作品一覧

  • 三文オペラ
    3.5
    舞台は19世紀ロンドン。貧民街の顔役、メッキースは街で偶然出会ったポリーを見初め、その日のうちに結婚式を挙げる。ところが彼女はロンドンの乞食の元締めの一人娘だった……。痛烈な皮肉と下ネタが炸裂。猥雑なエネルギーに満ちた、20世紀最大の劇作家ブレヒトの代表作!!
  • アンティゴネ
    3.7
    1巻880円 (税込)
    戦争の死者とその弔い、国家と個人の関係を問うこと、服従か抵抗・自律か……。テーバイの王クレオンが仕掛けた侵略戦争で戦場から逃亡し殺されたポリュネイケス。王は見せしめに彼の屍を葬ることを禁じるのだが、アンティゴネはその禁を破って兄を弔い、伯父クレオンに抵抗するのだった。詩人ヘルダーリン訳に基づき、ソフォクレスのギリシア悲劇を改作し今日的意味を与えたブレヒトの問題作。
  • ガリレオの生涯
    4.4
    1巻1,166円 (税込)
    地動説をめぐり教会と対立し、自説を撤回したガリレオだったが、幽閉生活で目が見えなくなっていくなか、じつは秘かに『新科学対話』を口述筆記させ、秘匿していたのだった……。ナチス支配下から冷戦までの状況下で描き続けられた“自伝的戯曲”であり、ブレヒト最後の傑作。
  • 母アンナの子連れ従軍記
    4.0
    あの“肝っ玉おっ母”が新訳で生まれ変わった! 十七世紀、三十年戦争下のドイツ。父親の違う三人の子供を抱えながら、軍隊に従って幌車を引き、戦場で抜け目なく生計を立てる女商人アンナ。度胸と愛嬌で戦争を生きぬく母の賢さ、強さ、そして愚かさを生き生きと描いた、劇作家ブレヒトの代表作を待望の新訳で贈る。キャリアウーマンでシングルマザーで女盛り、母アンナはこんなにも魅力的だった!

ユーザーレビュー

  • ガリレオの生涯

    Posted by ブクログ

    1609年、ガリレオ、45歳。オランダで市販されたという望遠鏡の噂を聞きつけ、それを自作。月や木星を観測するところから話は始まる。多少推理小説風の始まり。そして話は次々に展開を見せる。
    話の大半は史実にもとづく。娘のヴィルジーニアも登場する(史実通り)。ガリレオを取り巻く脇役たち(たとえば彼のところの家政婦とその息子)もいい味を出している(これはたぶんフィクション)。
    意固地なガリレオがよく描かれている。会話もウィットに富み、しかも理詰めだ。ガリレオの地動説に対して、聖職者たちは、太陽や星が大地のまわりを回っているという天動説を熱く語る。ブレヒトの話術の巧さのせいなのか、私たちが地動説に慣れ親

    0
    2025年05月18日
  • ガリレオの生涯

    Posted by ブクログ

    科学と言うより、知性とは、何かの「役に立つ」ものであるべきか、それとも、それ自体が価値あるものなのか。社会の営みの中で知性が発展していく以上、その価値も社会と切り離せず、果実は社会に「目に見える」還元がされねばならないのか。科学とは時代精神にほかならないとすれば、社会と切り離して考えるのは妄想に過ぎず、今の社会が経済的利益を求めるのならば、知性に求められるものも即物的な利益に限定されるべきなのか。
    いち技術者として、知性や知識の果実を社会に「役立てる」のは大事だと思いつつ、心の何処かで、社会と隔絶した知性そのものの価値、それ自体が人間の蒙を啓く輝きを持つものであって欲しい、という思いが捨てきれ

    0
    2024年07月29日
  • アンティゴネ

    Posted by ブクログ

    非常に面白く、ギリシャ悲劇に興味を持てた。特筆すべきは、訳者・谷川道子さん(外語大名誉教授)の圧巻の解説!どういう経緯でブレヒトがこの改作に至ったのかを丁寧に記述してくれている。ウルフの『歳月』に出てくるアンティゴネ。その意味を紐解いていくのに非常に勉強になる情報ばかり。いくつか抜粋をば。

    「それ故アンティゴネの論理は、単なる肉親の情愛の論理を超える。」(147)
    「アンティゴネの反抗もまずは、国の掟は知らず、竈の掟、肉親の掟、人としての掟に誠実であろうとしたことから始まった。例えば『精神現象学』においてヘーゲルは、『アンティゴネ』を自覚的人倫共同体(国家の論理、公的領域、人間の掟、男の世界

    0
    2021年08月29日
  • ガリレオの生涯

    Posted by ブクログ

    読書中のメモを転載。

    この作品中のガリレオはしたたか。自説を撤回したのもそうだが、自分に有利なように権力者や聖職者を利用しようとする。
    その一方で、弟子のアンドレアなどに対しては純粋で優しい。
    でも本来なら感謝しなければいけないおかみさんや娘にはどこか冷たい。彼らは科学に興味がない、ただの人間だったからか。
    そういう、人間ガリレオの多面性を描くのがすごくうまい。ブレヒト自身の自己投影か。

    …解説を読む限り作者はそういうことを意図していなかった、または重要視していなかったのかもしれないが、この作品にはそういうところにあふれている。

    0
    2020年02月24日
  • 母アンナの子連れ従軍記

    Posted by ブクログ

    肝っ玉おっ母とその子どもたち。
    最後のカトリンの姿に息がつまる想い。
    シェイクスピアと並ぶ素晴らしい劇作家ブレヒトの作品。

    0
    2018年12月15日

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