斎藤真理子の作品一覧
「斎藤真理子」の「「なむ」の来歴」「ギリシャ語の時間」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ハン・ガンさん初読み。
まず、形式を形容しがたい作品だなと感じた。
それと同時に、そんなものは、ここに記された言葉を受け取るのに必要ないものだとも思った。
圧倒されながら、感想をうまく表現できないのは初めての経験だった。
心の深い奥底を覗いていたら、すぐ隣にある光と影の揺らめきに、はたと気付かされるような気持ち。
白いものにまつわる記憶。
自分なら何が思い浮かぶだろうか。
一度読んだ程度では咀嚼しきれない。
少し間を開けてまた読み返したいと思う一冊だった。
巻末の「作家の言葉」、訳者の補足、平野啓一郎さんの解説は、どれも読後の散らかった頭の中をまとめるのに役立った。
Posted by ブクログ
著者の言葉遣いが好きです。
たとえば、マル(言葉)について。
p11 「マル」。この朝鮮語の音は日本語にはない。だから、くり返して発音するだけで、口の中にちがう風が吹いてくる。
昔から、この言葉を第二言語として学ぶ人は、口の中に起きる風に誘われて、気がついたらどこかちがう場所に立っていることが多かったのじゃないかと思う。
『目の眩んだ者たちの国家』を編纂したツン芸評論家のシン・ヒョンチョルは、あとがきにこんなことを書いている。
私たちが本を読む理由のうちの一つは、私たちが知らないことがあるということを知るためである。人が経験できる事件は限られているので、実際に感じられる感情も限られている。