あらすじ
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
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朝起きると巨大な毒虫になっていたグレーゴル。家族の働き頭だった彼だが、毒虫になったために働くことができなくなったばかりか、大迷惑な存在になってしまった。そんな、家族のお荷物となってしまったグレーゴルの心情や、お荷物を抱えることになった家族の心情がよく描かれた作品です。
グレーゴルが家族に迷惑をかける度に、グレーゴルに対する家族の態度や扱い方が酷くなっていく描写がすごくリアルで、グレーゴルにも家族にも同情してしまうため、「道徳的にダメな扱いだけど、現実世界でもこうなってしまうんだろうな…」と考え込んでしまいます。
ただ読むだけでなく、グレーゴルがなってしまった「巨大な毒虫」が、はたして何のメタファーなのかを考察するのもこの作品の楽しみ方の一つです。
物語に対する自分なりの解釈を見つけられるまで何度読み返しても飽きないような作品なので、是非お勧めしたいです!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
出オチノンエンタメ小説。
そこから這い上がることも、自分の身に起きたことを覆そうという努力もしない。
ただ受け入れるだけ。
ずっと物悲しい主人公が、非現実なほどに諦めていく。
読み終えたとき「カフカぁ」と嘆きたくなりました。
Posted by ブクログ
初めて読んだのは学生時代。
頁は少ないが内容が内容なだけあり、未だ全てを理解しきれているとは思っていない。だけど、確実に私の人生に影響を与えた一冊。言葉にはできないがこの本が好きだ。
Posted by ブクログ
およそ、半世紀ぶりに読み直した本。
高校の時もとても面白く読んだ。
ところで、この本は「不条理」「学術」のくくりで語られるのだけど、何回読み返しても単純におもしろくて、これはエンタメでしかない気がしている。
例えば「屍人荘の殺人」みたいな。
屍人荘の方は、人外のものになる理由が一応あるから不条理じゃないかもしれないが、あり得なさではほぼ一緒だと思う。
不条理系の小説はいくつか読んでて、面白かった本も何作か浮かぶけど、「変身」は違う気がするなー。
Posted by ブクログ
中学生で初めて読み、大人になって再読しました。当時は「面白い」と感じていましたが、今は「良く出来た緻密な構成の話だ」と、作品への評価が変わりました。作者のストーリーテラーとしての力量を再認識しました。個人的には、アメリカで翻訳をされているYouTuberの「ゆかりん」さんの書評が非常に参考になり、作品への理解がより深まりました。人生の段階によって感じ方が変わる、長く楽しめる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
最も印象的だったのは、語りの視点の変化。
物語は彼(グレーゴル)視点で始まるが、
彼の死から第三者的な視点へと移行する。
死の苦悩や劇的な最期は描かれず、
彼がその間際何を思ったのかも明確には示されない。
その空白が、かえって死を生々しく感じさせる。
人の死は当人の内側ではなく、
外側から処理されていくものなのだと
突きつけられるようだった。
父親が投げたリンゴの傷が死因であるという点も、
美しく、象徴的。
かつて家族を支えていたはずの息子が、
父によって傷つけられ、徐々に衰弱していく。
大黒柱だった彼よりも、
父の威厳や家族の秩序が優先される構図は不気味で、
家族という共同体の冷酷さを感じさせる。
さらに残酷なのは、グレーゴルの死後、
家族が破滅するどころか、
むしろ前向きな未来を見出して物語が終わることだ。
彼の存在は重荷として切り捨てられ、
その不在が希望として描かれる。
この結末は一見穏やかだが、だからこそ不気味だ。
役割を失った瞬間に存在価値まで失ってしまう。
彼の姿が、不憫でならなかった。
Posted by ブクログ
役割を失った「個」と、残された家族の再生
朝目覚めると巨大な毒虫になっていた、という不条理な設定から始まる物語。Audibleでの鑑賞において、背後に流れる時計の秒針の音は、本人の異変とは無関係に刻々と進む世界の残酷さを際立たせていた。
■社会的な役割と「うつ」の心理
毒虫に変貌した直後、主人公グレゴールが真っ先に案じたのは自分の体ではなく「早く出社しなければ」という仕事への義務感であった。自分を二の次にして社会的な役割を優先する姿は、現代のうつ病を患う人の心理状態にも重なる。個人がどれほどの絶望の中にいても、社会や時間は何事もなかったかのように動き続けるという描写は、極めて冷徹である。
■「毒虫」というメタファー
本作における毒虫は、単なる化け物ではなく、以下のような「社会的な生産性を失った存在」のメタファーとして解釈できる。
認知症や重度の精神疾患
突然の大病
家族の「荷物」となってしまう状態 グレゴールを「兄」や「息子」と認識し続ける限り家族は苦しむが、彼を「得体の知れない荷物」と切り離して認識した瞬間、家族には平穏が訪れる。
■寄生の逆転と皮肉なハッピーエンド
かつて家族(父・母・妹)は、グレゴールの労働に寄生し、女中を雇う裕福な生活を送っていた。しかし、グレゴールが働けなくなったことで、彼らは自ら働き、自立せざるを得なくなる。
皮肉な結果: グレゴールが死ぬことで、家族は「重荷」から解放され、娘の成長を喜ぶような、慎ましくも希望ある生活を手に入れる。
残酷な事実: グレゴールが守りたかった家族の幸せは、彼自身の自己犠牲によって成り立つのではなく、皮肉にも「彼の死」によって完成したのである。
■「安堵」という人間の業(ごう)
物語の結末で家族が抱く安心感は、現実の介護の現場でも起こり得る感情である。 認知症を患った身内を施設へ送り、あるいは最期を看取った際に感じる「ホッとした」という安堵。それは決して罪深いことではなく、現役世代として生きる人々が抱く、切実で真っ当な本音である。カフカはこの「切り捨てることで得られる救い」という、人間の残酷で避けられない一面を、ハッピーエンドという形で描ききった。
Posted by ブクログ
一家の稼ぎ頭として家族を支えていた青年 ザムザは、一夜にして人間から巨大な毒虫へと化してしまった。
虫という姿形になったことで彼の姿を見た途端に母親は失神、父親は彼を追い払う。唯一 彼のことを気にかけていた妹もやがて態度を変えていく。
私の中でザムザは体調150cmほどの大きな大きなダンゴ虫のイメージ(これはカフカがイメージしている虫とは大きく異なるかもしれない)。
家族の1人がある朝 突然、巨大なダンゴ虫になっていたら私はどうするだろう。私は虫が怖いし嫌いだ。そんな苦手な虫になった家族とどう接すれば良いのだろう。彼の母親と同じように失神してしまうかもしれない。
人を見た目で差別したり判断してはいけない、と分かっている。でも私には、虫をはじめ見た目で無理なものや生理的に受け付けない人がいる。
仕事柄、時にはそんな人に触れたり密着しなければならないこともある(怪しい仕事ではない)。
仕事の時はどんなに無理だと思う人にでも密着(抱き抱えたり)できる。でも、プライベートで生理的に無理な人には密着できない。
この仕事のスイッチはどこで入るのだろう。自分でも不思議で仕方がない。
生理的に無理とは何なのだろう。
どうして受け付けないのだろう。
でも、それは自分を守るための一種の防御反応のような気もする。自分の縄張りに敵を入れたくないという野生の本能とも言うべきものに似た何か。
見た目で判断することはいけないことなのか、仕方のないことなのかりどちらが正しいのか書いているうちに分からなくなってしまった。
虫になったザムザはうまく話すことができない。けれどもこれまでと同じように皆んなの会話を聞いて思いや考えを巡らすことができる。これは虫になったザムザ=寝たきりの人間 の比喩なのではないかとも思えた。
役には立たない、ただ存在するするだけの存在。
人は時にただ存在するだけの人に対して、多大なる愛情を注ぎ、ただいてくれるだけで嬉しいと思ったり、生きる活力になることだってある。
でもザムザはそうはならなかった。
ザムザに依存していた家族がザムザの変化によって、各々 自立という名の変貌を遂げていく。その自立の中でザムザに対しての気持ちが離れていく。
唯一、怖がりながらも健気に食事を運んでくれていた妹。彼女は仕事を持つようになり、ついには彼を見放してしまい、彼は孤独な最期を遂げる。
その救いのない結末に悲しくなると同時に、そうなってしまった家族の逞しさもまた人間らしく思えた。
この物語はザムザが主人公のようで、実はザムザの姿が変わったことによる家族の変貌ぶりこそが核心なのではないかと思う。
ザムザの変化による家族の変貌。
原題のタイトルにはそんなダブルミーニングが含まれているのだろうか。
そう考えた時、この「変身」と言うタイトルは物語に相応しいのだろうかという疑問が私の中に浮かんできた。
「変身」と言う言葉は、私の中では仮面ライダーの「変身!」のイメージが強すぎる。
へん‐しん【変身】
[名](スル)他のものに姿を変えること。別の姿・ようすになること。
原題 『Die Verwandlung』
変化, 変身 〘劇〙場面転換
「変身」には、別のようすになること と言う意味もあるので 「家族が変身した」 と言っても決しておかしくはない。でも変身と変化や変貌ではニュアンスが異なる。日本語訳のタイトルを同じくひと言で表すのなら「変わり身」や「変貌」の方がしっくりくるような気がした。
でも学のある有識者の先生方がこれを「変身」と訳したのだから、きっと変身に違いないのだろうとも思う。
タイトルだけでも言語が変わると伝わるニュアンスが変わる。
ドイツ語を学び、ドイツ語でこの本を読めたなら、どんな感想をもつのだろう。
Posted by ブクログ
主人公が夢から覚めると虫になる所から始まる本小説。
変身した主人公にスポットを当てた小説家と思いきや、視点は徐々に家計を支えてくれていた主人公を失った家族へ。
家計が苦しくなり、また、忙しくなっていくことで心の余裕を無くし変わっていく家族の姿が変身なのかなとも思える内容だった。
はっきりとしたメッセージは分からなかったが、人の心の弱さなど、考えされるところが多くて面白かった。
Posted by ブクログ
どの視点で読むかで読み終わったあとの心境が変わるようなストーリー。
私は家族視点で読んでいたから比較的ハッピーエンドだったと思うし、家族のことをそれほど残酷には感じない。
グレゴールの淡々とした性格が相手の人間らしさや、世の中の不条理を際立たせていて面白かった。
Posted by ブクログ
言わずと知れた文学界の金字塔、フランツ・カフカの「変身」。
ある朝目覚めた主人公は自分が一匹の大きな虫になっていることに気づく。虫になってしまった主人公とその小さな世界(家族と家の中)の変化と行く末を描く物語。
有名な冒頭以外は知らなかったので、新鮮な気持ちで読むことができた。文章が面白いし引きずられるということはないんだけど、徹頭徹尾、主人公が深刻な鬱状態ですごく悲しい。自分が虫になってしまっていること、消えてしまいたいと思っていること、それでもなんとか家族や職場に迷惑はかけまいと思っていること、誰かにぞんざいに扱われても怒る気持ちが湧かないこと。主人公が自分を大切に思えていないのがよく分かる。そのままラストまで駆け抜けてしまう……
全体的に湿度も少なくてさらさら読めるし、主人公の死後、残された家族が雲が切れたようににわかに幸福へ向かっていく結末も個人的には好きなんだけど、あまりに鬱の解像度が高くてカフカが心配になるよ
●あらすじ
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
(新潮社HPより引用)
Posted by ブクログ
5年ぶりの再読です。
前回より、読解力が上がったのか
さらに面白く読めました。
3部構成。
主人公のグレーゴル・ザムザ。
虫に変身してしまった直後の描写は、とても面白くて思わず笑ってしまいました。ベッドの上でノソノソと動く様や、ドアに挟まって体が斜めに傾いている様とか。
見た目が変わってしまい、周りの人間に除け者にされていく様はみていて辛かったです。
文脈から推測すると、グレーゴルが虫に変身してから、約3ヶ月。
息絶える直前に、妹のグレーテにドアを閉められてしまうシーンは、心が痛かったです。
笑えたり、切なさを感じたり
楽しく読めて良かったです。
Posted by ブクログ
バイトの休憩時間に読み進めてました。
2日で読み終わってちょっと寂しさが
ストーリーも内容もよく見聞きしていたので手に取りました。面白かったですが、案外あっけないなの感想が強いです。
Posted by ブクログ
グレーゴルが姿を変えてから日に日に家族の扱いがひどくなり、疎外されていく。
私たちの社会でも人として役に立たなくないと判断されてしまった人たちが排除されてしまうという現状が描かれているような気がした。
Posted by ブクログ
100ページ少しなのにずっしり、不気味、不安、が詰まっている1冊だった。私の国語力では良さが言語化できなかったので、以下ChatGPTが作成してくれたものです。
疎外と孤独
家族や社会から「役に立たなくなった存在」として排除される人間の姿を象徴的に描いています。グレゴールは働き手であるうちは家族に必要とされますが、虫に変身した途端、重荷として扱われるようになります。
存在の不条理
「なぜ人間が突然虫になるのか」という理由は一切語られません。この理不尽さこそが人生の不条理や、人間の存在そのものの不安を象徴しています。
自己犠牲とアイデンティティの喪失
グレゴールは家族のために働き続け、自分の欲望や幸福を犠牲にしてきました。しかし、変身によって「人間らしさ」を奪われ、最終的には家族にとって不快な存在として消されてしまいます。
Posted by ブクログ
感想 虫になったという表現である種、社会と切り離された状態を見せていたかと思う。一部の表現でははなく、作品全体を通してのメタファーにより薄い本であったが厚みを感じさせた。
Posted by ブクログ
グレーゴルが何も報われないじゃないか!!
なんだろ、何もすっきりしないな、いやすっきりする目的の本ではないな。
色々と考える余地はありそうなので、また読み返そうと思う。
Posted by ブクログ
内容が面白いかと言われれば奇妙でさして面白くはない。
グレーゴルの不遇に胸糞悪くなること間違いなし。家族のために働いていたのにある日突然理由もわからず巨大な虫になり、家族からは敬遠され部屋に隔離される。結局父親に負わされた怪我が決定打で死んでしまうも、誰も悲しまず忘れようとしている。なんならグレーゴルが虫になったことで家族一人一人が自立して前より良い生活を送れるようになったのに。
最後の解説を読んだら、カフカ自身の生涯や生い立ちが反映されてるのかなと思った。ユダヤ人としての立ち位置が反映されてると思うと、ただの奇妙な小説と一生に伏すことはできないと感じた。
Posted by ブクログ
ある朝目覚めると巨大な虫になってしまった男、グレーゴルの話。
家族のために一生懸命働いていたグレーゴルが虫になってしまったために家族から断絶され、気の毒でした。
稼ぎ頭として一家を支えていたため、家族の生活も一変。
両親、妹も働かないとやっていけなくなる始末。
一家がグレーゴルに依存していたんでしょう。
グレーゴルの見た目の変身だけでなく、グレーゴルを取り囲む周囲の変身も見てとれて面白かったです。
Posted by ブクログ
主人公が救われなくて苦しい
でも彼の心情を知ることができるのは読者である私たちだけで、彼は言葉を話せないのだから家族は知る由もないよな
虚無感に襲われている
Posted by ブクログ
起きたら虫に変身していたら、みたいなお話。
イメージするだけで鳥肌ものだったが、日頃がいかに裕福に、自由に生活しているか、を改めて感じることができた。
Posted by ブクログ
グレゴールが虫になることで、いつもの日常の不自然さや家族との関係のぎこちなさが見えてくる話。変身はただの奇妙な出来事ではなく、日常の息苦しさや孤独を象徴していると感じた。
Posted by ブクログ
最初は文章のコミカルさから面白おかしく読んでいたが、読み進めるに従って辛くなってきた。父親は邪悪なものなので(一般的な文学での話ね)、ぞんざいに扱われるのは仕方がないとしても、母親や妹から目を逸らされてしまうのは悲しい。特に妹は一番の理解者だったので。
物語がメタファーすぎてまだまだ理解が追いつかないので、他の方の解釈を読みたい
Posted by ブクログ
一体何に例え書かれた物語なのだろうか。そう想像しながら。
あくまで翻訳を見ていたので原本の表記は分からないが、ラストシーンにて家族が客観的な描写をされていたのが印象的だった。
ああ、家族は虫から解放されて新たな世界を創りはじめるのだなと。
それにしても怖いことは、良くも悪くも自身の変化が周囲に大きな影響力を及ぼすということである。
Posted by ブクログ
朝、目を覚ますと、自分が巨大な虫になっていた――。有名なこの冒頭から始まる本作は、主人公グレゴール・ザムザの肉体的な「変身」を通して、彼を取り巻く社会、とりわけ家族という最も親密な共同体の冷酷な変容を、圧倒的な筆致で描き出した文学作品です。
物語の主人公は、変わり果てた姿になってもなお、人間としての意識を保ち続けます。しかし、言葉は通じず、家族との意思疎通も叶わず、彼は徐々に「家族の一員」から「異物」へと扱いが変わっていきます。とりわけ悲痛なのは、家族が彼を“すでに死んだ者”として受け入れ、そして前を向いて生きようと決意していくその過程です。
彼を切り捨てた事で、精神的に自立していく家族達。それは主人公にとっても家族が変身してしまった事と同義であり、救いの道が閉ざされた主人公は、肉体が死を迎えるより先に、その人生に終わりを告げられていました。
本作は、障碍者や社会的弱者に対する無理解や排除を寓話的に描いた作品とも解釈されますが、読後に残るのは「では、どうすればよかったのか」という答えのない問いです。救いのなさと喪失感。そして、その中で浮かび上がる問いは、読むたびに形を変えながら、いつまでも居座り続けるのです。
Posted by ブクログ
ある朝目が覚めると、自分が巨大な虫に変わってしまったことに気付く。理由も経緯も分からないまま始まり、ある種淡々と受け入れて物語は進んでいく。「人は外見でなく中身だ」という言葉があるが、外見が全く変わってしまうことで家族関係や生活は一変していく。奇妙さと残酷な真実が同居した物語。
Posted by ブクログ
[ブログで紹介]
ふと
「新潮文庫の100冊」
を読もうと思い立った、第三弾です。
ネットオフの「タダ本1か月無料トライアルキャンペーン」で無料(送料のみ)で古本を入手しました。
フランツ・カフカの小説は初めて読みました。
【本書のポイント】
まったく不可解な小説です。
虫になった主人公と家族の関係が冷ややかで、最後にやりきれない思いになります。
時代背景やカフカの家族関係を研究すれば、理解が深まるかもしれません。
1.あらすじ(ネタバレを含みます)
一人で家族を養っているセールスマン、グレーゴル・ザムザはある朝起きると虫になっていました。
同居している家族、両親と娘はぞんざいに扱います。
グレーゴルは弱っていき息を引き取ります。
家族は仕事に就いていて、新しい生活が始まる予感に心が浮き立ちます。
2.感想
虫になって意思疎通ができなくなってしまい、部屋に閉じ込められてしまうグレーゴルは、引きこもり状態を示しているのかもしれません。
ぞんざいに扱う家族は、対処ができない状態を示しているのかもしれません。
そこに同情のような感情はありません。
死後、今後の生活に新しい夢を感じる家族には、いなくなってほっとする感情が湧きあがったのかもしれません。
やり切れない思いにもなりました。
しかし、私も家族内で経験があるので分かる感じもします。
それにしても、まったく不可解な小説です。
グレーゴルの視点で書かれていると思っていたら、死後も書かれていたので違っていました。
解説がいくつか付いていますが、何も答えは得られません。
第一次世界大戦前のチェコスロバキアでの時代背景、カフカと父との関係など、研究すれば理解が深まるかもしれません。
ただ、私にはこれ以上考えるのは不要だと思いました。
(2024.12.26)
※2024.12.8古本をネットオフに注文、12.13到着
新潮文庫の100冊 2024:6冊目
2024.12.17読書開始
2025.6.9ネットオフで売却