【感想・ネタバレ】私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジーのレビュー

あらすじ

人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂/ありふれた特別=寺地はるな/二人という旅=雪舟えま/漂泊の道=嶋津輝/祀りの生きもの=高山羽根子/六年目の弔い=町田そのこ

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「もうすぐ十八歳/飛鳥井千砂」
「ありふれた特別/寺地はるな」
「二人という旅/雪舟えま」
「漂泊の道/嶋津輝」
「祀りの生きもの/高山羽根子」
「六年目の弔い/町田そのこ」
冠婚葬祭をテーマにした6話収録の短編集。

文庫オリジナル&書下ろしが嬉しい。
著名な作家さん勢揃いで粒ぞろいの作品ばかり。

お気に入りは寺地はるなさん。
まんまとミスリードされ、感情が上へ下へと揺さぶられたが読後感は最高。

嶋津輝さんの作品も味わい深い。

町田そのこさん、やはり一筋縄では行かない。
良い話で終わるかと思いきやラストで突き付けられる真相に愕然。

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2025年06月14日

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冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。幸せなお話が多いかと思いきや、じとっとした暗さを孕んだお話が多い。お気に入りは、死んだ夫の娘が訪ねてくるお話、町田そのこ「六年目の弔い」。

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2025年05月08日

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ネタバレ

久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。

何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。

冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。

寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。

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2025年03月01日

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ネタバレ

嶋津輝「漂泊の道」
葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。

町田そのこ「六年目の弔い」
哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
というところ、が身にしみる。
亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない、ひとりだと自分一人の胸に収めないといけない、そして万一自分が思い出せなくなったら、と辛いから。夫は家に住み始めた直後にカタクリを植えていた。開花まで8年ほどかかる、そして志乃の誕生花。ここでラストがよかったな。

アンソロジーは初読みの作家さんに出会えるチャンス!

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2024年11月06日

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寺地さんの作品を、何作か読んでいますが、初めて爆笑しながら読んだ。ほんとに寺地さんのだよね こんな面もあるんだーと、楽しくなりました。それから、勝手に騙されてしまった。ネタバレしちゃうので、詳しくは書きませんけど。

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2024年09月28日

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冠婚葬祭をテーマにしたオムニバス。冠が成人式を、祭が先祖の霊をまつる祭事を指すとは分かってなかった。
飛鳥井千砂、寺地はるな、雪舟えま、嶋津輝、畠山羽根子、町田そのこのうち3人は初読み。飛鳥井千砂と町田そのこの作品が良かった。

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2024年08月12日

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寺地はるなさんと町田そのこさんの短編が読みたくて。
お二人の短編は安定の面白さ。特に町田そのこさんのお話は号泣。登場人物の二人と一緒に、ゆっくり時間をかけながらいろんな感情を落とし込んで読み終えた感じ。ラストは切な過ぎる。

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2024年07月03日

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6人の作家からなる冠婚葬祭の短編集です。
他の作品も読んだことがある作家さんの短編は流石だなと。
普段短編集、それも作家さんが違うと話についていくのに少し戸惑いますがすぐにその世界に入る事が出来ます。
そしてやっぱりその先も読んでみたくなります。
人の弱さ、憎しみ、罪悪感、どうしようもないものを描くのが上手く伝わってきます。
短編集なので時間をかけてゆっくりと読み終えられました。

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2024年02月20日

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ネタバレ

飛鳥井千砂さんの作品が読める!ということでご本を見つけて即買いしました。
飛鳥井千砂さんのお話もちろんサイコーだった!そしてほかの作家さんのお話も面白かった。

飛鳥井千砂さんの書く主人公の女性がとっても好きで、今回のもうすぐ十八歳も夢中になりながら読んだ。
後半の展開に、主人公の気持ちになってえ!?え!?となった。主人公に起こったことを知っているから、締め方に納得した。ぜひ読んでほしい!

お話が進むにつれてページを捲る手が止まらなくなったのは雪舟えまさんの二人という旅。
最初は設定の読み込みに苦戦したんだけれど、読み込めた後には、どうなるんだろう??どこにお話しが着くのだろう??と興味津々で読んだ。
初めましての作家さんだけど面白かった!他の作品も読みたい!

展開が面白くて心に残っているのは寺地はるなさんのありふれた特別。
めっちゃ勘違いしながら読んでて、終盤ずっこけた。
勘違いしたのわたしだけじゃないはず。こちらもぜひ読んでほしい!

嶋津輝さんの漂白の道は、読んでてするすると頭に入ってきた!状況が映像で浮かんで、ドラマを見てるみたいで、こちらも夢中になりながら読んだ。こちらも展開にええ!?ってなりながら読んだ。まさかの展開すぎる。。

高山羽根子さんの祀りの生きものを読んで思ったのは、風景?周りで起きていること?の描写がとても丁寧だということ。
お姉さんが出たところでテンション上がった。

町田そのこさんの六年目の弔いは…これもぜひ読んでほしいなー!
締めがほんとうにすき。え!?終わり!?終わり!?ってなる!読んだ人絶対なる!(誇大広告)

今回も出会えてよかったご本でした。


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2024年01月26日

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ネタバレ

飛鳥井千砂さんのもうすぐ十八歳【冠】
18歳で子供を持つという事

寺地はるなさんのありふれた特別【冠】
幼馴染のこどもと自らの成人式。予想外。

雪舟えまさんの二人という旅【婚】
宇宙ものはそもそも苦手なので、読み始めは理解できなかったが、途中から、どうなるのかなに変わった。読まず嫌いはいけない。
二人とはシガとナガノの『旅』についてだと思っていたが、シガの発した一言で『二人』が別のものだと気付いた。
「結婚生活も、人生そのものもー向き合うべきものを直視せずに時間だけ過ぎていくんじゃ、本質的には何も始まらないまま終わるってことさえ、あるのかもしれないね」

嶋津輝さんの漂泊の道【葬】
希和子のカナさんへの想いが経年とともに移ろい、関係性も予想外の方向へ。
初めての嶋津さんの作品で他の本も読んでみたくなった。

高山羽根子さんの祀りの生きもの【祭】
最初に登場した生きもの「南洋の妖精」と「お姉さん」のインパクトの強さよ。

町田そのこさんの六年目の弔い【(葬)祭】
なんてひどい祖母!

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2024年01月25日

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冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー
6人の作家による個性豊かな短編集で、個人的には
寺地はるなさんと町田そのこさんが好みだった。

以下、収録作品と簡単なレビュー 

飛鳥井千砂「もうすぐ十八歳」
成年年齢が引き下げられた。
でもどう感じるかなんて自分次第だと思った。

寺地はるな「ありふれた特別」
読者の予想をいい意味で裏切ってくれた。
ずっと何やら面白くてじんわりと温かかった。

雪舟えま「二人という旅」
家読みのシガとクローンのナガノ。
まさかのSFでぶっ飛んでいた笑

嶋津輝「漂泊の道」
葬儀で出会ったうつくしいひと・・・
感じ方や物の見方が年々研ぎ澄まされ無駄を排除していく様子が人生と重なって趣深い。

高山羽根子「祀(まつ)りの生きもの」
神社のおまつりで手に入れた生きもの
正体が曖昧すぎて最後まで消化出来ず・・・

町田そのこ「六年目の弔い」
交通事故死した夫の祥月命日を、夫の娘と過ごす
唯一涙腺が刺激された作品だがラストに思わぬ仕掛けが!ただ気付くの遅過ぎやせんか?

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2024年10月16日

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ネタバレ

【収録作品】
「もうすぐ十八歳」 飛鳥井千砂
「ありふれた特別」 寺地はるな
「二人という旅」 雪舟えま
「漂泊の道」 嶋津輝
「祀りの生きもの」 高山羽根子
「六年目の弔い」 町田そのこ

冠婚葬祭アンソロジー。
「もうすぐ十八歳」 「成人」を巡る話。沖縄出身で、十八で子どもを産み、結婚した智佳。娘が十八になることで感慨を抱く。
「ありふれた特別」 取り立てて仲がいいわけでもなかった幼なじみたちの関係が変化した、出産騒ぎ。
「二人という旅」 結婚。旅をしている家読みのシガと助手のクローン・ナガノとの関係の変化。
「漂泊の道」 弔事のときだけ会う親戚のカナに漠然と惹かれる希和子の生き方。
「祀りの生きもの」 「私」は、子どものころ、縁日で買った「南洋の妖精」を思い出す。
「六年目の弔い」 交通事故で亡くなった夫の七回忌。夫の娘が訪ねてくる。

長い時間が流れていて、年を経ることの意味を思う。

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2024年08月06日

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町田その子さんの作品が頭ひとつ飛び抜けて良かった。ほんとこの方が書く話はなんでこんなに心に残り響くのだろう

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2024年01月17日

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冠婚葬祭に際する人々の生活を描いたアンソロジー。個人的にあまり刺さった作品はなかったけど、町田そのこの『六年目の弔い』、飛鳥井千紗『もうすぐ18歳』、寺地はるな『ありふれた特別』はよかったな。子供を産むということをテーマにしているのかな?とも思ったラインナップだった。

p.82 幼さは、他人への興味の浅さと紙一重だ。ちょっとでも自分と違うと「仲良くなれない」と決めつけ、それ以上のことを知ろうとしない。

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2023年12月24日

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ネタバレ

感想
昨日と変わらず太陽が昇っている。心臓の動きもいつもと同じ。でも今日は特別な日。生を、死を、まざまざと感じさせる。自分は社会の一員。

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2023年11月10日

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