値引き作品
作品一覧
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
カフカに触れたのはこの本が最初だったと思う。読んだ時はそこまで衝撃や感銘を受けたということも無かったのだけど、そのうちずるずるとカフカの世界に引きずり込まれてしまった。
変身という本それ自体については、話そうと思えばいくらでも話せる本だと思う。社会からの排斥、孤独の重圧、介護者の傲慢、誰もが世界からしてみれば必要性なんてなく、いなくなっても変わらず回り続けるのだろうという悲痛な直感。単純に描写だけ見ても、ラストのシーンは胸にぽっかりと空いた穴を爽やかな春風が撫で去ったような爽快感と美しさに塗れているし、妹が主人公を糾弾するシーンは性格の悪いユーモアに満ちている。
まあそんなことはカフカにお -
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Posted by ブクログ
ネタバレグレーゴルはある日突然虫になる。不可逆なその現象に理由はなく、だんだんと煙たがられて最終的に味方も居なくなってしまう。
ただ生きているだけで家族をがんじがらめにして社会から縛るような存在は、鬱病や障がい、引きこもり等の社会問題が明確化されてきた現代にも通じる。
グレーゴルは自分から意図的に加害を行う事は無く、ただただ生理的に煙たがられる。身を粉にして家族のために働いてきたのに、あんまりな仕打ちだ。
最後、父親からの直接的な加害(林檎)が原因でグレーゴルは亡くなってしまう。家族の中では息子を殺した父親が正しく、その後の家族が好転していく様が現にそれを表している。 -
Posted by ブクログ
今年の1冊目はカフカ。
悪い夢から覚めると自分の身体が虫になっていた。という始まりが有名だが、結末は知らなかった。
なぜ虫になったのか?なぜ虫なのか?最後まで明かされることなく終わってしまう。ということは虫になること自体はそれほど重要ではなく、これを比喩にして何か伝えたいことがあるのだろうか?
第一印象は、虫になってしまう主人公グレーゴル・ザムザは、カフカ自身のことではないかと思ったが、どうやら違うらしい。
2回目読んで、グレーゴルは読者である僕自身のような気がした。醜く、役立たずなだけでなく、それどころか生きているだけで周りに迷惑をかけてしまう。グレーゴルは父親に投げつけられたリンゴ