町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これがデビュー作ていうのガチで信じられんくらい面白かった...!
「数わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」
「いつ気付くかなんて、個人差だよ。気付かないままでいることが問題なんだ。...(p.83)
ここめちゃくちゃ確かに〜と思った。晴子の世界が広くなったように感じたと同時に、啓太くんあなたは本当に何歳??と思った笑
でもあとで晴子が言う啓太のバイトを始めた本当の理由のところからすると、晴子もしっかり周りが見れていたんだよな〜。
自分のことになると世界が狭く感じるよね。
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Posted by ブクログ
見返したら52ヘルツは未読でしたが、本作に加えて他いくつかの感想でも町田さんの丁寧な構成に魅力を感じています。
時系列や人物像を複雑にしておきながらも、なーんかまとまるとでも言えるでしょうか。決して振り落とされない、赤ちゃんのゆりかごみたいな感じ。空中に浮いてるタイプの。(どうでもいい)
ただ今回は終盤にちょっと陰りを感じてしまいました。後輩くんの出現によって。
頭文字Dの池谷センパイやイツキくんのような、すごい解説的なガヤが入った感。
とはいえ、産み落とした命が輝いていくことは親となった私からは、まさに星のように尊く見えます。
とかそれっぽいこと書いてもまとまらないですね。 -
Posted by ブクログ
【受け継がれていく微かな優しさを感じる本】
中学生時代に罪を犯した幸恵と隆之、そしてその身内が抱える家族の諸問題について、群像劇として描かれている。
親に振り回されてきた人生を、その子供たちはこれからどう生きるか。実際に手を染めたもの、寸前で踏みとどまったもの。群像劇で描かれているものの、芯の部分では隆之を中心とした相関図の中でのドラマである。
登場人物の親たちが総じてろくでなしすぎて、フィクション感が強すぎた。同著者の作品「52ヘルツのクジラたち」を読んだときにも思ったのだが、子ども視点での親という存在の描き方が、自分好みではないのかもしれない。
群像劇ならではの視点と時代の移り変わ -
Posted by ブクログ
中盤までの山間の町を舞台にした、横溝正史の作品を彷彿とさせるような禍々しい因習や閉塞感には、確かに抗いがたい筆力を感じ、物語の奥深くへと引き込まれた。
前半に描かれた、逃げ場のない「不幸の連鎖」や、母親が殺人を犯したというあまりに重い事実。
それらが後半、静謐な「祈り」の物語へと昇華されていく過程で、景色がまるで別の世界に塗り替えられてしまった感覚があり、一冊を読み終えた今、自分の中に残っているのは「一貫性のない、二つの異なる物語」を読んだような戸惑いがある。
劇的な不幸が、結末を美しく見せるための舞台装置のように思えてしまい、どこか冷めた視線を拭えなかったのが正直なところ。
絶望を極限