高橋義孝のレビュー一覧
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ネタバレ『ファウスト 第二部』は「つめこみすぎ」という感想になる。特に「古典的ヴァルプルギスの夜(第2幕)」が長すぎて、「ギリシャ神話のキャラクター」が数多く登場し、主人公ファウストまで消えてしまう場面が続く。
ただ、ゲーテは「ファウスト伝説」を研究し、それをアレンジして再現している。
1.ファウストのモデルは「ゲオルク・ファウスト」という実在した錬金術師。錬金術の研究に失敗して、彼は爆死してしまう。『ファウスト 第二部』でも、爆発でファウストが気を失う場面がある。
2.様々な「ファウスト伝説」のうち、「ファウストはギリシャ神話の美女ヘレネーと結ばれ、息子が生まれる」という内容の話があり、ゲーテ -
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ネタバレ解説が無かったので、この作品をどういう視点から見ればいいのかがわからないまま第4幕まで読んでしまった。…下調べは必要ですね。
この作品は19世紀に書かれたもの(第1部が1808年で、第2部が1832年なのだとか)ですが、作品の舞台自体は16世紀ドイツに実在した伝説の「ファウスト博士」をモデルにしています。
そういう訳で、ポスト啓蒙主義時代のはずなのにアナクロニズム漂う不思議な作品でした。こういう作品がウケるというのは何なんでしょうね、20世紀に入ってからドイツが魔術に傾倒していく歴史的な何かを暗示してるんですかね。
この『ファウスト』という作品は2部構成になっていますが、第2部は1 -
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主役はメフィストフェレスに変わったんですか?ファウスト影薄っ!
しかし「ギリシアの神様連れて来て」と言われれば「いや宗教違うし」って渋ったり(メフィストフェレス君はキリスト教の悪魔だからね)、そのギリシアではホーム地と勝手が違って現地の魔物に振り回され放題だったり、皇帝に指揮杖貰えなくても「あんなものいらないさ。何かこう形が十字架めいていたしな」なんて言ったり、なんだか可愛いなぁメフィストフェレス君。やっぱり十字架は苦手なんですね。(と思っていたら私が見たオペラでは突きつけられた十字架の銀紙を剥いて中のチョコレートを食べていた。すごい演出だ)
とりあえずゲーテは詰め込みすぎじゃないのかこの話 -
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「トニオ〜」の話は観念的で、芸術と俗物のせめぎあいが美しく光る話。貴族の生活、芸術家の旅・・・それは定住民と遊牧民といった比較になぞらえることもできるだろう。どうして人はこの二者択一を迫られるのだろうか。もっと自由に生きる方法はないものか。
「ヴェニス〜」・・・こんな美しい話に出会ったのは久しぶりだ。話の筋を平たく言えば、作家のおっさんが旅先で美少年に魅せられてストーカーをし、その美をひたすら讃える・・・と言ってしまえるが、これだけではこの話の良さが分からない。読みすすむうち、美少年とイタリアの美しい景観に吸い込まれていくこと請け合い。選び抜かれた言葉、一つ一つの言葉が、輝いている。ゴンド