ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
追求の精神の権化ファウストは、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。享楽と頽廃の宮廷から冥府に下った彼は美の象徴ヘレネーを得るが、美はたちまち消滅してしまう。種々の体験を経た後、ついに彼は、たゆまぬ努力と熱意によって、人間の真の生き方への解答を見いだし、メフィストーフェレスの手をのがれて、天上高く昇る。文豪ゲーテが、その思想を傾けつくした大作の完結編。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
1~2件目 / 2件
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
571P 『ファウスト』は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作であり、ドイツ文学の金字塔とされる悲劇です。ゲーテが約60年をかけて完成させたこの大作は、彼の文学的成長と哲学的思想が反映されており、特に人間の欲望、道徳、救済、そして死後の世界に関する深い探求が行われています。『ファウスト...続きを読む』は、全2部から成り立ち、非常に複雑で多層的な構造を持っています。 あらすじ 第一部 『ファウスト』の物語は、学者であるファウスト博士が登場するところから始まります。ファウストは自らの知識に満足せず、人生の意味を求めて絶望し、死にたいと思っています。その絶望的な思いの中で、彼は悪魔メフィストフェレスと契約を交わします。メフィストフェレスはファウストに対して、地上の快楽を提供し、最終的には彼の魂を引き取ることを約束します。ファウストは若返り、さまざまな冒険や恋愛を経験しますが、最終的には彼の追い求めた快楽や自己中心的な欲望が破滅的な結果を招くことになります。 第二部 第二部では、ファウストの精神的成長と探求が描かれ、より哲学的かつ象徴的な要素が強調されます。ファウストは数多くの時代や場所を旅し、神々や精霊との対話を通じて、自らの存在意義を求めます。最終的に、ファウストは自己超越を果たし、天国への昇華を迎えることになります。彼の魂は、単なる自己中心的な欲望から解放され、神の恩寵を受け入れることで救われます。 主なテーマ 1.人間の欲望と追求 『ファウスト』は、人間の欲望とその限界を描いています。ファウストは知識、愛、快楽、力などさまざまなものを追い求めますが、その追求がどれも満たされることはなく、最終的に彼は魂を失う危機に直面します。ゲーテは、人間が持つ無限の欲望と、それがもたらす破滅的な結果を描きながら、最終的には人間の精神的な成長と道徳的な探求が重要であることを示しています。 2.善と悪、メフィストフェレスの役割 メフィストフェレスはファウストの悪魔的な側面を引き出し、彼を誘惑する存在ですが、同時に物語全体を通じて道徳的な対立と成長を促す役割も果たします。メフィストフェレスはただの悪役ではなく、ファウストの成長における重要な試練を提供し、最終的に彼の救済に貢献します。この二元的な性格が『ファウスト』の哲学的な深みを生んでいます。 3.救済と人間の精神的成長 『ファウスト』の核心テーマの一つは、救済と人間の精神的成長です。ファウストは物質的な成功や快楽を追い求める一方で、最終的には自己超越を果たし、精神的な救済に至ります。ゲーテは、知識や物質的な成功を追求することだけが人生の目的ではなく、精神的な成長と人間の内面的な探求が最も重要であると伝えています。 文学的影響 『ファウスト』は、その哲学的・文学的な深さから、後世の作家や思想家に大きな影響を与えました。特に、カフカ、ニーチェ、ヘーゲルなどがその思想を取り入れ、また音楽や演劇にも多大な影響を与えました。例えば、メフィストフェレスのキャラクターや「ファウスト的」という言葉は、文学や哲学で広く使われるようになり、人間の限界と欲望を描く上での重要な基盤となっています。 結論 『ファウスト』は単なる悲劇ではなく、人間の存在や道徳、知識、愛、救済についての深い哲学的探求を含んだ文学作品です。その多層的なテーマや構造、キャラクターの心理的な描写は、ゲーテの人生と思想の集大成として、今もなお多くの読者や学者に影響を与え続けています。 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年-1832年)は、ドイツの詩人、小説家、劇作家、科学者、政治家であり、ドイツ文学や哲学における巨人として評価されています。ゲーテの幅広い知識と深い洞察力により、彼の作品は文学だけでなく、自然科学、哲学、美術など多方面にわたって影響を与えました。代表作には、『若きウェルテルの悩み』や『ファウスト』があり、ロマン主義やドイツ古典主義を代表する作家です。 生涯と活動 ゲーテはドイツ・フランクフルトの裕福な家庭に生まれ、幼い頃から文学や語学に触れて育ちました。法学を学び、その後も詩や劇、小説を執筆しながら、自然科学の研究にも没頭しました。特にヴァイマル公国の宮廷に仕えた時期には、政治や行政にも関わり、同地で多くの重要な作品を生み出しています。 主な作品 •『若きウェルテルの悩み』(1774年): 若者の激しい恋愛とそれに伴う苦悩を描いた書簡体小説です。実際の失恋体験と友人の自殺をもとにしたこの作品は、発表後に爆発的な人気を呼び、ヨーロッパ全土に「ウェルテル旋風」を巻き起こしました。この作品は感情表現の自由を強調したロマン主義文学の先駆けとされます。 •『ファウスト』: ゲーテの生涯にわたる大作であり、2部構成の悲劇です。学者ファウストが悪魔メフィストフェレスと契約し、知識と快楽を求めて冒険する物語で、人間の欲望や救済、善と悪の概念が深く掘り下げられています。この作品はドイツ文学の頂点と見なされ、多くの作家や芸術家に影響を与えました。 •『イタリア紀行』: ゲーテはイタリアへの旅を通して古典主義への関心を深め、古代ギリシャやローマの芸術に触れ、自然の美しさや感性を重視する姿勢を確立しました。この旅での体験が彼の作品に大きな影響を与え、後期のゲーテの美意識を支えました。 自然科学への関心 ゲーテは文学だけでなく、自然科学にも強い関心を抱いていました。特に色彩理論を追求し、『色彩論』を発表しました。この中で、ニュートンの光学理論に反対し、色は光と闇の相互作用から生まれると主張しました。また、植物学や解剖学の分野でも研究を行い、植物の「原植物」や骨の「中間顎骨」などに関する理論を提唱しました。 ゲーテの影響 ゲーテの思想と作品は、ドイツ国内外の文学や哲学に多大な影響を与えました。彼のロマン主義的な感性と古典主義への傾倒は、後のドイツ文学やヨーロッパ文学における重要な基盤となり、ニーチェやトーマス・マン、フリードリヒ・シラーといった作家や思想家に大きな影響を及ぼしました。また、ゲーテの作品は音楽や美術など他の芸術分野にもインスピレーションを与え続けています。 ゲーテの遺産 ゲーテは、個人の内面的な葛藤や、人間としての成長を描き出す作品を通じて、普遍的な人間性への洞察を深めました。その思想と文学的手法は、現代でも文学研究や哲学、芸術の分野で参照されており、彼の名前は「ドイツ古典主義」の象徴として語り継がれています。
1巻執筆からかなり時間が空いてしまったせいか、なんかテイストが違うような・・・老齢に差し掛かったゲーテの思想的・教養的深みの大きさを感じさせます。劇作的な面白さは1巻のほうがよかったかな…これ、いちおう戯曲ですから。演劇ですから。 古代の美女ヘレネーに懸想したファウストが、はるか神話の世界まで飛んで...続きを読む行って~とかどんだけ荒唐無稽なの てかグレートヒェンに対して悪びれもせずそういうことしちゃうんだ・・・まあ悪魔に取りつかれてる男ですから、さもありなん といったところでしょうが 古代時代はちょっとおもしろかったですね ゼウス、セイレーン、ポセイドン、ヘラクレス、ホムンクルス、ケイローン、トリトン etc 聞いたことのある、西洋の妖精・怪物・神話上の人物が続々でてきます。想像しながら読むのは楽しい。 皇帝の信任を得て地位と富貴と名声を手にしたファウストが 最期に、禁断の言葉を口にしてしまうあたりはドラマチックで素敵でした・・・!常にひたむきに努力し、向上しようとするものは、天から救いの手をさしのべられる・・・救いのある物語じゃないですか 天に召されてゆくファウストの最期に、詩聖ゲーテのヒューマニズムを見た。(にしてもメフィストかわいそすwww)
2011.01.25- 悪魔の力で最も美しい時を過ごしそれを失い、この世の栄華を極めようとするファウストだが、進めば進むほど彼の世界は混乱していく。苦悩の果てにたどり着いた人生の真理は、他者のために生きること。「今この時」に自分のすべてを忘れて没入することだった。そして真理にたどり着いた魂は、悪魔の...続きを読む手を逃れて天使と共に昇っていく。 メフィストーフェレスが面白い。悪魔も大変なのね(笑)。 自分が決めて行動した、その結果がどうであろうと受け入れる。それが責任を持つということ。それがどんなに辛くても、苦しみの先には救いがあるとゲーテは言っている。たぶん。
―「・・・まあお考え遊ばしませ、蛮族が押し寄せて国と民とを滅ぼしましたあの暗黒の恐怖時代には、恐ろしさのあまりに誰彼が、自分の一番大切なものを、ここ、かしこに埋め隠したのでございます。豪勢なローマの時代からしてもうそんな風でございましたが、その後とても同じこと、昨日もしかり、今日もしかりなのでござい...続きを読むます。そういう金銀はすべて地中にひっそりと埋もれております。ところで、土地はどなたのものでございますか。陛下のものではございませんか。さすれば地中の財宝は誰あろう陛下の有に帰すべきものでございます。」
1と違って2の方は場面や登場人物もころころ変わって入り込み辛かったが、最後は大円団で終わって読後感良かったです。
この本は難解で言いたいことがよく分からなかった。何故最後に天上高く昇っていくのだろうか?ところどころギリシャ神話の神が出てくるのでキリスト教とギリシャ神話の理解が前提になっているのだろうか?
ゲーテが生きた時代への風刺など、 理解できたとは言えないが、 壮大な物語の構造、巧みなセリフ回し、 時折、挟まれる深遠な詞章、 時代を越えて読み継がれるのも わかる名作。10年後、読み返したい。
文豪ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。第一部は1808年、第二部は1833年(ゲーテの死の翌年)に発表された。 15~16世紀にドイツに実在したと言われる高名な錬金術・占星術・魔術師ファウスト博士が、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説をベースにしている。 ゲーテは文人であ...続きを読むるとともに、自然科学者、政治家、法律家でもあった万能人で、代表作『ファウスト』においても、その思想・人生観が随所に表現されている。 (6265行)ファウスト「母の国。その言葉をきくたびに、何かはっとさせられる。なんとしても耳にしたくない言葉だ。・・・それでも己は物に動じないということを必ずしもいいことだとは考えないのだ。驚く、これは人間の最善の特性ではあるまいか。世間はこの「驚き」という感情を味わわせてくれないようになってきたが、驚き撃たれてこそ、巨大な神秘に参入しうるのだ」 (11936行)天使「絶えず努力して励む者を、われらは救うことができる」 (12104行)神秘の合唱「すべて移ろい行くものは、永遠なるものの比喩にすぎず。かつて満たされざりしもの、今ここに満たさる。名状すべからざるもの、ここに遂げられたり。永遠にして女性的なるもの、われらを牽き手昇らしむ」等 一般に言われているように、第二部は冗長な感は免れないし、主題もわかりにくく感じられるが、それはおそらく第一部から一貫する「世界を奥の奥で統べているもの、それが知りたい、また世界のうちに働く、力と元素のすべてを見極めたい」(382行)というファウスト(=ゲーテ)の思いであり、その根源とも言えるのが「母の国」なのではあるまいか。 現代においては決して読み易い作品とは言えないが(しかも、第二部は500頁弱ある)、ゲーテ自身の人生観を示した代表作として、一読する意味はあるように思う。
ギリシア神話ネタ満載の古代ワルプルギスの夜。1巻よりも難しく、ゲーテの教養の深さを感じられる。ファウストの欲求がますますエスカレートするが、年を取るにつれ考えが変わるとこが意外だった。オチも自分の予想とは違った展開で一本取られました天使様、あまりメフィストをいじめないでー。
有名だし、何か高尚なイメージを持ってたけど、読んでみると結構読みやすいしユーモアがあって、娯楽としていいなと思いました。ギリシャ神話とかの教養もつくし、一行が短いので厚さほど長くはないです。原語でよめば、韻律とかすごいのかもしれないけど、ハードルが高い。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ファウスト
新刊情報をお知らせします。
ゲーテ
高橋義孝
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
ファウスト 1
試し読み
若きウェルテルの悩み
変身
トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
粋と野暮のあいだ
イタリア紀行(上)
大人のしつけ 紳士のやせがまん
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ファウスト(二) ページトップヘ