別れを告げない

別れを告げない

2,475円 (税込)

12pt

ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇!
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。
済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も……
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    320ページ
  • 電子版発売日
    2025年02月28日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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別れを告げない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1948年済州島の4・3事件をモチーフに、作家と事件のサバイバーの娘との友情を超えた愛の物語

    歴史を乗り越えて今、を生きる2人の結びつきに感嘆してしまいました…

    そして事件の哀悼を終わらせないメッセージをじっくりと受け止めました

    主人公キョンハの片頭痛の発作の痛みと娘インソンの切断された指の医

    0
    2025年12月05日

    Posted by ブクログ

    「少年が来る」がどうしても読み進められなくて、迷ったけど、帯の文章の描写をじっくりと読みたくなって購入。幻影?のような内容の文章は苦手だけど、差し出されている事実の重さを読み続けていると美しい描写で救われていく。だから最後まで読めた。愛と痛みと忘れないことの話だと思った。解説までが一冊の本だと感じた

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    読んでよかった。

    ごく個人的な感想。
    こんなにも柔らかく感覚に染み渡るように「虐殺」のことを書けるのかと、「少年が来る」以上に鋭利で鮮烈で仔細にわたった描写に感嘆してしまう。歴史のことを書いていながら物語であることを諦めていず、出来事ではなく人を描くことに終始する姿勢には尊敬しかない。こんなふうに

    0
    2025年11月20日

    Posted by ブクログ

    主軸になってる済州島3.4事件をよく知らないので、読みながら調べたら、書かれていることの重みが増した。
    太平洋戦争の後に朝鮮戦争が起こったことは知っていたけど、朝鮮半島が今のように落ち着く(?)までにはかなり長い時間がかかったということが分かった。
    最後はきれいな形で終わるけど、読後感はなにやら引き

    0
    2025年11月07日

    Posted by ブクログ

    冒頭では、これが済州四・三事件につながるなんて思いもしなかった。
    とかエラそうに書いてるけど、済州四三事件とかまったく知らなかったし。こんなに近い国なのに。
    小説本編にも注意書きは多いが、「訳者あとがき」はほぼこの事件の経緯、解説。
    本編より細かい字でみっしり。情報量とその内容の深刻さ、残酷さに圧倒

    0
    2025年09月14日

    Posted by ブクログ

    舞い散る雪が、死者たちの頬にうっすらと積もり、白く覆ってゆく。
    等しく生者の頬にも降る雪は、刺すような痛みの感覚を残して、溶け去ってゆく。

    痛みと熱が生の証というならば、死は痛みの喪失と引き換えに、無限の沈黙の中に消えるということなのか。
    いや、例え肉体が凍りつき、もはや唇は閉ざされたままだとして

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    ページを開いた瞬間、まるで自分自身が壮絶な主人公の人生を生きることになったかのような錯覚に陥った。

    韓国現代史の中でも語られることを避けられてきた過去——済州四・三事件の痛ましい記憶である。ハン・ガンはその闇を見つめることを選び、真摯な眼差しで記憶の底から言葉を掬い上げた。その勇気と誠実な筆致に、

    0
    2025年07月26日

    Posted by ブクログ

    1948年、韓国のリゾート済州島で島民10万人以上が虐殺された。一種の赤狩り?
    朝鮮戦争前の混乱期なのだろうが、この事実を初めて知った。
    この小説は、この事件?をベースに、現代に生きる女性たちが描かれている。
    ストーリーを描いてもピンと来ない。
    木工で指を怪我し入院した女性のために、自死を考えていた

    0
    2025年07月19日

    Posted by ブクログ

    構成が面白い
    初めて読む形態

    夢なのか現実なのか死んでいるのか
    後半辺りがよくわからなかったけれど
    そんなことはどうでもいいくらい静かに衝撃を受ける
    文体がとても美しい

    『菜食主義者』は少し気持ち悪かった
    次は『少年が来る』を読みたい

    0
    2025年06月22日

    Posted by ブクログ

    作家のキョンハが悪夢を見るようになって旧友のインソンが住む済州島に会いに向かった。彼女の懇願に負けてオウムを助けるために無人の家に行くことになった。済州島の四・三事件を題材にした愛についての物語。インソンはその事件を忘れられない母の狂気の渦に巻き込まれそうになっている。そしてその渦にキョンハも連れて

    0
    2025年05月23日

別れを告げない の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    320ページ
  • 電子版発売日
    2025年02月28日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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