高橋義孝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ学生時代、半分まで読みながら、
雨にぬれてボロボロになり捨ててしまったカフカ『変身』を再読しました。
朝、起きたら一匹の気持ちの悪い虫に変身してた男の話。
これはなんの寓意があるのか?
といろいろ考えてしまいますが、
要はその、虫になった、というファンタジックな部分が鍵で、
あとはオートマチックのように筆が滑って
できあがっていく物語のように思えました。
なぜ、足が無数に生えた気持ちの悪い虫なのか。
『変身』が本になるときには、
カフカは虫そのものを表紙に描いてはいけない、と
出版社に急いで手紙を出して表紙絵の案を先読みして
拒否していたようです。
なぜ?なのか。
僕の解釈だと、ファンタジ -
Posted by ブクログ
文豪ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。第一部は1808年、第二部は1833年(ゲーテの死の翌年)に発表された。
15~16世紀にドイツに実在したと言われる高名な錬金術・占星術・魔術師ファウスト博士が、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説をベースにしている。
ゲーテは文人であるとともに、自然科学者、政治家、法律家でもあった万能人で、代表作『ファウスト』においても、その思想・人生観が随所に表現されている。
(6265行)ファウスト「母の国。その言葉をきくたびに、何かはっとさせられる。なんとしても耳にしたくない言葉だ。・・・それでも己は物に動じないということを必ずしもいいこ -
Posted by ブクログ
文豪ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。第一部は1808年、第二部は1833年(ゲーテの死の翌年)に発表された。
15~16世紀にドイツに実在したと言われる高名な錬金術・占星術・魔術師ファウスト博士が、悪魔と契約して最後には魂を奪われ体を四散されたと云う奇怪な伝説をベースにしている。
ゲーテは文人であるとともに、自然科学者、政治家、法律家でもあった万能人で、代表作『ファウスト』においても、その思想・人生観が随所に表現されている。
(382行)ファウスト「世界を奥の奥で統べているもの、それが知りたい、また世界のうちに働く、力と元素のすべてを見極めたい、そうなったら、もう言葉を漁ることも要るまいと思 -
Posted by ブクログ
トーマス・マン。
とにかく長大・重厚な作品を書いた大作家という印象だが、本書は比較的ボリュームの軽い、中編を2編収める。
とはいえ、ここにも「過剰なる叙述の片鱗」と言ってもいいような、詳細かつ細部に分け入っていく、畳みかけるような描写がある。
2編に共通しているのは、「決して混じりえぬものへの憧憬」とでも言えようか。。
『トニオ・クレーゲル』は一人の芸術家の半生を描く。謹厳な父に、異国から嫁いだ、夢見るような母。周囲に完全に溶け込むことのない一対の観察する目のような少年時代が印象的である。少年トニオが愛したハンスは、トニオよりも乗馬友達の方がお気に入りだ。長じて詩人となったトニオが女流画家に -
Posted by ブクログ
錯誤行為、夢判断、神経症総論を収録した『精神分析入門』と、
その後に書かれた補足的な意味をもつ『精神分析入門(続)』をおさめたのが、
この上巻と下巻からなる『精神分析入門』です。
それにしてもですよ。
分析によって突き止められるのは大体において性にまつわることだっていうのが、
本当かなという疑いとそうだそうだという頷きが半々に生じました。
この講義(本書)は100年も前のものだけれど、
性に対して現代的に取り組んでいて、いまもなお古びていないです。
それはわいせつ性だとかタブー視とか、
現在にもそのまま残っているものだし、
そんななかでこれ以上進展しないところ近くまで研究した、
フロイトの先 -
Posted by ブクログ
錯誤行為、夢判断、神経症総論の前半を収録した上巻であるのが本書。それにしたって、分析によって突き止められるのは大体において性にまつわることだっていうのが、本当かなという思いとそうだそうだという頷きが半々に生じるようなことでした。100年前のものだけれど、性に対して現代的に取り組んでいて、いまもなお古びていないです。それはわいせつ性だとかタブー視とか、現在にもそのまま残っているものだし、そんななかでこれ以上進展しないところ近くまで研究した、フロイトの先鋭性があるからだと思いました。性は、生殖の妨げにならないようなバランスのとれたところでは、その分析は完成しているのかもしれないです、そう思いました
-
Posted by ブクログ
本当は岩波文庫で読もうと思っていたんですが、新潮文庫に日和ってしまいました。
それでも、読むのは大変でした。
なにせ長い!
読む前は、なぜいとこが療養しているサナトリウムに3週間も見舞いとして滞在するのか、そこが疑問でした。
だって、結核って伝染病でしょ?
なんで見舞いに3週間?
見舞いと言えば見舞いなんですけれど、ハンス自身も体調があまりよくないというので、転地療養をするように医者に言われて、いとこのいるサナトリウムに来た、と、そういうことでした。
それにしても体が弱っている時に、結核患者のたくさんいる所へ来るという時点で彼の運命は決まってしまったと言えましょう。
3週間後、彼は見舞客か -
Posted by ブクログ
ネタバレ抽象的な内容を理解しようとして頭が沸騰しそう(笑)。地の文がほとんどないから状況を把握するのが大変。特に古代ギリシャの場面は読んでいるときは幻なのかと思っていたけど解説を読むと時間を飛んでいることになっていた。誰がファウスト、メフィストーフェレスか分からなくなる部分もあったし、本当に疲れた…。
場面の意味は解説で少し触れられていたけど大半は分からずじまい。他の解説、時間を空けてもっと平易な翻訳も読んでみたい。とにかく凄いことは伝わってくるんだけど、理解ができない部分が多かったから星四つ。いづれ五つにしたい。
ギリシャ・ローマ神話は岩波文庫のものを読んでいたのにほとんど忘れていた。やっぱり -
Posted by ブクログ
ネタバレ言わずと知れた古典中の古典に初めて挑戦。戯曲という形式について詳しくは分からないけど韻が大切ということか。日本語に限らず翻訳するとどうしても原作とは印象が変わってしまうだろう。いずれ他の訳も読んで比べてみたい。
宗教的な示唆が多くて聖書を読んでいればもっと理解が深くなったはず。メフィストーフェレスという悪魔を描く作者の頭がどうなっていたのか想像できない。恋愛や色欲は200年以上前のヨーロッパでも今と本質的に変わらないってことが発見。性的な表現を伏字にしているところに笑ってしまう。ワルプルギスの夜のところは全然理解できなかったけどなんか色々混ざり合った感じが凄い。ファウストは「己は自分の心で