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Posted by ブクログ
久しぶりの再読。チェーホフの四大戯曲の中では最も完成度が低く、あちこちデコボコしたような印象を覚える作品だが、四作品の中で唯一「青春もの」と呼べる内容であり、チェーホフらしからぬ若々しさに溢れている。後の作品、とりわけ『三人姉妹』の萌芽が随所に見える点も興味深い。この作品でうまく表現しきれなかったモチーフを熟成させて、『三人姉妹』で用いたのだろうか。
繰り返し読むことで、物語の構造やモチーフの反復など、作劇の技術がよく分かってくる。だが、そこには多くの謎も秘められている。たとえば全ての幕で冒頭にマーシャが出てくるのは面白い趣向だが、何故マーシャでなくてはならないのか?と考えても、答えはよく分からない。それらの謎の中には、作品を解釈するための重要な鍵もあるはずだが、全てが計算され尽くしているわけではなく、単に勢いで書いてしまったのではないかと思える部分も含まれている。やはり『かもめ』は、良くも悪くも、若々しく荒っぽい作品なのだ。昔はその荒っぽさが欠点にしか見えなかったのだが、最近は次第に魅力として感じられるようになってきた。
浦雅春の訳は、現代的な口語をうまく駆使し、こなれていて読みやすい。全体的なバランスでは、数ある翻訳の中でもベストだろう。ただし文学的な香気に若干欠ける嫌いもあり、その点に関しては堀江新二の訳の方がいい。
Posted by ブクログ
四幕の戯曲で、さほど厚くない本だが、少しずつ読み進める。一人一人の台詞は短いし、次々登場するので、最初は「えっと、コイツ誰だっけ?」登場人物のページを何度も見直す。
様々の恋が織りなす人生模様とカバーの裏にあるが、誰もが自分勝手だと思う。
一番違和感を感じたのは、アルカージナかな。息子を愛しているというけれど、無理解だし、女優なので衣装にお金がかかると、息子にはろくに服を買い与えない。
登場人物の誰にも感情移入が出来ないけれど、不思議な感触がある。
そして終幕。正直、息を飲んだ。
生の舞台を観たくなった。
「私はカモメ」って女性宇宙飛行士、テレシコワの科白と思っていたけど、元ネタがあったんだ。
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