高橋義孝のレビュー一覧

  • みずうみ

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    故郷を離れている間に友人と結婚した幼馴染。帰郷し、久々に再会して・・・。

    再会した後、何かを期待してしまうのはしょうがないよね。
    …再会したって、何もなけれど、何もないのがとても美しい。

    何もないのがとても美しい。
    のです。
    大事な事なので二回言いました。

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    2013年06月20日
  • 精神分析入門(下)

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    精神分析入門(下)

    (上)から16年ほど経ったあとの講義
    より内容が整理されており、
    暴走気味だったように感じられる彼のロジックが
    とてもリファインされているように感じられた。

    精神分析をより身近に感じられた一冊である。

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    2013年04月15日
  • ファウスト(一)

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    ネタバレ

    カテゴリを「詩」にしたが、これは「本で読むための詩劇」で、舞台で上演するのは難しい。

    「天上の序曲」は『旧約聖書 ヨブ記』のパロディ。『ヨブ記』ではサタンが神をそそのかし、「ヨブの信仰心が本物か否か」を確認するため、次々とヨブに厳しい試練を与えてテストする。

    『ファウスト』は、神と悪魔メフィストーフェレスが「神が愛でるファウストをメフィストーフェレスが堕落させられるか否か」というギャンブルをする。メフィストーフェレスはファウストともギャンブルを始め、ファウストが「とまれ、お前はあまりにも美しい」と言ったら、メフィストーフェレスがファウストの魂を手に入れるという契約をする。この「二重のギャン

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    2013年04月07日
  • 魔の山(上)

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    全2巻。ドイツ文学・教養小説の傑作。主人公のハンス・カストルプは、いとこを見舞う目的で訪れた結核療養施設で三週間の滞在を予定していたがいつの間にかそこが彼の安住の地となる。下の世界とは隔絶された施設での平穏な、しかし生と死が絡み合った濃密な生活の中で彼は時宜を得た教育者によって哲学的な思索を深化させ、自己形成を図る。そして物語のどんでん返しはまさしく晴天の霹靂のごとく訪れた。この小説の世界にはドイツ的気質が横溢しているように思われる。一言でいえば堅苦しく、展開される思想は難解で読みすすめにくい。だがある場面においては、特に数少ないショーシャ夫人と主人公との間に交わされる会話の場面ではあたかも眼

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    2013年02月24日
  • ファウスト(一)

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    名作に挑戦。と少し構えてましたが、読みやすく風刺や諧謔に満ちて、言葉を楽しめます。ファウストは悪魔に惑わされつつ精いっぱい恋する中二病な元おじさんでした。〈ゲーテ先生すみません)展開が早過ぎてちょっと戸惑うことも;;グレートヒェンが懐妊し狂気に堕ち…女は哀しいです。でも恋に対するメフィストフェレスの態度が軽く見ているようで、だけど厄介なものとどこか分かっているの感じられて興味深い。嫉妬や憎悪と違い、自由にならない最たるものでしょうね。

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    2013年02月20日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    薦められて読んでみた本。面白かったなあ。
    芸術か実生活か、直感か理性か…

    『魔の山』の時にも感じていたのだが、トーマス・マンの筆致は強くてシリアスでありながら、どこか諧謔的で、一寸とぼけたようなところがあると感じるんだよね。そこが好き。テレビ「ドラゴンボール」のナレーションみたいなところがありはしないか?
    満足です。
    そして、推薦者がコレを推す意義もひしひしと伝わってきました。

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    2013年01月04日
  • 魔の山(上)

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    時間とは何であるか?
    生命とは?有機体とは?
    人類、人種とは?病、死とは?
    愛とは???

    人文の総体みたいな本だな。面白い。そして長大!下巻が待ってる…

    シリアスがコメディで、コメディがシリアスっていうね、表裏一体。悲劇も遠くから見ると喜劇ってやつですか。
    話の舞台が舞台なだけに、ブラックユーモアもちらほら。痛快ですらある。

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    2012年11月26日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    ヴィスコンティの映画は大好きで、初原作。いつか読もうと思っていたもの。
    やっぱり原作秀逸。映画の映像美はいわずもがなだけど、こちらはこちらで面白いというもの。
    トーマスマンは初めて読んだけれどもこのねちっこくてどこまでも深い穴倉のなか。みたいな感覚すき。
    美に対する哲学というか思想?。この羨望の気持ち、よく分かる。
    激しい葛藤、世紀末のような大混沌。ひとから見れば恐ろしいほどに滑稽。

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    2012年11月14日
  • 精神分析入門(下)

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    フロイトの中でもこの本は読みやすかった。
    精神分析の結果が真理かどうかは分かりませんが、
    答えを求めようとする過程が推理小説のようで面白い。
    心理学専攻以外の人にも一度は読んでほしいです。

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    2012年07月22日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    二作カップリング本。
    どちらも芸術家の苦悩を描いているが、質が異なる。
    前者は若い作家が「文学とは、創造とは?」と思い悩むが、
    後者は分別のある大成した老作家が旅先でトラップに嵌まってしまう話。
    読み比べるのも楽しい。
    ところで、学生時代、サークル仲間に「貸して~」と請われて渡したこの本、
    とうとう返ってきませんでした。
    借りたものを返却しないまま音信を絶つってぇのは、どういう了見なのかね?
    で、後日、岩波文庫の『ヴェニスに死す』を改めて購入したのでした。

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    2012年09月24日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    ネタバレ

    ある芸術家の生き様の軌跡。
    肥大化し膨れ上がった自意識、彼の思想は、極限まで高められた内省に源泉を持つ。
    凡人と才能ある人々を区別することの意味。むしろ区別するという行為自体が極めて凡人的なのかもしれない。
    悩める俗人。


    「恋が人を豊かにし、生き生きとさせることを知っていたからだった。」

    彼が愛したのは、容姿端麗で、活発な青年とブロンドのお転婆娘。彼らは詩を軽蔑する。
    彼は叶わぬ恋に身を焦がす。そしてそれが彼の内的な自己否定であり、彼らに愛され承認されることによる自己肯定への欲求なのかもしれない。

    「なぜなら幸福とは、と彼は自分に言って聞かせた。愛されることではない。愛されるとは嫌悪を

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    2012年06月09日
  • 魔の山(上)

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    内容はとても面白い。ただ一度読破しただけでは少し理解に欠けるかもしれない。
    言い回しにセンスがあるなぁ とか思いながら読破。純文学好きなら一度は読んでおいても損のない本。

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    2012年05月26日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    早朝に変なことつぶやいてたらツイッターのフォロワーさんにオススメ頂いたトニオ・クレーゲル。
    ちょっと難しい言葉があったけど、勧めてもらった理由は納得しました。まあ自分は迷える俗人というか迷えるクズですけど。自分とは何であろうか?とかマジョリティーに中々属しない人なんかは共感する部分がありそうな。

    ヴェニスに死す は美しい話だけど恐ろしいなやっぱり。苦悩の追求と陶酔の狭間の文学って感じ。映画版を昔これまた人に勧められて観ました。当時はおっさんドーシタみたいに思って凄い映画だとは思ったけど中身は理解できてませんでしたけど、今は少しはわかるような気がします。

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    2011年10月09日
  • ファウスト(二)

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    面白かった、けど、やはり難しかった。
    学者などでない限り、すべてをきっちり理解するのは不可能ではないかと思ってしまう。私の知識が足りないだけかもしれないけれども…。神話のこととか、もっと知りたくなった。

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    2011年08月18日
  • ファウスト(二)

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    ネタバレ

    ファウストとメフィストーフェレスの知識欲求の追求の旅は小世界から大世界へと舞台は移り変わる。話の展開がポンポンと変わりよくわからないところがある。ギリシャ神話の神々の会話には何がなんやらでとてもついていけない。相変わらずのファウストの無理難題な要求に対してぼやきながらも応えるメフィストのやりとりは楽しい。メフィストが契約完了によりファウストの魂を手に入れようとしたところ、天使たちが色じかけでメフィストから横取りして天国へと連れ去ってしまったが、悪魔以上にしたたかな悪魔だと思った。以下ネタバレ

    第1幕 皇帝の居城に舞台は移り、国が乱れ国庫は底を突いていると歎いているところにメフィストが道化とし

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    2011年03月08日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    難解。高校の時はヘッセなんかもたくさん読んだ。この、日本語訳に更に現代語訳がないと真に理解には到らない気もするけれど…それは多分、しない方がいい。

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    2011年02月24日
  • ファウスト(二)

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    荘厳なラストまで続く、圧倒的な言葉。
    どのページを開いても教訓となる一文が盛り込まれていて、凡百の自己啓発本がバカらしく思えてくる。
    まさしく古典的名作。

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    2010年03月02日
  • トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す

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    作者の芸術家観が窺える。トニオ君の鬱屈した少年期は、現代のオタ・非コミュな人達には痛いほど分かるのでは。ハンスとインゲは「リア充」ってやつですね。


    「春は仕事がやりにくい。これは確かだ。ではなぜなんでしょう。感ずるからですよ。それから、創造する人間は感じてもいいなんて思い込んでいる奴は大ばか者だからですよ。」

    「あなたが言うべきことをひどく大切に考えていたり、そのことのために心臓をあんまりどきまぎさせたりすれば、まず完全な失敗は間違いない。悲壮になる、センチメンタルになる。それでどうなるかというと、何か鈍重な、不手際で大真面目な、隙間だらけの、鋭さを欠いた、薬味のはいっていない、退屈平

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    2010年10月22日
  • ファウスト(二)

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    「ファウスト」って、もっと小難しくてとっつきにくい本かと思っていました。
    予想に反して、読みやすいし、面白い。
    もっと早く読んでおけばよかったです。

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    2009年10月07日
  • ファウスト(二)

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    ゲーテの傑作長編、完結編。

    最後の最後、人に尽くすことこそが喜びであり、「とどまれ、お前は美しい!」と告げるに値する瞬間だと感じたファウスト氏。
    まあ、それは結構ですけどね。やっぱ悪魔に魂を売るから何もかもよろしくなくなるんじゃないんですか。

    ていうか、グレートヒェンを孕ませて、捨てて、殺したということについては、眠っていたからどうでもいいんでしょうか。まあ、どうでもいいことではないからこそ、長い間眠っていたのでしょうが・・・。
    ギリシャ一の美女とデレデレしてますが、それは何なのですか。

    でもって、最後、天使が助けてくれるとか、グレートヒェンが迎えに来てくれるとか、そういうのはご都合主義

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    2009年10月04日