高橋義孝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ色々と考察しがいのある小説だけど、そんな深いことは考えずに読むと、もはや一周回って笑えてくる。
以下個人的面白ポイント↓
・朝起きたら虫になっているというのに、やけに冷静で、仕事の心配ばかりしている主人公
・息子(兄)は虫になってしまったと信じて疑わない家族
・母が虫の全貌を見て死にかけてしまう
・なぜかリンゴ(かわいい)で攻撃する父→そしてそれが後々の致命傷
・爽やかなハッピーエンド感
・この話を笑いながら朗読したらしいカフカ
色々とツッコミたくなる場面が多すぎる。
比喩として読んでも考えさせられることが多く面白いし、そのまんまの話として読んでもシュールなブラックコメディで面白い。いろんな楽しみ方ができる小説。 -
Posted by ブクログ
有名な作品だったので、教養として。
事務報告のように淡々と描写する乾いた文体。
昨日まで一家の支柱だった主人公が虫になった途端に、家族は彼を「汚物」として扱い、最終的にその死を清々しく受け入れるが、そこに嫌悪感は感じなかった。
主人公の境遇については理不尽だし哀れだと思うのだが、だからといって同情したり家族に怒ったりする気になれず、「人ってそんなものだよね」と納得してしまった。
「人間の価値は、役に立つか立たないかで決まる」がテーマ?
このテーマをどう受け取るか非常に悩ましい。そうだと言い切れるほどドライな世の中ではないと思うし、役に立たなくても全ての人間に価値があるなんて言えるほど私は優しくない。どちらかといえば同意する。特に金が絡めば、家族であろうとも役たたず=価値のない存在になると思うので。
重い気分になりそうな話ではあるが、何かを学んだりするというより、理不尽な世界を覗き見てしまったな…という感覚が残る。
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Posted by ブクログ
変身
著者:フランツ・カフカ
ある朝、一家を支える大黒柱の主人公グレゴールが一匹の巨大な虫に変身する。
それによって生まれる主人公の葛藤と取り巻く登場人物の心情の変化を描いた作品。
最終的に虫となったグレーゴルは、これまで養い続けた家族の手によって殺されてしまうという悲惨な結末を迎える。
虫の解釈には色んな意見が生まれそうな気がした。解説によると、出版当時カフカは挿絵に対して、虫そのものを描かないようにと注文をしたらしい。多様な捉え方によって主題は二転三転し、違った作品性になるところが変身の魅力なのかもしれない。
自分は経験も相まって、虫=難病、高度障害、精神疾患のような、日常を覆し得る自身の変化というイメージが強かった。
もし自分が他人の介護無しでは生きられない身体になったら、また逆に家族がそのような状態になったらどうなってしまうだろう。
そんなことを読み進めながら考えてしまっていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「まるで自分の心の中をのぞくような気がする」
自身と他者との様々な相違を受けて自信を持って、あるいは、それを見失い、行きつ戻りつということの繰り返しに明け暮れるのが、すなわち人生なのだと、僕自身それなりの年齢になった今だからこそ気づくことができたわけで、そこは“若き”ウェルテル、彼の思い、悩みについて、こんな僕ですら身に覚えがあるというか、さらにいえば身につまされるというか。物語を通して、僕と彼らとの比較において、僕は僕自身を知るわけだ。それで納得できるかどうか、もしくは納得してしまってよいものなのかどうか、まったくわからないけれど、僕はそれ以外の方法を、たぶん知らない。知らない、わからない、理解しようがない、それはつまり僕の人生経験によるものだ。相対的に、僕は自信がない。きっと裏付けとなる人生経験に乏しいからなのだろう。
「ぼく以前でも人間はこんなに哀れなものだったんだろうか」
連綿と紡がれ続ける数多の人生、この先百年経とうが、つまり幾重もの“若き”何某かの人生もまた、きっと哀れなものに違いない。