女の一生

女の一生

小説・文芸
921円 (税込)

4pt

男爵家の一人娘に生まれ何不自由なく育ったジャンヌ。彼女にとって、人生は夢が次々と実現していくものであるはずだった。しかし、現実はジャンヌを翻弄し続ける。乳母妹だった女中のロザリが妊娠し、その相手が自分の夫であることを知った時、彼女は過酷な現実を生き始めた――。感情移入を抑えて、現実を美化せずにありのままを描く自然主義文学の真髄ともいえる傑作。

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女の一生 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ジャンヌ結婚までの流れが早すぎて、残りページ数を考えても、悲劇が起きる予感はしていた。

    ジャンヌがジュリアンへの愛が揺らぐシーンから雲行きが怪しくなっていった。新婚旅行でチップをあまり渡さなかったり、急に態度を変えたり。

    夫婦の仲がだんだん冷めていく様子がリアル。ジュリアンの行動がいちいち蛙化現象を誘う行動なの勘弁してくれ…

    ジュリアンもポールも控えめに言ってゴミクソ。ただ、ジャンヌの不幸を引き立てているという意味では一役買っている。

    虚無な生活とはおそらくこういうジャンヌのような生活を指すのだろう。しかし、最後の最後でポールの赤ちゃんを連れてきたロザリのセリフからは、ほんの少しだけ希望が見えた気がした。

    0
    2023年08月29日

    Posted by ブクログ

    受け身で悲しい女の一生。
    モーパッサンは絶対に女性だと思ったが、男性だった。
    思春期の女性が感じる、訳もなく心がときめく瞬間の描写が女性的ですばらしい。

    0
    2022年04月07日

    Posted by ブクログ

    ずっと読んでみたかった古典
    最近この光文社古典新訳文庫の本をよく手に取ります
    すごく読みやすい
    他の訳を読んだことないので、この作品が特に読みやすいのかもしれないけど

    純潔に育てられたジャンヌが、恋をし結婚、夫の不貞行為に悩み、親の死も経験する
    愛する息子は、手紙で金を無心してくる
    ジャンヌが過酷な人生を生き抜く

    リゾン叔母さんが良い役どころで、
    ジュリアンがジャンヌに優しく
    「足が冷たくはありませんか」と尋ねたことに
    「私は、誰からも、一度もそんなことを言ってもらったことがない」
    と泣く姿が哀れな印象があったけど
    最後の方になると、独り身は極端な不幸に会うこともなく、自由に動けることが、
    もしかして幸せかもしれないと読んでいて思えました

    そして最後のロザリのセリフ
    「人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」

    0
    2021年11月26日

    Posted by ブクログ

    なんという素晴らしい小説!世間知らずのお嬢様だったジャンヌが少女のまま眠りにつきふと我に返ると人妻になっていた、など表現が素晴らしく、自然描写も素晴らしい。結婚してケチな本性を現す夫や、逆に金遣いが荒くジャンヌにたかる最愛の息子の対比。あんなにも情熱的に恋したのに夫の本性を知り、現実を知り、冷めていくジャンヌの心理の変化。新訳で読みやすかったのかもしれないけど非常に良かった。この物語は冷めた両親と弟の放蕩ぶりをモデルに書かれたらしい。2012/405

    0
    2015年04月22日

    Posted by ブクログ

    恵まれた境遇で育てられた娘ジャンヌが、希望と期待を抱いて愛した男性のもとへ嫁ぎ結婚生活が始まる。しかし皮肉にも、そこから彼女の転落人生は始まった。

    リアリズム文学の名作として挙げられる本作ですが、これが『女の一生』であったら人生に匙を投げたくなります。
    女癖の悪い夫、心を通わせた友人、そして最愛の息子にさえ…。題名は『裏切り』でも良いのではと思うほどジャンヌには苦闘と絶望の日々が押し寄せます。薄幸な彼女がそれでも周囲に期待し、夢破れ打ちひしがれる姿に、もう可哀想すぎて読んでいられないと暗い気持ちになるか、悲劇のヒロインと化した主人公に好奇心すら湧き読み進めるかは読者によって異なるかと思いますが、私は訳の読みやすさにも助けられ後者でした。女中がポツリと漏らしたラスト1行に、この本が伝えたかった全てが詰まっているように思います。

    自分の人生に悲観し嘆きながら生きるか、与えられた環境のなかで逞しく切り開きながら生きるか。実は様々な「女の一生」が垣間見える味わいのある作品です。

    0
    2015年04月21日

    Posted by ブクログ

    ありふれた人生の惨めさ、滑稽さ。年齢をとってから読むと、それは笑えるし心安らぐし、救われる気がするから不思議だ。

    人生に夢見ていた主人公が現実に打ちのめされていく。しかし自分は不幸だと考える主人公だけでなく、登場人物すべてが現実の中でみっともなさを晒しながらも、それでも何とかギリギリ現実社会の中に踏みとどまって夢を抱き続けるのだ。
    自然主義文学の代表作と評されているが、リアリズムとは堅苦しいものではなく、現実社会の中でお互いに恥らいを持って知らないふりを決め込んでいる、人間のみっともなさをさらりさらりと描いてくれるのだ。
    良いことでも悪いことでも、何かが自分の前で起こるのは不幸ではない。それはある意味で豊かな人生でさえある。

    この物語の最重要人物はリゾン叔母である。だって彼女はいつも側にいるのに家族親戚にさえほとんど存在しないかのように人生を生きて死んでいくのだ。彼女の目から見たら、主人公の人生さえ幸せとしか言えないのではないだろうか。

    0
    2011年05月10日

    Posted by ブクログ

    壮絶な話だった。
    女性版、ヨーロッパ版『暗夜行路』を感じた。
    主人公ジャンヌはジュリアンと結婚するも、ジュリアンは乳姉妹のロザリを妊娠させ、ジャンヌは発狂しかける。しかしジャンヌはジュリアンとの間にできた我が子を溺愛し、生きる希望を見つける。ジャンヌが仲良くなった伯爵夫人とジュリアンが愛人関係になることが発覚する。母親が亡くなる。母の死に悲嘆に暮れるが、母が奔放な女性だったことを手紙で知り、心が荒れる。神父に入れ込むが、教義オタクのような神父に嫌気(?)が指す。ジュリアンと愛人関係にあった伯爵夫人の旦那が、ジュリアンと伯爵夫人を亡き者にする。ショックでジャンヌは流産。お父さん、叔母さんも亡くなる。ジャンヌは度重なる心労で老婆のようになる。息子は甘やかしすぎたため放蕩を繰り返し、ロザリがジャンヌを助けるために戻ってきて、住み慣れた家を手放すことになる。ジャンヌは息子が可愛いあまり、何度も息子の言いなりになり疲れ果てるが、最後に孫を抱いて希望を抱く?っぽい話だ。(あまりに出来事が多すぎるので、順番が違う部分があるかもしれない)
    結局みんな自分勝手だと思った。
    旦那のジュリアンは金銭感覚が合わない吝嗇家で、上っ面はいいが、頑固でマイルール強め。読んでいると、ジャンヌが好きだったのではなく、ジャンヌにはお金があるから&肉体を自由にできるから、という理由や目的で近づいたようにしか思えない。こんな人と結婚したら、しがらみだらけで不幸になることは目に見えているが、ジャンヌの世界には適齢期で良さそうな男性がきっとジュリアンしかいなかったのだろう。気の毒である。ジュリアンには怒りが湧く。全て自分の都合の良いように解釈、主張する。浮気をされても神父の教えによってジュリアンを許さないといけないことに、憤りを感じた。なんでも許すならやりたい放題ではないか。また自分の娘を汚された父である男爵と母の男爵夫人もジュリアンに対して怒っていたものの、自分たちも若かりし頃同じようなことをやっていたことを思い出して口をつぐむあたりは、自分が1番大事なんだなという調子の良さを感じて嫌だと思った。時代のこともあるが、ジャンヌは自分自身の世界を確立した方が生きやすかったのではないか。彼女はいつも他人に振り回されている。そして希望だと思った息子も溺愛しずきたあまり、息子に良いように利用されてしまっていた。子供を大事にすることは母親として素晴らしいことだが、旦那の浮気などで精神的にアクセルとブレーキが上手いバランスで働いていないように思う。結局他人に依存することが多かったのが、彼女の不幸だったのではないかと思う。
    でも長い人生、こんな感じで大変なんだろうなと思った。ジュリアンがロザリを妊娠させたことが分かったあたりからこの話は読むのが面白くなっていった。そして世間知らずなのに?(だから?)妙に過激な行動をとるジャンヌももはや面白い。これがフランス文学かと思った。結婚の重み、しがらみにもなることを痛感した。
    神父と叔母の役割は何か?
    神父→神を信じて幸せになる、ではなく生の生命から生きる希望を感じることへの対比?

    0
    2026年04月09日

    Posted by ブクログ

    中学生の頃、こんなに面白い本があったのか!と思った女の一生。大人になって読んで、暗くて絶望しそうな内容だった。確か中学の頃は最後の場面に涙したのだが、今回はへぇといった感じで、感受性の強い時期の読書体験は貴重だったと思った。今は、何度も繰り返す展開の巧みさに気を取られてしまう。Une vieが ある命 とも訳せるという解説を見て、原語で読む人々は同じ本を読んでもまた違うことを感じるのだろうなと羨ましくなった。

    0
    2020年04月03日

    Posted by ブクログ

    京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。
    「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど)、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな彼女たちに共感して心寄り添わせることなんて普通に考えてできないんだが、何故か、できるんです。モーパッサンすごい。
    最初ジャンヌが恋に恋して、恋の歓びにおののく場面、素晴らしかった。読んでるだけで光が差してきそうだった。でも美しい場面だからこそ、だいたいのあらすじ分かってるからか、のちの不幸な人生との対比が際立ってしまって読んでて辛くなった。それにしてもジュリアンて嫌な男。こういう男だけは好きにならんようにしよう!と、気を引き締める!

    0
    2019年07月18日

    Posted by ブクログ

    最後ハッピーエンドっぽい締めくくりだが、
    その後幸せに暮らしてそうな気がしない終わり方。
    過保護というか、世間知らずに育ってしまったことは不幸なのか。

    0
    2015年12月20日

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