桜の園/プロポーズ/熊

桜の園/プロポーズ/熊

小説・文芸
963円 (税込)

4pt

美しく咲いた桜の園に5年ぶりに当主ラネフスカヤ夫人が帰ってきた。彼女を喜び迎える屋敷の人々。しかし広大な領地はまもなく競売にかけられることになっていた(「桜の園」)。滑稽で支離滅裂ぶりが笑いを誘うボードビル2篇を併せて収録。登場人物が際立つ絶妙のセリフまわしでチェーホフ喜劇の神髄を味わう、翻訳史に残る会心の新訳!

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桜の園/プロポーズ/熊 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    はじめてのアントン.チェーホフ
    キンドル アンリミテッドで
    戯曲はじめて読みましたが140年以上も前の
    ボードビル一幕物「プロポーズ/熊」には抱腹絶倒。
    チェーホフ最期の作品4幕物「桜の園」は喜劇の中に哀愁漂う深いお話でした。桜はサクランボのことのようです。いろんな戯曲読んでみたいかも

    0
    2021年02月20日

    Posted by ブクログ

    読んだつもりになっていたけど、読んでいなかった、というタイプの本です。

    この手のブンガクについて、ある年齢以降、

    「どれだけ、翻訳が難解にしていて、モトモトの魅力を削いでいるか」

    ということに気づいてしまって。
    気づいたら恐らく意識過敏になってしまって。

    で、その反動で、光文社の古典新訳はイイナア、とかなり盲信してしまっています。ほとんど感覚なんで。別に比較した訳でもないんですけどね。

    という訳で光文社の新訳で衝動買い。

    チェーホフについては、井上ひさしさんが描いたチェーホフの評伝芝居を観たことがあるのと、あとは・・・映画「黒い瞳」が素敵だったなあ、というくらいです。

    「桜の園」は、吉田秋生さんの漫画は読んだし、それを映画化した中原俊監督の「桜の園」は観たけれど。

    読み始めは、いつもながらロシア人の名前に頭がついていけなくなりました(笑)。それに戯曲という読みづらさも。
    なんだけど、三幕四幕くらいでは、引き込まれました。
    やっぱり面白いですね。

    お話は。もう面倒なんで、人名は出さずに書きますが。

    背景に、農奴制などから農奴解放、そして日露戦争に向かっていく、つまり徐々に徐々に封建的旧制度から近代に変革していくロシア、というのがありますね。
    要は、色んな価値観とかが変わっていく時代。

    貴族らしき「奥様」がいます。離婚したのか、独身です。
    で、この人に娘がいたり兄がいたり、出入りの色んな商人とかいます。
    で、とにかくこの奥様が、思い出のある家土地を、借金の抵当で失う。
    というお話なんですね。
    ほぼ、それだけです。

    うしないそうだ、なんとかしなきゃ、という第1幕から始まり。
    ほぼ何もしないまま、ああ、失っちゃった、という第4幕で終わり。

    その間、何が起こるかっていうと。ふたりの娘が恋愛したり。
    出入りの商品とか管理人とか家庭教師が身の上の愚痴を述べたり。
    ドタバタ喜劇(ボードヴィル)風の挿話があったり。
    それだけ。

    チェーホフさんはこれを喜劇、だとしてるんですね。
    でも力があるのは三幕、四幕。奥様が故郷を、自分の家を、思い出を失っていく感情。
    それを励ます娘。
    共に悲しむ兄。
    桜の園を買い取った、商人。時代の転換。
    というある種の悲劇風の感情の盛り上げにいちばんグっと来ますね。

    なんですけど、それがグっと来るのは、前後のくだらないドタバタがあるからなんでしょうね。
    其の辺の人間臭い、でもどうでもいいような、ある種、川島雄三風のギャグというか、笑い。それがあるから、感傷的な芝居が急に来た時に、落差で泣けるんですね。「男はつらいよ」ですね。

    うーん チェーホフさん、すごいですね。

    チェーホフの作品を全く知らない人に向けてお節介に書きますと。
    基本、喜劇なんですね。この人。
    おバカなこと、ハチャメチャ。軽い喜劇。それで楽しませたいんですね。
    ブンガクでもって芥川賞だったり実存が現代にカントして思想が抽象的に表象して内面を抉ったりは、しないんです。

    具体的で、娯楽的です。

    確かにトルストイ、ドストエフスキーの後の時代、という感じはします。
    そのふたりにない、含羞、都市性がある。ウディ・アレン的というか。

    そんな感じで面白かったです。
    「プロポーズ」「熊」は、一幕物の完全な軽喜劇。

    プロポーズしに来た男。相手の女。結婚すれば共有財産になるのに、領地の境界線とか巡って大喧嘩になってしまう・・・。

    悲しみにくれる未亡人。そこに借金の回収に来た男。
    ささいなことからこれまた大喧嘩になって決闘騒ぎ。
    ところがふたりは喧嘩しながら、お互いに恋に落ちていく。
    この辺の描写、無論舞台演劇としてですが、セリフ、多分翻訳も、うまい。面白かったです。

    19世紀のロシア人が、19世紀のロシア人が面白がる為に描いた風俗的な戯曲が、21世紀の日本人が翻訳で読んで、くすりとでも笑えるって、スゴイことだと思います。

    で、「桜の園」は、病気でもう死にそうな時に書いてるんですね。
    遺作なんです。
    そう知るとまた、色々興味深い。


    「三人姉妹」くらいはまた読みたいですね。

    2
    2018年01月03日

    Posted by ブクログ

    戯曲のたのしみかたが相変わらずわからない。
    農奴解放の光と影、みたいな話なのかな。貴族の斜陽、そして彼女のもとで農奴として働いていた男の息子ロパーヒンが彼女の屋敷を買い取ってしまう。上の世代であるラネフスカヤとガーネフの兄妹は桜の木が伐り倒されることに心を痛め、なぜそうなってしまうのかも理解できない。でも彼らの息子や娘の世代には新しい世と明るい展望しか見えない。その断絶と対照。

    しかししかし。
    個人的には「桜の園」よりボードビルの「プロポーズ」「熊」が傑作と映った。やっぱりドタバタ劇のチェーホフのほうが好きだ。

    1
    2013年12月27日

    Posted by ブクログ

    チェーホフを読むのは久々なような、初めてなような。

    「家」を中心にした戯曲、そこに描かれた人々のドタバタ劇…何だかロシア文学なのに日本文学と似ている印象を受けるのは気のせいか。喜劇なのに、どうにもこうにも喜劇に思えないのはロシア文学だからか、そういうわけではないのか。不思議な気持ちになる名作。でも、私は「プロポーズ」がお気にいり。

    1
    2013年02月05日

    Posted by ブクログ

    下層民が住むスラム。マクシム・ゴーリキーGorky『どん底』1902
    ●コストゥイリョフ。安ホテルの主人。妻ワシリーサ
    ●クレーシチ。錠前屋。40歳。スラムから脱出したい。妻アンナ。
    ●クワニシャ。女。肉まんじゅう売り。
    ●ペーペル。泥棒。
    ●サーチン。イカサマ賭博師。前科者。
    ●「タタール人」。イスラム教徒。
    ●「男爵」。没落貴族
    ●「俳優」。アル中。首を吊って死亡。

    グレゴリー・メレホフ。男。ドン川の近くに住むコサック農民。正義感。父親の勧めで富豪の娘(ナターリヤ)と結婚するが、別の娘(アクシーニャ)と駆け落ち。妻(ナターリヤ)はショックを受けて自殺未遂▼ロシア革命が起こり、最初は革命軍(赤軍)側で戦うが革命軍(赤軍)の残虐さに嫌気がさし、軍を脱退して反革命軍側で戦う。しかし赤軍は次第に反革命側を追い詰め、グレゴリーとアクシーニャは赤軍の追手から逃げるが、赤軍に見つかってしまい、アクシーニャが射殺される。命からがら、故郷のドン川に戻るが、グレゴリーの家族はみな殺されていた。ミハイル・ショーロホフSholokhov『静かなドン』1928
    ※ドン川の川底からは冷たい清水が湧き出るが、白い魚が水を濁す。

    春に咲くマツユキ草の花。まだ真冬なのに森に行って探してこいと女王から言われた娘。サムイル・マルシャークMarshak『十二月/森は生きている』1943

    ハンバート・ハンバート。男。12歳の少女ロリータに一目惚れし、ロリータに近づくためにロリータの母親(未亡人)と結婚する。その後、ロリータの母親は亡くなり、ハンバートはロリータをつれて車で放浪の旅に出るが、旅先でロリータは何者に連れ去られる。3年後、ハンバートはロリータが結婚をして妊娠していることを知る。ハンバートはロリータを連れ去った男を突き止め、射殺する。ハンバートは獄中死、ロリータは出産時に命を落とす。ウラジーミル・ナボコフNabokov『ロリータ』1955

    ユーリー・ジバゴ。軍医。既婚。戦場で看護婦ラーラ(人妻)に出会い、求愛するが、断られる。ロシア革命が起こり、ジバゴはパルチザンに捕まり、軍医としてシベリアに送られる。民衆同士の残虐な殺し合いに嫌気がさして脱走。ラーラと再会するも、再び引き裂かれる。ジバゴは心臓発作で死亡。ボリス・パステルナークPasternak『ドクトル・ジバゴ』1956 ※革命(独善的な理想主義)に人生を狂わされた男を描いたため、「反革命的」だとして旧ソ連により発禁。

    ソ連の強制収容所。朝5時起床。熱いだけのスープ。大粟の雑炊。わずかなパン。魚の骨。腐りかけたキャベツの葉。暗闇。酷寒。身体検査。警察犬。自動小銃をもった看守。有刺鉄線。番号を縫い付けられた囚人服。アレクサンドル・ソルジェニーツィンSolzhenitsyn『イワン・デ二ーソヴィチの1日』1962 
    ※フルシチョフによるスターリン批判(1956)
    ※ソルジェニーツィン。ソ連の残虐性を暴露したため国外追放(1974)

    「巨匠」。作家。「ユダヤ総督ピラトとイエス」をテーマにした小説を書くが、文学界から攻撃される。精神的に追い詰められ、小説の原稿を燃やしてしまう。外部の検閲が本人の内部に入り込む。すると、悪魔ヴォランドが「原稿は燃えない」と言い、燃えたはずの原稿を取り出す。国家は出版を禁止できるし、人を黙らせることもできる。しかし、真に書かれたものはどこかに残り続ける▼黒魔術ショー。劇場で悪魔ヴォランド一行が魔術ショー。観客たちは金・服・贅沢品を奪い合う。が、奪ったものは全部消え、下着姿になる。ソ連官僚制・欲望・虚栄・文学界の腐敗を諷刺▼ベルリオーズ。文学官僚。合理主義。無神論(イエスは存在しなかった)。電車に轢かれて首を失う▼マルガリータ。女。妻として上流階級の人間として、決められた役割を演じている。しかし情熱や欲望は、その枠に収まりきらない。女は魔女となり、裸体で夜空を飛ぶ。社会的道徳や秩序を捨て、破壊と自由の快楽へ入っていく▼サタンの舞踏会。歴史上の殺人者や罪人たちが現れる。人類史そのものが巨大な罪の連鎖。残酷なのは悪魔よりも人間の歴史▼ピラト解放。ピラトはイエス・キリスト を処刑した罪悪感に永遠に苦しみ続けていた。彼の最大の罪は残酷さではなく「臆病」。本当は正しいと知りながら、権力と恐怖に屈した。巨匠が彼を赦すことで、ピラトは解放される。ミハイル・ブルガーコフBulgakov『巨匠とマルガリータ』1967
    *現実のほうが幻想より狂っている 
    *ファウストからの影響

    +++++++++++++

    カレル・チャペック『ロボット/R.U.R.』1920 ※チェコ

    シュヴェイク。下級兵士。頭がいいのか、悪いのか分からない男。第1次大戦、オーストリア軍に従軍。上官の命令を忠実に遂行するあまり、オーストリア軍に損害を与える。ヤロスラフ・ハシェクHašek『兵士シュヴェイクの冒険』1921 ※チェコ
    *小人物・権力へのズレた従順・滑稽さによる体制批判。cf. チャップリン「独裁者」

    国家が人々の夢を管理。イスマイル・カダレ 『夢宮殿』1981 ※アルバニア

    ミラン・クンデラKundera『存在の耐えられない軽さ』1984 ※チェコ
    〇トマーシュ。チェコの外科医。女たらし。ソ連によるチェコスロヴァキア侵略のため、チューリッヒに一時的に避難。プラハに戻るが、共産主義に嫌気がさし、田舎に移住し、最愛の妻と幸せに暮らす。交通事故死。
    〇テレザ。トマーシュの妻。元ウェイトレス。交通事故死。
    〇サビナ。女。画家。自由奔放。外科医トマーシュと不倫の仲。アメリカに移住。
    〇フランツ。男。サビナに恋。
    ※プラハの春(1968)、ソ連によるチェコスロヴァキア侵略(1968)
    *偶然の出来事に過剰な意味を与える

    「ぼくら」。双子の男の子。戦争から逃れるため祖母の家に避難。しかし祖母は昔夫を毒殺した「魔女」のような人。司祭の家の女中。外人将校。隣家の主婦。アゴタ・クリストフKristóf『悪童日記』1986 ※ハンガリー

    0
    2025年04月20日

    Posted by ブクログ

    ここから出て、ここではないどこかへ…。思い切って飛び込んでしまえば、案外やっていけるのかもしれない。でも、そうじゃなかったら…。

    『プロポーズ』と『熊』は、楽しいコメディだった。

    0
    2014年08月28日

    Posted by ブクログ

    読書会の課題本。「桜の園」は神西訳に親しんできたが、他の2本は初めて読んだ。ところどころ出てくる、古臭い駄洒落が少し気になったが、まあまあ楽しく読めた。

    1
    2016年05月21日

    Posted by ブクログ

    表題作「桜の園」はチェーホフ最後の作品だそう。
    本人はコメディとして書き、一部の人からは悲劇と評された、と巻末の読書ガイドには解説がある。自分にとってはどちらでもなく、歴史ドラマのようだった。

    農奴解放以降も土地に縛られ続ける農民と、徐々に力を付ける商人と、じわじわ没落する貴族地主。貴族が競売で土地を失い、それを商人が買う、桜の木は切り倒されて、別荘地として開発される。貴族が土地を去る最終日までが描かれる。

    悲劇といえば悲劇だが、それまでご先祖様を含めて充分に恩恵に与っただろうから、悲劇性はない。貴族の養女と商人の縁談がうまく行きそうで行かない辺りはコメディっぽくはあった。

    他の二篇はドタバタ劇で、吉本新喜劇のようなテイスト。

    0
    2025年07月05日

    Posted by ブクログ

    今まで読んだチェーホフの中では一番ハマらなかったかもしれない。

    「桜の園」は喜劇ということだけど、普通に読むとやっぱりどうも悲劇の色が濃いようにも思う。
    見方によってはたしかに滑稽かもしれない。

    「プロポーズ」は一番わかりやすくコメディで笑えた。
    プロポーズしにきたのにひょんなことから話が逸れていく。

    「熊」もプロポーズに似たようなところがある話。
    女は〜!とか男は〜!とかのあたりは読むに耐えない罵詈雑言だったのでまぁこれはでも笑いどころなんだろうなとは思いつつ、あまり楽しめなかったかなあ。

    0
    2022年08月16日

    Posted by ブクログ

    チェーホフは、かわいい女に続き2作目なのだけれど、戯曲だったのでおっと思った。

    桜の庭は名作とされてるらしいのだけれど、そうなの?という感じ。劇用だからか、所々、キャラクターのセリフが無視をされ、次の人が関係ない話をいきなりする個所が見られ、そこがよく分からなかった。

    プロポーズは面白かった。
    隣り合う2家が土地を巡っていがみ合うのだが、実は娘に求婚しにきたとしると、娘は彼を呼び戻す。呼び戻したところで、やっぱり言い争いになる。それでも、最後にはなぜか婚約することになる。なぜなぜでいっぱいだが、人間ってそんなもんかも?と思わせる奇妙な説得力あり(笑)

    熊もプロポーズと似たバタバタ劇。

    かわいい女ほど、心には残らなかった。

    0
    2016年05月29日

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