高橋義孝のレビュー一覧

  • ファウスト(一)
    とても美しい文章でおもしろく読めたんだけど、
    解説で盛大に第2部のネタバレしてるのはどういうつもりなんだ!
  • 魔の山(上)
    ハンス・カストルプは、ダボスのサナトリウムで療養中のいとこを訪ねたが、滞在中に病に罹り、そこでの長期療養を余儀なくされる。療養生活の中でショーシャというロシア婦人に思いを寄せるようになり、謝肉祭の夜に告白する。しかし、それは彼女が翌日サナトリウムを発つという日であった。
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    大作「魔の山」の前に、トーマス・マンの雰囲気をつかもうと思って読んだ。「ヴェニスに死す」は別の訳で読んだので割愛。「トニオ・クレーゲル」は魔の山を読む前に読むには丁度いい小説だと思う。多少、観念的で暗中模索気味な読書になるが、読み通せば感じるものはある。傷口が拡がるような感覚じは読み通して良かったと...続きを読む
  • ファウスト(一)
    文豪ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。第一部は1808年、第二部は1833年(ゲーテの死の翌年)に発表された。
    15~16世紀にドイツに実在したと言われる高名な錬金術・占星術・魔術師ファウスト博士が、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説をベースにしている。
    ゲーテは文人であ...続きを読む
  • ファウスト(二)
    文豪ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。第一部は1808年、第二部は1833年(ゲーテの死の翌年)に発表された。
    15~16世紀にドイツに実在したと言われる高名な錬金術・占星術・魔術師ファウスト博士が、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説をベースにしている。
    ゲーテは文人であ...続きを読む
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    トーマス・マン。
    とにかく長大・重厚な作品を書いた大作家という印象だが、本書は比較的ボリュームの軽い、中編を2編収める。
    とはいえ、ここにも「過剰なる叙述の片鱗」と言ってもいいような、詳細かつ細部に分け入っていく、畳みかけるような描写がある。
    2編に共通しているのは、「決して混じりえぬものへの憧憬」...続きを読む
  • 精神分析入門(上)
    以前危険なメソッド観たらユングがやばくてフロイトはまともに見えなくもないんですが、これ読むとやっぱり「なんやこいつら…」になりますね。我々は夢というと脳科学に結びつけがちなんじゃないかと思いますが、夢がある意思に基いて構成されているのも経験上確かなことで、そこを考え抜くのが本書の内容なのかもしれませ...続きを読む
  • ファウスト(一)
    全編が詩のように美しく、日本語もこなれていてすらすらと読める。グレートヒェンの悲劇が痛ましく、錯乱した彼女の言葉は胸をつく。
    (2015.6)
  • ファウスト(二)
    ギリシア神話ネタ満載の古代ワルプルギスの夜。1巻よりも難しく、ゲーテの教養の深さを感じられる。ファウストの欲求がますますエスカレートするが、年を取るにつれ考えが変わるとこが意外だった。オチも自分の予想とは違った展開で一本取られました天使様、あまりメフィストをいじめないでー。
  • 精神分析入門(下)
    物事から目をそらして忘れてしまった気になっても、それらの物事はその人の無意識に落ちていってさらに不死なものらしいのです。無意識に落ちて出てこない状態を抑圧といって、心理的不調の原因になったりする。そういった抑圧された無意識の意識化が精神分析の治療の仕方のようです。現実にむきあわない、物事から逃げる、...続きを読む
  • 精神分析入門(上)
    錯誤行為、夢判断、神経症総論の前半を収録した上巻であるのが本書。それにしたって、分析によって突き止められるのは大体において性にまつわることだっていうのが、本当かなという思いとそうだそうだという頷きが半々に生じるようなことでした。100年前のものだけれど、性に対して現代的に取り組んでいて、いまもなお古...続きを読む
  • ファウスト(一)
    ズブズブと悪に染まっていくファウスト、関わった人々がどんどん不幸になっていく。中途半端な部分は2部で回収されていると思いたい。思ったよりもずっと楽しめた、というと多少不謹慎か。悪魔との契約なんてキリスト教的にはどういう捉え方をされたんだろう。
  • 魔の山(上)
    本当は岩波文庫で読もうと思っていたんですが、新潮文庫に日和ってしまいました。
    それでも、読むのは大変でした。
    なにせ長い!

    読む前は、なぜいとこが療養しているサナトリウムに3週間も見舞いとして滞在するのか、そこが疑問でした。
    だって、結核って伝染病でしょ?
    なんで見舞いに3週間?

    見舞いと言えば...続きを読む
  • 精神分析入門(上)
    夢に関する部分がほとんどでこの部分はあまり興味は無かったけど精神分析に必要なステップだと言い聞かせてなんとか読み通した。全体を通じて性的な事柄の記述が多かったので驚いた。
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す
    ドイツの作家トーマス・マンが1903年に発表した"トニオ・クレーゲル"と1912年に発表した"ヴェニスに死す"を収録。どちらも映画されており、特に"ヴェニスに死す"は有名な作品です。どちらも芸術家を主人公にした作品で、作中ではそれぞれが苦悩する姿が描かれます。"トニオ・クレーゲル"は、作者自身の自伝...続きを読む
  • ファウスト(二)
    有名だし、何か高尚なイメージを持ってたけど、読んでみると結構読みやすいしユーモアがあって、娯楽としていいなと思いました。ギリシャ神話とかの教養もつくし、一行が短いので厚さほど長くはないです。原語でよめば、韻律とかすごいのかもしれないけど、ハードルが高い。
  • 魔の山(上)
    時々思想部分が難しく読みづらいところもありますが、それでも不思議と話に吸い込まれて夢中になって読めました。
    下巻も楽しみ。
  • ファウスト(二)
     抽象的な内容を理解しようとして頭が沸騰しそう(笑)。地の文がほとんどないから状況を把握するのが大変。特に古代ギリシャの場面は読んでいるときは幻なのかと思っていたけど解説を読むと時間を飛んでいることになっていた。誰がファウスト、メフィストーフェレスか分からなくなる部分もあったし、本当に疲れた…。
     ...続きを読む
  • ファウスト(一)
     言わずと知れた古典中の古典に初めて挑戦。戯曲という形式について詳しくは分からないけど韻が大切ということか。日本語に限らず翻訳するとどうしても原作とは印象が変わってしまうだろう。いずれ他の訳も読んで比べてみたい。
     宗教的な示唆が多くて聖書を読んでいればもっと理解が深くなったはず。メフィストーフェレ...続きを読む
  • みずうみ
    故郷を離れている間に友人と結婚した幼馴染。帰郷し、久々に再会して・・・。

    再会した後、何かを期待してしまうのはしょうがないよね。
    …再会したって、何もなけれど、何もないのがとても美しい。

    何もないのがとても美しい。
    のです。
    大事な事なので二回言いました。