あらすじ
本書は、人間の心理には無意識の抑圧と抵抗という複雑なメカニズムが存在し、ノイローゼの原因にはリビドーが深く関係していると唱えて、精神現象の解明に偉大な貢献をしたフロイト理論を理解するための絶好の手引きである。講義録である「錯誤行為」「夢」「神経症総論」の三部に続いて、修正補足を目的に書かれた「精神分析入門(続)」を併せて収録する。
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Posted by ブクログ
錯誤行為、夢判断、神経症総論を収録した『精神分析入門』と、
その後に書かれた補足的な意味をもつ『精神分析入門(続)』をおさめたのが、
この上巻と下巻からなる『精神分析入門』です。
それにしてもですよ。
分析によって突き止められるのは大体において性にまつわることだっていうのが、
本当かなという疑いとそうだそうだという頷きが半々に生じました。
この講義(本書)は100年も前のものだけれど、
性に対して現代的に取り組んでいて、いまもなお古びていないです。
それはわいせつ性だとかタブー視とか、
現在にもそのまま残っているものだし、
そんななかでこれ以上進展しないところ近くまで研究した、
フロイトの先鋭性があるからだと思いました。
性は、生殖の妨げにならないようなバランスのとれたところでは、
その分析は完成しているのかもしれないです、そう思いました。
これは、あまりに科学的に解析すると、
性的な魅力や欲望までもがそがれてしまうんじゃないかという、
僕のイメージから言っています。
また、いろいろと心霊現象や思考転移などについて、
科学的に解き明かして見せてくれながらも、
「でも、まれに解明できない不思議なことはあるんだよ」
と言っている章もあり、そういう暗黒域みたいなのは
あったほうがいいなあと個人的に嬉しかったり。
まだまだ科学じゃ解明しきれない区域があってこそ、
面白みも可能性もあるじゃないですか。
ここからは、ほんとに「雑感」という感じの、読後の雑感です。
物事から目をそらして忘れてしまった気になっても、
それらの物事はその人の無意識に落ちていってさらに不死なものらしいのです。
無意識に落ちて出てこない状態を抑圧といって、
心理的不調の原因になったりする。
そういった抑圧された無意識の意識化が精神分析の治療の仕方のようです。
現実にむきあわない、物事から逃げる、
そういう態度が心理的な不調を生むんですね。
無意識化してしまって、それが一生残って、
そういうのが多くなっていってエネルギーが増せば悪さをする。
かといって、すべてに真面目に向き合うのは大変だから、
折を見て無意識の意識化をしてやらないといけないわけ。
ユング派の故・河合隼雄さんは、
競馬なんかのギャンブルで大損するのも、
知らないでやっているその人自身のための治療なんだって言っていた。
無意識の意識化っていうものは、
言語化できるものに限られたものじゃないんですな、たぶん。
言語化が意識化のすべてじゃないようです。
また、超自我、自我、エスという心的人格三分割には納得。
超自我は別名「良心」だし、それ以外の無意識的な自我がエスだし、
そう考えると、自分自身の得体のしれない意志の現れ方だとかが
わかる感じがしました。
そして、ニーチェの本に引き続いて、ルー・ザロメなる女性の名前が登場。
当時の偉人達と交流した才媛なのでしょうね。
Posted by ブクログ
精神分析入門(下)
(上)から16年ほど経ったあとの講義
より内容が整理されており、
暴走気味だったように感じられる彼のロジックが
とてもリファインされているように感じられた。
精神分析をより身近に感じられた一冊である。
Posted by ブクログ
フロイトの中でもこの本は読みやすかった。
精神分析の結果が真理かどうかは分かりませんが、
答えを求めようとする過程が推理小説のようで面白い。
心理学専攻以外の人にも一度は読んでほしいです。
Posted by ブクログ
下巻では、これまで取り上げた内容を改めて考えてまとめた続精神分析入門も収録。また、最後のほうでは、科学と宗教、哲学の違いや当時流行していたマルクス主義の問題点を取り上げるなど、フロイトの哲学、思想が垣間見える。
Posted by ブクログ
この著書は精神分析の父、フロイトの本です。
上下巻あるので両方一緒のことを書きます。
まあ、やっぱり難しいですね。一応最後まで読みましたが、夢診断やリンゴの木などは何とか理解できましたが用語や考え方がまだよく理解できませんでした。
でも夢診断などは面白いので少し読む分にはお勧めです。