町田そのこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2023年45冊目『あなたはここにいなくとも』町田そのこ
町田さんの作品は、本当に心に寄り添ってくれている素敵なものばかり。
今回も素敵な作品をありがとうございます。
あなたたちは、可能性に溢れているのよ。恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。そして、どんなことだってできる。最初から諦めなければい けないことなんてない。絶望しないといけない障害なんてない。だから何ひとつ、憂うこと はない。後悔しないように、それだけを忘れなければいい。もちろん、大変なことがたくさ んあるでしょう。頑張ったからって成果がでないこともある。でも、どんなに辛いことや哀 しいことがあったとしても、大丈夫。や -
Posted by ブクログ
ネタバレ志波兄弟の可愛い妹、じゅえるちゃんの自分探しの旅は彼らの天賦の才ともいえる人を巻き込むことが彼女にとってもその周りの人にとっても幸せな方向に進む。
兄妹同士、友達同士、それぞれ分かり合えることは違っていてその幅を広げることはいいことなんだなと思いました。
家族で分かり合えないけど、友達同士だったら気楽に話せて分かり合えることも多いから、恐れず新しい人脈を増やして自分の視野を広げるのも自分の人生をよりいいものにするんだと思いました。
ちょいと引きこもってる主婦にはん?と思って、多少のイラつきを感じてしまったけど、彼女には彼女の悩みがあって他の人から見たらそんな程でもなくても、本人にとっては重要な -
Posted by ブクログ
いじめ事件を週刊誌で取り上げた際に、加害者と思った人物が被害者であることを知らずに掲載したことにより、自殺に追い込んだことで記者を離れた主人公。
地元でおこった事件から自身をも見つめなおしていく。
今回も、ネグレクト、虐待、詐欺、DV、マイノリティなどたくさんのテーマが含まれている。
事件を追うごとで読んでいる側も早く真相が知りたいとページをめくる手が止まらなかった。
当事者ではなく、記者としての視点で物語が進んでいくところが印象的。
主人公のみちるを取り巻く人たちもよかった。
一つの事件を掘り下げて、同じ境遇の人たちにも伝わってほしい。
でも1回だけではすべての人には伝わらないし、伝えき -
Posted by ブクログ
ネタバレ母親に捨てられた娘・千鶴と、娘を捨てて自分の人生を選んだ母・聖子の物語。『捨てた側』と『捨てられた側』の後悔や怒り、悲しみがひしひしと伝わってきた。千鶴と聖子だけではないところでも母娘のつながりが展開されるところも、互いの置かれた立場の輪郭がはっきりしていた。
聖子は若年性認知症を患っていて、頭のなかの『記憶』という大きな海に、今まで経験してきた思い出が制御できないまま沈んでいく。だから千鶴は、母親である聖子が時折そこから掬いあげる記憶が、星のようにキラキラと輝くものであってほしいと願う。なんて美しい表現なのだろう。
町田その子さんの文章はなんてきれいなのだろう。
自分の人生の責任を、他人に委 -
Posted by ブクログ
人間物語で本当に引き込まれた。
宙にとって花野さんとの生活は普通とは程遠く、読んでいて、どうしてここまで自分が産んだ子供に無関心になれるのかと腹立たしくなった。
でも、自分が大人になった今、愛情を知らない大人がいること、どうしても自分が可愛くて仕方ない大人がいること、はたまた全ての愛情を子供に捧げてあげることができる大人がいること、子供は何があっても全力で守らなければいけないものだと知っている大人がいること、色んな大人がいて、大人でも沢山間違うことを知っている。
そして今回この小説を読んで大人でもまだまだ成長できるし、それは自分の力だけではなく、どんな人と関わるのかで人生は変えることがで -
Posted by ブクログ
タイトルからして、ミステリー的要素のある物語なのかと思いきや、なんとも心が温まるある一つの家を取り巻くいくつかの家族のお話だった。
家族がバラバラになってしまったり、シングルマザーと幼い頃に虐待を受けて苦しみながも必死で生きている女友達との諍い、不妊に悩み離婚のチラつく夫婦など、様々な形で切り取り方によっては不幸にも見えるそれぞれの家族。
だが、周りから見えている部分は本当に小さなカケラでしかないし、そもそも他人の幸せなんて自分の物差しで図るものではないんだと思う。
時を遡る形で進んでいくストーリーも面白かったし、隣人の信子や、枇杷の木がいい手助けとしてそれぞれの物語に絡んでいて、読後感も -
Posted by ブクログ
朝起きた瞬間にときどきふっと漠然と、この先の人生がとてつもなく長く感じることがあるけれど、
自分なりに頑張って、ここまで生き抜いてきた自分を褒めるのいいなと思った。あんたなりにやったじゃない 大丈夫 って。
最後の町田そのこさんのエッセイを読んで思い出したナイチンゲールの言葉。
「物事を始めるチャンスを、私は逃さない。 たとえマスタードの種のように小さな始まりでも、芽を出し、根を張ることがいくらでもある。」
逞しい木になるのか、華やかな花が咲くのか、草むらや苔になるのか…もしかしたらそれが自分だけじゃなくて誰かの支えになるかもしれないなら、おもしろいことだなと。