あらすじ
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
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朝起きると巨大な毒虫になっていたグレーゴル。家族の働き頭だった彼だが、毒虫になったために働くことができなくなったばかりか、大迷惑な存在になってしまった。そんな、家族のお荷物となってしまったグレーゴルの心情や、お荷物を抱えることになった家族の心情がよく描かれた作品です。
グレーゴルが家族に迷惑をかける度に、グレーゴルに対する家族の態度や扱い方が酷くなっていく描写がすごくリアルで、グレーゴルにも家族にも同情してしまうため、「道徳的にダメな扱いだけど、現実世界でもこうなってしまうんだろうな…」と考え込んでしまいます。
ただ読むだけでなく、グレーゴルがなってしまった「巨大な毒虫」が、はたして何のメタファーなのかを考察するのもこの作品の楽しみ方の一つです。
物語に対する自分なりの解釈を見つけられるまで何度読み返しても飽きないような作品なので、是非お勧めしたいです!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
「Qさま すごい本スペシャル」を見てたら出てきたので思い出した。これが授業で取り上げられた時には『こんなことある訳ないだろ』と思っていたけど、似た状況は現実でもよくあるんだよなあ。朝起きて異様に大きいできものが顔に出来ていることもあるし、ひどい事故にあって二目とみられぬ顔になってしまうこともある。違う生き物に変身してしまうような現実の隠喩なら、成立してしまうリアル譚だ。
Posted by ブクログ
言わずと知れた文学界の金字塔、フランツ・カフカの「変身」。
ある朝目覚めた主人公は自分が一匹の大きな虫になっていることに気づく。虫になってしまった主人公とその小さな世界(家族と家の中)の変化と行く末を描く物語。
有名な冒頭以外は知らなかったので、新鮮な気持ちで読むことができた。文章が面白いし引きずられるということはないんだけど、徹頭徹尾、主人公が深刻な鬱状態ですごく悲しい。自分が虫になってしまっていること、消えてしまいたいと思っていること、それでもなんとか家族や職場に迷惑はかけまいと思っていること、誰かにぞんざいに扱われても怒る気持ちが湧かないこと。主人公が自分を大切に思えていないのがよく分かる。そのままラストまで駆け抜けてしまう……
全体的に湿度も少なくてさらさら読めるし、主人公の死後、残された家族が雲が切れたようににわかに幸福へ向かっていく結末も個人的には好きなんだけど、あまりに鬱の解像度が高くてカフカが心配になるよ
●あらすじ
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
(新潮社HPより引用)
Posted by ブクログ
不条理文学で有名な、カフカの代表作。
目が覚めると巨大な虫になっていたという奇抜な設定に惹き込まれるうち、珍しく一気読みしてしまった。
虫への変身が何を暗示しているのかについては諸説あるようだが、個人的には、ひょんなきっかけから家族や社会に見捨てられてしまうかもしれないという漠然とした不安感を表現しているように感じた。
なんとも表現し難い読後感も含め、癖になる味わい。他のカフカ作品にも挑戦してみたい。
Posted by ブクログ
友人Uからのプレゼント。「自分や家族が虫になった場合にこんなにしっくりと虫になった事実を受け入れられるのか?」、そして「その状態から抜け出そう、もとの人間に戻ろうという努力とかはしないのか」という純粋な疑問を抱いた。バイオリン演奏以降の終盤の流れがクレイジーで良かった。
Posted by ブクログ
何とも不思議な小説だった。実際に自分が、突然虫になってたということを想像し、グレーゴルに感情移入しながら、虫になりきって読んだ。家族から最初は心配のため干渉されてたが、途中からは気持ち悪がられ、邪魔者扱いされる。最後は家族がグレーゴル抜きで幸せに向かっていくオチが、悲しく切なく苦しい。。解説を読んで、自分なりに解釈すると、カフカの生い立ちからきてるのではないかと思う。幼少時代の親から相手にされなかったときの孤独と、その後の干渉を小説に込めているのではないだろうか。内容は虫になったという話だが、読後に何とも言えない余韻が残る小説だった。
Posted by ブクログ
ある朝目覚めると巨大な虫になってしまった男、グレーゴルの話。
家族のために一生懸命働いていたグレーゴルが虫になってしまったために家族から断絶され、気の毒でした。
稼ぎ頭として一家を支えていたため、家族の生活も一変。
両親、妹も働かないとやっていけなくなる始末。
一家がグレーゴルに依存していたんでしょう。
グレーゴルの見た目の変身だけでなく、グレーゴルを取り囲む周囲の変身も見てとれて面白かったです。
Posted by ブクログ
主人公が救われなくて苦しい
でも彼の心情を知ることができるのは読者である私たちだけで、彼は言葉を話せないのだから家族は知る由もないよな
虚無感に襲われている
Posted by ブクログ
[ブログで紹介]
ふと
「新潮文庫の100冊」
を読もうと思い立った、第三弾です。
ネットオフの「タダ本1か月無料トライアルキャンペーン」で無料(送料のみ)で古本を入手しました。
フランツ・カフカの小説は初めて読みました。
【本書のポイント】
まったく不可解な小説です。
虫になった主人公と家族の関係が冷ややかで、最後にやりきれない思いになります。
時代背景やカフカの家族関係を研究すれば、理解が深まるかもしれません。
1.あらすじ(ネタバレを含みます)
一人で家族を養っているセールスマン、グレーゴル・ザムザはある朝起きると虫になっていました。
同居している家族、両親と娘はぞんざいに扱います。
グレーゴルは弱っていき息を引き取ります。
家族は仕事に就いていて、新しい生活が始まる予感に心が浮き立ちます。
2.感想
虫になって意思疎通ができなくなってしまい、部屋に閉じ込められてしまうグレーゴルは、引きこもり状態を示しているのかもしれません。
ぞんざいに扱う家族は、対処ができない状態を示しているのかもしれません。
そこに同情のような感情はありません。
死後、今後の生活に新しい夢を感じる家族には、いなくなってほっとする感情が湧きあがったのかもしれません。
やり切れない思いにもなりました。
しかし、私も家族内で経験があるので分かる感じもします。
それにしても、まったく不可解な小説です。
グレーゴルの視点で書かれていると思っていたら、死後も書かれていたので違っていました。
解説がいくつか付いていますが、何も答えは得られません。
第一次世界大戦前のチェコスロバキアでの時代背景、カフカと父との関係など、研究すれば理解が深まるかもしれません。
ただ、私にはこれ以上考えるのは不要だと思いました。
(2024.12.26)
※2024.12.8古本をネットオフに注文、12.13到着
新潮文庫の100冊 2024:6冊目
2024.12.17読書開始
2025.6.9ネットオフで売却