町田そのこのレビュー一覧
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人の死に対する短編集。
伝説の玉ぎょらんは、人の亡くなる前に
思いの丈をその玉にメッセージとして
残すものと言われている。
志半ばで亡くなることは本人にとっても
周りにとっても辛いこと、恋人の死で
主人公にとっては辛い真実を知る事に
なったが、弟と共に探して当てた
(ぎょらん)からのメッセージで
救われる事になった。
深読みすれば、愛人のひとりだった
姉を弟のパフォーマンスが救った
ような気がした。
明るく元気が出るショートが続けば
よいが全体的に(人の死や葬儀場での
)暗い話が多く、感動よりも気が滅入って
しまったので、話し半ばでリタイヤしました。 -
Posted by ブクログ
近所のオシャレな古本屋さんで出会ったので52ヘルツより先の町田そのこ作品。
様々な過去を抱えた女性達が集まるシェアハウスで何年も会っていなかった自分の実母も含めた不思議な共同生活が始まる。
事情を抱えた親子関係、介護、DVといったキーワードの中で主人公の千鶴は最終的に親を理解し自立に向けて歩んでいきますが、それまでが痛々しく辛い場面も多く、読み進めるのに苦労しました。
私自身、親から捨てられたわけではないですが、いまだに親を許せないと思っていることがあり、このまま千鶴のように星を掬えることは無いんだろうなと思うと、現実は小説のようにはいかないよなぁと感じてしまいました。 -
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閉鎖的な田舎で、いろんなもやもやを抱えながら生きていく女性たちの物語(出た人もいるけど)。廃校になる小学校でのお祭りを舞台にした連作短編集。
登場人物が多くて、最初少し混乱した。
なんだか苦しくなるような話ばかりで、少し気持ちが疲れてしまった。時代遅れの男尊女卑の風潮も最悪。
そんな中でも、軽度の認知症である田中先生は、よかったな。義母の言葉に救われる気持ちになって、よかったなぁ。
夫とは別れても、夫の母や姉妹はいい人だから、そこの縁が切れるのは寂しいと思う気持ちは、なんかわかる気がする。
最初いいやつと思ったこうちゃんは、最後は、なんだかなぁ。
最後までなんとなくもやもやする物語だった -
Posted by ブクログ
2025/52
大切な人が亡くなって落ち込んでいた私に
義理の母がオススメしてくれた本。
良い話だなあ、とは思うけど
なんとなくタイミングが合わなかったのか
涙が出るほどではなかった。
あとおすすめってことでハードルが上がっていたのかも。
入道雲が生まれるころ、が好きでした。
その中の
自分の足で歩いてくためには
持ちきれない荷物は捨てないといけない
という言葉にハッとした。
形として、いつかなにかを捨てたり失うとしても
ずっと大切にしたいもの、無理してでも抱えたいものは
心の中で折り合いをつけながら持ち続けることができるのかもしれない。目に見えなくても、自分の中に。
気持ちの捨 -
Posted by ブクログ
あるいなか町で年度末に閉校になる小学校の最後の秋祭りに集まった在校生、保護者、卒業生達。
各章でその中の一人ずつスポットを当てていて、いなかのしがらみ、閉塞感の中で生活する女性(や女児)たちが描かれています。
田舎ならではの、住んでいる人みんな知り合い、男尊女卑等の昔からの慣習や考え方。
これは確かに今の時代、息苦しいだろうな、と思う一方で、ちょっと話がうまくできすぎている感が拭えませんでした。
小説は色んなストーリーがあっても全然不思議ではないはず。
なのになぜそう思ったのか考えてみましたが、日常の一コマを切り取ったような設定なので、自分の想定する範囲のようなものがあり、それを大きく超えるよ -
Posted by ブクログ
ネタバレお祭りの準備から本番までの日々を複数の主人公の目線で描くザッピング形式の話。
一話目のドヴォルザークの檻の、田舎の狭い人間関係、無理解な家族の描写が解像度高すぎてこの話は読むのが心底苦痛だった。
二話目以降はそういった描写が抑えられていたので、この人から見るとあの人はこういう風に見えているんだな、と言った楽しみ方ができるようになった。
最終話で第一話の魔法が解けた瞬間が客観的に描かれていて面白かったけど、香坂君が悪者すぎるように描かれているのがちょっと気になった。香坂君は間違いなくキモいけど、悟志もかなりキモいのにちょっと改心して株を上げてるのがなんだかな〜と思った。