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精神病の命名と分類に終始していた伝統的精神医学に対し、自由連想の採用という画期的方法によって症状の隠された意味を探る精神分析を創始して、二十世紀文学にも多大な影響を与えたフロイト。本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の記録であり、明快な論旨の進め方、啓蒙を目的とした対話的手法で書かれた最適の入門書である。
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Posted by ブクログ
やっと手を出した。そんで、疲れる読書を少しでも力にできるよう、読みながらメモったものを書く。 第一部錯誤行為 序論だけに、科学的思考と精神分析を説明し、自己の体や意識の反応を『偶然』と切り捨てない精神分析の説明も兼ねる。この時代に今まで生きてきて「無意識が存在する」という知識があるためか、少...続きを読むしくどい。っつーことで内容は略。 しかしそれだけに、ここまでの反復が必要な時代であったことも感じられる。科学(と当時から認められていたもの)の道を通って得た科学的手法とその経歴を以て、曖昧なものを平易に、しかし数字を用いられずに十分な説得力を持った言葉で語る。この繊細なものを手に取ることができた天才と、実務的な能力を持つ有能な人間が同一人物であったこと。そのフロイトの凄さは、間違いなく人類を進めたんだろう。 引用→「抑えつけられた意向は、語り手の意思に反して言葉となって口を衝いて出ます。語り手の承認した方の意向の表現を変え、あるいはその表現と入り混じって、あるいはこれと入れ換わって言葉に出てくる」 第二部夢理論 「夢は、眠りを妨げる(心的な)刺激(願望)を幻覚的な意思によって排除する」 それが夢を歪曲し、理解しがたいものにする。脳中枢は夢を検閲し、歪めたり忘却させたりささやき声で抵抗し、我々が無意識の要素へと辿り着くのを阻む。しかし夢も、検閲から文章を守る新聞記者のように、メタファーや相似な状況などで検閲のチェックを素通りさせることもあるという。 検閲対象となるものを「快感追求の努力――すなわちリビドー」が、すべての倫理的な束縛から解放された自我が好き勝手に選び、我々の美的感覚が非としてきた性的欲求やあらゆる倫理的な規制の要請に反するものだ。 人間が持つ悪性は人間として正当でなくても。生物として正当であり、その個人の美意識や倫理観とは別個のものである。そういった生物であることに罪悪感を抱きたいというのは不当であり、ただそのままに受け入れるべきもの。プラトンの「善人とは、悪人が現実で行っている行為を、夢で見て満足している人間である」という言葉以外の、なにものでもない。 この部は、まさに読む目的としていた「曖昧だった知識をより確かにする」ことに合致した部だった。すごく面白い。 ・夢に登場する象徴的意義はほとんどが性欲であることについて 「フロイトは性欲に重きを置きすぎている」という言葉を何度か聞いていたせいか、最初はそう感じる。しかし、重ねて考えるべき「夢のルールと倫理観や社会的道徳は独立的」に視線を向ければ、違和感なく納得できる。さらに、性愛という根本を意識した労働体系は古代から考えられていたこと、その性愛を以て労働という生活に必要な作業に従事する中で、コミュニケーションの場となり、言語は飛躍的に発達したことも想像に難くない。多くの単語が男根や女性器を象徴することも、そう考えれば納得できる。 ☆「(脳が)潜在夢を顕在夢に置き換える働きこそ、夢の作業である」 (夢の作業と逆の方向をたどり、顕在夢から潜在夢に到達しようとするのが、解釈作業) ・人間の原始性、動物性を幼児性から語る 倫理観、社会的美的感覚を幼児は持っておらず、排泄物や近親への性愛にも嫌悪感を持たない。よって、兄弟姉妹の死をも望める。また、両親への愛も、最初に愛するのではない。自分に必要だから愛するという、エゴイズムから愛し、やがて自然に愛することが出来る。嫌悪感も身につける。 ・悪夢や不安な夢も、願望充足で説明できるもの 失敗や途中での覚醒(喉の渇きは起きなければ満たされない)もあり、そもそも顕在夢は潜在夢を歪曲したものであり、その歪める手法はすり替えや反転が多い。 第三部神経病総論 患者には特定の無意識的過程が存在しており、その過程こそ症状の意味を内包している。この意味が意識されていないことが必要で、意識的過程からは症状は形成されない。無意識的過程が意識されれば症状は消滅せざるをえず、それが精神分析の治療手法である。 神経病の原因・成立=リビドー固着による素因+偶然的体験
自我とは自分の意識のことであり、意識は理性でコントールできる。自分の行動は自分の意識で理性的に決めている。デカルト 意識された部分(理性や合理性など)は表層的なものに過ぎない。自我の意識の活動にのぼらず、自覚されていない心の奥底がある。無意識。潜在意識。無意識の内容は夢などに現れ、起きているときは...続きを読む意識の底に沈んでいる▼幼い子供にあるのは本能的な欲動だけ。成長するにつれ本能的な欲動を抑える道徳・社会規範を身に着ける。「自分」という意識(自我)が生まれ、本能的な欲動と道徳・社会規範とのバランスを取れるようになる。本能的な欲動が充たされないとき、人は社会的価値の高い欲求に置き換えて昇華させる(芸術など)▼男性が母を愛の対象とし、父親を殺そうとする願望(エディプス)。女性が父を愛の対象とし、母親を殺そうとする願望(エレクトラ)。兄弟間の敵対感情(カイン)。人を救済することで自分の存在意義を得ようとしたり、相手よりも優位に立とうとする(メサイヤ)。ジークムント・フロイトFreud『精神分析入門』1916 西欧の錬金術の図は曼荼羅に似ている。各国に似たような模様がある。各国の神話も共通点が多い。人間ひとりひとりの無意識のさらに奥底に全人類に共通した集合的な無意識があるのかもしれない。ユング『自我と無意識』1934 雨が降っているとき、雨と闘ったり、負かそうとしても無駄だ。今、あなたは雨と闘って時間を費やしている。雨に勝っている、と思っている。しかし、他の誰よりも、あなた自身を害している。アルフレッド・アドラー『人生の意味』1932 被収容者はショックの第一段階から、第二段階である感動の消滅段階へと移行した。内面がじわじわと死んでいったのだ。 感情の消滅や鈍磨、内面の冷淡さと無関心。これら、被収容者の心理的反応の第二段階の特徴は、ほどなく毎日毎時殴られることにたいしても、なにも感じなくさせた。この不感無感は、被収容者の心をとっさに囲う、なくてはならない盾なのだ▼忘れられない仲間がいる。誰もが飢えと重労働に苦しむ中で、みんなにやさしい言葉をかけて歩き、ただでさえ少ないパンのひと切れを身体の弱った仲間に分け与えていた人たちだ。そうした人たちは、ほんの少数だったにせよ、人間として最後まで持ちうる自由が何であるかを、十分私たちに示してくれた。あらゆるものを奪われた人間に残されたたった一つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由である。ヴィクトール・フランクルFrankl『夜と霧』1946
錯誤行為、夢判断、神経症総論の前半を収録した上巻であるのが本書。それにしたって、分析によって突き止められるのは大体において性にまつわることだっていうのが、本当かなという思いとそうだそうだという頷きが半々に生じるようなことでした。100年前のものだけれど、性に対して現代的に取り組んでいて、いまもなお古...続きを読むびていないです。それはわいせつ性だとかタブー視とか、現在にもそのまま残っているものだし、そんななかでこれ以上進展しないところ近くまで研究した、フロイトの先鋭性があるからだと思いました。性は、生殖の妨げにならないようなバランスのとれたところでは、その分析は完成しているのかもしれないです、そう思いました。
夢に関する部分がほとんどでこの部分はあまり興味は無かったけど精神分析に必要なステップだと言い聞かせてなんとか読み通した。全体を通じて性的な事柄の記述が多かったので驚いた。
心理学や精神のほうに進もうと 考えていた時期が会ったので、これも 高校のときに読んだ。大変だった。 逆にユングのことを知っていけたのは 自分にとって幸運だった。
往年の名著、精神分析入門です。 難解としか言いようがない・・・ 大家でなければ読もうとも思わない作品ですね。 ただところどころ「なるほど」と思わせる場面がありました。 そういう意味でも原著に当たるのは価値があるかと
上下巻 いうまでもなく必読書。 ただし、フロイトは性的虐待は幻想であると言っています。時代の限界かな。
本書は心理学における古典的入門書である。夢の象徴的表現は、思った以上に多彩で、性と関連されることがわかる。上巻では「エディプスコンプレックス」の言及もあり、幼児の性行動について考察される。
言い間違いとは如何なる場合においてもその人の無意識の本心を表しているという事らしいが、本の中で示されている例がたまたま何れもそのような事例であると言うだけのような気もする、反例の検証がどの程度されているのか不明。それに、本心と言うのがどのような条件下で成り立つものなのかも具体的に検証してあげないと間...続きを読む違えた人達が可哀想。 フロイトも触れているように、抽象化すれば、どのような言葉であっても本心という定義に該当し得るのではないか。例えば、馬車でどこかへ向かう女性にドイツ語でお供しますと言うはずのところを卑猥な言い間違いをしてしまった事例について、その個別の女性に対して卑猥な気持ちを抱いていた訳でなくても、たまたま前日の夜にそのような仲間内での恋愛話の中で聞き齧った卑猥な話題が印象に残って居ただけでも該当し得るのでは、等。 なお、フロイトの分析はあくまで感情なり夢を見る本人の無意識がどのように影響するかという話で、外部要因については想定しておらず、一切分析していない模様。 とは言え、精神分析の重要古典であることは間違いないので、ちゃんと記憶に留めておきたい。
今月の4冊目。今年の11冊目。 大分前に買っていた本を読み終わりました。 正直下巻は読む気はおきません。フロイトの言っていることは面白いのかもしれません。また、同時代的にほかの著名な人と比べてみると面白いかもしれません。しかし、読んでいて、共感ができないところがあったので、最後のほうはじっくり読む...続きを読むことなく、目で追っていく感じでした。
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精神分析入門
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ジークムント・フロイト
高橋義孝
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