお話ばかりのこのシリーズの中、エ