高橋義孝のレビュー一覧

  • 変身
    中学生の頃から再三読み返して、その度に新しい解釈が生まれてくる興味深い作品です。
    あるときは主人公を憐れみ、あるときは家族に同情し、そしてまたあるときは自分が虫になっていないか不安になり、その都度心模様が七変化していくのが面白い。
  • 変身
    シュルレアリスムのお手本のような一冊だった。
    グレーゴルの立場になることは(もちろん虫になることは中々無いだろうが)或いは現代社会であろうが全然あり得る事だし、家族視点からのハッピーエンドがリアリティを際立たせていた。
    主人公の物理的「変身」が、どう他者を「変身」させていくかを緻密に書いた作品だと感...続きを読む
  • 変身
    変身、主人公は冴えないサラリーマン、可愛い妹、というラノベ要素に溢れてるのだが、出オチしてグダグダになるのが、カフカらしい。別にカフカはラノベやSFを書きたいわけじゃないのでこれでいいのだが。
  • 変身
    この本をいつか読もうと思ったのは、いつだったか。おそらく、もう20年くらい前から思っていたような気がする。この本のことを知ったのは、養老孟司の本のどれかを読んだ時からだったと思う。すなわち、人は変わるものだということが、この本の主題だ、と養老先生がこの本に言及することがあったのだ(たぶん、いくつもの...続きを読む
  • 変身
    久しぶりに読みたくなって数十年ぶりに読んだ。長い本ではないのでまた読むだろう。たまに読みたくなる。視点が面白い。とても不条理。
  • 変身
    最後までザムザが人間に戻れなかったのが可哀想すぎて鬱。あまりにも不気味だったけど読んでいて本当に面白かった。
  • 変身
     とても読みやすかったです。

     主人公がひたすら可哀想。なんであんなに家族を思いやって、頑張ってきた若者が、虫になって悲痛な思いをしなきゃいけないんですか。

     最初は優しかった妹が、月日を跨ぐにつれ、冷たく、逞しくなっていった。 いいことではあるのだけれど、けれど…

     最後に、女中が何か言いた...続きを読む
  • 変身
    社会とか他者とかから、どう思われてるのかをあんまり気にするな!と言われても、でもどうしても関わりあって生きていかなければいけず、そこから逃れることは生きている以上、生に囚われている以上、できないのだろう
  • 魔の山(下)
    主人公ハンス・カストルプの高地国際療養所での周囲との交流と成長を描いた小説、
    とあらすじはシンプルだが登場人物たちの議論や言動の濃密さとその影響を受けてハンスが精神的に変化していく様は圧倒的な描写で流石にビルドゥングス・ロマンの大傑作。忘れられない読書体験。人間関係のさまざまな側面、自然、病、科学、...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    この小説は、ウェルテルの手紙と、手紙をまとめた編者が調べた内容によって構成されている。
    ウェルテルの手紙だけでは分からなかった事実が、編者によって明らかにされていく。

    悟ったようなことを言ったかと思ったら、ロッテへの想いに浸り、欲望を押さえ込むのに必死でぐちゃぐちゃになってしまう。
    そんなウェルテ...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    『ファウスト』と並ぶ、ゲーテの代表作にして、近代文学の傑作である。アイドルオタクの私の心はズタズタに切り裂かれた。

    繊細で恋愛を知らない若貴族ウェルテルが、法官の娘シャルロッテに空前絶後の恋に落ちてしまう。しかし、シャルロッテには既にウェルテルすら尊敬してしまう許婚がいたのである。

    伝統や風習、...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    アラフォー既婚の私が読んだので、どうしてもロッテの立場を考えてしまう…。
    この後ロッテはまともに生きていけるの?女の人って精神的に強いから大丈夫かな。

    もっと若い頃に読んだらどんな感想を持っただろうか?ウェルテルに共感する部分が多かったのだろうか?ウェルテルの熱い情熱にひきつつも、人間の内面を深く...続きを読む
  • 変身
    ⚫︎受け取ったメッセージ
    誰でも虫になり得る


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    これはお父さんとお母さんを殺しちゃうわ、そうですとも。

    朝、目をさますと巨大な虫に変っている自分を発見した男―― グレーゴル・ザムザ。第一次大戦後のドイツの精神的危機を投影した世紀の傑作。

    ある朝、気がかりな夢か...続きを読む
  • 変身
    突然毒虫になってしまった主人公が、最初は思いやりを持って家族と接しようとしていたが、家族はまず第一に恐怖を感じるため、まともなコミュニケーションが取れず、次第に主人公の部屋の掃除をお手伝いさんがするようになり(家族の直接的な関わりがなくなり)、部屋がガラクタ置き場になり、最後は、主人公は食事が喉を通...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    (2023/07/18 2.5h)

    三島由紀夫が影響を受けたというゲーテ。
    その一旦が垣間見える。
    ゲーテ自身が自死するのではなく、ウェルテルの自殺ということで昇華する作家としての素晴らしさ。
  • 魔の山(下)
    最後に至るまで思弁的で、冗長で、密度が高く、読むのが辛かった。

    しかし、読み終わって思索してみると、ハンス・カストルプの凡俗さに人間存在の危うさが垣間見れる力作であった。

    女性の描かれ方が考えさせられる。観念、理性が男性に割り振られ、情緒、感情が女性に割り振られている。

    ショーシャが連れ戻って...続きを読む
  • 変身
    初めてよんだのは中学生のときです。
    その時も、おもしろいと思っていたのですが、
    大人になって読むと、おもしろいというか、すごく良く出来た話だと思うようにならりました。
    この本について、アメリカで翻訳の仕事をされてる、ゆかりんという名前のYouTuberの書評がとても良かったです。
  • 若きウェルテルの悩み
    あそこまで純粋に感情を表現することができる主人公がある意味で羨ましくも感じてしまいました。この本が発表された当時の読者に自殺者が急増したという事実を知って、当時の人々の感受性の鋭さに驚きです。
    淡々と日々を過ごしてしまっていたので、もっと自分の感情に素直になろうと思える素晴らしい1冊です。
  • 若きウェルテルの悩み
    10代・20代のうちに読んでおかなくてよかった。
    確実に病んでいたと思う。。

    最後の朗読の場面、難解だったけどとても美しい情景だと思いました。
  • ファウスト(一)
    長らく積んでいた「ファウスト第一部」ようやく読みました。思っていたよりも読みやすく、楽しく読めました。「神は、自分だけは永遠の光耀の中にいて、われわれを闇の中へ追いやり、そしてあなた方には昼と夜、つまり世界の半分を与えたのだ」「貴様もいつかきっと自分が神に似ているのが怖くなるだろう」このふたつのメフ...続きを読む