作品一覧

  • ギリシャ語の時間
    NEW
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    ある日突然言葉を話せなくなった女。 すこしずつ視力を失っていく男。 女は失われた言葉を取り戻すため 古典ギリシャ語を習い始める。 ギリシャ語講師の男は 彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。 ふたりの出会いと対話を通じて、 人間が失った本質とは何かを問いかける。 ★『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説 ★「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ
    4.8
    1巻1,540円 (税込)
    いま、韓国の文学、音楽、ドラマや映画に惹かれ、その社会や言語に関心を持つ人はますます増えている。本書では、著者が韓国語(朝鮮語)を学び始めた背景、この言語の魅力、痛みの連続である現代史と文学の役割、在日コリアンと言語のかかわりなどを、文学翻訳の豊かな経験から親しみやすく語る。文字、音、声、翻訳、沈黙など、多様な観点から言葉の表れを捉え、朝鮮半島と日本の人々のあいだを考える1冊。
  • 優しい暴力の時代
    4.4
    1巻1,210円 (税込)
    いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子
  • 本の栞にぶら下がる
    4.4
    1巻1,980円 (税込)
    『82年生まれ,キム・ジヨン』など,数々の話題作の翻訳を手がける著者が綴った,珠玉の読書エッセイ.文学に刻まれた朝鮮と日本の歴史をたどり,埋もれた詩人や作家に光を当て,人間が疫病や戦争に向き合ってきた経験をひもとくなど,韓国文学に止まらない古今の本を取り上げながら,その普遍性を今に開く25篇.

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  • 翼~李箱作品集~
    3.5
    1巻1,045円 (税込)
    陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……。表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島で新しい文学を求めたトップランナーの歓喜と苦闘の証たる小説、詩、随筆等を収録。
  • 曇る眼鏡を拭きながら
    4.5
    1巻1,760円 (税込)
    ひとりでも拭けるけど、ふたりで拭けば、もっと、ずっと、視界がひろがる。 ノーベル文学賞受賞作家、J・M・クッツェーの訳者として名高いのぞみさん。 パク・ミンギュ『カステラ』以降、韓国文学ブームの立役者である真理子さん。 「ことば」に身をひたしてきた翻訳家どうしが交わす、知性と想像力にみちた往復書簡集。 生まれ育った地に降りつもる雪、息もたえだえの子育て期、藤本和子との出会い、出版界の女性たちの連帯、コロナ禍とウクライナ侵攻の混迷……丹念に紡がれた、記憶と記録のパッチワーク!
  • こびとが打ち上げた小さなボール
    -
    1巻1,430円 (税込)
    韓国で300刷を超えるロングセラーにして、現代の作家たちから多大なリスペクトを受ける名作。急速な都市開発をめぐり、極限まで虐げられた者たちの、千年の怒りが渦巻く祈りの物語。
  • すべての、白いものたちの
    4.3
    1巻935円 (税込)
    アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。 ノーベル文学賞受賞! ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。 詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です ーー岸本佐知子 生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。 文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。
  • 82年生まれ、キム・ジヨン
    4.3
    1巻715円 (税込)
    キム・ジヨンの人生を克明に振り返る中で、女性が人生で出会う差別を描き、絶大な共感で世界を揺るがした(事件的〉小説、待望の文庫化! BTSやRMらが言及、チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化。韓国で136万部、日本で23万部を突破。フェミニズム、韓国文学隆盛の契機となる。文庫化にあたり、新たな著者メッセージと訳者あとがき、評論を収録。
  • タワー
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    674階建巨大タワー国家――。地上からの脅威が迫り、下層階を軍隊、上層階を富裕層が占める〈ビーンスターク〉の人々は、不完全で、優しい。 犬の俳優Pの謎、愛国の低所恐怖症、デモ隊vs.インド象、大陸間弾道ミサイル、テロリストの葛藤…… チョン・セラン、パク・チャヌク激賞!! 韓国SFの金字塔にして、笑いと涙の摩天楼エンタテインメントが、ついに日本上陸!
  • 韓国文学の中心にあるもの
    4.5
    1巻1,650円 (税込)
    なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』は、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。 (「まえがき」より) 『最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である。』 【目次】 まえがき 第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの 第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命 第3章 IMF危機という未曾有の体験 第4章 光州事件は生きている 第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』 第6章 「分断文学」の代表『広場』 第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である 第8章 「解放空間」を生きた文学者たち 終章 ある日本の小説を読み直しながら あとがき 本書関連年表 本書で取り上げた文学作品 主要参考文献
  • 年年歳歳
    4.2
    1巻2,145円 (税込)
    日本語で「従順な子」という意味の名で育った母の哀しみの向こうがわに広がる、それでしかありえなかった歴史の残酷と。韓国最高峰の作家が描く母と娘たちの物語。
  • シソンから、
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    《私たちの心には、“彼女”のかけらがあるから》 女性への暴力や不条理が激しかったころ、美術家として作家として、時代に先駆けて生きたシム・シソン。 ユーモアを忘れずにたくさんの仕事をし、二度結婚して四人の子供を育て、世の評判をものともしなかった人。 そんな〈家長〉にならい、自由に成長してきた子供と孫たちは、彼女の死後十年にあたり、ハワイでたった一度きりのちょっと風変わりな祭祀を行うことにするが…… 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』のチョン・セランが贈る家族三代の物語。韓国で16万部を突破した待望の最新長編小説。 ――20世紀を生き抜いた女性たちに捧げる、21世紀を生きる女性たちからの温かな視線。
  • サハマンション
    3.4
    1巻1,540円 (税込)
    「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。……歌ってはいけない歌があり、読んではいけない本があり、歩いてはいけない通りがあった」。その中で、「サハマンション」は「唯一の通路もしくは非常口のような場所だった」。そこには犯罪を犯して逃亡してきた者たち、「タウン」から排除された人々が流れついていた。
  • 声をあげます
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費…… 《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》 身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。 そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」) 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。 文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。 二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。 この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。 未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より)
  • アヒル命名会議
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    神「お前、なんで生きとる?そんなことで次の天地創造までやっていけると思うのか?」ーー仕事、友だち、家族、恋人、性別、神様…新時代の自由を拓く稀代のアーティスト、待望の初小説集。後藤正文氏推薦
  • ディディの傘
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    死と破壊、そして革命。 人々は今日をどのように記憶するのか。 「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。 多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。 孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか? 行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか? 私たちが望む未来とは? ——人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。 デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。 2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉第1位に選出。 5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。 【目次】 ・d ・何も言う必要がない ・あとがき ・日本の読者のみなさんへ ・訳者解説
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」 ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」) 夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」) 「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。——韓国文学の旗手による傑作短編集 【もくじ】 チェ・ミジンはどこへ ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム クォン・スンチャンと善良な人々 私を嫌悪することになるパク・チャンスへ ずっと前にキム・スッキは 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ ハン・ジョンヒと僕 あとがき 訳者解説
  • 野蛮なアリスさん
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    現代韓国最注目作家、「暴力の心臓部」を描いた傑作! 「私はアリシア、女装ホームレスとして、四つ角に立っている」 ソウル郊外の農村コモリに建設される大規模マンションを巡り、人々の欲望がどこまでも加熱する――凶暴な母と年老いた父、そして沢山の食用犬と暮らす少年アリシアの、たったひとりの戦い。 韓国日報文学賞、シン・ドンヨプ文学賞、イ・ヒョソク文学賞、大山文学賞、キム・ユジョン文学賞……数々の賞を総なめにする韓国最前線の女性作家が、強烈なイメージで描く怒りと敗北、そして無垢な祈りの物語。
  • すべての、白いものたちの

    Posted by ブクログ

    「わたし」が生まれる前に亡くなり会うことのなかった「オンニ(姉)」に捧げるとても繊細で美しい抒情的な作品でした。文頭に韓国で喪の色である白にまつわるものを呪文のように羅列して、それらの言葉でよみがえる記憶の断章が綴られる。「おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ、なみ、はくもくれん、しろいとり、しろくわらう、はくし、しろいいぬ、寿衣」 生まれた時に包まれた産着とおくるみは数時間後、母親の「しなないでおねがい」の祈りもむなしく寿衣と柩になり、火をつけられ煙となり亡き姉に届けられる。姉、兄、母親の喪失の記憶が白いものにより再生される心象風景がモノクロのトーキーを見ているように語られる。

    0
    2024年11月16日
  • すべての、白いものたちの

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    短文で構成された、詩のような、随筆のような、また短編小説のような、生と死の恢復の物語。
    産着、雪、灰、おくるみ、骨、塩、氷、月、波...
    あらゆる白いものたち。
    白いものについて読み、白いものを思い浮かべる。

    生後すぐに亡くなった姉の死と自らの生。
    ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、
    朝鮮半島の記憶の交差。
    静かな雪のように、悲しみや祈りが降り積もるようだった。

    この本の感想を言語化することはとても難しいのだけど、静かで儚く美しいことばに圧倒され、独特の世界に引き込まれる。
    読み終えたあと、巻末にある著書のことばと訳者の補足文を読むと、もう一度最初から読み返したくなる。何度も読み

    0
    2024年11月14日
  • すべての、白いものたちの

    Posted by ブクログ

    SNSでみかけたこの本に添えられていた言葉がとても素敵だった。雪の日にそんなきっかけで手に取った本を改めて開いたのは快晴で暖かい日の午後で、そんなタイミングもちょっと良いなと思った。
    冬に雪、私と彼女、命と死。静かに深くなっていく美しい文章、なめらかな翻訳。そこには寂しさや哀しさに寒さがあるのだけど、少しづつ体温のようなぬくもりも感じていた。白いものたちの小さい話。小説。
    移動中に幾つも付箋を立てる。落ち着いて何回も読み返したいセンテンス。ああ、これはずっと読み続ける本になるかもしれないし、もしかしたら冬が来るたびに開くことになるのかもしれない。とそんなことも思っ

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    2024年11月14日
  • すべての、白いものたちの

    Posted by ブクログ

    ノーベル文学賞受賞ハン・ガンさんの著書。
    静謐で哀しみも漂うけれど、救いもあった。白いものを集めたとのことだが、なぜこんなにも心を打つのか。『彼女』からの展開に急に迷子になる感覚があり戸惑うが、意図がわかった時、読み返して静かな気持ちになった。それはまるで雪の降る寒い、とても白い情景が広がるりを見るような感じを得た。何か大切なものを受け取った。

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    2024年11月13日
  • すべての、白いものたちの

    Posted by ブクログ

    『すべての、白いものたちの』の「白い」は、韓国語ではヒンという言葉だそうです。ヒンとは生と死の寂しさを、こもごもたたえた白さです。

    表紙の赤ん坊用の白い肌着のようなものが表すように、この本にはハン・ガンさんの生後二時間で亡くなった姉への思いが根底に流れているように思えました。しんしんと雪が降り、真っ白におおわれた場所の冷たさを味わうような感じがしました。白いものの表現は、姉への思いだけではなく、ワルシャワでの戦争がもたらした破壊や、人の死への鎮魂の思いも感じました。また、姉の存在と自分の存在意義の意味を考えているようにも思えました。

    うまく表現できないけれど、感覚に訴えるものがありました。

    0
    2024年11月13日

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