町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう怪異譚みたいなものも書くのだということを感じ、それが面白かった。
冷静に考えたら、私は町田そのこの作品をこれを含め4冊しか読んでいないのだ。でもしょっちゅう本を目にするので勝手にもっと読んでた気になっていた。
ホラーや怨念とか呪術要素と、瑞々しい主人公たちの真っ直ぐな気持ちや行動がアンバランスな気もするし、そういう存在こそが呪いを打ち消す光なんだろうなと思った。
登場人物のキャラクター性であったり、とんとん拍子に捜査が進むところなどがエンタメ的でアニメや映画と相性良さそうだなと思う。
表現方法は違えど現代においてアニメも小説も同じジャンルな気がする。文脈が同じというか。
中高生に読んでほしいね。
そして参考文献に吃驚した。そういえば、あったわ…。読んだことないけど。 -
Posted by ブクログ
これは優しくて心が癒される連作短編集です。町田そのこさんは「倒叙(とうじょ)」という手法を巧みに用い、「呪われた」家に住んだ5つの家族の、いわゆる「不幸」の真相を一層ずつ解き明かしていきます。
世間の目には破綻や敗走に映るものも、実は彼らが人生の泥沼でもがき苦しんだ末に、自分に正直に生きようとした勇敢な選択だったのです。悲しみ、喪失、裏切りといった一見マイナスな経験も、すべてこの家で成長の糧へと変わっていきます。彼らが家を去るのは逃避ではなく、本当に自分に合った新しい生活へと踏み出すためなのです。
「幸福に模範解答などない」――この本はそう気づかせてくれました。社会が求める完璧な期待に応える必要はなく、ただ好きな人と一緒に笑い合えるなら、それこそが自分にとって最高の居場所なのだと思います。 -
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「おつやのよる」
僕の涙腺は、特にこのような作品にはめっぽう弱い。
自分の幼い頃も、共働きの両親に代わって、優しい祖母がよく面倒をみてくれていた。
祖母はこの世で1番優しいひとだと思っていた。
主人公、清陽は、おばあちゃんに恋人の省吾を紹介できないでいた。
立派な両親をもつ省吾に、自分のだらしない両親をみせたら、呆れられるんじゃないかと。
おばあちゃんは事あるごと、清陽に「自分が結婚したいと思うひとに会わせなさい」といっていた。
おばあちゃんは全てわかっていた。愛する孫の選んだ人が、そんな小さなことで呆れるわけがないと。
孫の清陽だけじゃなく、家族みんなを見守り、幸せに導いてきた祖母を見送る、最後の日のお話でした。
「ばばあのマーチ」
~お互いの求めていた助け合いができなかった。助け合いのための会話も、きっと足りていなかった。それだけ~
世の中の恋人や夫婦の関係でも、お互いが補完しあえる関係が理想なんだけど。。
最初はうまくいってても、転職したり子供が産まれたりしたら、求めている「助け」も変わる。
嫌なことでも受け入れられる寛容さ、器のデカさが試されるんだなー。ロジカルに言えば、そのガソリンは愛なんだろうな。。 -
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町田その子さんが、Q&A方式で答えていく内容であり、言語化に関する57の悩みに答えている。
“言語化のコツとは基本に徹すること”、そういう印象を受けた。著者の才能もあるのだろうが、とりわけすごいことをやっている印象もなく、コツコツと積み上げられたものが形(町田その子さんの場合は小説)になっていると感じる。
私の場合は紙に箇条書きで書き下して、AIに丸投げしてまとめてもらうなどしているが、これはこれで案外頭の中がスッキリすることもある。言語化するのはAIの方が上手なのは癪なのだが(笑)、自分ではなく異なる視点で見てもらえると良いかもしれない。
いずれにせよコツコツと積み上げていくしかなさそうだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ禁断の恋×ミステリー(ヒロイン拉致)が主軸の群像劇ファンタジー。
「恋愛パート」「拉致後の謎解きパート」が織り交ぜられた時間軸になっており、ストーリーが非常に面白い。ただし軸になるのは恋愛パートだと感じた。
・(超個人的な感想)ワケあり男装女子リルの健気さと忠誠心が見所の一つ。
リルにとってレルファンは命の恩人であり幼少期の心の支えになった人であり決して許されない恋心を抱く相手であり仕える主人でもある。忠誠心に従い従者としての仕事を全うしてはいるが、叶わぬ恋心が時折顔を出して心中では揺れている。
恋心を自覚しており「職務に私情を持ち込まない誠実な従者」は彼女自身の望みでもある。従者ゆえに髪を短く切り揃えており、見た目から男だと思われがち。
巫女エスタと思いがけない共通点があり、出生に秘密がありそう(孤児であると明かされたが、謎は残ったまま)。
めちゃくちゃ健気なセカンドヒロイン的ポジション。
個人的に好みドストライクのキャラであるが、恋の成就はおそらくなさそうなのが残念。※立ち位置的にはその結末が妥当であるため、本当に個人的な感想。
・物語の軸:エスタとレルファンの禁断の恋
物語の進行と共に徐々に語られる二人のなれそめ話で、お互い自らの恋心に罪の意識があることが明らかになる。
好きな人には刺さるシチュ。
また、立場の違いからお互いの二面性に強く惹かれるようになる(以下ざっくりまとめ)。障壁の多い恋なので余計に燃える。
レルファン:エスタとの身分・立場の差に苦しむ。一方で巫女としての美麗なエスタと部屋で密会するときの幼さが残るエスタとのギャップに萌えて惚れ込んでいく。
エスタ:信仰心と止められない恋心の間で揺れるが、自分に外の世界を教えてくれたレルファンのことをかけがえのない存在と思う気持ちは止められない。 -
Posted by ブクログ
章ごとに語り手も主人公も入れ替わっていく、ちょっと凝った構成の作品。
登場人物たちは、昭和・平成・令和に思春期を迎えた祖父母世代・父母世代・子世代に分かれている。
当然、育ってきた環境や価値観は大きく異なるのだが、多くの人物が現在進行形でパートナーとの関係などに悩みや問題を抱えている。
もちろん、もう取り返しがつかないことや、手遅れになってしまったこともある。
それでも、世代を超えた交流を通じて、それぞれの価値観や人間関係が少しずつ変わっていく。
その過程で登場人物たちが前を向こうとする姿が印象的で、読んでいてうれしくなった。
交流の中心になるのは、秘密を抱えた「絵描きジジイ」こと平と、彼の足跡をたどろうとする令和の高校生・安珠だ。
ミステリー感はあまりないけれど、平の秘密をめぐる旅と、安珠の成長を描いた物語としても楽しめる。
面白かったです。