町田そのこのレビュー一覧
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母娘の理想の形。なんてないと思わされる本だった。
親である前に一人の人間で、ひとつの心が有り、自分だけの人生がある。
家族や母娘って言葉で犠牲にしていい程の人生は無いんだと改めて思えた。
私の母は愛情深く世話好きだったと思うけど、自分の人生も謳歌出来ているのか考えると少し苦しくなった。
読み進めて行くうちに、この変化、親の気持ちが紐解けていき、何度も泣きそうになった。
典型的な田舎の家に育った私は、これから親になったとき子供と傷つけ合わない距離感を作っていけるのか、
もし、加害者になった時許しを乞おてしまわないか
そんな人生においての課題が浮き彫りになった素敵な本でした。 -
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ネタバレキナコが母親やチカラに愛されたくて身を削ってしまう性について、自分にも似たところがあると思いました。
あのラストは、キナコの頑張る対象が母やチカラからイトシにかわっただけで、根本的な解決にはなってないのでは。
イトシが成長して自我を持ち、愛情や希望の対象が自分じゃなくなったとき、キナコはどうするんだろう。
美晴や村中だっていつまでも助けてくれるわけじゃないのに…と考えましたが、まずは周りの愛に気づける心の豊かさを取り戻すのが、キナコの課題だと思いました。
アンさんには死なないで欲しかったですね。
本屋大賞を受賞したのは、いっときの社会的ブーム(だと思っています)でもあった『生きづらさ』と物語の -
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「夏」をテーマにしたアンソロジー作品。
好きな作家さんたちの名前が並んでいるのを見て、手に取った。
同じ「夏」という一つのテーマでありながら、作品ごとに切り口も設定もまったく違う。そのことがとても面白かった。
夏という言葉から思い浮かべるものは、人によってそれぞれ違う。暑さ、光、記憶、出会い、別れ、懐かしさ。作家それぞれが自分なりの「夏」を物語として立ち上げていて、短い作品の中にもきちんとその人らしい世界があった。
共通するテーマがあるからこそ、むしろ作家ごとの表現の違いがよく見える。その振れ幅の大きさに、改めて小説を書く人たちの巧みさを感じた。
中でも、町田そのこさんと米澤穂信さん -
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ネタバレ【あらすじ】
①逃亡の夜
山間にある田舎町、人口3000人にも満たない御倉(みくら)町に住む坂邑幸恵は、15歳の時に祖母から教えてもらった蛍が涌き出る森に登り同級生の桐生隆之(不登校ぎみの問題児)と出会う。隆之は、実父の借金の肩代わりをしてくれたが虐待をしてくるクズの内縁の夫を殺してきたと話す。実は幸恵も浴衣を買ってくれず虐待してきた両親に睡眠薬を飲ませて家に火をつけてきたところだった。隆之が持っていたニトロ入りのネックレスを幸恵は預かり、一緒に蛍を見てたからアリバイがあると証言することにする。それから15年。幸恵は妊娠中に子供の父である逸彦に全財産を持って逃げられそうになり、暴行を受けながら -
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50年ぶりに読書にハマるきっかけになった作者の7作目。
自分の人生に折り合いをつけられず葛藤に悩む人々が、ケリを付けながら前を向いて生きていく姿や、死生観の描き方に、後を引く没入感を気に入っている。
ただ、短編では没入するには物足りなさを感じてしまったのは、5編とも主人公が女性だからなのか、俺が昭和の男だからなのか、いやいや、感性の衰えだな。。。。
頷けた一文
•ある日突然、ふとした瞬間に、これまで構築してきた人間関係が重たくなってしまう。
手足は重く、息も浅くなる。ここにいては潰されるか呼吸困難で死んでしまう。
そんな焦燥に支配されて、だから私は逃げる。 -
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『52ヘルツのクジラたち』を読んで、虐待やヤングケアラー、トランスジェンダーなど、さまざまな社会課題について考えさせられた、というのがこの本の一般的な感想なのかもしれない。
でも私は、この本を読んで「無条件の愛なんて存在しないのではないか」と思った。
「無条件の愛は親から子に向かうもの」とよく言われるけれど、むしろ子どもから親への愛のほうが、無条件に近いこともあると思う。
子どもは、親の経済力や容姿、社会的な評価などで親を選ぶことはできない。ただ「親だから」という理由で愛し、時には恩まで返そうとする。
一方で、親の愛には「こう育ってほしい」「幸せになってほしい」という期待が生まれやすい