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Posted by ブクログ
舞台は第一次世界対戦前、スイスの山奥にあるサナトリウム。ヨーロッパ中から結核患者が集まって療養している。
マンは講演で「私は一生を通じて一つの物語を語りつづけてきた市民的作家であって、市民性から脱却する過程を語りつづけてきた。」と言っており(河出書房版解説)、
主人公「ハンス カストルプ君」は、「ドイツ君」だと考えれば、読みやすく分かりやすい。
キャラクターの濃いのがたくさん出てきて個人的にはめちゃくちゃ面白かった。
中でもゼテムブリーニとナフタの、ハンスカストルプを賭けての思想合戦が面白い。が、難しく理解したとは言えないので、知識を付けて、10年後ぐらいに再読したい。
Posted by ブクログ
本当は岩波文庫で読もうと思っていたんですが、新潮文庫に日和ってしまいました。
それでも、読むのは大変でした。
なにせ長い!
読む前は、なぜいとこが療養しているサナトリウムに3週間も見舞いとして滞在するのか、そこが疑問でした。
だって、結核って伝染病でしょ?
なんで見舞いに3週間?
見舞いと言えば見舞いなんですけれど、ハンス自身も体調があまりよくないというので、転地療養をするように医者に言われて、いとこのいるサナトリウムに来た、と、そういうことでした。
それにしても体が弱っている時に、結核患者のたくさんいる所へ来るという時点で彼の運命は決まってしまったと言えましょう。
3週間後、彼は見舞客から患者になってしまうわけです。
しかし、初対面の時から何度も折に触れセテムブリーニは「山を降りるように」と彼に言い続けていたのです。
なぜ彼は降りなかったのか?
彼は常に周りを見下しているのです。
下層階級である。知性がない。見目麗しくない。
つまり、自分とは別であると。
しかし、ハンスは自分を客観的に見ることはできていない。
世間を知らないし、自分を知らない。事実ではなく、自分の脳内で思い描いたことを見ているだけだから。
そんなハンスにセテムブリーニはいろいろなことを語ります。
文学、政治、歴史、生物、天文、宗教、恋愛。
それに対してハンスは反発を覚えながらも、耳を傾け、いろんなことを学んでいくわけですが、やはり山を降りようとはしない。
恋に落ちてしまったんですね。
それもかなり一方的な、妄想まみれの、独りよがりの。
どこまでも独善的な男です。
そして、山の生活。
自由といえば自由。不自由といえば不自由なその生活とは、1日5回の食事(第一朝食、第二朝食、昼食、ティータイム、晩餐)、そのあいだ間に挟まる散歩と安静(昼寝)の時間。
夜、読書灯の下で本を読み、疲れたら窓の外を眺めるとそこには満天の星。
そりゃあ、山から降りませんよ。私でも。
まさに取り込まれています。魔の山に。
セテムブリーニの語る言葉が、とにかくわくわくするほど読み応え満点。
クロコフスキーの精神分析部分が意外にあっさり終わってしまったけれど、下巻で再び取り上げられるのでしょうか。
難しいけど、面白い。
下巻も楽しみ。
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