韓国文学の中心にあるもの

韓国文学の中心にあるもの

1,650円 (税込)

8pt

なぜ、韓国文学はこんなに面白いのか。なぜ『82年生まれ、キム・ジヨン』は、フェミニズムの教科書となったのか。世界の歴史が大きく変わっていく中で、新しい韓国文学がパワフルに描いているものはいったい何なのか。その根底にあるのはまだ終わっていない朝鮮戦争であり、またその戦争と日本は深くつながっている。ブームの牽引者でもある著者が、日本との関わりとともに、詳細に読み解き、その面白さ、魅力を凝縮する。

(「まえがき」より)
『最近日本で、韓国文学の翻訳・出版が飛躍的に増えている。この現象は、読者の広範でエネルギッシュな支持に支えられたものだ。読者層は多様で、一言ではくくれないが、寄せられる感想を聞くうちに、読書の喜びと同時に、またはそれ以上に、不条理で凶暴で困惑に満ちた世の中を生きていくための具体的な支えとして、大切に読んでくれる人が多いことに気づいた。(中略)韓国で書かれた小説や詩を集中的に読む人々の出現は、ここに、今の日本が求めている何かが塊としてあるようだと思わせた。それが何なのか、小説を読み、また翻訳しながら考えたことをまとめたのが本書である。』


【目次】
まえがき

第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの
第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命
第3章 IMF危機という未曾有の体験
第4章 光州事件は生きている
第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』
第6章 「分断文学」の代表『広場』
第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である
第8章 「解放空間」を生きた文学者たち
終章 ある日本の小説を読み直しながら

あとがき
本書関連年表
本書で取り上げた文学作品
主要参考文献

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

韓国文学の中心にあるもの のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今まであまりにも韓国の本を読んでこなかったので、この国の文学の歴史はどのようなものなのかを知りたくて手に取った。
    第1章で、読んだことのある本「82年生まれキム・ジヨン」について書かれていたが、まずその本の解釈が私はあまりにも浅かったのだということに気づかされた。
    この本は2016年に韓国で出版され

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    読書案内のようなポップな内容かと想像して読み始めた。趣が違う。その実態は、韓国の歴史的背景から生まれる小説に対する重厚な考察本でした。

    数々の歴史的な事件による社会や政治に対する鬱憤が、小説という形で昇華され次世代へと橋渡しとなっている。
    記憶に残ってるセウォル号事件の掘り下げた考察から、全く予備

    0
    2025年04月16日

    Posted by ブクログ

    本当に読んで良かった。
    韓国についてずっと勉強してきたがこんなにわかりやすい本はなかったと思う。
    文学についてだけではなく、それを理解するために必要な背景知識が以前より増えた。
    韓国語を勉強すれば韓国文学を読めるようになるかなと安易に考えていたところもあったが、単に言語の壁を越えたとしても、日本と韓

    0
    2025年01月02日

    Posted by ブクログ

    韓国文学が、この国が辿ってきた歴史、闘争、死の堆積のうえに紡がれているということを教えてくれる1冊。

    0
    2024年05月02日

    Posted by ブクログ

    もっと韓国の文学作品に触れてみたくなった。胸が苦しくなる部分も多いけど、この本を読んでから韓国文学に触れたり再読すると、より深みある読書になると思う。

    0
    2023年10月20日

    Posted by ブクログ

    解放後(日本の「戦後」にあたる)の大きな出来事(解放、分断、済州、朝鮮戦争、維新、光州、IMF、セウォル、キム・ジヨン現象、等)について人々がどのような思いを持ってきたか。文学作品を紹介しながら、それらをたどっていく。それぞれの出来事が韓国の人々にどれだけインパクトのあることだったのかを教えられる。

    0
    2023年09月20日

    Posted by ブクログ

    著者の斎藤真理子さんは韓国文学好きに知らない人はいないだろう翻訳者で、日本における韓国文学ブーム立役者のひとり。

    植民地支配、朝鮮戦争、南北分断、光州事件、IMF危機、セウォル号事故、女性問題...
    非常に重く複雑な韓国の歴史を読みやすい文章で解説してくれている素晴らしい一冊。文学作品を通して現代

    0
    2023年07月04日

    Posted by ブクログ

    書評集を好んで読む。しかしこの本は書評集ではない。韓国と言う国、日本という国について、韓国文学という側面から描き出そうという試み。こころ、あるいはからだのどこかに重く沈み込む鎖のようだ。

    0
    2023年03月26日

    Posted by ブクログ

    2023.3

    この3年で触れてきた本・映画のことや、その間色んな作品に触れながら自分なりに学んできたことを振り返っている。と同時に読みたい・観たい作品が増えていく。知りたいことが増えていく…(そして気付けばまた夜更かしをしている)

    0
    2023年03月15日

    Posted by ブクログ

    大げさにではなく、いままで抱いていた戦後のイメージが180度変わった。
    通り一遍の韓国の歴史の本も読んでいたけれど、韓国と日本とでは、経験してきた歴史やそこから見える景色がこんなに違うのかと愕然とした。
    この先、ドラマを見たりアイドルが兵役に行ったりするたびに、きっと本書の内容を思い出すと思う。

    0
    2022年11月11日

韓国文学の中心にあるもの の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

斎藤真理子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す