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スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
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Posted by ブクログ
子供の頃、自宅の応接間にあった本棚に『新潮現代文学』という函入り、全80巻の叢書があった。1978年から1981年にかけて新潮社から刊行された日本文学の叢書だ。昭和の時代にはよくこういった全集や叢書が家庭の本棚に“インテリア”として収められていた。我が家でも親が函から出して読んでいた記憶はほぼない。漫画『本なら売るほど』にも出てきた、古書店が買い取りを嫌がるアレだ。
実家の叢書は何度かの引っ越しを経つつも同じ本棚に今でも一冊もかけることなく収まっている。今見ると昭和の日本文学を代表する名作が満遍なく収められ、大人になってから読んだ作品もあれば、未だ未読の名作もある。小学生には無理でも、中学、高校の頃読んでおけばよかったと、読書にほとんど興味のなかった中高時代をいまさらながら後悔している。ついこの間読んで印象深かった川端康成の『眠れる美女』も、今ではおそらく新品では読めない河野多恵子の作品も、いつか読もうと思いながらもなかなか手が出ない大江健三郎の代表作も、読もうと思えばいつでも読める環境があったのになんと勿体無い。今あの頃の自分に会えるとしたら、高校卒業までに本棚の叢書を読破しろと言ってやりたい。今、50を過ぎて、子供の頃無駄にしてしまった読書体験を取り返すかのごとく本にかじりつく毎日だ。
先日BSテレ東の『あの本読みました?』で星新一を特集した回を見ていて、この叢書にまつわるある記憶がふと甦ってきた。小学4年生くらいの頃だろうか、叢書の中の1冊がなんとなく目に留まった。『青春の蹉跌』とか『ピンチランナー調書』とか、小学生には難しそうなタイトルが並ぶ中で、カタカナ、ひらがなで『ボッコちゃん』はあきらかに浮いていた。子供の自分にも読めそうで、一体どんな話なんだろうと興味がわいた。本棚から取り出し、函から出してみてみると『ボッコちゃん』はほんの数ページの短編だったのでそのまま読んでみた。読み終わって子供の自分にも大人が読む本のオチを理解できたのがすごく嬉しかった。ちょっと大人になった気分がした。この嬉しさを早く誰かに伝えたかったのと、自分のオチの理解が間違ってないか少し自信がなかったので母に確認してみた。母も『ボッコちゃん』は読んでいて、この話はこれこれこういうことかと聞くとそう、そう、そういうことだと言う。えーっ、怖いーっ、大人ってこんな話を読んで楽しむのかと思いつつ、自分の理解が間違って無いと分かってますます嬉しくなった。
約40数年ぶりに読んだ『ボッコちゃん』はこの作品が読書の面白さを教えてくれたあの時の記憶を懐かしく思い出させてくれた。こんな貴重な読書体験をしていながら、その後読書の習慣が身につかなかったのが我ながらなんとも情けない。
本作に収められている作品の殆どが社会風刺やブラックユーモアにあふれたショートショートだが、『月の光』は少し危険な香りがしつつも、切ない終り方が他の作品とはちょっと趣が異なっていて好きな作品だ。
ショートショートの王道
久しぶりにショートショートを読みたいと思いこの本に手を伸ばしました。様々なシチュエーションでの綺麗な起承転結が読んでいて心地良かったです。何回もオチを予想しては裏切られるという感覚は新鮮でした。
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