高橋義孝のレビュー一覧
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洗練された美しい文章がすごく良い。
苦しいほど切実な恋心が言葉を変えながらたっぷり200ページで描ききられていて、まるで演劇を観ているようだった。
「不機嫌というやつは怠惰と全く同じものだ。」という言葉に感服した。
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ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する……。
多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追究し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約をこえる普遍性をもつ。 -
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※追記予定
ログライン
・人妻のロッテに恋した若きウェルテルが、葛藤し悩んだ末、自殺を選択する話。
構成
起:ロッテとの出会い
承:人妻に恋する葛藤。ロッテを忘れようとする
転:自分にはロッテしかいないが、叶わぬ恋にもがき苦しむ
結:皆が幸せになれる残された手段が自殺だと結論づける
技法
・書簡体小説
私自身、書簡体小説を読むのは初めてだったので、これを技法に入れていいのか迷ったが、個人的には目新しいモノであったのでここで書かせてもらう。主人公の手紙で物語が進むので、内面的描写が必然的に多くなっており、それが本作の内容とマッチしていると思う。また手紙の送り先が親しい友人であり、本音を伝える描写が多くなっていた。
・作中に編者が出てくる
本作は2部構成で、2部半ばから「編者」という第三者目線で物語が進む。編者がウェルテルの手紙と共に、状況説明を添えてくれる。この編者は現実世界での編者(編集者)という意味ではなく、物語上での編者である。この編者を出すという発想が凄く面白い。手紙を元に物語が進む「書簡体小説」では、主人公視点でしか物語が見えないため、どうしても内容の偏りが出てしまう。けれど、編者という第三者を出したことによって状況整理がされ、物語の深みを更にコクした。
作品の売り
・画期的かつ普遍的である内容と内的告白の書簡体小説
当時の18世紀からしたら画期的であった内容の小説だが、その内容は誰しもが感じたことのある普遍的出来事でもあった。更に内的告白という書簡体形式も相まって、人々の共感を多く寄せた。
どうして売れているのか
・散文小説における悲劇文学の先駆者
本作の解説部分にも書かれているが、出版された18世紀では芸術や文学の本質的機能は「人を楽しませることと有益であること」とされていた。そんな中で、恋愛の葛藤による自殺という題材は画期的であった。今でこそネットが発達して共感する場面が多いが、当時からしたら手が届きそうで届かない痒いところを掻いてくれる作品だったのだろう。だからこそ、主人公の考え方に共感と賛同し、後を追うように自殺し「精神的インフルエンザの病原体」とまで言われた。
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個人的感想
評価 ★3.8
・まさにタイトル通り(若きウェルテルの悩み)の内容であった。ウェルテルに感情移入はあまり出来ないが、気持ちは痛いほど分かる。というか伝わってくる。本作は手紙形式で進んでいくので、読者としてはウェルテルから手紙を受け取る友人目線で物語が進むので、必然的かもしれない。正直、私は1回読んだだけでは全てを理解することが出来なかったので、もう1度読み直し、再び感想を書きにここに来る。 -
Posted by ブクログ
1700年代の詩人、ゲーテの代表作の一つ。
若きウェルテルは見た目麗しく、社交も才覚も備えており、周囲からも寵愛を受けていた。
そんな優秀な若者であるウェルテルはある日、ある女性に恋をする。
しかしその相手は既に夫がいる。
それでも止められない自分の感情に苦悩し、その悩みはどんどん深まっていく。
ここまで深く思慕できる相手に巡り合えたのは幸福であると言えるかもしれないが、決して実らない恋に精神が崩壊されるのであれば、本人の魅力が乏しく容易に相手にされなくなる方が幸せだったのかもとも思える。
おそらく10代後半か20代前半の若者だから仕方ないかもしれないが、ちょっとあまりに情動に左右されすぎて周りが見えてないので、元々精神的に不安定なものを抱えた主人公だったのかもしれないが。
容易に不倫するような人に読ませたい本ではある。
現代でも人の心の動きとして学ぶことのある本であった。 -
Posted by ブクログ
青春の心の変遷、揺れ動き、感情の起伏、恋の嵐、など追体験しているようにすらすらと読み進められた。最後の神々のたとえ話のところは読みづらかったので飛ばした。
ウェルテル効果ってこんな感じなのかってほんのちょっと感じたようなしないような。
読み進めながら、どこまでもシャルロッテの人となりを想像し、読み進めていたが、何とも言えないって感じ。作中にてウェルテルが書き記す手紙の中でいくつか真に迫る描写があったが、多くのことを学び考えさせられた。
幸せは、分別がつく前か、狂った後にしかなじまない。なるほど。たしかに。
現代社会に生きる自分たちにとっても多くのことを現実に即して学べるし、この先もずっと読み続けられるのだろうと確信した。人がいない時期に遠い田舎や歴史あるところに出かけて行って、太陽や森、あらゆる生命に囲まれて、この物語をもう一度読んでみたい。どんな気持ちがするだろう。 -
Posted by ブクログ
ウェルテルの思考が情熱的で芸術的であるがゆえにウェルテル自身の悩み、嫉妬などの暗い感情がこと細やかに書かれていた。
もう少しウェルテルがさっぱりした性格であったならこんなに悩んだりすることは無かったのかな。
ロッテと似たような感性を持ち合わせていたり、その性格ゆえに恋に対して悩みすぎてしまったり、途中から恋を一線越えた執着や嫉妬による苦しみが多く書かれていて読み手の自分も痛かったし辛かった。
時代や国を超えど恋に対する悩みとか苦しみは変わらない。
読むタイミングとか自分の精神状態とかによったら病んじゃうかも。
一読だけじゃ中々頭に入らなかったから再読して、より内容を噛み砕いたら本当に苦しんでしまいそう、あらすじを読むだけで来るものがある。
また読み返したい。 -
Posted by ブクログ
ゲーテのヴィルヘルムマイスターと並ぶドイツ教養小説の名著。1924年作。
主人公ハンス・カストルプはスイス山奥のサナトリウムでの療養という非日常の世界で、出会い啓蒙喪失葛藤を通して成長していく。
思想、政治、イデオロギー、宗教、哲学、文学、オペラ、自然科学、神秘体験等とにかく広範なリベラルアーツや当時の西洋アカデミズムに触れることができて面白い。西洋でいう批評精神批判精神がどういうものかもよく分かる。が、上下巻1400ページにわたる大著、博覧強記の教養、読み終えるのに苦労しました…
さて、下巻。
いとこで親友のヨーアヒムの臨終の場面はとりわけ迫真で胸に迫る。大人物ペーペルコルンとの出会い対決別れ、憧れの女性ショーシャ夫人との別れを経て、霊感の強い少女ブラントを霊媒に死んだヨーアヒムと再会するが、非業の死を遂げた親友を無理やり呼び出したところでかける言葉などあるはずもない。二人の師の決闘によりナフタは自ら命を絶ち、庇護者である大叔父も死ぬ。失意と諦念の中、主人公は第一次大戦の戦火の中に飛び込んでいく。
この作品は無垢な青年が病い戦争個人的な不幸に翻弄されていく悲劇の物語ではあるが、彼もまた第一次大戦やその他多くの戦争で死んだいった多くの若者たちの一人に過ぎない。主人公ハンスが、自分も他者をも正当化しない潔さというようなものを獲得したということを一つの希望にしたい。