町田そのこのレビュー一覧

  • ドヴォルザークに染まるころ

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    どんなひとでも、人生で、1つや2つ澱のようなものを抱えている。(その澱は、人それぞれであって、独特なものである)実社会では、そのような経験はひた隠しにしながら生きていくものであり、他人の人生の澱に触れる事はなかなかにない。そういう意味では、他人のそれに触れることができる作品でありました。
    特にこの作品では、女性、それもある程度大人になった女性を主人公にした5つの短編で構成されているため、男性として読むと、近しいその年代の女性(私で言うと、妻)が腹のうちに抱える毒のようなものを見させられ感じ入ることで、相手に対して思いやれる気持ちが形成された。
    ただクジラたちでもそうであったが、ファンタジー要素

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    2026年02月12日
  • うつくしが丘の不幸の家

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    迷い、悩む時。
    言葉は重さが増す。

    “好きなように言えばいい”
    そう言えるほど振り切ることはできなくて…

    『ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?』

    …なんて縁起の悪い話、言葉だろうか。
    心に重くのしかかり、黒く暗く塗りつぶしていく。

    責任を持たない第三者は事実を面白おかしく主観的に脚色する。

    外側から見た時と内側から見た時。
    他人から見た時と自分から見た時。
    180度見方が変わる。

    無責任な人の言葉に心を踏みにじられないで。

    形骸的な言葉に負けないで。

    自分が感じることに素直に生きて、言葉にする。
    そして放す〈はなす〉。

    ここは私が感じる『幸せの家』な

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    2026年01月31日
  • 彼女たちは楽園で遊ぶ

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    町田そのこさんの作品だから読んでみたら、若干ホラー。ホラーは苦手、むしろ嫌い。しまったなーーーと思いつつ、でも途中でやめるのも嫌なので読み続けたら、いい感じの友情もので、終わり方が爽やかで、面白かった。
    宗教にハマる気持ちがわからないのだが、自分で考えるよりも与えられたことをこなし続けることに安心するというエピソードに、なるほどと少し納得。狭い場所に閉じ込められて色々剥奪されてもそこで生活し続けるナゾが少し解けたような。
    ホラー要素や殺されちゃった子たちは可哀想ではあったけど、やっぱり町田さんの作品は読後感がよくて好き。

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    2026年08月09日
  • ハヤディール戀記(上) 攫われた神妃

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    ファンタジー、恋愛、ミステリーといろんなジャンルてんこ盛りなのに、全然とっ散らかっていないどころかきれいにまとまってる!
    面白くて続きが気になるうえに読みやすいので一気に読み終わりました。
    私はファンタジーが好きなので読み始めたけれど、各ジャンル好きな人が楽しめる作品だと思う。

    上巻は謎がいくつも残って少しずつ少しずつ真相に迫っていくところで終わったので、下巻で全部回収できるの?という若干の不安と大きな期待で読むのが楽しみです。

    町田そのこさんといえば生きづらさ、孤独感、家族間の問題などをテーマにされている印象が強く、個人的にはあまり興味のあるジャンルではないため今作が初読みでしたが、大人

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    2026年05月04日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにした短編集。年齢のせいか、成人と結婚の話は微笑ましかった。
    祭りには儚さを、葬式には哀しさを覚える。
    人生の節目がぎゅっと凝縮された物語を読むと、自分の来し方を振り返って身が引き締まる。
    今、出会えてよかった。

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    2025年12月16日
  • コンビニ兄弟5―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)

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    本作も良かった!早いものでもう5作目ですが、飽きずに読めます。今回は、店長の過去が明かされてたり、アルパカッションくんの全貌が明かされたり(すごく可愛いですね)、働いてる子達の新たな物語があったり、感動もあり、たくさんの展開や要素があるので楽しんで読むことが出来ます。3話程の短編収録なのでサラッと読めるのも良いです。いよいよコミック版も出るようですし、なんと実写化もされるようですね、すごい!私個人的には、小説だけで十分想像膨らませながらで楽しめるとは思いますが、きっと漫画や実写もこの原作が忠実に再現されれば人気作品になっていく事でしょう。次回作も楽しみにしていたいと思います。

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    2026年07月07日
  • 星を掬う

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    ネタバレ

    捨てられた娘と捨てた母の物語。
    元夫のDVから逃れられない千鶴。自分を捨てた母と再会する機会ができ、それをきっかけに母親の所有するシェアハウスに逃げることになります。

    自分の不幸は母親のせいだと思っていた千鶴。
    「不幸を親のせいにしていいのは、せいぜい未成年の間だけだ」と言われ、ハッとします。
    自分が不幸のどん底にいると、つい、自分だけが不幸で世の中は不平等だと思ってしまいます。でも、周りをよく見ると、気付くことはたくさんあります。
    親子だって別々の人間。
    一見身勝手な母親でも、母親側の気持ちを読めば、その気持ちも痛いほどわかります。

    娘には自分の人生を生きていってほしい。

    自分の母のこ

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    2026年06月02日
  • 蛍たちの祈り

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    ネタバレ

    子どもは親を選べない。
    どうしようもない家庭環境の中、生きるために精一杯な子たちのひたむきな姿、健気な姿に何度も心が締め付けられた。
    人のクズっぷりに、読むのが嫌になったが微かな希望の光が蛍のように照らされていて、心が救われた。

    町田そのこ先生の本は2冊目だが、どちらも自分の罪に向き合う、強く優しく男性が出てきていた。隆之さんが幸せに暮らせていたことを、そして正道くんが幸せに暮らしていけることを願ってやまない。
    正道くんが隆之さんの事を「お父さん」と呼ぶ場面では涙が止まらなかった。

    子どもを育てる親として、時折読み返したい一冊です。

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    2026年08月01日
  • 夜明けのはざま

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    若干歯が浮く会話 死をテーマにした関連するショートストーリー集だった。内容知らないけど、なぜか最近読む本が死をテーマにしてるな。
    評価が良かった本だけど、ちょっと歯がゆく歯が浮く会話と文体だったな。町田そのこ、人気ある作家だけど、どうかな〜。

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    2026年03月14日
  • 月とアマリリス

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    月はどこに

    「52ヘルツのクジラたち」もそうでしたが、人の痛みの輪郭をくっきりと見せて、そこに寄り添って進む物語に今回も引きごまれました。

    読みながら幼い頃の楽しかっこと、罪悪感…色々と思いだしました。

    間違ってもやり直せる。
    心から願うことで誰かと繋がることができる。
    そんな勇気をもらいました。

    #ドロドロ #切ない #泣ける

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    2025年08月30日
  • 夜明けのはざま

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    ネタバレ

    「一握の砂」泣いてしまった。
    自分の幸せか相手の幸せ。両方叶えるのって難しいんだなと思った。相手が大切であればあるほど、どちらか一方を選び、片方を捨てることは難しい。佐久間は、結婚するなら純也がいいって、この人しかいないってくらい純也のこと思ってた。それでも彼女は自分の幸せを選んだ。佐久間の強さと勇気に心打たれて、でもやっぱり切なくて泣いた。
    私が佐久間だったら同じ決断できないかも。でも自分の仕事に一貫した信念を持ち続ける人はやっぱりかっこいいなと思う。

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    2026年07月02日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    「もうすぐ十八歳/飛鳥井千砂」
    「ありふれた特別/寺地はるな」
    「二人という旅/雪舟えま」
    「漂泊の道/嶋津輝」
    「祀りの生きもの/高山羽根子」
    「六年目の弔い/町田そのこ」
    冠婚葬祭をテーマにした6話収録の短編集。

    文庫オリジナル&書下ろしが嬉しい。
    著名な作家さん勢揃いで粒ぞろいの作品ばかり。

    お気に入りは寺地はるなさん。
    まんまとミスリードされ、感情が上へ下へと揺さぶられたが読後感は最高。

    嶋津輝さんの作品も味わい深い。

    町田そのこさん、やはり一筋縄では行かない。
    良い話で終わるかと思いきやラストで突き付けられる真相に愕然。

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    2025年06月14日
  • 月とアマリリス

    購入済み

    一気に読めました

    どう話が繋がっていくのか、続きが気になって1日で読んでしまいました。
    面白かったです!
    どんどん謎がとけてきて、内容重いですが、あっそういうことなんだ!と爽快感もありました。

    #ドキドキハラハラ #怖い

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    2025年05月15日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。幸せなお話が多いかと思いきや、じとっとした暗さを孕んだお話が多い。お気に入りは、死んだ夫の娘が訪ねてくるお話、町田そのこ「六年目の弔い」。

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    2025年05月08日
  • 宙ごはん

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    文庫化を機に手に取った。

    宙には育ててくれた『ママ』と、産んでくれた『お母さん』がいる。小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する『ママ』のもとを離れ、『お母さん』と暮らし始める。しかし、『お母さん』との暮らしは、理想とはかけ離れていてー…。

    各話のタイトルがとても魅力的。
    どの料理も最高においしそうで、読み始めからワクワクした。

    宙の成長と宙と周りの人たちとの関係性の変化を通して描かれる、人生において大切なことを、宙と一緒に学び直しているような感覚を覚えた。

    特に心に残ったのは母親像についてのお話。
    私も母親として、娘として、理想の母親像に縛られてきたのかもしれない。
    本書を読んで、

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    2026年04月26日
  • 52ヘルツのクジラたち【特典付き】

    ネタバレ 購入済み

    しんどすぎる。。。でも

    主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
    救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
    でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。

    #泣ける #癒やされる #ドロドロ

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    2025年03月22日
  • あなたはここにいなくとも 無料お試し版

    購入済み

    あなたがここにいなくても

    オムニバスの1部分しか読んでいないけど、流れるような文章にドンドン読み進めてしまいました❗️人の持つ汚い部分も描きつつ、一方で温かく優しい感情も溢れていて、ジワジワと心に染み込んでいくような、お話しでした。

    #泣ける #ほのぼの

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    2025年03月16日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。

    何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
    設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。

    冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。

    寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。

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    2025年03月01日
  • コンビニ兄弟4-テンダネス門司港こがね村店-(新潮文庫nex)

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    町田そのこさんの大好きなシリーズ。
    「コンビニ兄弟」4作目。

    大好きだった夫と別れた百合は一人暮らしを始め、門司港で妙に賑わうコンビニを発見する。かつてヒーローになりたかった舞人の元に訪れた「テンダネス着ぐるみ」任務。その背後には、とあるコンビニ店員との過去から今に繋がる熱い友情があった。

    今作も栗ご飯弁当、さんま炊き込みご飯、博多地鶏と糸島産の卵を使った親子丼、たまごサンドなど、おいしそうなご飯がたくさん出てきた!
    ツギさんのコンビニ飯を使った創作料理が毎回すごくおいしそうで、今作も楽しみにしていたのだけれど…今作は志波兄弟の登場が少なかった。

    私は娘でもあり、親でもある立場。
    親の支

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    2026年04月25日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    嶋津輝「漂泊の道」
    葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。

    町田そのこ「六年目の弔い」
    哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
    というところ、が身にしみる。
    亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない

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    2024年11月06日