町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読後感は重め。
いじめ、詐欺、ネグレクト、ヤングケアラー、共依存、男尊女卑など重い題材がいくつも描かれていて、感情を揺さぶられる場面が多かった。
印象に残ったのは、女性たちのつながり。
「友情」と呼ぶには少し違って、浅いような、でも深いような。ずっと親しかったわけではなくても、過去のほんの小さな接点や何気ないやりとりが、思いがけず誰かの人生に残っている。
特に、血のつながりもなく、少し歪な関係で出会った3人の女性が、ひととき姉妹のように穏やかに過ごす場面が好きだった。
そして、みちるをさりげなく支えてくれる井口さんがとにかくいい人。
最後にみちるがした選択は、少し引っかかった。過去と向き合った結果なのかもしれないけど、個人的には、別の選択肢も見てみたかった。
読み終えても「この物語で一番伝えたかったことは何だったんだろう」と、まだ自分の中では掴みきれていない。
ただ、『月』と『アマリリス』に込められた意味を知って振り返ると、人と人との何気ないやりとりや、緩やかなつながりが物語を通して描かれていたのかなと思う。
重たさの残る作品だったけれど、いろいろと考えさせられた一冊。