町田そのこのレビュー一覧
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ネタバレ「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」体格の良い40代の女性が話しかけてきた。
コンビニの袋の中には女性週刊誌とコーヒー牛乳、ビッグサイズのポテトチップス。「最後の末次(すえつぐ)さんなんて、一家離散よ!一家離散!」口角を上げて、面白そうに悪意を放つ。
週刊誌のゴシップ記事の見出しによくあるような薄っぺらな言葉しか口から出ない人もいる。
ちなみに、子供が次々に独り立ちして、3階建ての家は夫婦2人で住むには広すぎるから手頃な家に住み替えた、ということを「一家離散」と普通は言わない。
しかし、1階を美容院に改装して、明日からオープンの予定だった美保理(みほり)は、心無い -
Posted by ブクログ
ネタバレ歯がゆい!歯がゆいよ!平!
タイミングがずれてずれてずれての2人の物語がなんとも歯がゆい。
現実にもある。あの言葉、あの行動、あの決断はあの時するべきではなかった。あの時じゃなければと後悔すること。
途中途中の他人から見た平さんはどれもやっぱり優しくて不器用で、もっとずっと最初から幸せに生きれる人生であってほしかった。
本当にずっと歯がゆい人生すぎました。
最後エコと平が再会できたこと、来週ね!って約束できたことにくそほどに泣いてしまった。
平の書いた最後の物語を紐解くシーンは泣きながら読んでしまった。よかった。平はずっとエコが大好きで、エコも平のことがずっと大好きで。一生涯を通して、ど -
Posted by ブクログ
電車の中で読んでいたのに涙を堪えられなかった本でした。いつもは小説はあまり読まないのですが、この本は心を軽く、そして温かくしてくれました。
たまには小説も読んで、気持ちをほぐしてあげないのだという気がしました。
小説を読んでいると、特に心が揺れ動く瞬間や、ハッとさせられる登場人物の言葉が出てくることがあります。そんな言葉を見つけた時、自分の状態に気づくことができる気がします。
小説を通して自分の状態を知ることができ、なんだかカウンセリングを受けているような感じがします。
この小説では、『夢』や『強い言葉』、『幸せ』についての表現にハッとさせられ、2章で描かれる家族の姿に感動しました。この -
Posted by ブクログ
ネタバレ色んな角度から自分を見直すきっかけになったかもと思いました。
『さす九』
ということばがネットで話題になったけれど、それをすごく感じてしまった。
しかし女が低い、生きにくい、の前に本文にあった
自分の根っこに『強さ』に甘えて依存する心があった。信じるといううつくしい言葉の陰に、思考を委ねる弱さがあった。ひとを信じて生きるというのは、うつくしくも醜く、強くも頼りない。
この一節がとても刺さった。
男に騙されて搾取されていてもその『強さ』に従っていればある程度の未来は保障され安定する。人は安定が好きだし安心する、自分もそういうところ少なからずあったのかな。
あと主人公がいじめられていた吉