クレーヴの奥方

クレーヴの奥方

小説・文芸
1,056円 (税込)

5pt

3.9

フランス宮廷に完璧な美を備えた女性が現れた。彼女は恋を知らぬままクレーヴ公の求婚に応じ人妻となるが、舞踏会で出会った輝くばかりの貴公子ヌムール公に心ときめく。夫への敬愛と初めて知った恋心。葛藤の日々に耐えられなくなった夫人は、あろうことかその恋心を夫に告白してしまうのだった……。あえて貞淑であり続けようとした女性心理を描いた、フランス心理小説の嚆矢を清新な新訳で贈る。

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クレーヴの奥方 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1678年初版の宮廷恋愛小説。恋愛と結婚の二律背反に苦悩する三角関係を描き、その結末が物議を醸した名作。

    16世紀のフランス宮廷が舞台ということで、序盤はたくさんの人名が出てきて戸惑うが、いざ物語の本筋に入るとほぼ主要人物3人の話なので読みやすい。恋愛感情に伴う男女のあらゆる心の機微と、結婚という義務と責任で揺れる苦悩が生々しい。背景にこの時代の貴族社会の特殊性があるとはいえ、状況自体は舞台をどこに移してもありえそうな、というか普通によくある話ではある。この小説が特別なのは内面・心理の描写の細やかさと、ヒロインのとった決断と行動にあるのだと思う。この結末が読む人それぞれに賛否あるのは当然で、彼女の選択肢には絶対的な正解などあるわけもない。かのスタンダールは否定派で、彼女は○○すべきだったと書いているとのこと。真の愛情とは?女性の幸せとは?女性の自律とは?出会いのタイミングという運命の理不尽さ。感情と理性の葛藤。色々と考えさせられるが、自分はクレーヴの奥方に拍手喝采した。なによりもクレーヴ公に同情した……。

    0
    2022年05月27日

    Posted by ブクログ

    恋は時間が過ぎれば冷めるもの、まして不倫の恋愛は害あって益なしと知ってる女性の、わかっているのにも求めてしまう恋の苦しさを、これでもかこれでもかと描いています。

    はじめは少々イライラもさせられるほどで、両思いなのに結ばれない、結ばれようとしない自制心の苦しみ、そんなに苦しむなんて無駄…とか、ヒロインの拒絶行動が、恋愛をいやがうえにも盛り上げているのじゃないか、とうがった見方までしてしまう。

    今や女性自身で考える自律が普通のことですけど、17世紀の女性の作家が16世紀のフランス宮廷を背景にしての状況ですから、先駆的でもあったのですね。なるほど、不倫の恋愛の苦しみ、究極の恋愛を描いたフランス心理小説の古典、なのだと。

    むかしむかし高校の教科書に堀辰雄『美しい村』の序曲が題材として載っており、その文中に『クレーヴの奥方』と、ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』が引いてあり、なぜか興味を覚えやみくもに読んで、わかったのかわからなかったのか、それから幾十年。

    今回読んでみてヒロイン(クレーヴの奥方)が熟女のように思っておりましたのに、16歳の設定でびっくり、高校生年代ではありませんか。だから高校生の頃ってそんな姿を、若さゆえの老成を、理解しようとしたのかもしれません。

    0
    2023年01月30日

    Posted by ブクログ

    ・フランス恋愛文学講座で取り上げられたのをきっかけに読みました。

    めっちゃ良かった!
    クレーヴ夫人の年齢など事前にお話しを聞くことができたりして、あの時代の結婚と恋愛は今とは違う。
    マヌール公とあのような結末になったけど、そうだからこそ今に残ったのかな。

    欲しいものは手に入れたら終わりなのかも。2人とも焦がれるような気持ちでずっといられてある意味しあわせだったかも。そういうのって時効があるから。

    0
    2019年10月29日

    Posted by ブクログ

    時代を考えればとってもスキャンダラスな小説だったのだと思う。当初、著者は匿名でこれを出版したという。

    0
    2023年05月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    政略的な結婚が多く、結婚してからが恋愛のこの時代に頑なに夫への忠誠を貫く話は、逆にこの時代には非現実的なフィクションとの書評を読んだ。

    浮気をしないようにすることで、ますます盛り上がる感じに、これって逆に誰にとっても良くないことなのでは?と思うほどだった。
    母と夫の言葉の呪縛、嫉妬する自分への嫌悪で、なんだかさまざまな人の思いが無駄に発生しては無理に消されていて、でもなんにも良いことを生んでない気がした。

    0
    2026年02月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「心理小説の祖」と言われる作品。16歳のシャルトル嬢がクレーヴ公に見初められ結婚するも、舞踏会で出会ったヌムール公に恋をする。夫の嫉妬と夫への道ならぬ恋の告白。若気の至りともいえる行動もあるが、葛藤の中で自分を律する彼女の姿は「純愛」とはかくも厳しく辛いものなのかと。強い恋心だからこそ相手の心変わりへの恐怖も相当だったかな? 一度きりの人生、自分なら……とも考えてしまった。冒頭から登場人物の説明で退屈だったが、ネット上にある相関図が細かく秀逸で読書の助けになった。終わってみれば第一部の説明が必須でした。

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    色恋がフランス宮廷を支配しすぎててびっくりする。宮廷なら政略結婚の要素が強いのかと思っていたが、さすが愛の国。そしてだいたいみんなうわさ好きで口が軽い。人が簡単に死んでしまうのは医療が未発達なせいなのか。
    読んでいてクレーヴ夫人の好意に気づいてからのヌムール公がだんだんうっとうしくなる一方、クレーヴ夫人本人に対しては好感が増した。

    0
    2023年10月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夫のクレーヴ公がかわいそうだと思った。あまりヌムール公には共感できなかったが、特に何かがあったわけではないのに人間心理や感情の変化をうまく描写してストーリーを作っているところに作者の力量を感じた。クレーヴ夫人の言い分もわかるが、もう少し楽に生きてもいいんじゃないかと思ったが、難しいところだ。

    0
    2026年02月18日

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