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カストルプ青年は、日常世界から隔離され病気と死に支配された“魔の山”の療養所で、精神と本能的生命、秩序と混沌、合理と非合理などの対立する諸相を経験し、やがて“愛と善意”のヒューマニズムを予感しながら第一次大戦に参戦してゆく。思想・哲学・宗教・政治などを論じ、人間存在の根源を追究した「魔の山」は「ファウスト」「ツァラトストラ」と並ぶ二十世紀文学屈指の名作である。
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Posted by ブクログ
上下合わせて☆4.8くらい。 長いけど、読みたいと思わせてくれる小説だった。 一人でスキーをする場面が、印象的だった。自然との闘いではなく、思索的な旅だったのがよかった。
主人公ハンス・カストルプの高地国際療養所での周囲との交流と成長を描いた小説、 とあらすじはシンプルだが登場人物たちの議論や言動の濃密さとその影響を受けてハンスが精神的に変化していく様は圧倒的な描写で流石にビルドゥングス・ロマンの大傑作。忘れられない読書体験。人間関係のさまざまな側面、自然、病、科学、...続きを読む政治・経済、宗教、哲学、心霊、文化、遊び…とありとあらゆるテーマが飛び交い、延々と言葉が積み重ねられていく描写は人によっては「退屈」と感じられるのだろうし、長い『魔の山』登山を楽しんでいた私自身でも「一体何を読んでるんだ?」と混乱してくる場面もあったが、多感な青年の成長とは理路整然や首尾一貫よりは混沌としながら進んでいくものだと思うので、そうしたことを読書体験全体としても感じられた。読んでよかった!
最後に至るまで思弁的で、冗長で、密度が高く、読むのが辛かった。 しかし、読み終わって思索してみると、ハンス・カストルプの凡俗さに人間存在の危うさが垣間見れる力作であった。 女性の描かれ方が考えさせられる。観念、理性が男性に割り振られ、情緒、感情が女性に割り振られている。 ショーシャが連れ戻って...続きを読むきたピーター・ベーペルコンの存在感が印象的だった。
くっそムカつくしイライラする展開ばっかりなんだけど文学作品として最高峰のレベルに位置しているのはわかる。不条理をありありと描いた小説。
若い頃でないと読み切ることが難しい。 それほど本書は読者に背景を理解するためのハードルを上げる。 宗教家と教師との長い論争は最たるもの。読者もまたその理解を求められる。
堪能しました。 人文学者で合理主義者、ハンス・カストルプの師であるところのセテムブリーニの長々しい語りだけでも充分興味深かったのに、彼に強烈なライバルが現れる。 イエズス会の会員であり、宗教のためならテロやむなしとするナフタ。 この二人がそれぞれハンスを自分の陣営に引き込もうと語る語る。 ふたり...続きを読むに挟まれた形のハンスは、お互いに極論ばかり言わないで、何とか妥協点を見つけることはできないのだろうかとこっそり思うくらい。 現在の日本に生きる私は、やはりセテムブリーニの言い分の方が近しいと思える。 人間の尊厳であるとか、文学が持つ力であるとか、注意深く政治を見つめることとか、経済の重要性とか。 神の前にはすべてが等しいというナフタの理論は一見素晴らしく思えるけれども、神のためなら自分の命も他人の命もなんということはないという、テロリズムを容認するような考えは、宗派を問わずとても恐ろしい。 けれど、それが宗教の中心にあった時代は確かに存在し、それはキリスト教だけではなく、日本にだってあったのだから、まさに人間の問題なのかもしれないと思えてしまったり。 この二人のやり取りで格段に面白くなってきたぞと思ったら、もっと上を行く強烈な人物ペーペルコルン氏登場。 とにかく主語と述語がかみ合わないというか、文章を最後まで言わないで次の文脈に進んでしまうので、読んでも読んでも何を言っているのかわからない。 実際にそばにいたら、絶対イライラすると思うけれど、よくわからないことを自信たっぷりに語る大金持ちでやりたい放題のペーペルコルンは、なかなかに憎めなかったりする。 それが、唐突に療養所に持ち込まれた蓄音機によって、音楽について語られる章があり、心霊術の章があり、終焉に向けて一気に物語が動き出す。 ドイツ人であるトーマス・マンにとって、民主主義は最初単なる政治形態にすぎなかったのだが、第一次世界大戦後に民主主義と人間性の尊厳が結びついたとき、ナチスに抵抗する者としてアメリカに亡命するに至るのだということを解説で読み、改めてセテムブリーニとナフタのやり取りが重みをもって迫ってくる。
読んだ。面白かった。長かったなあ。執筆に12年の歳月を要したとのこと。 心身にこたえたタイプの面白さです。 難解な哲学的思索・論争を展開するのみならず、そこかしこにユーモア・諧謔精神までもが散りばめられているのです。このウィットに富んだところがにくい。富野作品のザブングル(古い)を思い出したりしまし...続きを読むた。 「ファウスト」(未読)、「ツァラトストラ」(既読)、と並ぶ20世紀文学の名作と言われているらしいけれど、“三枚目”で好感が持てました。サンバルカン(古い)で言うところのバルパンサー(イエロー)感があったような無いような。
1924年に出版された小説にこんなに共感出来るなんて意外でした。「精神と肉体」だとか「生と死」だとか「愛」だとか「時間」だとか、そういったかたちのないもの、理屈で解明出来ないものとはやはりいつの時代にも不変のテーマなんですね。そしていつの時代の人々も、同じようなことを感じ同じようなことに苦しみ同じよ...続きを読むうな結論を出す。面白い。本当に面白い。
ナフタがとても好きだ。 現実的なのは病であとは精神的世界と教養的世界で語られていたように思う。 ナフタの最期とハンス・カストルプを目覚めさせた戦争がそれまでの世界とのギャップでくらくらした。 ナフタが出て来てから物語は飛躍的に面白くなったけど、上滑りしたら意味ないのでじっくり読んだ。 ...続きを読む作中語られるように確かに錬金術的物語だけど、重要なテーマの一つとなっている「時間」についてをあの魔の山の上で描くのなら理想的な長さの作品だと感じた。
長い。とにかく長い小説である。 作家というものは、とにかくいくらでも長い物語を物語れる稀有の人たちであるということを実感させられた。
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