【感想・ネタバレ】魔の山(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年02月17日

ドイツの偉大な教養文学というだけあって教養になる物事が山程詰め込まれた本。人間を科学的な面での身体から、精神やら思想やら芸術について突き詰めてあってとても面白い…そして難しい。「文学とは常に“苦悩”について描かれている」という言葉が腑に落ちたし好き

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

10年以上前に読んだのですが、難しいことはわからなくても雰囲気が大好きで、何度も読み返した記憶があります。おそらく私にとって読みやすい文体だったのと、当時自分が療養生活を経験していたので共感する部分も多く、退屈しないで読めたのだと思います。サナトリウムでの療養生活の細かな描写や、そこに集う人々の人物...続きを読む描写が面白いと同時に興味深かったです。今読み返すと全く違った感想を持つかもしれません。ちょっと気力が持たなそうですが…

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

思ってたよりガチガチの内容じゃなかったです。上巻は気軽に読めます。でも下巻はちょっとハードだったかな。脳みそが沸騰して何度か挫折しそうになりましたが、不思議と時々読み返したくなります(初めて読んだのは高校生の時。そして一度処分して、やっぱり読みたくなって買い直した)。スケールの大きい討論が繰り返され...続きを読むているのと、「死」が色濃く出ているので、小さなことで悩んでいる時に読むと効きます。でも、あのラストには納得がいかない…。あまりにもあっけなくて…いや、でも、あっけないから「こそ」ってことなのかな。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

中学の時、友人から誕生日プレゼントに頂きました。一言で語りつくすことが出来ません…。マンの作品は人物表現も秀逸だが、『ベニスに死す』にしろ情景描写とそこへの投影が素晴らしい。セテムブリーニやらに流されつつ一読しましたが、一冊の本として大きな模様が完成されていて一つ一つの文がこれほどまで完璧に精微に編...続きを読む込まれている作品はこれ以上には存在しないと思います。ただ読んでいると少し息が詰まります。マンなどのドイツ文学を読んでいるとフランス文学のエロティックな抜け落ち感が恋しくなりますよね…。

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Posted by ブクログ 2024年01月19日

前々から気になってた作品。今年読んだ本で引用されたり考察されたりが続いたのでこれは読むタイミングだなと。主人公ハンスの人間的の成長や変化が、爽快でサクサク面白いというのとは全く逆の濃厚さというか重厚長大さというかで描かれていく。どうしたらこんなのが書けるのか。

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Posted by ブクログ 2021年03月21日

舞台は第一次世界対戦前、スイスの山奥にあるサナトリウム。ヨーロッパ中から結核患者が集まって療養している。
マンは講演で「私は一生を通じて一つの物語を語りつづけてきた市民的作家であって、市民性から脱却する過程を語りつづけてきた。」と言っており(河出書房版解説)、
主人公「ハンス カストルプ君」は、「ド...続きを読むイツ君」だと考えれば、読みやすく分かりやすい。

キャラクターの濃いのがたくさん出てきて個人的にはめちゃくちゃ面白かった。
中でもゼテムブリーニとナフタの、ハンスカストルプを賭けての思想合戦が面白い。が、難しく理解したとは言えないので、知識を付けて、10年後ぐらいに再読したい。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

ハンス・カストルプは、ダボスのサナトリウムで療養中のいとこを訪ねたが、滞在中に病に罹り、そこでの長期療養を余儀なくされる。療養生活の中でショーシャというロシア婦人に思いを寄せるようになり、謝肉祭の夜に告白する。しかし、それは彼女が翌日サナトリウムを発つという日であった。

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Posted by ブクログ 2014年10月16日

本当は岩波文庫で読もうと思っていたんですが、新潮文庫に日和ってしまいました。
それでも、読むのは大変でした。
なにせ長い!

読む前は、なぜいとこが療養しているサナトリウムに3週間も見舞いとして滞在するのか、そこが疑問でした。
だって、結核って伝染病でしょ?
なんで見舞いに3週間?

見舞いと言えば...続きを読む見舞いなんですけれど、ハンス自身も体調があまりよくないというので、転地療養をするように医者に言われて、いとこのいるサナトリウムに来た、と、そういうことでした。
それにしても体が弱っている時に、結核患者のたくさんいる所へ来るという時点で彼の運命は決まってしまったと言えましょう。
3週間後、彼は見舞客から患者になってしまうわけです。

しかし、初対面の時から何度も折に触れセテムブリーニは「山を降りるように」と彼に言い続けていたのです。
なぜ彼は降りなかったのか?

彼は常に周りを見下しているのです。
下層階級である。知性がない。見目麗しくない。
つまり、自分とは別であると。
しかし、ハンスは自分を客観的に見ることはできていない。
世間を知らないし、自分を知らない。事実ではなく、自分の脳内で思い描いたことを見ているだけだから。

そんなハンスにセテムブリーニはいろいろなことを語ります。
文学、政治、歴史、生物、天文、宗教、恋愛。
それに対してハンスは反発を覚えながらも、耳を傾け、いろんなことを学んでいくわけですが、やはり山を降りようとはしない。

恋に落ちてしまったんですね。
それもかなり一方的な、妄想まみれの、独りよがりの。
どこまでも独善的な男です。

そして、山の生活。
自由といえば自由。不自由といえば不自由なその生活とは、1日5回の食事(第一朝食、第二朝食、昼食、ティータイム、晩餐)、そのあいだ間に挟まる散歩と安静(昼寝)の時間。
夜、読書灯の下で本を読み、疲れたら窓の外を眺めるとそこには満天の星。
そりゃあ、山から降りませんよ。私でも。
まさに取り込まれています。魔の山に。

セテムブリーニの語る言葉が、とにかくわくわくするほど読み応え満点。
クロコフスキーの精神分析部分が意外にあっさり終わってしまったけれど、下巻で再び取り上げられるのでしょうか。
難しいけど、面白い。
下巻も楽しみ。

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Posted by ブクログ 2013年11月13日

時々思想部分が難しく読みづらいところもありますが、それでも不思議と話に吸い込まれて夢中になって読めました。
下巻も楽しみ。

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Posted by ブクログ 2013年02月24日

全2巻。ドイツ文学・教養小説の傑作。主人公のハンス・カストルプは、いとこを見舞う目的で訪れた結核療養施設で三週間の滞在を予定していたがいつの間にかそこが彼の安住の地となる。下の世界とは隔絶された施設での平穏な、しかし生と死が絡み合った濃密な生活の中で彼は時宜を得た教育者によって哲学的な思索を深化させ...続きを読む、自己形成を図る。そして物語のどんでん返しはまさしく晴天の霹靂のごとく訪れた。この小説の世界にはドイツ的気質が横溢しているように思われる。一言でいえば堅苦しく、展開される思想は難解で読みすすめにくい。だがある場面においては、特に数少ないショーシャ夫人と主人公との間に交わされる会話の場面ではあたかも眼前に無限の時間が流れているかのように没頭してしまう。ラスト数ページで展開されるどんでん返しの場面においても然りである。傍観し続けた主人公の人生は悠久の歴史の中に収められるようでもありまた一瞬の刹那の出来事のようにも錯覚される重厚感にあふれる小説である。

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Posted by ブクログ 2012年11月26日

時間とは何であるか?
生命とは?有機体とは?
人類、人種とは?病、死とは?
愛とは???

人文の総体みたいな本だな。面白い。そして長大!下巻が待ってる…

シリアスがコメディで、コメディがシリアスっていうね、表裏一体。悲劇も遠くから見ると喜劇ってやつですか。
話の舞台が舞台なだけに、ブラックユーモ...続きを読むアもちらほら。痛快ですらある。

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Posted by ブクログ 2012年05月26日

内容はとても面白い。ただ一度読破しただけでは少し理解に欠けるかもしれない。
言い回しにセンスがあるなぁ とか思いながら読破。純文学好きなら一度は読んでおいても損のない本。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

上下巻。
ハンス・カストルプとは、真夏のマンションの屋上で邂逅した。うだる熱気に晒されながら魔の山を彷徨したものだった。

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

何か特別なことが起こる(上巻の最後ではちょっとしたことがあったが)わけでもないのに、知らぬ間に療養所の毎日に引き込まれてしまう。
この小説は「教養小説」と呼称するのだそうだが、確かに医学などのかなり専門的な記述などもあって、それらが主人公の成長を促しているものの一部になっているということなのか。
...続きを読む巻で展開がどうなって終末に向かうのか見届けたい。

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Posted by ブクログ 2023年09月28日

魔の山の「魔」は魔法の魔。私は悪魔の魔だと勘違いしていたが、英語ではmagicと訳されているらしい。

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Posted by ブクログ 2013年11月14日

古典は難しい。というのはその時代背景が分かっていないとキャラクターの性格や行動に共感しにくいことがあるからだ。主人公のハンス・カストルプはハンブルグ出身の無垢で「単純な」青年であり、その性向は当時の比較的裕福な階層の若者としては平凡なものなのだろう。物語は彼が「魔の山」と呼ばれるスイス高原ダヴォスの...続きを読むサナトリウムで療養中のいとこを尋ねると頃から始まる。そこで出会う患者たちとの関係を深めていくうちに、彼も(おそらく肺病に)罹患し、生活を共にすることになる。理性と道徳という視点から人間のあるべき姿を説くセテムプリーニとの対話ややせ細ったロシア人のショーシャ婦人への仄かな思いなどが延々と語られるのだが、やはり素直に共感は生まれなかった。下巻ではどのような展開になるのだろう。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ドイツ文学の三大名作の一つ。他の二つ、『ファウスト』、『ツァラトストラ』はもう読んでいたので、最後の砦です。文庫本でもかなりの重さですww

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

形容に形容を重ねる描写はヨーロッパ的。論理的過ぎる描写には情緒に欠けるという批評もあるが、このガチャガチャ感に独特の情緒を感じる。

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